共同通信社が十九、二十両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、十九日に成立した安全保障関連法について「国会での審議が尽くされたとは思わない」との回答は79・0%、「尽くされたと思う」は14・1%だった。安保法に対する安倍政権の姿勢に関し「十分に説明しているとは思わない」は81・6%、「十分に説明していると思う」は13・0%で、政府対応や採決強行への根強い不満が浮き彫りになった。内閣支持率は第二次安倍政権発足後二番目に低い38・9%で八月の前回調査から4・3ポイント下落、不支持率は50・2%となった。
安全保障関連法案は言うまでもなく違憲だ。憲法9条は武力の行使を永久に放棄しているが、外国から武力攻撃を受けた場合、かろうじて個別的自衛権の行使が認められると解釈されている。安倍内閣が「合憲」の根拠とする砂川判決も、1972年の政府見解(72年見解)も、集団的自衛権の行使を前提にしたものではまったくない。 本来、安全保障関連法案は、憲法96条に従って国民投票を行い、集団的自衛権の行使を認める内容の憲法改正を行ったうえで成立させるべきものだ。9条を改正せずに法案を成立させるのは、国会だけで事実上の憲法改正を行い、国民の憲法改正権を奪い取ることにほかならない。 与党が選んだ首相が内閣を組織する以上、与党は首相や内閣の決定を国会で実現することになるが、それらの決定が仮に憲法違反なら、政策的に妥当かどうかとは全く違う次元から判断しなくてはならない。与党議員だからといって、「内閣が決めたから合憲だ」と
安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会は、参考人質疑を行い、「信頼できる同盟国があるからこそ抑止力が高まるのが世界の常識だ」として、法案に賛成する意見が出された一方、「憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を許容するのは、内閣が閣議決定でなしうる範ちゅうを超え無効だ」として、反対する意見が出されました。 野党が推薦した元内閣法制局長官の大森政輔氏は「集団的自衛権の行使は、憲法9条の下で許容できる余地はないのに、憲法解釈の変更と称して許容し、各種の施策を講じることは、内閣が閣議決定でなしうる範ちゅうを超え無効と解すべきだ。『最高裁判所は、合憲と判断している』と国民を誤って導くに至ったのは、内閣法制局が是正しなかったことに発端があり、後輩や現役の人たちはもう一度考えてもらいたい」と述べました。 与党が推薦した慶応大学総合政策学部准教授の神保謙氏は「先日の軍事パレードでも示された中国の軍
自民党の谷垣禎一幹事長は4日の記者会見で、山口繁・元最高裁長官が朝日新聞のインタビューで安全保障関連法案を「違憲」と指摘したことについて、「(最高裁)長官を経験した方が少数意見を書くこともある」と述べ、山口氏の個人的な認識だとの見解を示した。 山口氏は政府が集団的自衛権の行使容認の根拠としている… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。
「正直なところ、公明党にはがっかりしている。平和の党を名乗っていた同党は、今や戦争の党に成り下がってしまった…」 先月、来日したヨハン・ガルトゥング博士は、自民党と共に安保法制の成立を目指す公明党を厳しく批判した。 ノルウェー出身のガルトゥング博士は、1957年からこれまでに100以上の国家間、宗教間紛争を調停した経験を持ち、オスロ国際平和研究所など多くの平和研究機関設立に貢献、紛争解決の手法としてトランセンド理論(超越法)を発案し、1987年にもう一つのノーベル賞と言われる「ライト・ライブリフッド賞」を受賞するなど、平和学の世界的な権威。これまでに発表した平和に関する文献は共著を含み1600以上、著書は160を数え、「平和学の父」として名高い。 ガルトゥング博士は先月、各地での講演やメディアの取材で、安保法制について「世界でもっとも好戦的な国である米国と日本が共に戦争を行うことは、日本を
「憲法の番人」のトップを務めた山口繁・元最高裁長官が朝日新聞のインタビューに応じ、集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案を「違憲」と指摘し、安倍政権による憲法解釈の変更や立法の正当性に疑問を投げかけた。主な一問一答は次の通り。 ――安全保障関連法案についてどう考えますか。 少なくとも集団的自衛権の行使を認める立法は、違憲と言わねばならない。我が国は集団的自衛権を有しているが行使はせず、専守防衛に徹する。これが憲法9条の解釈です。その解釈に基づき、60余年間、様々な立法や予算編成がなされてきたし、その解釈をとる政権与党が選挙の洗礼を受け、国民の支持を得てきた。この事実は非常に重い。 長年の慣習が人々の行動規範になり、それに反したら制裁を受けるという法的確信を持つようになると、これは慣習法になる。それと同じように、憲法9条についての従来の政府解釈は単なる解釈ではなく、規範へと昇格しているの
自民党内でいわゆる「60日ルール」を使い、戦争法案成立を強行する動きが浮上しました。 「60日ルール」とは、衆院が可決し参院に送られた法案を60日以内に採決しなければ「否決」したとみなし、衆院で再議決(憲法59条4項)するものです。自民党幹部の一人は「参院がこれ以上もたもたするなら、法案を取り上げ衆院でやるしかない」と述べます。 7月28日に参院安保法制特別委員会で審議入りした戦争法案の総審議は8月28日時点で63時間です。衆院段階の総審議時間の116時間に比べ、6割にも達していません。 参院自民党は、「60日ルール」の適用が可能となる9月14日の週に法案の強行成立を狙っています。それまでに衆院並みの審議時間を確保し、衆院で行った2回の参考人質疑、地方・中央の公聴会を開くとすれば、相当な強行日程となります。参院での法案成立を確実には見通せない状況に直面し、安倍政権と自民党執行部には深刻な焦
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く