月曜日11:00ごろ電話が鳴る。登録のない携帯番号だ。﹁コトコさんですか。佐藤︵仮名︶と申します。﹃失語症からの言葉ノート﹄を見て電話しました﹂。高齢の男性読者からだった。﹁最後のページに書いてある、この言語聴覚士ってなんですか。実は妻が失語症になってしまって、どうにかもう1回話せるようにしてやりたくて﹂。 え⁉︎ 失語症になったのに言語聴覚士が付いてない?﹁言語聴覚士は失語症のかたの検査、評価をして、そのかたに必要な訓練、指導をするリハビリ専門職です。失語症と言われたんですよね。病院でリハビリをしていないですか﹂。していない、言語聴覚士の存在自体知らなかった、と答えた佐藤さんに、病院名を伺い、その場でネット検索し相談窓口の電話番号をお伝えした。その病院は地域の中核病院であるうえ、佐藤さんの住む県は私が知る限り言語聴覚士協会や意思疎通支援者の活動も盛んなところで、それでも、こんなふうに漏れ