新型コロナウイルスに感染すると、ウイルスの量が少なくても、においを感知する鼻の奥の組織「嗅上皮(きゅうじょうひ)」がはがれ落ちることを動物実験で確かめたと、東京大などの研究チームが米国化学会の専門誌で発表した。嗅覚障害の病態解明や治療法開発などにつながる成果として期待される。 インフルエンザなどのウイルスに感染し、嗅上皮に炎症が起こると、嗅上皮の表皮が一度はがれ落ちて薄くなり、一定期間経過すると正常な厚さに戻る。重症の場合は元に戻らないこともある。 チームは、ヒトと同じように新型コロナに感染するハムスター計40匹を使って実験。人為的に鼻から感染させると、ウイルスがごく少量でも感染3日後までに嗅上皮の表皮がはがれ落ちて薄くなり、嗅覚障害が起きるような状態になった。感染21日後には大部分は正常に戻ったが、元の厚さに戻らない部分もあったという。
今月1日に日本学術会議から「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」という報告書が発表された。日本学術会議は我が国の人文・社会科学から理学・工学までの全分野の代表者からなる、いわば「学者の国会」。政府に対する政策提言から世論啓発までを役割としている。 報告書が対象としている東京電力福島第1原発事故については、既に多くの論文や調査結果などが蓄積されている。国連科学委員会の報告でも、放射能由来の公衆の健康リスクについて「今後もがんが自然発生率と識別可能なレベルで増加することは考えられない」と結論が出ている。 学術会議の報告でも、被ばく量はチェルノブイリ原発事故よりはるかに小さいという評価が改めて示されているが、特に不安の多い子どもへの影響に焦点を絞っている点が重要だ。「福島第1原発事故による胎児への影響はない」としており「上記のような実証的結果を得て、科学的には決着がついたと認識されている」と
憲法9条をどう扱うかは戦後日本が抱えた大問題だ。昨年、政府が進めた安保法制をめぐる解釈改憲論争もその延長線上にある。9条を将来どうしていけばいいのか。発展的な議論とは何か。リベラリズムの立場から護憲派憲法学者を批判している法哲学の重鎮、井上達夫氏と、集団的自衛権行使容認反対の立場で活発な発言を続けている気鋭の憲法学者、木村草太氏が討論した。【聞き手・冠木雅夫、まとめ・及川正也、写真・中村藍】 この記事は有料記事です。 残り5892文字(全文6090文字)
経団連フォーラム終了後、「民主導の経済成長を実現する」と強調する米倉弘昌・経団連会長=長野県軽井沢町で2011年7月22日、宮崎泰宏撮影 長野県軽井沢町で開かれていた経団連の夏季フォーラムは22日、特区創設など東日本大震災からの復興策に加え、日本経済の再生に向けて電力確保や経済連携推進などを求める提言「アピール2011」をとりまとめて閉幕した。震災対応や経済連携策などで立ち遅れが目立つ政府には頼らず、民間主導での経済成長を目指すことで一致。今秋にも、エネルギー政策や経済連携の推進を盛り込んだ民間版の成長戦略を策定することも表明した。【宮崎泰宏】 米倉弘昌会長は閉幕後の記者会見で「政府の姿勢や考え方が停滞しており、復興の取り組みが遅いので民間でどんどん進めないといけない。政府には危機感と緊迫感を持ってほしい」と注文した。 この日のエネルギー政策についての意見交換では、菅直人首相が表明した「脱
【ベルリン篠田航一】福島第1原発の事故を受けドイツは国内17基の原発のうち7基を暫定的に停止したため、近隣国から電力を輸入する状況になっている。メルケル首相は6月に、原発全廃までの期間などを示す改正原子力法を成立させる構えだが、早期の原発撤退には与党内からも疑問の声が上がっており、「脱原発」先進国の電力事情も先行きは不透明だ。 3月の事故後、ドイツは80年以前から稼働する古い原発7基を暫定的に3カ月停止することを決めた。フランクフルター・アルゲマイネ紙によると、3月前半まで、1時間に平均3500メガワットを外国に輸出していたが、3月17日に7基を停止して以降、逆に平均2500メガワットをフランスやチェコから輸入する事態になった。 連邦ネットワーク庁のクルト長官は、輸入電力が原発で生産されたものかについては「電気は見ただけでは、(原発で作られたものかどうか)分からない」と明言を避けたが、フラ
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