苦味
基本味のひとつ
苦味(にがみ)は五基本味の一つの味覚である。苦み(にがみ)。
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『苦い薬』
シュテーデル美術館収蔵
概説
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苦味は、味覚の一つである。1916年ドイツの心理学者であるヘニングは、世界のどこの人々でも感じる味覚として、﹁甘味﹂﹁塩味﹂﹁酸味﹂﹁苦味﹂の四基本味説を提唱した[1]。
1908年に日本の池田菊苗が東京帝国大学にて四基本味の他に﹁うま味﹂について報告した[2]、四基本味に﹁うま味﹂が加わり、五基本味と考えられるようになった。
生理学的定義に基づく味覚のいわゆる五原味︵甘・酸・塩・苦・うま味︶には含まれないものに、﹁辛味﹂﹁渋味﹂﹁冷味﹂﹁刺激味﹂﹁蘞味﹂があるが、これは味覚ではなく触覚に近い感覚である[3]。渋味は苦味と似ているが、味覚の差は、苦味物質の混合比率や濃度により変化する[要出典]。
苦味を感じさせる化合物への拒否反応は、毒性化合物の摂取を避けるための反応だとされている。苦味のある化合物への感受性は多くの種で異なり、これは生態学的地位および食物選択の違いの結果と考えられている。
苦味物質
編集苦味のうまさ
編集苦味のあるもの
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/37/Momordica_charantia_%28jetalone%29.jpg/200px-Momordica_charantia_%28jetalone%29.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/eb/Hopfen3.jpg/200px-Hopfen3.jpg)
脚注
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(一)^ Hennig, H. ‥ Qualitatenreihe des Geschmacks, Z. Psychol., 74 ‥ 203-219, 1916
(二)^ 池田菊苗﹁新調味料に就きて﹂﹃東京化学会誌﹄30 1909年
(三)^ 後藤奈美によると﹁渋味は、いわゆる五原味︵甘・酸・塩・苦・旨味︶には含まれず、対応する味覚受容体が報告されていない。味蕾のない上唇と歯茎の間に渋味を与える硫酸アンモニウムや硫酸銅の溶液を垂らしても渋味として感知されることから、辛味と同様、渋味は触覚に近い感覚だと考えられている。﹂という。後藤奈美﹁赤ワインの渋み﹂﹃日本醸造協会誌﹄107巻4号 2012年 p212
(四)^ 山田恭正﹁苦味物質の化学﹂﹃New Food Industry﹄Vol.44.No.2 食品資材研究会 2002年
(五)^ 太田静行﹁苦味と苦味調味料﹂﹃北里大学保健衛生専門学院紀要﹄4(2)北里大学保健衛生専門学院 1998年
文献
編集- 山野善正・山口静子編『おいしさの科学』朝倉書店1994年
- 佐藤昌康・小川尚編『最新味覚の科学』朝倉書店1997年
- 芝哲夫「苦味の化学構造と機能」香料No.166 1990
- 村元美代他「苦味感覚におよぼすストレスの影響」大妻女子大学紀要家政系第31号1995
- 島田淳子・下村道子編『調理とおいしさの科学』朝倉書店1993
- 上野吉一「味覚からみた霊長類の採食戦略」日本味と匂学会誌Vol.6 No.2 179-185 1999.8
- 上野吉一「味センサ応答パターンが異なるさまざまな苦味物質」『電子情報通信学会技術研究報告』Vol.106,No.227 2006.09.15
- 上野吉一「苦味を特徴とする飲料の継続摂取が嗜好獲得に与える影響」『日本味と匂学会誌』Vol.10, No.3 2003.12 785-788
- 上野吉一「先端技術でわかったビール苦味成分の意外な生理作用」『化学と生物』Vol.44,No.6,2006
- 山田恭正「苦味物質の化学」『New Food Industry』2002 Vol.44,No.2
- 太田静行「苦味と苦味調味料」『北里大学保健衛生専門学院紀要』4(2)1-17 1998
- 金子周司「カフェインは記憶力を高める」『食の科学』2005.10 No.332
- 金子周司「ストレス状態における味の感受性」『日本官能評価学会誌』Vol.1 No.1 1997.3
- 金子周司「山菜・野菜のアク抜き術」『現代農業』2006.5
関連項目
編集- 国際苦味単位 - ビールの苦味の単位