: methane hydrate[1]0.9 g/cm3[2]
メタンと水に分離し燃えるメタンハイドレート。左上にクラスレートの構造を示す。 (University of Göttingen, GZG. Abt. Kristallographie)
出典: アメリカ地質調査所

性状

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1 m31164 m3[3]15%85%CH4·5.75H2O0.910g/cm3



5-6 Å1 Å = 100 pmstructure I hydrate26468[4]

生成過程

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13C 



 ArchaeoglobusDesulforudis (12C : 13C) 13C13C[5][6]

 Methanopyrus Methanocaldococcus  Methanocalculus 



kmm10cm[7]



[8]

安定条件

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100-1000 m

-20 °C

埋蔵域

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1996年のアメリカ地質調査所の調査によるハイドレートの分布図
黄色の点がガスハイドレートを示す。

500-1000 m[9][10]2000m[11]m[10]

日本近海の埋蔵域

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2008西[10][3]西[10][12]調1007[13]

沿12調調[14]20182020[15]202120232027[16]

2013687[17]

350680201369沿100015002030[18]
 
日本周辺におけるメタンハイドレート推定埋蔵域
(2009年、MH21による)

日本近海の埋蔵量

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資源開発として期待されている東部南海トラフの資源量評価量は393.86億㎥とされている[19]。また採取可能なメタンハイドレートは一年に使用される天然ガスの数倍から10倍ほどと見られている[20]

採取方法とその課題

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1990調[21]2002西20142[22][23]202017[20]

探査方法

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メタンハイドレートの探索に関しては、超音波等を用いた反射法地震探査により海底疑似反射面(BSR)を捉えることが主流な手法であるが[24]、BSR以外に上越沖のような背斜構造やプレート境界、メタンシープ・メタンプルームを手がかりにする方法も提案されている[25]

メタンの回収方法

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[26][27][28][29][30][31][32][33][34][35]

増進回収法

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国内では減圧法などと組み合わせ、生産性や回収率を向上させることで経済性を上げるため、増進回収法と呼ばれる生産を支援する技術の研究[36]も進められている。増進回収法としては、基本的に加熱法に分類される次のような方法が研究されている。①メタンハイドレートの分解(吸熱反応)で対象層が氷点下以下になるまで減圧を行うととで地下水が凍り(発熱反応)、0℃に昇温する強減圧法、②地層内の有機物を強酸などで酸化(発熱反応)させる部分酸化法、③水と二酸化炭素(CO2)を微細混合したエマルションを用いて、CO2ハイドレートの生成(発熱反応)で10℃程に加温させる方法などが研究されている。

輸送技術として

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2010年4月には三井造船が世界初の天然ガスハイドレート(NGH)陸上輸送の実証研究を完了している。これは固体のメタンハイドレートをペレット状にして輸送する方式で、LNGに比べて常温付近で製造が可能で、大気圧下-20℃で安定であるため、設備全体を簡便にすることが期待されている[37]

メタンハイドレートに関する議論

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コストパフォーマンスに関して

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日本近海で初期に日本政府(メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム)によるメタンハイドレート採取の研究が行われたのは、南海トラフであった。この海域では、海底油田の採掘方法を応用して1999年から2000年にかけて試掘が行われ、調査範囲における分布状況が判明し、総額500億円を費やしたが商業化には至っていない。これは、南海トラフなど太平洋側のメタンハイドレートは、分子レベルで深海における泥や砂の中に混溜しており、探索・採取が困難を極めているからであるとされている[21]

1990年代に設立されたエネルギー総合工学研究所の、太平洋側で砂層型メタンハイドレートの調査を行ったメタンハイドレート調査委員会で初代調査委員長を務めた石井吉徳は「採掘以外にもメタンハイドレートからメタンを取り出すためにもエネルギーが必要であり、最終的に1のエネルギーを使ってメタンハイドレートから得られるエネルギーは1に満たない。」と主張している[38][39][40]

地球温暖化

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20[41][41][42] 調[43][44][45]125200[46][47][48][49][50]

25P-T[51]退[52][53][54]

その他

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  • メタンハイドレートが溶解したことにより発生するメタンプルームの湧出口付近にはカニの群集が見られる傾向がある、との報告がある[55][56]

脚注

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(一)^ Gas Hydrate: What is it?, U.S. Geological Survey, (31 August 2009), 2012614, https://web.archive.org/web/20120614141539/http://woodshole.er.usgs.gov/project-pages/hydrates/what.html 20141228 

(二)^ Max, Michael D. (2003). Natural Gas Hydrate in Oceanic and Permafrost Environments. Kluwer Academic Publishers. p. 62. ISBN 0-7923-6606-9. https://books.google.co.jp/books?id=fd8QFKwcSskC&printsec=frontcover&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q 

(三)^ ab   2009 1181 p.43-71, doi:10.5026/jgeography.118.43

(四)^  1994, pp. 3943.

(五)^   2007726 p.585-593 , doi:10.3720/japt.72.585

(六)^  201562 ID:3P04, doi:10.14862/geochemproc.62.0_285

(七)^ 200732https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2007/pr20070302/pr20070302.html#e1 

(八)^  2013, pp. 166-176 § .

(九)^ 510調199723-58 201110212012814 

(十)^ abcd  BP 2008922183-185 ISBN 9784822247027

(11)^ .  (2001719). 2012814

(12)^ ,(8.)  112, 85, 2005-09-10

(13)^ . (201349). . (2013-04-02). p. 20. 

(14)^  (PDF) 2012103

(15)^ [30515 https://www8.cao.go.jp/ocean/policies/plan/plan03/pdf/plan03.pdf]. . 2021816

(16)^ 3. . 2021816

(17)^  .  (2003619). 2013892013815

(18)^ 2030.  (20131221). 20131223

(19)^ . 202314

(20)^ ab. 202314

(21)^ ab    2004692 p.214-221, doi:10.3720/japt.69.214

(22)^   2009744 p.270-279, doi:10.3720/japt.74.270

(23)^  .  (2014616). 201588

(24)^  1994, pp. 73100.

(25)^  2009, pp. 73100.

(26)^ . http://www.mh21japan.gr.jp/mh/05-2/+(20141121).+201588

(27)^ .  (20121010). 201588

(28)^ CO2.  (201252). 20121292012814

(29)^  .  (2014616). 201588

(30)^  2018.  (2019123). 201933

(31)^ CO2 . . (2011523). http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20110523/news20110523460.html 2011524 []

(32)^ Wang, Zhiyuan; Sun Baojiang (2009). Annular multiphase flow behavior during deep water drilling and the effect of hydrate phase transition. Petroleum Science 6: 5763. doi:10.1007/s12182-009-0010-3. 

(33)^ Giant dome fails to fix Deepwater Horizon oil disaster. Nature.com. (2010510). http://blogs.nature.com/news/thegreatbeyond/2010/05/_giant_dome_fails_to_fix_deepw.html 2010510 

(34)^ US Geological Survey, Gas hydrate: What is it?, accessed 21 March 2013.

(35)^ Roald Hoffmann (2006). Old Gas, New Gas. American Scientist 94(1): 1618. doi:10.1511/2006.57.3476. 

(36)^ 9(CSMH-9).  (2018-10-26_27). 201933

(37)^ NGH2010419http://www.mes.co.jp/press/2010/20100419.html2013515 

(38)^ 2013442013413http://oilpeak.exblog.jp/20280892/ 

(39)^ .  () (2011109). 2013917

(40)^  . YAHOO!Business FACTA (2013419). 20139132013828

(41)^ ab6.  (2013730). 2013832013815

(42)^ 60!?. WIRED (2013831). 2013927

(43)^ Japan's 'frozen gas' is worthless if we take climate change seriously.  (2013314). 2013817

(44)^ Climate change impacts on methane hydrates - world ocean review

(45)^ Methane hydrate: a future clean energy source? - greening of oil

(46)^ >. . 201382720131021

(47)^ >. . 201392620131021

(48)^ ;  (1996). . . p. 22-37. ISBN 4-00-010722-4 

(49)^ . . 2013917

(50)^ . AFPBB News. (2013729). https://www.afpbb.com/articles/-/2958735?pid=11102587 2013815 

(51)^ NHK 464

(52)^  2013, pp. 106107.

(53)^  2009, pp. 7275.

(54)^ 1996902-924 

(55)^  2009, pp. 5556.

(56)^  2013, pp. 101104.

参考文献

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211994ISBN 978-4532520298 

 2009ISBN 978-4870319288 

 2013ISBN 978-4847091636 

 2013925ISBN 978-4-04-731615-7 

関連項目

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外部リンク

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