ジャスミン茶
Jasmine tea | |||||||
工芸茶3種の形状。いずれもジャスミン茶。 | |||||||
中国語 | 茉莉花茶, 香片 | ||||||
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いわゆる六大茶とは別の花茶︵フアチャー、拼音: [1]︶に分類され、ジャスミン茶はその代表的なものといえる。花茶を含めて中国茶を七大茶と分類する場合もある。フレーバーティーの一種。
茶葉にモクセイ科ソケイ属のマツリカ︵茉莉花、アラビアジャスミン︶の花の香りを吸着させたもので、もっとも有名な花茶である。強い花の香りを持つが茶の味を妨げることはない。一般的には緑茶が用いられるが、白茶や烏龍茶、プーアル茶が用いられているものもある。
中国では福建省福州市が一大生産地として知られ、その生産地・生産工程および喫茶文化が﹁福州市のジャスミンと茶文化システム﹂として国連食糧農業機関の世界重要農業遺産システムに登録されている。中国北部では、来訪者を歓迎する手順としてジャスミン茶を提供するのが通例である[2]。
歴史
編集飲み方
編集効能
編集ジャスミン茶に含まれる花の香り成分によるリラックス効果が期待される。また、テアニンが含まれており、集中力アップが期待される。
製法
編集「花茶#概要」も参照
さんぴん茶
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沖縄県では、ジャスミン茶の一種であるさんぴん茶︵さんぴんちゃ︶が飲まれている。一般のジャスミン茶が緑茶にマツリカ︵ジャスミン︶の香りを付けたものであるのに対して、さんぴん茶は半発酵茶にマツリカ︵ジャスミン︶の香りを付けたものである[3][4]。﹁さんぴん茶﹂という名称は、ジャスミン茶を指す中国語の﹁香片茶﹂︵シャンピェンチャー︶が転訛したものである[3]。
また、さんぴん茶より発酵の度合いが高い半発酵茶を用いたものは、清明茶︵シーミーちゃ︶と呼ばれる[5]。
さんぴん茶の茶葉は、沖縄県内では生産されておらず、福建省や台湾北部で生産されたものが輸入されている[3]。近年では、茶葉だけでなく、紙パック入り、缶入り、ペットボトル入りのさんぴん茶飲料がスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどで販売されている。
加工品
編集脚注
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(一)^ abcdefghijkl布目潮渢 1998, p. 217.
(二)^ abGong, Wen. Lifestyle in China. 五洲传播出版社, 2007. Retrieved October 23, 2010, from [1]
(三)^ abc布目潮渢 1998, p. 217-224.
(四)^ 沖縄のお茶はさんぴん茶だけじゃない デイリーポータルZ‥@nifty
(五)^ 大槻暢子、岡本弘道、宮嶋純子﹁沖縄における茶文化調査の概要と今後の課題﹂﹃東アジア文化交渉研究﹄第2号、関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)、2009年3月、289-311頁、ISSN 18827748、NAID 110007092934。
参考文献
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●宮嶋純子﹁近現代の沖縄における茶業史と茶文化﹂﹃周縁の文化交渉学シリーズ1﹃東アジアの茶飲文化と茶業﹄﹄、関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)、2011年3月、119-128頁、NAID 120005685596。
●布目潮渢﹃中国茶文化と日本﹄21号、汲古書院︿汲古選書﹀、1998年。ISBN 4762950211。 NCID BA35858379。
●布目潮︹フウ︺﹁茶と茉莉花 (特集 花の文化史--アジアの花と人々)﹂﹃月刊しにか﹄第8巻第9号、大修館書店、1997年9月、73-76頁、ISSN 09157247、NAID 40004854635。