ターヘル・アナトミア

『解体新書』の最も重要な底本


『ターヘル・アナトミア』(複製)。国立科学博物館の展示。

著者・訳者

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 Anatomische Tabellen 17221732

 Ontleedkundige Tafelen[1][2] Gerard Dicten 1696? - 17701734

書名について

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『ターヘル・アナトミア』という書名は、杉田玄白の『蘭学事始』の中で使われている表記である。漢文で書かれている『解体新書』においては「打係縷亜那都米」と表記され「ターヘル・アナトミイ」とフリガナが付いている。『解体新書』の凡例の中で「ターヘル」が表、「アナトミイ」が解剖を意味しているとの適切な説明がある。

この表記は、扉絵に書かれているラテン語題名 Tabulæ Anatomicæ (タブラェ・アナトミカェ)に由来するとみられる。原書のドイツ語題名は Anatomische Tabellen(アナトーミッシェ・タベレン)、オランダ語題名は Ontleedkundige Tafelen(オントレートクンディヘ・ターフェレン)であり、いずれも『ターヘル・アナトミア』とは大きく異なる。

先述したラテン語題名 Tabulæ Anatomicæ を直訳すれば『解剖(学)図表(複数)』という意味であり、解剖学書としてはごくありふれた名称である。したがって『ターヘル・アナトミア』を正式な書名とするのは難しく、本来なら『解体新書』に記された他の参考解剖書に倣って『クルムス解体書』のように呼ぶのが妥当であるが、杉田玄白が『蘭学事始』の中で何度も『ターヘル・アナトミア』と表記しているので一般に広まっている。日本で一般に『ターヘル・アナトミア』と言えばクルムスの解剖書のことである。

日本への招来

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271770

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『解体新書』との関係

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解体新書』(複製)。国立科学博物館の展示。







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脚注

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  1. ^ Ontleedkundige Tafelen” (オランダ語). 慶應義塾大学. 2023年10月25日閲覧。
  2. ^ Ontleedkundige Tafelen” (オランダ語). 東京医科歯科大学. 2023年10月25日閲覧。
  3. ^ 蘭学事始 / 杉田玄白(翼)著,林茂香,明治23年4月 P.28「これを見れは即ち翁か此頃手に入りし蘭書と同書同版なり是れ誠に奇遇なりとて互ひに手をうちて感せり」

関連項目

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