アルケン

不飽和炭化水素の一種

: Alken: alkene CnH2n(n2) C-C1 (olefin)C-C2π1σ1πC-H 1,2-
最も単純なアルケン、エテン(エチレン)の空間充填モデル

アルケン類の命名

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慣用名の「オレフィン」

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: oleum: olefiant gas[1]

IUPAC命名法

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IUPAC (alkane)  -ane  -ene  (ethane) CH3-CH3  CH2=CH2  (ethene) 







212沿1

21,2-22
 
121

 (cis) (trans) 
 
-

---2-3E/ZEZ Z E
   
(Z)-1-ブロモ-1,2-ジフルオロエテン (E)-2,3-ジメチルヘプタ-2-エン




     
ヘキサ-1-エン 4-メチルヘキサ-1-エン 2-エチル-4-メチルヘキサ-1-エン

慣用名

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アルケンはIUPAC命名法による名称とは別に慣用名を持つことがある。以下に例を示す。

     
IUPAC名: エテン プロペン 2-メチルプロペン
慣用名: エチレン プロピレン イソブテン、イソブチレン

主なアルケン

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生成

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160170 °C

4

C-C2E  Z便 Z E

2

反応

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付加(還元)反応

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アルケンの付加反応はC-C二重結合が求電子剤によって求電子攻撃されることから始まり、最終的にC-C二重結合が単結合になる反応である。すなわち、求電子付加反応である。反応の条件や用いる試薬によって、経緯は様々であるが、一般的に反応剤X-Yの単結合が切断され、それぞれ異なる二重結合の炭素に付加する。

下図に反応式の例を示す。

 
X-Yのエチレン(エテン)への付加

触媒を用いる水素化反応

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C-CC-Csyn

H-H 104kcal/mol

synC-CH-C- syn

アルケンに対するH-Xの求電子付加反応

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C-C二重結合にプロトンH+が付加してできるカルボカチオンの安定性が議論される。二重結合の炭素のうち、電子供与基の多いものにXが、電子求引基の多いものにHが付加する。

求核水和反応

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C-C二重結合に対する、求核剤X、求電子剤Yからなる化合物X-Yの付加反応を考える。Xの求核性が乏しく、溶媒に水などの求核剤を採用していた場合、Yによって生じたカルボカチオンにXではなく溶媒が作用する。求核水和反応 (nucleophilic hydration) はこれの溶媒が水の場合におこる反応であり、アルコールを与える。

ハロゲン分子の求電子付加

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X-X1,2-antiCl2Br2F2I2

Br2 C-CπBrBranti

ヒドロホウ素化

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四酸化オスミウムによる隣接シンジヒドロキシ化

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四酸化オスミウムを化学量論的に用いるか、N-メチルモルホリン N-オキシド (NMO) 等の第二の酸化剤(犠牲試薬)と組み合わせて触媒量用いることで、アルケンをsyn-1,2-ジオールに変換できる。

シクロプロパン環の生成

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ペリ環状反応

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オキシ水銀化-脱水銀化

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アルコールやエーテルの合成に用いられる。マルコフニコフ則が適用され、転位反応が起こらない。

重合反応

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酸化反応

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1,2-


/C-C2C-O2



1,2-

遷移金属を触媒とするC−C結合生成反応

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脚注

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関連項目

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