ブックマーク / gendai.media (16)
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古代ギリシャの原子論から、コペルニクスの地動説、ガリレオの望遠鏡、ニュートン力学、ファラデーの力線、アインシュタインの相対性理論まで、この世界のしくみを解き明かす大発見はどのように生まれてきたのか? 親子の対話形式でわかりやすく科学の歴史を描き出した新刊﹃父が子に語る科学の話﹄。本連載では、26万部を超えるベストセラー﹃独学大全﹄の著者・読書猿さんによる解説をお届けする。 なぜ科学には﹁冷たい﹂イメージがあるのか? ﹁科学﹂と聞いて、思い浮かぶイメージは何だろうか? 白衣を纏い、無機質な実験室で黙々と研究に励む科学者の姿? 黒板を埋め尽くす数式や難解な専門用語? あるいは世界を変えるような画期的な発明の数々? 今日、科学を﹁役立たず﹂だと謗る人は多くない。﹁理解できない﹂と拒絶するのもはばかられる。科学はとても役に立っている。日常生活の隅々までいきわたり、我々の生活を支えている。 けれども
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小林製薬の紅麹サプリメント事件。原因が本当に紅麹なのかがわからない中で、マスコミ報道が過熱、紅麹という言葉だけが広まり、まったく関係のない麹味噌などの不買まで起きてしまった。 実際の犯人が判明するにはまだ時間はかかりそうだが、これを機会に、発酵=健康という単純な風潮も見直されると良いかと思う。﹁発酵生活﹂と呼び合い、非常にラフに自宅で発酵食品を作るし人が増えているからだ。自宅で作る発酵食品は、今まで大事故が起きていないのが不思議なくらい、管理が雑だ。 紅麹に罪はない 小林製薬の紅麹サプリメントが腎臓病を悪化させたという話が、なかなか収束しない。紅麹自体に問題はなく、小林製薬社製の紅麹原料を入手している企業173社に対して、厚生労働省が聞き取り調査を行い、過去に健康被害が起きた例は皆無であることが判明した。 紅麹は昔から味噌や醤油、酒などに広く使われてきた。健康被害があるのであれば、とっくに
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ファッション、自己表現としてタトゥーを入れたフリーランスモデルの宮内チカさん︵仮名・27歳︶。誰もが羨むルックスとスタイルを持ち、彼氏は慶大卒の商社マン。幸せな日々を過ごし、結婚も秒読みかと思われたが、思わぬ悲劇に見舞われることになった。 ︵この記事は後編記事です。前編はこちら。︶ 彼はタトゥーを﹁可愛い﹂と褒めていた ﹁彼に告白された時、正直に﹃私、タトゥー入ってるけど大丈夫?﹄と聞きました。すると、彼は﹃俺は偏見ないよ。むしろ、オシャレでいいじゃん﹄と言い、安心しました。その後、直接、タトゥーを見せた時も﹃可愛い﹄と何度も褒めてくれました﹂ 順調に愛を育み、交際期間は1年半になった。そのタイミングでお互いに結婚を意識するようになった。まずは宮内さんが自分の母親に紹介した。その後、彼の故郷である福岡県へ行くことになった。最初はただの旅行の予定だったが、彼は﹁結婚を前提に付き合っている女性
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夏休みも残り1週間ほどになった。子どもにとっては﹁もう﹂だが、1日3食を用意しなければならない親からすれば﹁まだ﹂だ。一方でせっかく時間があるのだから、子どもと一緒にお菓子づくりに挑戦したいという声もある。多くの子どもは混ぜたり、こねたりが大好きだ。きっと張り切って手伝ってくれるだろう。 どうせ作るなら美味しく作りたい。だがお菓子の多くは﹁混ぜすぎ﹂﹁こねすぎ﹂は失敗のもとになってしまう。簡単で失敗しない、子どもと作ってもおいしくできるお菓子は何がいいのだろう。 小学生の頃からレシピ本の魅力に取りつかれ、ケーキ屋さん、料理人に憧れるも、不器用で、センスも根気も足りずに断念。代わりに料理本の編集を20年以上も生業にしてきた筆者がお薦めしたいのは、マドモアゼルいくこ著﹃秘密のケーキづくり﹄の巻頭にある﹁ヨーグルトポムポム﹂だ。 公開後、Twitterなどで話題となり、絶版していた﹃秘密のケーキ
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編集部注‥こちらの記事は2020年3月7日に公開された記事です。﹁マスクが新型コロナの予防にはならない﹂ということをお伝えし、まずは買い占めをやめ、最も必要な医療従事者などの手に渡ることが必要だということを伝えるためものです。飛沫を防ぐので、マスクは他人に﹁感染させることを防ぐ﹂効果として有効です。 また、緊急事態宣言の出た4月7日現在は、誰もが﹁自分が感染している﹂前提で行動をしなければならず、マスクをつけることが大切な状況です。﹁予防になるものではない﹂という理由を可視化したものとしてお読みください。 新型コロナ肺炎のせいで、ドラッグストア前には毎日行列ができています。 私は幸い、花粉症持ちではありません。今のところ、風邪にもインフルにも新型コロナ肺炎にもかかっていない。喉も痛くないし、鼻水も出ていないし、身体もだるくないし、熱もない。要は﹁なんでもない﹂。だから、マスクをしていません
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9月9日未明、千葉市に上陸し、千葉県内に甚大な被害をもたらした台風15号。上陸直後には県内ほぼ全域の約90万戸が停電し、暴風により多くの住宅が損壊した。停電が2週間続いた地域も多く、台風が去って20日が経った現在でも復旧していない地域もある。 そんな被災地・千葉のなかでも、特に被害が大きかった県南部の館山市に暮らす作家のこかじさらさん。彼女自身は幸運にもほとんど被害に遭うことはなかったが、まったく想定していなかったトラブルの連続に、精神的にすり減っていく20日間だったという。 屋根が丸ごと飛ばされた家9月9日︵月︶台風15号による大停電1日目 午前1時過ぎ、台風15号が上陸したと思われる時刻、千葉県館山市は、かつて経験したことがないほどの暴風雨に見舞われていた。 私は、高齢の両親︵父89歳、母87歳︶と同居している館山市内の自宅で、不安な夜を過ごしていた。突然、バリバリという音がしたと思
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人付き合いが増えると、時には自分に害をなす者との交際が必要となるケースもある。そんなとき、よく口にしてしまうのが﹁根はいい人なのだけど﹂という言い訳だ。 世の中には根っからの悪人などそう多くはいない。誰だって、どこか人間味のある性格や行動はあるものだし、しっかりと内面を見つめてみれば愛すべき点が見つかるものだろう。だが﹁根がいい人﹂との付き合いははっきり言って損をする。 私は、つい最近、実体験として﹁根がいい人﹂といわれる相手を拒絶した。 ﹁彼氏、刺青が入っているんだよね﹂ わが家には娘がいる。24歳の娘はいわゆる﹁出戻り﹂で、20歳のころにパートナーとの間に授かった女児を産み、すぐに離婚した。離婚後はわが家に戻って同居しているので、世間から見ると﹁子連れの出戻り﹂といったケースだ。つまり、わが家には娘と孫娘がいる。 そんな娘が、最近になって﹁今付き合っている彼氏を紹介したい﹂と言いだし
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今、海外でシティ・ポップが人気 今、70年代〜80年代の日本のポップスが海外で大きな話題を集めている。 山下達郎、竹内まりや、角松敏生、杏里など、かつて﹁シティ・ポップ﹂というジャンル名で紹介されたアーティストの楽曲が、インターネットを介して欧米やアジアの若い世代の音楽ファンの間で人気を博している。 ﹁ヴェイパーウェイヴ﹂や﹁フューチャー・ファンク﹂といった新たな音楽ジャンルの勃興と共に、その元ネタとして“発見”され、評価を高めているのだ。 そして、その再評価の波はシティ・ポップにとどまらない。Winkやラ・ムー︵菊池桃子︶など、昭和のアイドル歌謡も再び注目を集めようとしている。 いったい、何が起こっているのか? 日本においても様々なメディアで騒がれ始めた海外でのシティ・ポップ人気。その火付け役の一人であり、フューチャー・ファンクの代表的なアーティストである韓国人のプロデューサー/DJ、N
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厚⽣労働省の推計によると、今、国⺠の2⼈に1⼈が何らかのアレルギーを持っていると⾔われる。⾷物アレルギー、花粉症、アトピー性⽪膚炎、気管⽀喘息……。アレルギー疾患はここ半世紀ほどの間に急増しているというのが各分野の共通認識だ。 わずか数⼗年から100年程度で、人間が生物として大きく変化したとは考えられない。にもかかわらず明らかな異変が起きている。何らかの環境の変化が、現代病とも呼べるアレルギー症状を誘発していると考える方が自然だ。 変わる⾷物アレルギーの認識 ⾷物アレルギーは世界的に増加傾向にあり、ショック症状が重ければ命にも関わる。当時、ピーナッツアレルギーが問題となっていたアメリカでは、2000年頃にアメリカ小児科学会がガイドラインを作成し、乳幼児期にピーナッツを食べると深刻なアレルギーにつながると発表した。 年々増加する子供の食品アレルギーを背景に、加工食品や調理済み食品の販売に対し
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無邪気ゆえに ――︻中学生がアメリカ横断︼を達成して 同世代に限らず、たくさんの人に勇気や夢を与えたい。 最近、こんなツイッター投稿がネットで炎上したのをご存知だろうか? 見ず知らずの人の家への宿泊を繰り返しながら1人でヒッチハイクでアメリカを横断するという、﹁中学生﹂とされる少年の挑戦が、悪い意味で話題になったのである。 彼のSNSアカウントが有名になると、治安や交通事情の悪いアメリカで未成年が無鉄砲な旅をする行為を懸念する、ネットユーザーの意見が殺到した。少年の無謀な行動を止めなかった保護者の、責任感の欠如を非難する意見も目立った︵結果、少年はアメリカ横断を途中で中止したとツイッターに投稿している︶。 これとほぼ同時に話題になったのが、世界一周旅行中の若い女性とみられる人物だ︵以下、﹁一周女子﹂と呼ぶ︶。 旅行者をターゲットにした性犯罪や強盗が多いインドで、初対面の現地の男性たちから食
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男女平等を力強く推進し、﹁グローバルジェンダーギャップ﹂のランキングを短期間のうちに駆け上がったフランス。本連載﹁フランスに探る男女連携社会の作り方﹂は、男女の︿連携﹀の在り方を同国に学ぶ。 第1回となる今回は、避妊と中絶について紹介する。フランスでは避妊をする際、ピルを使うなど﹁女性主導﹂で行うケースがほとんどだという。日本の感覚とは随分違うが、実はそこに深い理由が隠されていた。 ︵これまでの連載記事はこちらから︶25歳でフランスにやってきて以来、男と女に関して山ほどのカルチャーショックを受けてきた。その中でも安定のベスト3に入るのが﹁避妊﹂だ。これは在住20年目の今振り返っても、変わらない。 日本で生まれ育った私にとって、避妊と言えばコンドーム。しかもそれは十中八九、男性が用意するものだった。知識としてはオギノ式︵いわゆる﹁安全日﹂計算︶もあったが、自分で活用したことはない。フランス
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ミスタードーナツの競合が、実は﹁ニトリと百均とスマホ﹂であるワケ ビジネスを脅かしていたのは意外な相手 ﹁思わぬ競争相手﹂を見抜く 私が専門としている競争戦略の世界では﹁真の競争相手は思わぬ相手であった﹂という教訓話がよくあります。 お昼時にランチメニューで顧客を奪い合う定食屋さんの本当の競争相手がコンビニであったり、繁華街で二次会需要を呼び込みあう居酒屋チェーンが実は顧客をカラオケボックスに奪われていたりという具合に、競争相手は同じ業態とは限らないものだというのがその教えです。 特に最近ではこの﹁異業態の競争相手﹂がビジネスの生命線を脅かす事例が増えています。雑誌の廃刊が相次いでいるのは﹁インターネットのほうが情報が詳しい﹂からですし、地方で百貨店や大手スーパーが閉店してしまう理由は﹁アマゾンのほうが便利﹂だからです。 そのような時代ですから、経営戦略をたてる上ではこの﹁思わぬ競争相手﹂
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昔は大好きだったけど… 私はお笑い番組が好きでよく観るほうだが、最近はまったく松本人志の番組を観ることがなくなった。単に面白くないからだ。昔は大好きな芸人の1人だったし、独特のボケはまさに天才的だった。 しかし、いつの頃からか、取り巻きをたくさん従えて、ヨイショされていい気分になっている姿が見苦しく、自然と観るのをやめてしまった。 最近は何を思ったのか、﹁ワイドナショー﹂という番組で、日曜日の朝から時事問題などを語っているという。とはいえ、私はこの番組も一度も観たことがない。裏番組の爆笑問題のほうをたまにではあるが観ているからだ。 松本人志の番組は観ていないが、いろいろと雑音は耳にする。そしてたびたび炎上騒ぎを起こしているという。 今回松本人志を語るにあたって、何も知らないで語るのはいくら何でも失礼であるし、無責任であるので、さまざまな過去の炎上騒ぎを調べてみた。 ﹁松本人志 炎上﹂とネッ
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人気YouTuberのHIKAKIN︵以下、ヒカキン︶が仔猫を家族に迎えたことがネット上で話題になった。かわいい猫効果で再生回数は通常の8倍にもなり、話題を集めたが、一部からは﹁影響力のある人なのだからこそ、ペットショップで購入せずに、保護猫を選択してほしかった﹂という意見も多く集まり、賛否両論を呼んでいる。 ﹁保護猫﹂と簡単にいっても預かるためには様々な条件が必要なため、詳しい状況も知らずにヒカキンを叩くのは気の毒とも言える。また、ペットショップについては、ヒカキンに非があるわけではなく、別の問題をはらんでいるのは事実だ︵こちらはまた別の機会にまとめたいと思う︶。 上記以外にも、ヒカキンが飼い始めた猫の“スコティッシュフォールド”という品種を心配するコメントも多かった。実はこの人気猫種は、世界中で問題視されているのだ。そこで今回は、動物保護とペット問題に詳しい一般社団法人ランコントレ・ミ
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野党への支持率が絶望的に低い。特に若者世代ではその傾向が顕著だ。そうした﹁野党ぎらい﹂の背景には、若者世代が﹁コミュ力﹂を重視している事実があるのではないか。コミュ力を大切にし、波風の立たない関係を優先していれば、当然、野党の行う批判や対立を作り出す姿勢は、嫌悪の対象となる。摩擦のない優しい関係が社会に広がるなか、野党の置かれた立場は難しいものになっている。 政党不信が深刻である。とりわけ﹁野党﹂への不信の広がりとその深さは、前代未聞のレベルに達している。総選挙で躍進した立憲民主党への支持も5%程度で伸び悩み、希望の党が解散してできた国民民主党にいたっては、支持率は1%にも達していない︵参考︶。こうした傾向は少々のことでは変わりそうにない。 ﹁野党がだらしないからだ﹂。こう言う人がたくさんいる。たしかにそうかもしれない。しかし、﹁だらしなさ﹂加減があまりにひどいので、﹁野党ぎらい﹂が高まっ
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小池百合子東京都知事が率いる﹁希望の党﹂が登場して、ガラリと変わった日本政界のパワーバランス。しかしこの熱狂と混乱のまま、総選挙に突入してしまってよいものか?この光景に大いなる違和感を抱いた作家・楡周平さんの緊急特別寄稿。 また素人が国会議員になる 政権の支持率回復、そして山尾志桜里衆議院議員の不倫スキャンダル発覚をきっかけに、安倍首相が捨て身で打って出た衆議院の解散・総選挙。マスコミはこれを﹁大義なき解散﹂と打ち、猛然と批判を繰り広げたのは記憶に新しい。 ところがである。小池百合子東京都知事が希望の党設立を公表した途端、大義なき解散などと口にする者は、ものの見事に消え失せた。 希望の党が善戦し、ひょっとすると政権与党に大化けする可能性が出てきたからである。 そこからの展開があまりにもひどい。 国政政党を立ち上げるからには、国会議員に相応しい資質を持った候補者を擁立するのは当然のことだが
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