ブックマーク / xtech.nikkei.com (2)
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本当に想定外の展開だな。何の話かというと、あまりに突然に人月商売のIT業界の崩壊シナリオが描けるようになったことだ。この﹁極言暴論﹂の古くからの読者ならよくご存じの通り、私は﹁人月商売のIT業界死滅論﹂を何度も掲げ、そのたびに赤っ恥をかいてきた。極めて精巧なロジックで論を展開したのだが、世の中は理屈通りには動かないということを強く認識させられた。ただ今回は違う。その根拠は言わずと知れたChatGPT、生成AI︵人工知能︶の登場である。 改めて言うのも何だが、人月商売のIT業界の親玉であるSIerは、奇妙きてれつなビジネスモデルでお金を稼いでいる。外資系ITベンダーのように独自のプロダクトで勝負するのではなく、客のシステムをつくってあげる商売であるのは、とりあえずよしとしよう。おかしいのは、システム化提案など最も付加価値の高い領域で一切お金を取らず、付加価値のかけらも感じさせない﹁人月いくら
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﹁ExcelとRPAを止めれば生産性が上がる、ご冗談でしょう﹂ 知り合いのエンジニアが拙文を読み、むっとしてしまい、メールを送ってきた。8月9日付本欄に、ExcelとRPAについて﹁いずれもシステムとは言い難い。ここでシステムとは、ある程度広範囲の部門にまたがる仕組みとそれを支える情報提供を指し、特定の人に頼らず、ほぼ自動で処理できるものとする﹂と書いた。この﹁Excelよりシステム﹂という主張が彼を刺激したらしい。 ﹁システムの導入で効率が上がったなんて話は聞いたことが無い。CRM︵カスタマーリレーションシップマネジメント︶システムで顧客を管理でき、営業効率が上がったなんて話も聞いたことが無い﹂ 相当な剣幕である。なぜCRMが突然出てくるのか。彼の勤務先がCRMを更新したが、とても使いにくいシステムになってしまい、仕事に支障を来たしているという。 なぜ使いにくいのか。彼がいる現場のこと
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