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早稲田大学を卒業後、テレビ朝日に入社し、約30年に渡ってテレビ番組の制作に携わってきた鎮目博道さん。45歳の時にはサイバーエージェントと組んだインターネットテレビ局「AbemaTV」の立ち上げにも関わりました。しかし2019年、50歳を機にテレビ局を退社し、フリーライターに転身しました。 ライターとしての経験は皆無。妻と大学生の息子がいるのに、年収が激減するのは確実でした。なぜ鎮目さんは、給料も知名度も高い、人がうらやむ日本有数のマスコミ企業を辞め、よりにもよって“不安定”と“貧乏”のイメージが強いフリーライターという道を選んだのでしょうか。その真意に迫りました。 【インタビュー後編】50歳でテレビ局を辞めた「フリーライター」どうやって稼いでいるか? 30年の時を経て、本当にやりたいことを ──テレ朝ってなかなか入れない超人気企業で、給料もめちゃくちゃ高いし、福利厚生も充実してるじゃないで
つい先日のこと。用事があって新宿のとあるショッピング・ビルを歩いていたら、椅子に腰かけた人が身体を折り曲げ、どうやら寝ているのが見えた。少し近づくと、その人はジャンパーに木綿のパンツ、スニーカーを履いている。キャップを被り、リュックを抱えていたが、そのどれもが汚れていた。 ああ、たぶん、そうだ。この人は路上に暮らす人だ。夜、休むことができず、ショッピング・ビルの目立たないところで昼間そっと寝ているのだと理解した。 こんなとき、どうしたらいいのか? コロッケパンとお茶を買って、差し出した 私は以前、「夜回り」に参加したことがある。 ※東京の夜の街を歩きながらパンを配る…ホームレス支援の「夜回り」を体験してみた 東京の夜の街を歩きながら、路上に暮らす人に声を掛け、美味しいパンと「路上脱出・生活SOSガイド」という冊子を渡す。 そのときは何もできなかったけれど、あれから少しずつ学んできた。路上に
『完全自殺マニュアル』や『0円で生きる』の著者として知られるライターの鶴見済(つるみ・わたる)さんは近年、生きづらさを感じる人たちのための集会「不適応者の居場所」を都内で定期的に開催しています。また、2012年からは不要になった物を無料で放出する「0円ショップ」を仲間たちと運営してきました。 1993年出版の『完全自殺マニュアル』(太田出版)で自殺の方法を紹介し、日常と向き合う「心構え」を持とうと提唱した鶴見さん。以後も『脱資本主義宣言』『0円で生きる』(ともに新潮社)など、社会からはみ出そうになっている人たちに、手を差し伸べようと執筆を続けてきました。 そんな鶴見さんは、今を生きる人たちがどのような「生きづらさ」を抱えているとみているのでしょうか。またその背景に、どのような問題があると考えているのでしょうか。話を聞きました。 「降りた」あと何もなくて孤立してしまう ーー鶴見さんは、今の人
東京大学の駒場キャンパス(東京都目黒区)にあった「駒場寮」。2001年に取り壊されたその寮を撮った写真集の再制作にあたって、当時写真を撮らせてくれた元寮生たちに話を聞いている。 ※写真集制作の経緯については、第1回の記事をご覧いただきたい。 今回は卒業後に毎日新聞の記者になった酒造唯(しゅぞう・ゆい)さんを訪ね、インタビューした。 今回は、「駒場寮での生活は、現在の仕事にかなり影響を及ぼしている」という酒造さんの近況を、酒造さんがかつて暮らした部屋の写真を交えながら紹介したい。 いまは科学記者「お上の言うことに唯々諾々と従えなかった」 ――いまはどんな仕事をしているんですか。 酒造:毎日新聞社で科学記者をしてます(2019年7月時点)。原発の取材が長いですね。大学での専攻とは直接は関係ないんですが、新聞社に入って2つめの任地が、中国電力の島根原発がある島根県だったんです。原発があれば地域が
「炎上弁護士」の異名を持つ唐澤貴洋さん(41)。ネットで誹謗中傷を受けていた依頼人のために掲示板の書き込みの削除請求をしたことがきっかけで、激しい誹謗中傷にさらされる身となりました。それだけでなく、個人情報の流出や殺害予告、なりすましによる爆破予告といった攻撃を受け、命の危険まで感じるようになります。 そんな唐澤さんは、ネット炎上を引き起こしている加害者は「孤独な人」だと指摘します。一方で「孤独と向き合うことは重要で、子どもにコミュニケーションの危険性を教えるべき」とも語ります。いったい、どういうことなのでしょうか。じっくり話を聞きました。 「友達ゼロ人」だった孤独な青春時代 ――唐澤さんは私立の中高一貫校に進んだものの、「このままでいいのか?」と疑問を感じて、高校1年の秋に学校を中退したということですが、高校を辞めると友人が誰もいなくなったそうですね。 唐澤:友達ゼロ人です。そうなると、
1時間2000円の「レンタル彼氏」と1万円の「レンタル彼氏」を呼んで、比較してみました みなさま、はじめまして。作家の内藤みかと申します。 私はひとり身です。16年前に離婚して以来、恋人と呼べる存在がいないまま、ひとりで生きてきてしまいました。 正確に言えば、シングルマザーで、子どもが2人いるので、完全にひとりというわけではないのですが。もうずっとひとり寝の日々が続いているので、気分はおひとりさまです。 そんなひとり寝のベテランの私が経験したひとり遊びを、今回から紹介していこうと思います。 しょっぱなは、なんと、「レンタル彼氏」のお話です。 時給の異なる「レンタル彼氏」を比べてみると・・・ あまりにも長い間、ひとり身が続くと、男の人とどう過ごしたらいいのかわからなくなってしまいそうなので、私は自分にあるノルマを課しています。それは、月に1度は男の人とお茶する、ということ。そんなノルマでもな
生き方上手な人に比べて「自分は圧倒的に劣っている」。お笑いコンビ・オードリーの若林正恭さんは、自ら執筆した著書のなかでそう述べています。もともと人見知りだという若林さんは社会生活にうまくなじめず、「他の人と自分が何か違うような気がする」という疑問を抱き続けてきたといいます。 しかし、2018年9月に40歳をなる若林さんは、そんな自分を受け入れられるようになってきたのだとか。現在の心境をまとめた単行本『ナナメの夕暮れ』(文藝春秋刊・8月30日発売)を出版する若林さんに、話を聞くことができました。若林さんはエッセーに綴った2015年からの3年間を「青年とおっさんの狭間」だったと記しています。 ーー単行本に収録されたエッセーを書いたこの3年間は、若林さんにとってどんな時間でしたか? 若林:非常に中途半端な時期でしたね。MC(司会)をやり始めたのが2015年なんですけど、進行していても、ゲストの視
「ニートでも幸せに生きることはできる」。お金がなくても無理なく、楽しく暮らすための生き方と考え方をつづった『ニートの歩き方』(技術評論社)。2012年に発売され、いまなお多くの人に読まれている本です。著者の生き方に共感した読者からは、「ホッとした」「安心した」などの感想が寄せられ、ニートのバイブルになっています。 この本を書いたのは、ブロガーのpha(ファ)さん(39)。西の名門・京都大学を卒業後、大阪で大学職員になりますが、3年で退職。その後10年以上、定職には就かず、シェアハウスの運営や書籍の執筆などをして暮らしてきました。そんなphaさんの生き方に共感する人が多いのはなぜなのか。その実像に迫ります。 自由気ままに暮らすことの魅力 phaさんの朝は早いです。毎日7時に起きて朝ご飯を食べます。しかし、9時ごろに二度寝して、また昼ごろに起きるという生活を続けています。 「いまは特にやりたい
DANROは「ひとりを楽しむ」をコンセプトにしたウェブマガジンです。 2018年5月、朝日新聞社の社内プロジェクトとして創刊しました。ひとりで暮らしている人やひとりの時間が多い人、ひとりを楽しみたい人に向けて、個性的なオーサーたちのコラムやインタビュー記事、ひとりのときにオススメの飲食店や娯楽を紹介してきました。 「ひとり」のポジティブな面に目を向けたい 「ひとりを楽しむ」をコンセプトにしたのは、単身生活者が年々増え、ひとりで暮らしたり、ひとりで働いたりすることが珍しくなくなっているにもかかわらず、「ひとりでいること」「ひとりで行動すること」に対してどこかネガティブなイメージがつきまとっていたからです。 しかし、ひとりで自分自身と向き合って時間を過ごすからこそ得られる貴重な体験や発見があるはず。人生を豊かにする「ひとりのポジティブな側面」にもっと目を向けてほしい。 そんな思いで、DANRO
「客引きは100%ぼったくりです」。そんな物々しい看板が立つ東京・新宿の歌舞伎町。ここで開催されているクラブイベント「Soi48」。DJブースに“彼ら”が立つと、フロアの空気が変わります。やがてスピーカーから、どこの国のものともわからない不思議な音楽が大音量で流れてきました。 実は日本の民謡なのですが、注意深く聞かないとそれが日本語であることすらわかりません。“彼ら”の名は「俚謡山脈(りようさんみゃく)」。民謡でフロアを湧かす「民謡DJ」のユニットです。 「俚謡山脈」は民謡を専門とするDJとして、おそらく日本で唯一の存在です。彼らの民謡に対する思い入れは深く、背景や歴史を探るうちに「ジジィババァの声は最高だな!」という境地に達したのだとか。そんな「俚謡山脈」の佐藤雄彦さん(42)と斉藤匠さん(38)に、なぜいま民謡なのか、どうして民謡をクラブでかけようと思ったのか、聞いてみました。 建築関
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