ジアゾニウム化合物

ジアゾ化から転送)

diazonium compound N+N  N+N  (diazonio)RN+N  (diazonium ion)

diazotization (HNO2)  (RONO) 



調製と性質

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1858 J. P. Griess Griess
ジアゾニウム塩の生成と分解 

N2O3  RN+H2N=O [1]

 HSO4 <Cl <NO3 < ClO4 N2 (IV) [PtCl6](ArN2)2 

 MOH M+[ArN=NO] 2 n- iso-  

 ArN=NCN  ArN=NSO3K+ n- iso-[2]


ジアゾニオ基の性質

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ρ ρm = 1.76ρp = 1.91 [3] (N2) 

ジアゾニウム塩の反応

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SN1SN2

 

[1]

ザンドマイヤー反応

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芳香族ジアゾニウム塩をフッ素を除くハロゲン化銅(I)あるいはシアン化銅(I)チオシアン化銅(I)の存在下に生成させ、加温分解すると、元のアミノ基の位置が対応するハロゲンあるいはシアノ基・チオシアノ基で置き換えられた置換アリール体が得られる。この反応は1884年に発見した T. Sandmeyer に因んでザンドマイヤー反応と呼ばれる。この反応は一電子移動を含むラジカル的な機構を経て進行し、中間体としてアリール銅化合物を経由すると考えられている。

  (X = Cl, Br, CN, SCN)

ハロゲンがフッ素の場合はフッ化銅(II)フッ化銅(I)に比べて安定なため反応が進行しない(フッ化銅(I) は放置すると不均化を起こしてフッ化銅(II)と金属銅となる)。

他の芳香族置換反応

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SN1

 

 (I) 

 

2- 2-Craig 

 (RS, SO2 etc.) 

ジアゾカップリング

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'N

 

()


ラジカル的カップリング

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芳香族ジアゾニウム塩を水酸化ナトリウムで処理してアルカリ条件下で分解するとホモリティックな開裂によりアリールラジカルが発生する。これが別の電子豊富な芳香環と反応するとアミノ基があった位置で二量化したビアリール化合物を与える。この反応はゴンバーグ反応、あるいはゴンバーグ・バックマン反応 (Gomberg-Bachmann reaction) と呼ばれる。

 
 
 
 

アリールラジカルに対し電子求引基を持つアルケンが反応してスチレン誘導体を与える反応をメーヤワインアリール化 (Meerwein arylation) と呼ぶ。銅(II)塩が加えられる。

 

Dutt-Wormall 反応

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スルホンアミドを付加させた後に塩基を加えると、アジドが得られる。

 

ジアゾニウム塩の還元

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芳香族ジアゾニウム塩は塩化スズ(II)亜硫酸ナトリウムまたは亜硝酸ナトリウムで還元すると相当するアリールヒドラジン誘導体を与える。

出典

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  1. ^ a b Smith, M. B.; March, J. March's Advanced Organic Chemistry, 6th ed.; Wiley: New York, 2007.
  2. ^ ジアゾ化合物、『理化学辞典』、第5版、岩波書店
  3. ^ Hansch, C.; Taft, R. W. Chem. Rev. 1991, 91, 165-195.

関連項目

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