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都知事選
shinimai.hatenablog.com
彼の音楽を聞いたきっかけはもう覚えていないが、新型コロナ最中の夏の夜にこのEPを何度も聞いていた。 milkoi.bandcamp.com おそらく権利関係か、ジャケットは当時と違っている。当時はアイスを食べている少女の絵が描かれていた。 Milkoiについて知っている情報はかなり少ない。彼は韓国のトラックメーカー/プロデューサーであり、アジア圏のいくつかのアーティストとコラボをして、主にEDMやFuture Bassのトラックをネット上でリリースしていた。ポップで聞き馴染みの良いメロディーでありながら、意外性のある楽器のセレクトが面白い。ときおり歪んだギターやノイズなどを混ぜたミックスは、ネット上の(Kawaii)Future Bass系のアーティストの中でもどこか純粋無垢とした魅力を持っていた。ボーカルものの多くは日本語の歌詞であるが、どうも韓国の歌い手を使っているようだ。 milko
この違いは経験論から知っている人は多いとは思うが、特に日本では誤解しやすい文脈があるので、わざわざ説明する価値はある。おおよそクリエイティブな仕事に関わっている人(広い意味ではすべてのビジネスはクリエイティブだ)は意識したほうが良いロールだと思われる。 結論から書くと、プロデューサーとはあるプロジェクトのビジネス面での責任者であり、ディレクターとはクリエイティブ面での責任者である。 これ自体は非常にシンプルな話であるが、そもそもプロジェクトのビジネス面とクリエイティブ面を明確に分離するのは難しいため、いまいちわからない人も多いだろう。例えば、キャスティングは映画においてビジネスとクリエイティブ両方に関わるが、予算的制約とマーケティング的な意味合いが強いため、最終的にはプロデューサーの権限が強くでる。 このような根本的な議論とは別に、プロデューサーとディレクターの違いをわかりにくくするいくつ
また『Cytus II』の話をしよう。このゲームが完結するまでは延々と推していくわけだから。 今回は本作の音楽を使った物語演出の妙を紹介しよう。主役となるのはNEKO#ΦωΦ(NEKO)とPAFF(Aroma)だ。メインストーリーでも重要なこの2人は本作では2つのシナリオを軸として扱われ、NEKOは新米コンポーザー時代、NEKO#ΦωΦはストリーマー時代、Aromaは歌姫デビュー時代、PAFFは歌姫として人気絶頂期のシナリオが展開する。そしてこの二人のそれぞれのシナリオはほぼ同一の時間軸で発生している。 今回紹介するのはNEKO#ΦωΦに収録されている『Sunday Night Blues』という曲を使ったとても効果的な演出だ。本楽曲は「療養中と言われている人気歌手PAFFの目撃情報?MONOが秘かに新曲発表?」といった設定の「Marvelous Mix vol.1」というソングパックに収
最近、早川書房から出たテッド・チャンの短編集『息吹』をちょくちょくと読んでいるのだが、その中に収録されている「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」という中編小説の中に出てくるエピソードが『Cytus II』に影響を与えているのではないかと思ったので簡単に紹介しておこう。 『Cytus II』に関しては私がしつこく絶賛して、各所で布教活動しているので、改めて詳しく紹介しないが、SFのストーリーを楽しみながらプレイするリズムゲームである。これだけだとなんか良くわからないと思われるかもしれないが、かなり素晴らしいできのゲームであり、世界観もキャラクターもストーリーもリズムゲームも圧倒的な出来である。詳しい紹介はこちらにまかせる。 さてテッド・チャンの「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」は、ディジエントと呼ばれる学習型ペットAIの誕生とそのブームの収束を描いた作品で、AIに対する
成長要素がSRPGに折り合いが悪かった場合、このジャンルはなにを目指せばいいだろうか。やはり固有のユニットがもつキャラクター性は捨てがたい。さらに言えば、通常のRPGに比べて多くのキャラクターを登場させることが容易だ。この点はもっと注目されるべきだろう。 実際、ファイアーエンブレムにしても通常のRPGを凌駕するキャラクター数が使用可能なユニットとして登場する。スパロボ系はむしろどのキャラクター(ロボ)が登場するかによって人気がかわるくらいであり、まさにキャラクターのラインナップこそすべてのような風采を帯びる。 キャラを豊富に描けれる。これはこれで1つのメリットだ。だが代償として、個々のキャラクターの掘り下げは甘くなる。30人を超すユニットの過去がカットシーンで流れるファイアーエンブレムは悪夢だろう(昨今のファイアーエンブレムはそうでなくとも悪夢だが)。 その代わり、特定の誰かの視点によらず
世の中にはその辺の普通の人が作った芸術(あえてそう呼ぼう)を楽しめる人とそうでもない人がいる。たぶん大多数の人はアーティストや芸術家や作家や有名ブロガーやユーチューバーの作ったものしか楽しめないのかもしれないが、私は友人や家族やその辺の名もない人の作ったものを意外と楽しめる。これ自体はまあ良いとか悪いとかじゃないけど、もうちょっとみんなにもそういった「ありふれた表現、日常的な創作」を楽しめるようになってほしいと思っている。 ただやはりそういったものを楽しむにはいくつかの障壁がある。まずクオリティ。まあクオリティといっても実際にはいろいろだけど、一般にそういった「ありふれた表現」は往々にして商品や作品として流通するものに比べて、何かしらの「質の悪さ」がある。音質が最悪だったり、歌詞がいい加減だったり、カット割りがおかしかったり、線がクリナップされていない。ただこういった部分はある程度の作り込
ずっと知ってた名盤だけど安かったから買った。 Ascension Glenn Branca 別に2012年だからじゃないんだからねっ!っていう感じのコルトレーンの悪名高いアルバムと同名のこれ。 グレン・ブランカはノーウェーブ時代のNYにいた実験音楽作家だが基本的にロックといって問題ない。普通のロックと違うところはギターが多い。ドラムとベースがひとりずつでギターが四人。しかも、こいつら基本的にまったく同じフレーズをユニゾンで演奏する。結果として倍音が強調されて爆音で聞くといろんな音がして楽しい。爆音専用だ。 ギタリストとして参加しているソニックユースのリー・ラナルドがライナーノーツを書いていて、NYの当時のシーンなどについて知れて楽しい。ちなみにレコーディングはなんとNYのパワーステーションだ。ただしリーが曰く、このアルバムは当時風のロック・レコーディング流でオンマイクにしすぎているため、ア
アニメ版の『シュタインズ・ゲート ゼロ』が始まった。ゲームの方はやってないが、Steam版がこの後出るらしいので、それを待つまでアニメを見ようと思う。大体、中盤からゲームやって、アニメと同時にfinishするのがいいのかもしれない。 それにしてもだな。それにしてもこの『ゼロ』の設定が素晴らしいと思うんだ。細かいところはこっちの記事でも読んで欲しい。なかなかうまくまとまっている。 TVアニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』放送開始直前!ゲーム版シュタゲゼロの紹介と、アニメ版シュタゲゼロの見どころ ポイントはというと……岡部倫太郎と出会っていない牧瀬紅莉栖がAIとなって登場するというところ。これは有り体に言えば、記憶喪失になった恋人とのラブロマンスっていうかなりベタな話。だけどAIっていう設定になるだけで、非常にSFとしても興味深いし、ベタさをうまく隠している。相手は知らないけど、自分はものすご
前回、冒頭のイントロダクションを翻訳したところ、結構な数のアクセスがあったから、個別アーティストの紹介も翻訳しようと思う。と思って、やったところ結構なボリュームがあり、なかなかこのライターさん良く聴き込んで日本の音楽シーンも深くしっており、時間がかかりました。とりあえずはKawaiiシーンで一番重要な最初の3アーティスト、Snail's House、Yunomi、YUC'eの方を訳したので以下で公開します。 元記事はこちら daily.bandcamp.com Snail’s House ショパンやスライ&ザ・ファミリー・ストーンが別け隔てなく流れるような音楽一家で育った氏家は、家をよく空ける父親から様々な楽器を譲り受けたそうだ。「だけど、僕はそれらを演奏することはなかった」と彼は言う。「2011年、上原ひろみを聞くまでは、自身の音楽を作ることを試さなかったんだ。」彼は自由時間に音楽室を利
kawaiiってなんだ!って思うかたもいますが、ここ数年日本のインターネット界隈では定着したジャンル?なんだけど、Bandcampが特集してくれたよ。UjicoやYunomiのインタビューをしているみたいで、思った以上、本格的な特集だった。 daily.bandcamp.com はてなブックマークでも結構話題になったから以下、冒頭部をサッと訳してみた。意味は取れていると思うが、サッとだからアテにしないように。いろいろと興味深い引用や発言があって、面白かったよ。 「かわいい(kawaii)」ほど広く解釈される日本語の概念はないだろう。この言葉はしばしば――概ね“cute”として翻訳されるが、より専門的には「子供っぽい」もしくは露骨に見下した愛らしさを意味する――アニメから洋服まで様々な日本文化の輸出においてつきまとってきた。2020年の東京オリンピックのマスコットが最近公開されたのを見てみる
バンコクに旅行してきたのだが、すごく美味しくて安いイサーン料理の食堂でかかっていた音楽に惹かれた。それは歌謡曲のような節回しでいて、ラップのようなフレーズがあり、なぜかバックバンドはスカのような不思議な音楽だった。たまにシンセのフレーズが入ったりするのも面白い。Twitterで適当に聞いてみたところ、すぐに「ルクトゥーンかモーラムではないか」と指摘が入った。 前提としてルクトゥーンというのはタイの歌謡曲に当たる音楽ジャンルにようで、要するに戦後のロック・ポップスに影響うけたタイ国産音楽のようだ。対してモーラムはタイの東北地方(イサーン)の伝統音楽だが、その後、ルクトゥーンからの影響をうけて独自に進化していったようだ。 上の動画がおそらく伝統的なモーラム。ケーンと呼ばれる笛と打楽器で比較的アップテンポの音楽だ。どうも伝統的なモーラム自体にラップのようなフレーズが入っているらしく、たしかに歌も
音楽は基本的に全部Bandcampで聞いているわけですが……あえてわざとらしいタイトルを付けてみた。まあそれくらいBandcampはオススメなんですよ。ところでSpotifyが今年は日本で本格的に入ってきたんですが、どうなんでしょうかね?俺は最初に遊びで使ってみてニール・ヤングを検索したら『Trans』がオススメされて、これはねーなって思いました。もちろん、過去の洋楽はなんでもある感じで便利は便利だけど、新しい出会いはほぼない。なのでまだ一回も金出してないです。 で、Bandcampなんですが、相変わらず個人的には最強のプラットフォームとしかいいようないです。いろいろアップデートはあったけど、日本語対応が大きかった。結果として日本のアーティストは本当に増えた。トレンドとしては日本勢、ネット勢によるVaporwaveやFuture Funkが本当に人気。Vaporwaveに関しては退屈なもの
今年のインディーゲームシーンで自分が何事かに関われたかといえば、やっぱり『 VA-11 Hall-A』になるんだろう。もちろん、他にも良い作品、気にいった作品はあったけど、長年(まあ2、3年)推してきたタイトルがようやくパブリッシャーが決まり、コンシューマ機でリリースされるってことはなかなかダイナミックな出来事だった。Playismさんは時間がかかったけど、よく頑張ってくれたと思うし、そもそもパブリッシュどうなの、コラボバーとかやらないのとかまあ無茶苦茶の要望出してたの応えてくれたのはありがとうとしか言いようはない。コラボバーで全く知らない人がこのタイトルについて話したり、秋葉原の電飾にすとり~みんぐチャンが出て来るのはすごく不思議な出来事だ。 ちなみに最初のVA-11 Hall-Aに関するツイートはこれだ。 “VA-11 HALL-A: Cyberpunk Bartender Actio
たまたまSNSとかで回ってきたWIREDのこの記事を読んでみたが…… wired.jp 正直、内容なさすぎて馬鹿なんじゃないかと思った。だって別にこれまでのリンク以外で具体的にゲームと戦争がどう関わるか何にも言ってないのだし。 まあこの記事のクズっぷりは置いといて、巷にあるゲームと戦争ネタについてちょっとコメントしておく。正直なところゲーマーとしてはこのような話題を聞き飽きたし、実際にゲームが軍事教育を含む様々なところで利用されていることは知っている。だけどそれは端的にテコの原理が様々なところで利用されているのを知っているのと大差はない。 問題はゲームというテクノロジーが人間の普遍的な技術であるにもかかわらず、ことさら戦争に関わることを強調するイデオロギーだ。確かにビデオゲームは軍事技術と関連が深いコンピュータによって生まれた。確かにアメリカ陸軍はリクルーティングのためにFPSを作った。で
今年はBack in 1995のお手伝いという形で参加しました。いつもと違って出展者側の気持ちがわかって面白かったね。とりあえず、床柔らかくしよう......。E3ほどまでいかなくてもいいけど、みやこめっせ硬いよ! 以下は極私的な感想。ただの日記みたいなもんだ。 BitSummitはフジロックだ、よくも悪くも...... 何より運営がやばい。こっちは出展者側だが2日目前くらいまでステージイベント等の情報も公開されなかった(笑)。メディア側もこれじゃ取材のスケジュール組めないよ!! でもすごい。お客さんは別に何があるのかよくわからなくてもとりあえず来る。まさにフジロックが目指した「アーティストを見に来るのではなく、俺のイベントに来い!」状態だ。これができるならば、もうむしろ何も発表しない方向でいいんじゃないか。とりあえずBitSummit来たら今の日本のインディーがわかる!みたいな。 という
もうだいぶ前になるが、お台場の「Game On」に行ってきた。ああいった展覧会ができるのは本当に素晴らしいと思うけど、会場は展覧会というより無料のゲーセンという雰囲気だった。ただゲーセンより殺伐した空間じゃなくて、来場者が一緒に空間を楽しむような雰囲気になっていた感じがして、展覧会としてはどうかなと思ったけど、これはこれで楽しい。個人的にはアメリカでいったBarcadeみたいなのに近いと思う。なんとなく、格ゲーで知らない人と対戦したりするのはなかなか楽しい。ああいった空気を持つところはもっと増えて欲しいと思う。 中でも一番、楽しかったのは『The Beatles: Rock Band』のプレイ。これはギター、ベース、ドラム、ボーカルで演奏する音ゲーRock Bandのビートルズ版なんだけど、なんとなく集まった客が「俺はギター」、「私はドラム」って感じで楽器を持ち、「ツイスト・アンド・シャウ
サイバーパンクバーテンダーゲーム『VA-11 Hall-A』リリースおめでとう。このゲームはプロローグ版から応援してたし、TGSでも見に行った(そしたらなんと自分が大好きなゲームの開発者がパブリッシャーになってたからおどろいた)。我々にとってのこのゲームの魅力はやはり日本カルチャー再解釈だろうと思う。ビジュアル、キャラクター、音楽、あらゆる点で日本的モチーフが見出される。 中でも今回はその音楽について調べてみた。ビデオゲームによって再解釈された音楽ジャンルSynthwaveである。 Synthwaveっていうジャンル自体はなんとなく知っている人はいるだろう。なんかあの80年代的なアレで、ゲーマー的にはHotline Miamiのサウンドトラック(及びが一番わかりやすいだろう。 ちなみにBandcampではその派生ジャンルのVaporwaveが異常に人気で、『VA-11 Hall-A』のサウ
「一面番長」という言葉がある。ケイブが出したスマートフォンのSTGのタイトルにもなったんだけど、今日はそれはとりあえず置いておこう。(『怒首領蜂最大往生』の世界観でYGWシューってのはみんな驚いてたね。ある人が「怒首領蜂なのに怒首領蜂らしくない」って言ってて面白かった。YGWシューだからしょうがない。) 今回は別にSTGの話をするわけではない。いつもSTGの話はしている。今回は『Downwell』について極私的なポイントから話したいのだ。 日本が誇るインディークリエイターとして華々しくデビューしたもっぴん氏が作る本作。期待を裏切らない素晴らしいアイデアを素晴らしいデザインでまとめた本当に傑作だった。正直、「微妙なできだったらどうしよう」とか思っていた。デビュー前から過剰に褒めるのはやめようと思っていたんだけど、完全な杞憂。すまんかった、もっぴん、結婚しようよとさえ思うような出来だったのであ
芸術も技術もその語源においては同一であるということは、美学の授業で最初に習うことだ。ともあれ、我々が発明と呼んでいることと創作と呼んでいることの違いは、その形而上学的本質はどうであれ、日常的なレベルで十分に理解可能だ。 蓄音機はエジソンによって発明された。アビーロードはビートルズによって創作された。ラルフベアはオデッセイを発明したし、ハワード・スコット・ウォーショウはETを創作した。グーテンベルクは活版印刷を発明し、シェークスピアは四大悲劇を創作した。これらの区別には何も問題がないように思える。 発明は発明であれど、十分に創造的で創作行為である、と言われれば同意しよう。確かに手と道具を動かしていれば、発明ができるわけではなく、それは高度に知的で感性的な活動だろう。むしろ発明の方がより創造的とみなす人がいても不思議ではあるまい。それに比べて芸術家のやることは出来合いの技術の上で与えられたもの
2010年代に入って、私の音楽はほぼBandcamp一色であったと言って良い。ことあることにこのサービスの素晴らしさを主張してきたので、ここでは端的に説明しよう。 Bandcampはもともとインディー系のアーティストを支援するための音楽プラットフォームだ。アーティストは自由にページを作成して、音源をアップして、即座に販売が行える。プラットフォーム手数料は10~15%という超低価格。通常、この手のプラットフォームは3割持ってくのが当たり前と考えると、これがどれくらいアーティストに優しいプラットフォームか理解いただけるだろう。(Bandcampについてはここで日本語で詳しく説明している。) ちなみにデジタルだけではなく、アナログ盤、カセットテープ、グッズも売れる。モバイルアプリからはライブラリがストリーミングで聞ける。こういったユーザーの利便性からいってもほぼ最強のプラットフォームといえるだろ
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