サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
Wikipedia
jp.gamesindustry.biz
MicrosoftがTango Gameworksを閉鎖した今,ほかの国々で見られる多くのレイオフやトレンドから,日本が守られてきた(無縁というわけではない)理由を見てみよう 画像クレジット:Tango Gameworksの「Ghostwire: Tokyo」 6月14日,Tango Gameworksの従業員はピザパーティーを開いた。この日はスタジオの最終日。「Ghostwire: Tokyo」や,受賞作「Hi-Fi RUSH」などを手掛けたスタジオの閉鎖というMicrosoftの決断は,ゲーム業界の多くの人を驚かせた。 「Hi-Fi RUSH」は,より多くのプラットフォームにタイトルを提供するというMicrosoftの新たな取り組みの一環として,ほんの数週間前に初めてXbox以外のプラットフォームでリリースされたゲームだ。同社は数十年にわたって日本ゲーム市場への参入に苦労しており,Xb
今月はコンシューマゲーム市場について述べたい。コンシューマゲーム業界の状況が悪化しているのは,Sony Interactive Entertainment(以下,SIE)とMicrosoftがゲームビジネスの本質を理解してないからだと筆者は考えている。 その根拠は,ゲーム機が売れる要因について因果性を考慮せずに,思い込み(バイアス)だけで経営しているように見えるためである。 今回もゲーム業界に蔓延している思い込みについて話したい。 その思い込みとは以下の3点である。 (1)ゲーム機は性能が高ければ売れる (2)ゲーム機は独占ソフトがあれば売れる (3)ゲーム機は安ければ売れる これらは当たり前に,ゲーム業界の常識として語られてきたが,(1)と(2)については,多くの人が懐疑的になっている。そのことも含めて話していこう。 まず,「性能が高ければ売れる」について,Switchが世界を席巻してい
【月間総括】因果関係で捉えられていないゲーム機が売れる理由と,パルワールドに見る新規IPで大成功することの難しさ 今月はまず年末年始商戦について見ていきたい。 Switchの2023年10月から2024年1月第1週までの日本における売上推移は,概ね前年同期比30%強の減少であった。国内は前回書いた予想通りの展開だったと言えるだろう。Switchはさすがにユーザーにマンネリ感が出ていると考えているので,8年目が目前であり次への展開は避けられないところだと思う(1月26日にブルームバーグと日経新聞で,任天堂が2024年に次世代機を発売するとの報道が相次いだ)。 経営目標がほとんど開示されないソニーグループと違い,任天堂の戦略目標はシンプルで,任天堂IPに接触する人口を増やすとなっている。 接触人口を増やすには, (1)露出を増やす (2)ゲーム機の普及台数を増やす の2つがある。 (2)はSw
組織心理学者のGraham McAllister氏は,ゲームビジョンの整合性を維持することの重要さを指摘する 9月のGamesIndustry.biz HR Summitでは,組織心理学者のGraham McAllister氏が「Game vision alignment: Its role in team effectiveness」と題した講演を行い,スタジオが制作するゲームの明確なビジョンを維持することで,どのようにゲームを向上させられるかを探った。 McAllister氏は,ユーザー調査とプレイテストのスタジオ,Player Researchを2012年に設立したが,2019年にそこを離れた。その後,開発期間におけるチームの関係性を保つことに特化したスタジオ,TeamSyncを立ち上げた。 オーディエンスにスタジオの成功率を高める3つのことは何かと尋ねたあと,McAllister氏
No Brake GamesのSitara Shefta氏が,チームをサポートし,チームからサポートされる最善の方法についてアドバイスをくれた 大いなる力には,大いなる責任が伴う。これはスパイダーマンのベンおじさんの哲学であるだけではなく,今年初めにNo Brakes Gamesのスタジオ責任者Sitara Shefta氏が,Develop Brightonで行った講演のテーマでもあった。 「ヒューマン フォール フラット」の開発リーダーである彼女は,26人のチームとリトアニアの姉妹スタジオを率いた5年間の経験をもとに,有能な管理職になるための重要な優先事項と,最善の方法について語った。 「私が思うに,最悪なことのひとつは,ひらめきを楽しむことができない,あるいはイノベーションが制限されている場所で働くことです」とShefta氏は言う。「そのような職場は,人々が活躍する機会を与えてくれない
今月は予告していた任天堂の決算について触れていきたい。 任天堂の第1四半期は,過去最高の決算となった。「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の販売(着荷)本数が1851万本と大ヒットしたことと,映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の興行収入が13億4900万ドル(7月26日時点)の大ヒットとなり,同社の収益に寄与した(額は非開示)。 最高益更新を予想はしていたが,それをはるかに上回る水準だった。 メカニズムは分からないが,この映画がゲームソフトやハード販売を広範囲に持ち上げる効果を産み出したことは,特筆すべきことだろう。 任天堂は,「Nintendo Switch(有機ELモデル) ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダムエディションの販売は良かった」としているので,新モデルの投入も寄与したと言えるだろう。 Switchは累計販売(着荷)台数が1.3億台近くにな
Unityは,ゲームがインストールされるたびに開発者に課金するという新たなポリシーを変更することを約束した。しかし,この変更の詳細はまだ発表されていない。 同社はX(旧Twitter)で投稿した謝罪文の中で,開発者からの継続的な反発を改めて認めた。開発者はインストール料金が金銭的な負担になることに懸念を表明しており,彼らがゲームエンジンを使い始めた際に交わした合意を,Unityが遡及的に変更したという事実もある。 「私たちは皆様の声を聞いています」と同社は書いた。「火曜日に発表したランタイム料金のポリシーが混乱を招き,ご心配をおかけしたことをお詫びします」 「私たちは,チームメンバー,コミュニティ,顧客,パートナーに耳を傾け,話し合い,ポリシーを変更する予定です。数日中に最新情報をお知らせします」 「率直で批判的なご意見に感謝します」 Unityは先週,2024年1月1日以降,ゲームが一定
ゲームエンジン提供会社は,体験版やチャリティーバンドルは対象外であり,インストール料金を請求される開発者は全体の10%に過ぎないと見積もっている 概要 Unityによると,別のデバイスにゲームをインストールしないなら,料金が必要となるのは最初のインストールのみ 体験版はほとんど免除され,開発者はそれがチャリティ用のゲームならUnityに通知できる インストール料金は配給会社に適用されるため,サブスクリプションサービスにゲームを持つ開発者は対象とならない Unityは,昨日(現地時間9月12日)の発表が開発者の怒りを買ったことを受け,ゲームのインストールごとに開発者に課金する計画の詳細を発表した。 2024年1月1日から,同社はUnity PersonalまたはPlusを使用している開発者に対し,ゲームの年間収益が20万ドル,かつ累計インストール数が20万回を超えると,インストールごとに最大
【月間総括】残念な結果のFF16が引き起こすスクエニの組織改革と,PS5で年間2500万台を目指すSIEの目標 今月は決算について述べていきたい。 先月の連載ではソニーと任天堂の話をメインに据えていたが,スクウェア・エニックスやファイナルファンタジー(FF)に対する関心の高さをうかがい知れたと感じているので,まずはスクウェア・エニックスについて話そうと思う。 先般開催された決算説明会では,(1)FF16は想定内の上限か下限かであれば,もうひと伸び欲しかった,(2)FF16がもうひと伸び足りなかった背景にはPS5の普及率の低さがあり,普及率に合わせた施策を打つ,(3)開発費は全額計上したので今後は利益になる,などが語られた。 会社側としては,FF16は相当に頑張ったもののPS5の普及率が壁になり,今一つだったということだろうと東洋証券としては認識している。 そのうえで,第1四半期決算に関して
【月間総括】Microsoftとの妥協に追い込まれたライアンCEOと,リスタート発言に反省の色を見せる古川社長 今月は最初に,MicrosoftのActivision Blizzard買収に関わるFTCの件について述べたい。日本時間で7月12日にFTC(Federal Trade Commission)の仮処分申請は却下され,その後FTCは控訴したものの,すべて棄却された。この結果,イギリスのCMA(Competition & Markets Authority)を除き,買収の障害はなくなった。 アメリカで最大のタイトルと言えるCall of Duty(以下,CoD)を買収されると,ソニーグループが不利になるという見方が資本市場では優勢のようである。 だが,東洋証券ではそのようには見ていない。ゲーム業界はすでに非常に大きな産業になっており,そもそもCoD1本で左右されるような環境ではなくな
ESAのエグゼクティブディレクターが語る,ショウの未来。「我々は業界のマーケティングのためのプラットフォームを提供することに引き続きコミットします」 [免責事項: GamesIndustry.bizはE3と提携しており,親会社のReedPopが今年のイベントを主催していた] ESAとReedPopは,E3 2023がキャンセルされたことを発表した。 このビデオゲームエキスポは,6月13日から6月16日までロサンゼルスコンベンションセンターで開催される予定だった。現在は,デジタルでも物理でも,まったく開催されないことになった。 2022年には開催されなかったが,ESAはReedPop(GamesIndustry.bizの親会社)と提携して,2023年の新しいバージョンのショウに取り組むことを発表していた。しかし,任天堂,ソニー,Microsoftといった大手企業は,このイベントをサポートしよ
Changingdayの創業者であるNick Lang氏とAlison Lang氏に,自閉症のプレイヤーを想定して作られたVRタイトル「Blinnk and the Vacuum of Space」の制作について話を聞いた ゲーム業界がアクセシビリティの必要性を徐々に認識するようになる一方で,ニューロダイバーシティに配慮する取り組みは限られている。 以前,GamesIndustry.biz Academyの一環として,自閉症を含むニューロダイバーシティを職場で理解しサポートすること(関連英文記事),アクセシビリティはロケット科学ではないこと(関連英文記事)を取り上げた。 本稿では,これら2つのトピックのギャップを埋めるため,ゲーム内でニューロダイバーシティに配慮する方法,より正確には,自閉症スペクトラムのプレイヤーにとってゲームをより利用しやすくする方法についての指針を提供する。 これは,
インディーズゲーム開発における予期せぬ金銭的課題と,新規スタジオとして今後のゲーム開発を計画する方法について,専門家が解説する。 初めてゲーム開発サイクルに着手しようとする人は,ゲーム開発でどのような種類の費用がかかるのかについて誤解しがちだ。 そして,他のキャリアからの転向であれ大学を出縦の新卒者であれ,追加費用につながる予期せぬ課題がたくさんあることには気づいていないかもしれない。 インディーズパブリッシャFinjiのCEOであるRebekah Saltsman氏は,「基本的に,デベロッパは『コンピュータ用のゲームを作る』以外のことは考えていません」と微笑む。 ゲーム開発における隠れたコストの多くは,計画の甘さだけでなく,「要求される可能性のあるすべての事柄をまったく理解していない」ことから生じるのだと,氏は続ける。 「Adam(Saltsman氏,Finjiの共同創設者)は,ゲーム開
今月は,まずStadiaの話をしたい。 2019年3月にGoogleが同サービスを発表した際には,非常に多くのメディアからコメントを求められた。 そのときの質問を要約すると「ITの巨人がこんなサービスを始めたら,ソニーも任天堂も大きく苦戦するのではないでしょうか?」という内容であった。それに対して筆者は,以前の連載でも述べたように,遅延,ハードウェアレスなど大きな問題があると回答したが,記者達の反応は筆者の回答に懐疑的であった。 特に当時メディア側から「5G携帯電話網整備で遅延が極めて小さくなるので普及するのではないか」と多数の指摘があったが,現行,日本で通信事業者が行っている5Gサービスは,基地局と端末だけが5G化されており,大部分の基地局は低遅延,他接続を実現するスタンドアローンモードに対応していない。つまり,サービス開始から3年たっても,メディアが前提としているような低遅延の環境に遠
ironSourceとの取引を控え,CEOのJohn Riccitiello氏がUnityの未来や損失の歴史,レイオフに続いた自社株買いについて語る 多くの人々はまだUnityを単なるゲームエンジンメーカーだと考えている。これは技術的には正しい説明だが,同社のビジネスに対して偏った印象を与えてしまう危険性がある。 ゲーム制作に必要な基本ツールを含むUnityのCreate Solutions部門は,エンゲージメント,マネタイズ,ユーザー獲得に重点を置くOperate Solutions部門よりも,実は会社の中で小さい割合だ。そして,それは以前からそうだった。 このことは,ゲームをビジネスよりもアートとして考えたい開発者に不安を与え,その不安はUnityがアプリ収益化プラットフォームironSourceと合併する計画を発表し(関連英文記事),CEOのJohn Riccitiello氏が収益化
8月23日から25日まで開催された日本最大のゲーム開発者会議「CEDEC 2022」では,数多くのゲーム関連セッションが行われたが,ここではTiDB Cloud関連のセッションについて紹介する。講演タイトルは「ゲーム業界で採用されているMySQL互換フルマネージメントサービスのNewSQLデータベース『TiDB Cloud』」で,登壇者はPingCAP シニアソリューションアーキテクトの水戸部章生氏だ。 TiDBは「タイデービー」と読む。Tiはチタニウムの意らしいのだが,英語だと「タイテイニアム」みたいに読まれるので「タイ」の読みとなる。イメージキャラクターは鯛だそうだ。 そのTiDB Cloudは何かと言うと,PingCAPが開発した「MySQL互換のフルマネージドなクラウドデータベース」である。 MySQLは,いまや最もポピュラーなデータベース(以下DB)ソフトなのであまり説明はいらな
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『GamesIndustry.biz Japan Edition』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く