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yalebooks.yale.edu 16世紀初頭のイングランドでは、800ほどの修道院が国の1/4の土地を所有するという現象がおきていて、1530年代の後半に、宗教改革で修道院が解散させられ、その跡地が国王や新しいエリートに所有されるようになったことは、初期近代のイギリスにおける大きな変化であった。修道院は中世に大学が形成される前に、昔からのテキストを保存し写本していた重要な哲学や医学の伝統を持つ組織であるが、大学の形成から何が起きたのか私にはよく分かっていなかったので、イングランドの解散に関する新しい研究書を読んでみた。非常に面白い本である。一つ重要な点は、その環境が常にペストの危機と直面していたことである。 1530年代のイングランドで修道院を解散させることは最初は議会の命令ではじまったが、それが実際に行われる過程は、修道院がある地域における、ローカルな政治、経済、人々の反乱、労働市
www.bbc.co.uk BBCの in Out Time で プラトンのアトランティスについて論じていて、その政治的な内容や技術史的な内容が非常に面白かった。プラトン全集の第十二巻で、ティマイオスは種山恭子が、クリティアスは田之頭安彦が翻訳している。もともとソクラテスを含めて4人の人物が対話するという形式で、その最初の人物の名称がティマイオス、次の人物がクリティアスという名称である。アテネとギリシアの文脈で、どの政治家に特定されるかということも具体的に分かっているとのこと。 ティマイオスは比較的短い言及で、24e-25d に書かれている。私も含めて、多くの皆さんがここは読んだことがあると思う。面白いのはクリティアスで、113+ と表記されている10ページを超す長大な部分が、アトランティスを論じている。その内容は、神との関係、政治論、土木論、運河論、農業論、通商・運輸論、そしてそれらとつ
アメリカの独立記念日にシカゴの近郊の街でパレードが行われていた折に、銃撃で6人が死亡したとのこと。どう表現していいのか分からないが、亡くなられた方のご冥福をお祈りします。 エコノミストはこの記事を載せていて、当然のように統計も使っていて、もちろん、この40年間、かなりのスピードで増加していることが示されている。 ふと感じたことを一つだけ。Covid-19 がアメリカで流行した時期には、銃撃大量死が減少する傾向があるのかもしれない。 www.economist.com
エコノミストから世界で住みやすい都市の報告。この数年間にわたって連勝しているウィーンがさらに連勝を伸ばしたとのこと。あとはコペンハーゲン、チューリヒ、ジュネーヴなどの良い印象を持っている都市。日本では大阪と東京が10位前後の高い位置である。東京で仕事をして、週末に静岡に帰ったり、逆に実佳が週末に東京に来たりする生活も満足している。今週末は国立博物館に琉球展を観にいきます。 www.economist.com
www.smithsonianmag.com www.nature.com 黒死病と呼ばれる第二のペストの巨大な波。いつヨーロッパに広まったのかという問いに対しては、1347年にクリミア半島の港町カッファにおける籠城戦から、ジェノヴァの商船が感染して、シチリアなどの港町に感染したと言われている。もちろんその前はどうだったのかだろうという疑問があり、私は答えられなかった。 Smythonian Magazine の今日の記事、そしてそのもとである Nature の記事で、かなりの前進があった。1347年よりも10年近く前に、現在のキルギス共和国の北部 (northern Kyrgyzstan) の村で死亡した患者の歯の骨のDNA検査をしたところ、ペストにかかったことが明らかにされた。年代は1338年と1339年、場所はシキク・クルという内陸湖の周辺にある村 Burana などである。それらの
A few weeks ago, Mika and I had a walk around our Nishikata apartment. It was a bright Sunday morning, and people starting to get up slowly for a cup of coffee. We went to the Sendagi area and visited Nezu Shrine by chance. There we found the place of the burial of the placenta of one of the Shoguns of Tokugawa. The placenta has had a long, intriguing, complicated and ethically ambivalent history
I have written a small piece about me and my books at UTokyo BiblioPlaza. It is about my education in Tokyo and London, as well as my English books, such as Madness at Home and Reforming Public Health in Occupied Japan. www.u-tokyo.ac.jp www.ucpress.edu www.routledge.com
Weird Historyという、言葉の普通の意味での変態系のサイトがあって、新しい記事が来るとお知らせを送ってくる。あまり面白くないけれども、今日の記事は不思議な変態系の記事だったので書いておく。 アメリカにはバービー人形という女の子向けの人形があり、現在でも売っている。日本にはそれを真似した日本風のリカちゃんという人形がある。私の世代の女性にはかなりよく売れたらしい。 ところがアメリカのバービー人形にも原型があるとのこと。それはリリと呼ばれる、同じようなプラスティック人形だが、もともとはドイツの大人の新聞『ビルト』に掲載されていたキャラクターであるとのこと。大人の新聞に対応して、リリは高級娼婦という設定で、そのありさまが掲載され、そこで大人の男性に人気が出たとのこと。それを人形にして大人の男性がジョークで買うものとして街角の店で売り出したとのこと。アメリカのおもちゃ会社の社長がジュネー
Kayo Takuma-sensei, who teaches international politics at Tokyo Metropolitan University, has translated Peter J. Hotez' Preventing the Next Pandemic (2021). The book analyses the new complicated health situations in international politics and health. Now you can read the book in Japanese translation by an excellent scholar Takuma-sensei! 詫摩佳代先生が、Peter J. Hotez' Preventing the Next Pandemic (2021)を
Our World in Data で、結婚と離婚の国際統計のサイトに出会いました。いえ、特に深い意味は全くないのですが(笑) 色々と考える統計です。日本の結婚と離婚の統計は、また奇妙な性格を持っています。どうぞご覧ください。 ourworldindata.org
エコノミストの記事で、アメリカのNYで動物からの臓器移植が成功したとのこと。これはまだ実験であり、その素材は脳死者であるとのこと。特別な遺伝子操作をしたブタから腎臓を取り、それを脳死者の体内で三日間保つことができたとのこと。この流れの一つの原因は、多数の患者が臓器移植を望んでいること、障害を持つ小さな子供を持つ親たちがいることなど。この超先端医療が持つ、複雑で深い議論を分析する論文も読んでみました。一番面白かったのは、最後の部分で、こうやって作られた特殊なブタは何だろうかという問いでした。 Is the pig as a whole a medical device or a medicinal product? Or is the pig merely an incubator for the organ transplant?” www.economist.com www.nature
アメリカのジョージア州の州都であるアトランタから南東に100マイル離れた場所にかつて存在した巨大な州立の精神病院への観光業を取材した記事である。ミルジヴィル (Milledgeville) という古い町の郊外にできた州立病院。膨大な敷地に作られた精神病院で、全盛期には12,000の病床があった。1960年代から急激に縮小して、現在ではごくわずかの患者しかいない。 ほぼ廃墟である精神病院は逆の観光に用いられている。その中で私に一番印象に残ったのは、膨大な「墓」である。患者の名前はなく、番号が記されているだけの細い板が、無言で延々と建てられている。番号から誰の板かわかるからだろうが、星条旗が添えられたものもあった。 BBCの映像もなかなかいい。ただ、最初はセイシェルの観光産業がわりと長い広告をしていて、これは廃墟病院の観光とは話が違いますね(笑) www.bbc.com
しばらく前からネット上の英語サイトで話題になっている日本人のDNAについての記事。歴史的に古い人骨を分析して、これまでの二つのタイプに比べて三つのタイプのDNAのグループがあるとわかったとのこと。これまでは縄文型、弥生型の二つで説明できていたが、新たに古墳型があることがわかったとのこと。もともと日本列島にいた人々、朝鮮半島から移住した人々、そして中国から移住した人々であるとのこと。これまでのさまざまな事実から、そうではないかと思われていた理論を支える大きな証拠であるとのこと。本を楽しみにしていますが、ともあれ、おめでとうございます。 DNAを分類するという、私ができない議論なので、偉い先生たちにお伺いしたい問題ですが、有名な結核の問題は、このDNAの三つの型の問題と関係するのですか? 結核の死亡と罹患は、東北地方・関東地方では少なく、関西地方・九州地方では高いという事実があります。私には一
www.bbc.com BBCからのニュース。パリの科学技術の一つの拠点であるパリ・デカルト大学でのスキャンダル。状況が私にはよくわかっていないが、寄附されたはずの数百の死体から、数十もの死体が放棄され、部屋に積み重ねられ、眼を開けて、腐敗していたとのこと。 解剖学と死体の利用。大きなメリットがあり、それが医学の維持と前進にとって必須のものであることは承知しています。しかし、それを誰か関係者ではない人物がチェックしていく方向がないと、スキャンダルになる力も働いています。この主題の論文を書くこともあり、日本のこの部分がどうなっているのか、調べてみますね。
春を告げる温かい日々が続いています。皆様は、色々な希望と共に新年度を始めていらっしゃると思います. 私は、この4月より、東京大学・人文社会学系大学院の死生学・応用倫理センターで教鞭をとることになりました。生命倫理学が核となって、医学史という新しい学問が、人文系の学問はもちろん、医学部や看護学部をはじめとして、社会科学、薬学、理工、農学などの学問と実務と結びつける大きな転換期にいることを実感しています。 これまでは、慶應義塾大学で、24年間にわたって教えました。その中で、多くの方々にお世話になりました。三田の経済学部と日吉の教員の皆さま、学部と大学院の学生諸君、慶應の事務や図書館の皆さまから多くのことを学び、インスピレーションを得てきました。また、日本や外国の多くの大学の皆さまからも、多くを学びました。皆様に、心の底からお礼を申し上げます。 東京大学では、私たちが敬愛する研究者で、死生学と科
ipbes.net IPBES と略される国際環境科学団体から Covid-19 などのパンデミーと変化した生態系に関するコンパクトで重要なメッセージ。この記事の他に、全体的なメッセージもあります。ぜひご覧ください。
2008年に出版されたジョージ・マカーリ先生の Revolution in Mind: The Creation of Psychoanalysis (2008)という研究。原著は、フロイトと西欧と北米の 文化と社会と個人の主体性に関する最も重要な著作で、2008年に出版され、嵐のような受賞がありました。それを遠藤不比人先生が的確に翻訳し、みすず書房から刊行しました。原著は600ページを超す名著で大著、翻訳は800ページに迫る傑作です。原著に数多くの学術賞が与えられましたが、遠藤先生の名訳にも何らかの翻訳賞が与えられると素晴らしいと思います。 遠藤先生の名訳。おめでとうございます!
www.yokohamatriennale.jp 昨日は横浜のヨコハマトリエンナーレに行って、主に飯山由貴さんの展示を拝見に行った。作品は、精神医療に関するものが多く、妹さんを主人公にしたドキュメンタリー、精神医療の症例誌を読むと何が分かるのかというビデオなどがとても良かった。もう一つ、新しい方向であるが、在日朝鮮人の生活を色々な手法で再現した作品も面白かった。 それ以外にも、面白い作品がたくさんあった。飯山さんもそのような方向だが、環境に関する作品が多かった。covid-19 に関する色鮮やかな作品や、アメリカで広大な土地に捨てられている放射線物質に関連する廃棄物の航空写真のビデオなど、とても面白かった。
www.economist.com エコノミストの記事より。現在の段階では パンデミックを引き起こしているコロナウィルスであるSARS-Covid-2にとても似ているものはコウモリの身体にあること。その特定の種類のコウモリは中国本土というよりも東南アジアに数多く住んでいるとのこと。WHOが近々大規模な調査を始めるとのこと。楽しみにしています。とりあえず、コウモリの本を買っておきました(笑)
www.theguardian.com アメリカの歴史雑誌の History のメールで1918年のスペイン風邪に対するキャンペーン。カリフォルニアではマスクキャンペーンなどがあったのですね。
www.economist.com エコノミストからもうひとつ非常に面白いデータ。covid-19 のインパクトを国際比較したという記事である。いくつかの大切なポイントがあり、一番重要なのは、死者数に集中していることである。具体的には、必ず記録される死者数と、その中でcovid-19 によるとされた死者数の両者を較べてみるという手法である。これが最も重要な手法だと思う。いくつかの国家では第一波のピークが過ぎている、ある国ではこれから第一波ということがはっきりとわかる。面白い問題は、一般死者数とcovid-19 における死者数のズレである。ヨーロッパではだいたい一致しているし、スウェーデンやドイツやデンマークなどの福祉のお手本の国家ではきちんと一致している。一方、中南米ではズレが非常に激しい。 スウェーデンやドイツの一致したデータ 中南米諸国のズレたデータ 日本のニュースでは、この問題をめぐ
www.lrb.co.uk もう一つLRBから。イランのテヘランに住む女性の記事。トロントで勉強する従兄弟の学生が飛行機の事故で死亡し、テヘランからトロントに行き、家族のお見舞いや後の処理などをした。その間にパンデミーのために、カナダはイランとの通行をサスペンドし、街全体にロックダウンをかける。彼女はトロントで孤独な一か月を過ごし、5月になってようやくヨーロッパなどを回ってテヘランに帰る。空港やさまざまな場所で40時間かかったという。その間の深い孤独と無秩序と旅人への公衆衛生。とても面白いです。
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