アルファロメオ・ジュリア
初代 105/115系(1962年 - 1977年)
編集アルファロメオ・ジュリア(ベルリーナ) | |
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1300TI | |
スーパー1.3リアビュー | |
ヌォーヴァ・スーパー | |
概要 | |
販売期間 | 1962年 - 1977年 |
デザイン | ベルトーネ |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン・5ドアライトバン |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 8バルブ DOHC ガソリン 1,290cc/1,570cc ディーゼル 1,760cc |
変速機 | 5速MT |
サスペンション | |
前 | ダブルウィッシュボーン |
後 | トレーリングアーム |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,510mm |
全長 | 4,140mm |
全幅 | 1,560mm |
全高 | 1,430mm |
車両重量 | 1,020kg |
系譜 | |
先代 | アルファロメオ・ジュリエッタ(初代) |
後継 | アルファロメオ・ジュリエッタ(2代目) |
1950年代に成功した初代ジュリエッタの後継車として、1962年に4ドアセダン︵ベルリーナ︶が登場。クーペ︵スプリント2種︶やオープンモデル︵スパイダー︶は初代ジュリエッタのマイナーチェンジ版が継続生産されていたが、1963年9月にはベルトーネ社のチーフスタイリスト・ジョルジェット・ジウジアーロのデザインした2ドアクーペの﹁スプリントGT﹂系が誕生した。
スパイダーは1966年、初代ジュリエッタと同様にピニンファリーナのデザイン・車体製造による﹁1600スパイダー・デュエット﹂にモデルチェンジされ、エンジン・シャシーはジュリア系と同一ながら、﹁ジュリア﹂として販売されることはなく、終始別車種として扱われた。
また、シャシーは別物ながら、レーシングモデルの﹁TZ﹂﹁TZ2﹂にもジュリアの名が冠されていた。
ベルリーナ
編集
最初に登場したジュリアは﹁TI﹂と呼ばれた、DOHC1,570 ccシングルキャブ92馬力/6,500 rpm、最高速度160 km/h︵100 mph︶のモデルであった。TIの名称は国際ツーリングカーレース・﹁Turismo Internazionale﹂の略称である。それまで1900やジュリエッタ︵初代︶ の高性能版に与えられていた名称で、シングルキャブエンジン車には似つかわしくなかったが、後に﹁TIスーパー﹂と﹁スーパー﹂が追加され、1,600 ccの基本モデル︵標準車、スタンダード︶という位置付けが明確となる。DOHCエンジンに加え、早くも5速マニュアルギアボックスを標準装備し、一見すると単純な箱のように見える車体も当時まだ珍しかった風洞実験を用いてデザインされるなど、ジュリアには当時最先端の技術が注ぎ込まれていた[注釈1]。その一方で、ギアチェンジはコラム式︵1964年にフロア化︶、ステアリングホイールは大径でホーンリング付き、ブレーキは当初4輪ドラム︵段階的に4輪ディスクに改良︶、という旧式な面も残していた。
翌1963年にはレーシングモデル︵レース用ベース車︶の﹁TIスーパー﹂が登場する。有名な﹁クアドロフォリオ・ヴェルデ﹂︵四つ葉のクローバー︶のステッカーがフロントフェンダーに貼られ、ホモロゲーション獲得のためわずか501台が生産された。ウェバー45DCOE型ツインキャブレターが与えられた1,570 ccエンジンは112馬力/6,500 rpmに強化され、車体の軽量化、フロアシフト、4輪ディスクブレーキの採用、軽合金ホイールや後のGT系にも似たスポーティーなダッシュボードが与えられるなど、大人しいTIに対して、アルファロメオらしいスポーツ性が詰め込まれており、今日ではコレクターズアイテムとして高値で取引されている。
1964年には廉価版の﹁1300﹂が登場、ギアボックスこそシリーズ中唯一の4速となってはいるが、ジュリエッタ︵初代︶ から引き継いだシングルキャブ[注釈2]で78馬力/6,000 rpmを発揮するDOHC 1,290 ccエンジンを搭載、ブレーキも4輪ディスクが奢られるなど、国際自動車連盟︵FIA︶の1.3 L以下の各競技に出場できるベース車として相応しい内容となっていた。
1965年には﹁ジュリア・スーパー﹂が登場した。﹁TI﹂にホモロゲーション獲得用の限定生産車﹁TIスーパー﹂のエッセンスを注入したモデルで、1,570 ccエンジンはウェバー40DCOEツインキャブで98馬力/5,500 rpmを発揮、最高出力を発生する回転域が下げられ、低~中回転域のトルクも増強されて扱いやすさと高性能を両立させた。ダッシュボード-も一新され、ステアリングホイールもスポーティーなデザインとなり、4輪ディスクブレーキはバキュームサーボ付きとなった。スーパーは好ましいスポーツサルーンとして人気を博し、成功作となった。1968年にはエンジンの102馬力へのパワーアップ︵最高速度170km/h︶、後輪サスペンションへのロールバー追加、タイヤサイズ変更︵155/15から165/14に︶が行われた。また、1967年にはジュリア系をベースに車体の前後を延長し、各部を改良した上級車・1750がデビューしている。
1965年には﹁スーパー﹂と共に﹁1300TI﹂も登場、エンジンはジュリア系のものに改められ、同じ1,290 ccながら82馬力/6,000 rpmにパワーアップした。ギアボックスも5速となり、1968年以降は﹁スーパー﹂同様にスポーティーなインテリアが与えられた。同年には1962年以来の﹁TI﹂が1,570 cc 95馬力/5,500 rpmの中間モデル﹁1600S﹂に改められた。
各車種とも、1970年にはサイドブレーキがダッシュボード下のアンブレラ型からセンターコンソール中央のステッキ型に、左ハンドル車のペダルは吊り下げ式となり、ブレーキも二系統式となった。また、1300のエンジンをGT系のものに強化した﹁スーパー1300﹂が追加され、1600Sは消滅した。
1972年になって車種体系が見直され、﹁スーパー1.3﹂﹁スーパー1.6﹂の二種類に整理された。アルファロメオのボトムレンジとして前年にアルファスッドがイタリア南部で生産開始され、上級の 1750はこの年、アルフェッタ にモデルチェンジするなど、そろそろ世代交代の波が訪れようとしていた。
1974年、ベルリーナは最後のマイナーチェンジを受け、﹁ヌォーヴァ・スーパー1.3/1.6﹂となった。プラスチック製の新しいフロントグリル、平らなボンネット、そして4灯式ヘッドランプで印象は大きく変わり、従来の個性は失われた。1976年には1,760 cc 55馬力のディーゼル版が登場し、約6,500台が生産された。
ジュリア系ベルリーナの生産は1977年で終了、2代目ジュリエッタに世代交代した。
スプリントGT
編集アルファロメオ・ジュリア(GT系) | |
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ジュリア・スプリントGTV | |
GT1300ジュニア(段付きでなくなった中期型) | |
GT1600ジュニア(2000GTと共通ボディの後期型) | |
概要 | |
販売期間 | 1963年 - 1977年 |
デザイン | ベルトーネ |
ボディ | |
乗車定員 | 4人 |
ボディタイプ | 2ドアクーペ/2ドアカブリオレ |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン | 直4 8バルブ DOHCガソリン 1,290cc/1,570cc |
変速機 | 5速MT |
サスペンション | |
前 | ダブルウィッシュボーン |
後 | トレーリングアーム |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,350mm |
全長 | 4,080mm |
全幅 | 1,580mm |
全高 | 1,315mm |
車両重量 | 1,040kg |
系譜 | |
先代 | アルファロメオ・ジュリア・スプリント |
後継 |
アルファロメオ・アルフェッタGTV1.6 アルファスッド・スプリント |
1963年9月、10年近くにわたって生産されてきた旧スプリントに代わる2ドア4座クーペが﹁ジュリア・スプリントGT﹂としてデビューした。デザインは旧型同様カロッツェリア・ベルトーネが担当したが、チーフスタイリストは先代のフランコ・スカリオーネではなく、新進気鋭のジョルジェット・ジウジアーロに交代した。1960年に先行してデビューしていた2000/2600スプリントのテーマをより発展させたデザインは、ボンネットに段差を持たせた表情から日本では﹁段付き﹂の愛称で親しまれ、ジウジアーロの代表作となっている。
ベルリーナ同様、車種体系は何度も整理された。当初デビューした﹁スプリントGT﹂(106馬力/6,000rpm 最高速度180km/h)に続き、翌年にはカロッツェリア・トゥーリングがオープンに改造した﹁ジュリア・スプリントGTC﹂[注釈3]、1965年には109馬力となりトルクも増強された高性能版の﹁ジュリア・スプリントGTV(Veloce)﹂が順次追加され︵翌1966年にオリジナルのGTは消滅︶、1967年にアルファロメオ・1750GTVに世代交代するまで生産された。
一方、GTV登場と同じ1965年には、旧﹁スプリント1300﹂の後継版あるいはスプリントGTの廉価版として、1,290cc 89馬力の﹁アルファロメオ・GT1300ジュニア﹂が登場、1750GTV登場後も継続生産されたが、1970年には特徴的だった﹁段付き﹂と呼ばれるフロントノーズが1750GTV同様の形状に変更され、多くの愛好家を嘆かせた。なお、GTジュニアと1750/2000の車体は、リアホイールアーチが大きくなっており、ジュリア・スプリント系との識別ポイントとなっている。
1972年、1750GTVが2000GTVに発展すると、1300とのギャップを埋めるべく1,570cc版も﹁アルファロメオ・GT1600ジュニア﹂として復活した。1974年には2000GTVと同じ4灯式ヘッドライトのフロントグリルに改められ、形式も105系から2000と同じ115系に変更された。
1300が1977年、1600は1976年まで生産され、アルファスッド・スプリントとアルフェッタGT1.6にそれぞれバトンタッチした。
GTA
編集
スプリントGTのボディをアルミニウム製にして軽量化したレース向けホットモデルが、1965年に登場した﹁ジュリア・スプリントGTA﹂である。﹁A﹂はイタリア語の"Alleggerita"︵軽量化された︶の略である。1,570ccエンジンも新しいツインプラグを持つシリンダーヘッド、﹁ジュリアTIスーパー﹂と同じウェバー45DCOE型ツインキャブレター、マグネシウム製オイルサンプ・カムカバー・クラッチハウジングなどでチューンアップ・軽量化され、車両重量は750kgほどにまで軽量化されていた。﹁ストラダーレ﹂と呼ばれたロードバージョンも少数作られたが、大半はアルファロメオのレース部門・アウトデルタに持ち込まれてレース用に改造され、1966年から1969年まで4年連続でヨーロッパツーリングカー選手権のチャンピオンとなり、アメリカのSCCAツーリングカーレースでも活躍した。
1968年には1,290ccの﹁GTA1300ジュニア﹂も 追加され、1969年にジュリアGTAが生産を終了した後も1973年まで存続した。エンジンは通常の1300GTジュニアのものではなく、ジュリアGTAのエンジンのストロークを82mmから67.5mmに短縮したものが用いられた。車体は1300GTジュニアがベースで、同様に大き目なリアホイールアーチを持つ。
TZ/TZ2
編集
1963年に、ジュリエッタSZの後継者として登場したレーシングスポーツカーが﹁ジュリアTZ(Tubolare Zagato)﹂である。元フェラーリの技術者・カルロ・キティが率いるアウトデルタが、105系ジュリアをベースにしながらも鋼管チューブラーフレーム、SZ同様カロッツェリア・ザガートがデザイン・製造したアルミニウム製車体、後にGTAにも用いられるツインプラグシリンダーヘッド、専用の四輪独立サスペンションを持ち、車両重量は650kgに過ぎず、最高速度は216km/hに達した。この高性能には車体後部のコーダ・トロンカと呼ばれる空力的なデザインも貢献していた。GTクラスのツーリングカーレースに出場するため100台を作る予定であったが、結局112台が生産され、今日でも理想的なレーシングスポーツカーとして非常に人気が高い。
1965年には新しい車体が与えられ、﹁ジュリアTZ2﹂に発展した。車体はFRP製となり、車両重量は620kgへと軽量化された。ロードカーとしても販売されたTZと違い、TZ2はレース仕様しか生産されず、高度にチューンされた170馬力エンジンで、最高速度は245km/hに達した。TZ2は12台しか生産されなかった。GTカーレースはミッドシップエンジン車中心の闘いとなっており、フロントエンジンのTZ2には勝利のチャンスは乏しかった。アルファロメオはGTAによるツーリングカーレースに主力を移す決断をしたのだった。TZ2はTZ以上に貴重なモデルとして、ヒストリックカー市場では高値で取引されている。
TZ3コルサ/ストラダーレ
編集
アルファロメオとカロッツェリア・ザガートの提携90周年、およびアルファロメオの創業100周年を記念して、TZの名を復活させたのが﹁TZ3コルサ﹂である。ドイツのアルファロメオ・コレクター、マルティン・カップの依頼により、レース出場車として1台のみ製造された。オリジナルシャーシにマセラティ用をベースとしたV型8気筒4,200ccエンジンを搭載︵420馬力︶。アルミニウム製ボディはロングノーズ、コーダ・トロンカという往年のTZのデザインを再現している。デザイナーは原田則彦。
2010年4月にイタリア・コモ湖畔で開催されたコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステにて公開され、コンセプトカー・プロトタイプ部門の最優秀デザイン賞を獲得した[1]。
2011年にはロードモデルの﹁TZ3ストラダーレ﹂が発表された。ベースはダッジ・バイパーACRで、V型10気筒8,400ccエンジン︵600馬力︶を搭載する。ボディはカーボン製で、デザインもコルサとは異なるものとなっている。生産予定台数は9台[2]。
日本への輸入
編集当時の日本でもジュリア系は人気が高く、総代理店、伊藤忠オートによって、同社がアルファロメオの輸入代理店となった直後の1963年から1975年頃まで、比較的多数が輸入された。GTAもごく少数輸入された。その後も特にGT系を中心に、ヒストリックカーとして多数が中古車として並行輸入されている。
2代目 952系(2016年 - )
編集ジュリア 952 | |
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QUADRIFOGLIO | |
概要 | |
製造国 | イタリア |
販売期間 | 2017年- |
ボディ | |
乗車定員 | 5 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
駆動方式 |
FR 4WD |
プラットフォーム | Giorgioプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
ガソリン: 2.9L V6 ツインターボ 2.0L I4 ターボ ディーゼル: 2.2L I4 ターボ |
変速機 |
6速MT 8速AT |
サスペンション | |
前 | ダブルウィッシュボーン |
後 | マルチリンク |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,820mm |
全長 | 4,645-4,655mm |
全幅 | 1,865mm |
全高 | 1,435mm |
車両重量 | 1,590-1,670kg |
系譜 | |
先代 | アルファロメオ・159 |
2015年6月に、159の後継としてアルファロメオ本社で発表。ボディタイプは4ドアセダンのみで、159に設定されたスポーツワゴンの設定はない。プラットフォームはマセラティと共同開発した、後輪駆動および四輪駆動の新設計アーキテクチャー﹁ジョルジオ﹂を採用。アルファロメオにおける後輪駆動︵FR︶のセダンは75以来で、グローバルブランドとしての復活を担う世界戦略車としての位置づけとなる。
日本においては2017年9月6日に、FCAジャパン︵現‥Stellantisジャパン︶が2017年10月4日から発売すると発表した[3][4][4]。この発表と同時に、全国のアルファロメオ取り扱いディーラーを専売店舗化させることに伴い、本代以降の販売は専売店舗に移行可能な販売店に限られ、専売店舗以外では販売・メンテナンスは不可となる[5]。
日本でのグレード体系は﹁GIULIA﹂﹁GIULIA SUPER﹂﹁GIULIA VELOCE﹂﹁GIULIA QUADRIFOGLIO﹂の4つで、このうちベースグレード﹁GIULIA﹂︵後に﹁2.0 TURBO﹂に変更︶は受注生産モデルとなる。2018年1月20日には﹁GIULIA VELOCE﹂に左ハンドル・4輪駆動より10万安の右ハンドル・FR仕様が追加される[6]。2019年4月6日、ディーゼルモデルの﹁2.2 TURBO DIESEL SUPER﹂が追加発売された。アルファロメオとしてはディーゼル日本初導入となる[7]。装備面は﹁2.0 TURBO SUPER﹂と同じ。同日にステルヴィオにもディーゼルモデルの﹁2.2 TURBO DIESEL Q4﹂が追加された。なお、ディーゼル導入に伴いグレード表記が一部変更になり、ガソリンエンジンモデルは﹁2.0 TURBO﹂﹁2.0 TURBO SUPER﹂﹁2.0 TURBO VELOCE﹂﹁2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO﹂となる。
2020年10月3日︵発表は8月20日︶、マイナーチェンジと同時に﹁2.0 TURBO﹂に代わる新しいエントリーグレード﹁2.0 TURBO SPRINT﹂を発売[8]。基本的な装備と安全性能を備えつつ、価格を国産車と輸入車の中間の価格に抑えた[9]。全車標準のConnectシステムは新たにタッチパネルを採用し、﹁2.2 TURBO DIESEL SUPER﹂以上はナビゲーション付きとなる。また、全車に衝突被害軽減ブレーキを標準装備し、﹁2.2 TURBO DIESEL SUPER﹂以上にはアダプティブクルーズコントロール、トラフィックジャムアシスト、トラフィックサインレコグニション︵標識認識機能︶、インテリジェントスピードコントロール︵標識の制限速度に応じた速度自動設定︶、オートハイビームを装備し、﹁2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO﹂を除く全車でサポカーの対象となった。また、この改良で中間グレードの﹁SUPER﹂はターボディーゼルのみの設定になっている。
2021年7月10日にグレードの集約を行った[10]。これによってグレードは﹁2.0 TURBO VELOCE︵右ハンドル車︶﹂﹁2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO﹂の2つのみになり、﹁2.0 TURBO VELOCE︵左ハンドル車︶﹂﹁2.0 TURBO SPRINT﹂﹁2.2 TURBO DIESEL SUPER﹂は在庫限りとなる。また、﹁2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO﹂はルーフの材質がカーボンファイバーからアルミニウムに変更された。
2022年5月16日、新グレード﹁2.0 TURBO Ti﹂(Turismo Internazionaleの意)を追加[11]。新意匠のダークタービンデザイン18インチアルミホイールに加え、本グレードのみに用意されるグレーオークウッドパネルや、前席シートヒーター・運転席シートメモリー付タンカラーナチュラルレザーシートを採用する。なお、﹁2.0 TURBO VELOCE﹂﹁2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO﹂も同日に仕様変更を行い、﹁2.0 TURBO VELOCE﹂はブラックのフロントグリルやエクステリアミラーハウジング、ダークエキゾーストフィニッシャー、新デザインの19インチアルミホイールを搭載した。﹁2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO﹂はブラックテールライト、レザー/アルカンターラステアリングホイールに加え、スパルコ社製カーボンバケットシートを搭載した。
2022年7月12日、限定車﹁ESTREMA﹂を発売[12]。ステルヴィオにも設定される。﹁ESTREMA︵エストレマ︶﹂は“極限、極致”を意味するイタリア語。カーボンファイバー製フロントグリルインサート、サイドミラーハウジング、ダークエンブレム、ブラック仕上げブレーキキャリパーを装備する。電子制御可変式ダンパーを備えたALFAアクティブサスペンションを搭載し、ALFA DNAドライブモードシステムで選んだモードに応じて減衰力が最適化される。ジュリアにはこれに加え、ダークデザインのアルミホイールも特別装備として追加される。インテリアもアルカンターラスポーツレザーシート、カーボンパネル、サンルーフを特別装備し、スポーティかつ開放感ある室内空間を演出する。カラーは、ミザーノブルーとブルカノブラックの2色で、限定はブルーが45台、ブラックが25台。
2023年6月3日、仕様変更[13]。今回の変更で、﹁2.0 TURBO Ti﹂が廃止された。同時に、限定車の﹁Rosso Speciale︵ロッソ スペチアーレ︶﹂を全国限定20台で発売。﹁2.0 TURBO VELOCE﹂は、﹁トライローブ﹂と呼ばれるフロントグリル部分およびテールランプに最新の意匠を施し、フルLEDマトリクスヘッドライトを新たに採用した。また、インテリアでは12.3インチのデジタルメータークラスターを装備した。限定車の﹁2.0 TURBO Rosso Speciale﹂は、﹁2.0 TURBO VELOCE﹂をベースにボディカラーにエトナレッドを採用し、サンルーフを特別装備として追加した。
2023年9月30日、Quadrifoglioの100周年を記念した限定車﹁Quadrifoglio 100th Anniversario﹂を抽選予約開始[14]。全世界100台限定生産で、そのうち日本には17台が割り当てられる。2024年に発売予定のモデルチェンジ版︵ベースモデルは2023年6月に仕様変更済み︶をベースに、モントリオール グリーンのボディとカーボンVヴェゼルのフロントグリル、そしてゴールドのブレーキキャリパーをエクステリアに施し、機械式LSD︵リミテッドスリップディファレンシャル︶を装備。インテリアは、全席がレザー/アルカンターラシート、ダッシュボードには100周年記念特別ロゴのゴールドステッチを施した。
2023年11月28日、﹁2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO﹂︵ジュリア・ステルヴィオ共︶の仕様変更[15]。メカニカル・リミテッド・スリップ・ディファレンシャルをクワドリファリオとして初採用した。先に仕様変更した﹁2.0 TURBO VELOCE﹂同様12.3インチデジタルクラスターメーターを採用し、本グレード専用モードとして必要な情報をカスタマイズできる﹁Race﹂レイアウトが追加された。インテリアは専用のカーボンファイバー3D仕上げとして独特なマット仕上げとしている。
2024年3月8日、カスタマイズプログラム﹁Design Your Quadrifoglio﹂を同日から6月30日まで実施[16]。最上位モデルの﹁2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO﹂を自分好みにカスタマイズできる物で、ステルヴィオ/ジュリア共通仕様としてルーフはボディカラー同一かカーボンファイバールーフ、ブレーキは標準ディスクかカーボンセラミック製ブレーキディスク、シートはスポーツレザーシート︵8ウェイパワー、パワーランバーサポート、パワーサイドサポート、ステアリングヒーター付き︶かスパルコ社製カーボンバケットシート、カラーはアルファ レッド、ヴェズヴィオ グレー、ブルカノ ブラック、ミザーノ ブルー、モントリオール グリーンの5色から選択でき合計40通り。ジュリアは更に、アルミホイールにガンメタリック仕上げ5ホールデザインかダーク仕上げ軽量タイプを選択でき、合計80通りから選択できる。
2024年4月25日、限定車﹁Veloce Superiore﹂を発売[17]。﹁2.0 TURBO VELOCE﹂をベースに、Alfa Romeo純正クラウド型ドライブレコーダーとアルファ ロメオのロゴをあしらった、NEGRONI︵ネグローニ︶社製のオリジナルレーシングストライプウォレットを特別装備した。また、同車購入者はメーカー保証2年延長プランの﹁Extended Care Plus﹂が無償加入される︵合計で5年︶。限定は41台。
2024年5月24日、限定車﹁SUPER SPORT︵スーペル スポルト︶﹂を抽選予約受付開始[18]。﹁ミッレミリア﹂第2回大会で﹁6C 1500 Super Sport﹂で初優勝した伝説的勝利をオマージュしたもの。﹁2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO﹂をベースに、デザイン部門のチェントロ・スティーレが、クアドリフォリオロゴをブラック基調としたものに再解釈し、フロントグリルおよびドアミラーには、カーボン素材を使用。インテリアではレッドステッチのアクセントを施した3Dカーボンファイバーをダッシュボード、センターコンソール、ドアパネルに使用。スポーツレザーシート︵6ウェイパワー、シートヒーター付き︶には、専用の赤いロゴステッチとシリアルナンバーが刺繍されている。全世界で275台の限定で、日本には20台︵ブルカノ ブラック10台、エトナ レッド10台︶が設定される。2024年6月19日までの抽選受付。
GTA/GTAm
編集2021年4月26日から5月9日までの期間限定で、「ジュリアGTA」及び「ジュリアGTAm」を確定注文受付[19]。かつて初代ジュリアで存在した「ジュリア・スプリントGTA」に敬意を表して開発されたモデルで、「2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO」をベースに、GTAはCFRP製のボンネットやルーフに加えフロントバンパー、フロントフェンダー、ルーフ、リアディフューザーにもCFRPを採用しベースモデルに比べて約50kgの軽量化を実現。GTAm(mはモディファイドの略)は、それに加え後席シートの撤廃とロールバー設置、サイドとリアウィンドウにポリカーボネート製ウィンドウを採用したことによって更に50kg(合計100kg)軽量化している。他に、「ザウバーエアロキット(CFRP製サイドスカートとリアスポイラー)」、「GTA」ロゴ入りスパルコ製スポーツシート(GTA)、サベルト製スポーツシート(GTAm)、アクラポヴィッチ社製エキゾーストシステムを採用している。注文の際は、公式サイトでのコンフィギュレータによる仕様決定と頭金10%の支払いが必要になる。
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日本仕様 2017年10月販売型 SUPER フロント
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日本仕様 2017年10月販売型 SUPER リア
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日本仕様 2017年10月販売型 VELOCE フロント
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日本仕様 2017年10月販売型 VELOCE リア
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日本仕様 2017年10月販売型 2.2 TURBO DIESEL SUPER フロント
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日本仕様 2017年10月販売型 2.2 TURBO DIESEL SUPER リア
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日本仕様 2017年10月販売型 2.2 TURBO DIESEL SUPER インテリア
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GTA
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ジュリアGTAm
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2023年改良型
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2023年改良型 リア
脚注
編集注釈
編集
(一)^ ノーズ、テールエンド、ボディサイド、ルーフエンドなどには細かな造形処理が施されており、空気抵抗係数は0.33と、1960年代当時の最新鋭スポーツカー・ポルシェ・911にも勝る値を記録した。
(二)^ 販売価格を抑えるための選択で、パワーアップを望むユーザーは好みのキャブレターに交換するであろうことを想定している。
(三)^ スパイダー︵デュエット︶系が登場するまで2年間のみ生産。生産台数は1,000台と少ない。
出典
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(一)^ 森脇稔 (2010年4月27日). “ザガートのアルファレーサー TZ3、最優秀デザイン賞に輝く”. レスポンス自動車ニュース 2010年7月15日閲覧。
(二)^ 森脇稔 (2011年5月8日). “ザガートのアルファスポーツ、TZ3ストラダーレ…世界限定9台”. レスポンス自動車ニュース 2011年8月22日閲覧。
(三)^ “アルファロメオ ジュリア新型、9月6日発表…新設計FRアーキテクチャーを採用”. carview! (2017年8月8日). 2017年8月9日閲覧。
(四)^ ab﹁Alfa Romeo Giulia︵アルファロメオ・ジュリア︶﹂を発表 - FCAジャパン 2017年9月6日
(五)^ アルファロメオ・ディーラー網を再構築 専売店を全国規模で展開 - FCAジャパン 2017年9月6日
(六)^ ﹁Alfa Romeo Giulia(アルファロメオ・ジュリア)﹂に﹁Veloce(ヴェローチェ)右ハンドル仕様﹂を追加 - FCAジャパン 2018年1月11日
(七)^ アルファロメオ、新型ディーゼルエンジン日本初導入 クラストップのスポーツディーゼルターボエンジンを Stelvio︵ステルヴィオ︶/Giulia︵ジュリア︶に搭載 - FCAジャパン 2019年2月18日︵2019年4月11日閲覧︶
(八)^ ﹁Alfa Romeo GIULIA /STELVIO﹂を改良 - FCAジャパン 2020年8月20日
(九)^ アルファ ロメオ、コンパクトSUV﹁トナーレ﹂2022年日本導入へ ブランド初のPHVモデル - Car Watch 2020年8月20日︵2020年8月21日閲覧︶
(十)^ ﹁Alfa Romeo Stelvio﹂に新グレード﹁ヴェローチェ﹂を追加 - FCAジャパン 2021年6月28日︵2021年7月2日閲覧︶
(11)^ 快適性を高めた新モデル﹁Giulia Ti﹂を設定 、﹁Alfa Romeo Giulia﹂が新仕様に - Stellantisジャパン 2022年4月6日︵2022年5月10日閲覧︶
(12)^ “限定車﹁Alfa Romeo Giulia ESTREMA﹂ ﹁Alfa Romeo Stelvio ESTREMA﹂を発売”. Stellantisジャパン (2022年7月12日). 2022年7月12日閲覧。
(13)^ “Alfa Romeo ﹁Giulia﹂、﹁Stelvio﹂の仕様を変更”. Stellantisジャパン (2023年5月29日). 2023年5月30日閲覧。
(14)^ “Alfa Romeo GiuliaおよびStelvio限定車 ﹁Quadrifoglio 100th Anniversario﹂抽選予約受付を開始”. Stellantisジャパン (2023年9月29日). 2023年9月30日閲覧。
(15)^ “Alfa Romeo GiuliaおよびStelvio クアドリフォリオの仕様を向上”. Stellantisジャパン (2023年11月28日). 2023年11月28日閲覧。
(16)^ “アルファ ロメオのカスタマイズ プログラム ﹁Design Your Quadrifoglio﹂を実施”. Stellantisジャパン (2024年3月7日). 2024年3月11日閲覧。
(17)^ ﹃アルファ ロメオ・ブランド ジュリア/ステルヴィオの限定車 ﹁Veloce Superiore﹂を発売﹄︵プレスリリース︶Stellantisジャパン、2024年4月25日。2024年2月29日閲覧。
(18)^ ﹃アルファ ロメオ・ブランド ジュリア/ステルヴィオ クアドリフォリオの限定車 ﹁SUPER SPORT﹂の予約受付を開始﹄︵プレスリリース︶Stellantisジャパン、2024年5月24日。2024年6月3日閲覧。
(19)^ ﹁Alfa Romeo Giulia GTA / GTAm﹂の注文受付を開始 - FCAジャパン 2021年4月26日︵2021年4月28日閲覧︶