この記事の3つのポイント 欧州議会選挙で中道右派が首位を確保した 環境保護重視の緑の党は議席を大きく減らした 保守および極右勢力が影響力を伸ばす 欧州議会選挙では保守中道会派が首位を占めた。同時に、極右会派が躍進し、緑の党の会派が大敗した。背景には欧州連合(EU)が進める脱炭素化最優先の政策への市民の批判がある。 6月6~9日に投票が行われた今回の欧州議会選挙は、欧州における保守化・右傾化の強まりとリベラリズムの退潮をはっきり示した。欧州議会の発表によると、6月10日午後4時(ブリュッセル時間)の時点で、欧州人民党(EPP)が186議席を獲得し首位に立った。同会派はドイツのキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)など中道保守政党が形成する。2019年の前回選挙に比べて10議席増やし、全議席(720議席)の26%を確保した。EPPのマンフレート・ウェーバー 代表(CSU)は「我々は極右政党