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都知事選
news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu
新型コロナの第8波は、2万人を超える過去最多死亡者数を記録する波となりました。コロナ病棟では、たくさんの高齢者が亡くなりました。「5類感染症」への移行に際して、医療提供体制の議論は避けられません。 第8波は大変な波だった新型コロナのウイルス性肺炎の重症度が高く、呼吸不全の患者さんが次々入院して医療逼迫したのは第4波・第5波でした。しかし、第7波・第8波は高齢者施設クラスターが頻発し、高齢患者さんが雪崩のようにコロナ病棟に押し寄せました。 一人ひとりのウイルス性肺炎は問題になりませんでしたが、基礎疾患や二次的な誤嚥性肺炎・細菌性肺炎が被害を大きくしました。最前線にいる救急隊員や看護師にとって、体感としての医療逼迫は第8波が過去最悪だったかもしれません。 第8波の累計死亡者数は、第7波のそれを大きく上回り、現在2万人を超えています(図1)。入院によって体力が落ち衰弱後に亡くなったり、寝たきりに
新型コロナ第8波の累計死亡者数が1万5,000人を超え、第7波の累計死亡者数を超えました。第8波はまだ波の途中にあり、さらに死亡者数が増えることは確実です。皆さんが思っているより新型コロナの死亡者数はもっと多いのかもしれません。 すでに第7波の累計死亡者数を超える新型コロナ第8波の入院・死亡のほとんどは高齢者で占められています。 高齢者施設クラスターからの入院が多く、第7波よりもさらに平均年齢が高いことから、亡くなる患者さんが多いです。 第8波の累計死亡者数は1万5,000人を超え、過去最多の死亡者を出した第7波の累計死亡者数を超えています(図1)。まだ波の途中であることから、今後さらに死亡者数が増えることが予想されます。 図1. 新型コロナの波ごとの死亡者数(1月12日時点)(筆者作成) 感染症の中期的死亡新型コロナに限った話ではありませんが、感染症というのは、急性期だけでなく、こういっ
現在新型コロナ第8波が到来していますが、過去最多の死亡者数を記録しています。日本の新型コロナ死亡者数のほとんどは、実はオミクロン株によるものです。「ただの風邪」「インフルエンザと同等」と言われながら、なぜ死亡者数が最も多くなってしまったのでしょうか。 オミクロン株で4万人以上が死亡オミクロン株が日本に上陸して猛威を振るい始めたのは、2022年1月の第6波からです。当初「重症度が低くただの風邪レベル」と油断していた人が多かった変異ウイルスです。 蓋を開けてみると、これまでの国内の新型コロナ感染者数・死亡者数のほとんどがオミクロン株によって占められることになり、この1年間で約4万人の命が失われました(図1)。 図1. 新型コロナの波ごとの死亡者数(2023年1月7日時点)(筆者作成) 新型コロナの重症化率や致死率がインフルエンザレベルまで下がったのに、なぜこのような事態になるのでしょうか。 感
東京消防庁によると2022年の救急車出動件数は、過去最多を記録したそうです。現在、新型コロナ第8波が到来しており、救急搬送困難例が多く、年末年始も救急医療は逼迫していました。私も重症の患者さんを搬送するために救急車に乗ることがあるのですが、サイレンを鳴らしているのになかなか避けてくれない車があり、ヤキモキします。 避けてくれない理由は?救急車がサイレンを鳴らして近づいているのに、時折、なかなか避けてくれない車がいます。脇に寄ってくれないどころか、交差点に突っ込んでくるトラックさえ目にします。事故にならなくてよかったと、救急隊員の運転技術に感心します。 「もしかして自動車の運転手は、救急車のサイレンが聞こえていないのではないか」と思った専門家が、実験で検証しました(1)。 なるほど、意図的に避けてくれないわけではなく、実はあの大きなサイレン音でさえ気づいていない人が一定数いるかもしれないとい
第8波の新規感染者数がふたたび20万人を超えてきました。全国的に病床使用率が増加しています。さて、一言でコロナ肺炎といっても、現在はコロナ禍初期のウイルス性肺炎とは別物なのです。これについて解説します。 コロナ病棟は高齢者が過去最多アルファ株やデルタ株のときは、酸素吸入が必要になる重症例が多かったとはいえ、若年~中高年の患者さんが主体でしたから、トイレや食事など基本的な身の回りのことをできる人が多かったです。 しかし、第8波の新型コロナ入院は、高齢者比率が過去最多となっており、たとえば東京都では全体の過半数を80歳以上が占めます(図1)。 図1. 東京都の新型コロナ入院患者の年代別割合(参考資料1より引用) 食事介助、オムツ交換、体位変換など、看護度が高い高齢者のケアにかなり人手がとられてしまい、本来30人受け入れられるはずの病床が20人入院しただけで機能停止に陥ってしまう現象も起こってい
新型コロナなどの感染症の予防には、気道の水分量を一定に保つことが重要です。加湿器によって室内の湿度をコントロールすることで、感染予防効果がありますが、どのくらいの湿度が新型コロナの感染予防に効果的でしょうか? 気道の水分量が重要ウイルス感染症や細菌感染症の予防には、気道の水分量が必要です。 気管や気管支で水分量が不足していると、線毛(せんもう)というホウキの役割をする防御機構が機能不全を起こし、ウイルスや細菌が気道に停滞してしまいます(図1)。 図1. 気道の線毛の役割(筆者作成) 相対湿度と新型コロナの死亡者数一般的には40~60%くらいの相対湿度が最適とされていますが、実際のところどうなのでしょうか? 実は、インフルエンザウイルスは、相対湿度が40%を超えるとウイルスの活性化率が急速に低下することが知られています(1)(図2)。おそらく、同じRNAウイルスである新型コロナウイルスも類似
引っ越しをして4月から新生活が始まる人も多いと思います。さて、転居に伴う新型コロナワクチンの接種券に関していくつか注意が必要です。新しい住所でワクチン接種を受けようと思っている方、手元にあるその接種券は使えないかもしれません。 接種券は原則発行した自治体でしか使えない現在、多くの人に3回目の接種券が届いていると思いますが、4月から居住する自治体が異動する人は注意が必要です。 手元にある3回目の接種券を引っ越し先で使おうと考えている人も多いかもしれません。しかし、転居前の自治体が発行した接種券を持参しても、接種会場で「この接種券は使えません」と言われる可能性があります。特に飛び込みで集団接種会場に行く場合、注意してください。 理由は、接種券は住民登録がある自治体でしか使用できないためです。同じ市町村内での引っ越しであれば、転居前の接種券はそのまま使用できます。 自治体が異なる接種券は使えない
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