会社が大荒れ。上層部が行った臨時昇給がその原因。一般的にポジティブなイメージのある昇給イベントで地獄になるのはめずらしいことである。説明しよう。当社は特に現場において人材不足状況が問題になっている。会社上層部は、人材流出阻止のため「ギリギリの経営判断で現場の皆様の昇給を決定いたしました」と社内メッセージを送り、現場社員を対象に臨時昇給を突如実施した。典型的なトップダウンである。 ところが昇給額が一律月2000円。しょぼすぎ。それを知った現場社員から「ギリギリに切り詰めて2000円なのか?」「2000円しょぼすぎないか?」「バカにされている気がする」など、絶望感が強まり、流出ムードが加速してしまった。最悪の結果だ。 僕ら部長クラスは、このトップダウン決定を事後に知らされた。事前に知っていたら、現場の反応と絶望を正確に予測できたし、昇給額が2000円ということもなかったし、最低でも「ギリギリの
僕はフミコフミオ。食品会社の営業部長だ。中小企業なので新規開発営業だけでなく、既存のクライアントとの交渉も一部、任されている。僕と同じフミオという名前を持つ首相が、春闘の集中回答日に大手企業の「満額回答」「満額を超える回答」といった良い感じの回答が相次いでいることを受け、中小企業の賃上げの流れを期待したい、という内容のコメントを出しているのをニュース番組で見た。僕は大手の満額回答も、首相のコメントも、冷凍倉庫にいるような冷めた気持ちで受け止めていた。確かに、中小企業からの製造コストや労務コスト増大を転嫁した価格アップ要請を不当に排除することは禁止されており、悪質な企業は公表されることになっている。僕のXのポストにもそういうレスがついている。 ウチの会社からの値上げ要請を受け付けなかった大企業様が満額回答で賃上げしている様子を冷めた目で見ている。世の中小企業なんてこんなものではないかな。 —
今から40年前、小学生の頃、プロ野球中継といえば巨人戦だった。それゆえ巨人ファンが圧倒的に多かった。関西ではその地位は阪神だったのだろう。僕はヤクルトスワローズとロッテオリオンズのファンだった。ヤクルトはショートの水谷、ロッテは村田と袴田のバッテリーが好きだった。神宮と川崎に連れていかれて試合を見たのがファンになったきっかけだ。ヤクルトのファンという永久に続く苦行の道へ突き落としてくれた父には感謝している。動いている水谷や袴田の映像を見るのは極めて稀だったと記憶している。夜のスポーツ番組のプロ野球コーナーの時間にはすでに寝ていたし、そもそもヤクルトやロッテが取り上げられてもごくごく短い時間だったからだ。朝刊のスポーツ欄の昨夜の試合結果を見て、水谷の貧打ぶりを確認して溜息をつき、彼の堅実な守備を頭の中で動く姿を想像して埋め合わせしたものだ。 80年代のヤクルトは暗黒期真っ只中でめちゃくちゃ弱
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