テトラメチルエチレンジアミン
有機/無機合成における用途
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テトラメチルエチレンジアミンは金属イオンへのキレート配位子︵二座配位子︶として用いられる。さまざまな金属塩と安定な錯体を作り、有機溶媒へ可溶化させる。
有機金属化学では、リチウムイオンへの親和性がよく知られる。n-ブチルリチウム (n-BuLi) が作る6量体クラスターに作用し、活性化させる。この n-BuLi/TMEDA 錯体はベンゼン、フラン、チオフェン、N-アルキルピロール、フェロセンなどのプロトンを、場合によっては2個引き抜くほどの強い塩基性を示す[2]。さまざまな有機金属のアート錯体が、[Li(TMEDA)2]+ を対カチオンとする形で単離されている[3]。それらの錯体では、[Li(TMEDA)2]+ イオンは4級アンモニウムイオンのようなはたらきをしているが、塩基に対する耐性はずっと高い。
他の用途
編集テトラメチルエチレンジアミン(0.1~0.2% v/v)はペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)とともに、アクリルアミドをポリアクリルアミドゲルとする重合・ゲル化反応の開始剤として用いられる。ポリアクリルアミドゲルはポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE) やウェスタンブロッティングで担体とされる。