ブラウン管
ブラウン管(ブラウンかん)は、電子銃から電子ビームを蛍光面に照射し、発光させて図像を表示する、陰極線管(cathode-ray tube, CRT)と呼ばれる種類の真空管を応用した装置である。名称は、発明者であるドイツのカール・フェルディナント・ブラウンに由来する。
概要
編集動作原理
編集走査方式
編集ラスタスキャン
編集ラジアルスキャン
編集初期のレーダー表示装置では、パラボラアンテナの向きと同期して放射線状に電子線を走査し表示を行う。
ベクタースキャン
編集多色表示の方法
編集複数解像度の対応
編集多色表示の方法で記述したようにシャドーマスクまたはスロットマスク、アパーチャーグリルによって誤って他の色のドットに電子線が入らないようになっているため十分にドットが小さければドット間隔に関わらず走査線周波数を変えることで複数の解像度に対応する。複数の解像度に対応したものはマルチスキャンディスプレイと呼ばれる。
磁石の影響
編集ブラウン管に磁石を近接させると、管を構成する金属部品や蒸着膜が帯磁して内部の電子ビームに歪みが起こり、正しく動作しなくなる場合がある。特に、鉄製のアパーチャーグリルやシャドウマスクを採用している物でも、これらマスクが磁化すると色ズレを起こしやすい。色ズレの影響が目立ちやすいコンピュータ用ディスプレイでは、消磁機能を内蔵しているものが多いほか、内蔵していない場合でもテレビなどの消磁に用いる専用の消磁器もあり、高速で磁場を反転させながら、徐々に磁場を弱くすることにより、帯磁を消失させる。
消磁器は作動させたら、画面上で円を描くようにしながら次第に遠ざける事で磁気の影響を気に成らない程度に軽減させられる。熟練を要し、失敗のリスクを伴う方法だが、永久磁石でも上手に一定速度で画面上を動かしながら遠ざけることで、消磁することも原理的には可能である。
基本的にブラウン管使用機器のそばにスピーカーやモーターといった磁気を発する物を設置するのは避けるべきである。ただしこれらの影響を与えないように防磁機能を持たせているものは、影響が無視できるほどに小さくなっている。
特殊なブラウン管
編集その他
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市場規模
編集社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の発表(外部リンクの節参照)によると、日本における一般PC向けのCRT需要は、2005年度でほぼ消滅。印刷物に対して忠実な色再現性が求められるDTP分野以外は、完全に液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わった。世界でも縮小傾向にある。
ブラウン管の歴史
編集ギャラリー
編集-
シャドーマスク方式の画面拡大図
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アパーチャーグリル方式の画面拡大図
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シャドーマスク方式によるマウスポインタの拡大図
脚注
編集- ^ 「YouTubeが実現した「テレビと真逆」の動画革命 アメリカ本社の最高ビジネス責任者に直撃」東洋経済 2020/11/12 閲覧
- ^ 『 YouTubeはどうして「チューブ」なの? ロゴマークに隠された意味 』MACROMANCER 2023年9月4日閲覧。
- ^ 赤木真澄 (1983-11-01). “オペレーターのための新・電気の広場 ビデオ・ゲームのしくみと働き 連載第2回”. ゲームマシン (アミューズメント通信社) 223: 16 .
- ^ a b c 赤木真澄 (1984-01-01). “オペレーターのための新・電気の広場 ビデオ・ゲームのしくみと働き 連載第5回”. ゲームマシン (アミューズメント通信社) 227: 22-23 .
- ^ “テレビ受像機 カラーフラットテレビジョンTH-14F1 | ラジオ受信機 | 第2展示室 | UEC コミュニケーション ミュージアム”. 2023年9月4日閲覧。
関連項目
編集- シャドーマスク
- スロットマスク
- アパーチャーグリル
- 薄型ブラウン管
- トリニトロン管
- ダイヤモンドトロン管
- ハイビジョンブラウン管テレビ
- ドットマトリクス
- 映像機器
- キドカラー
- ポンパ
- ニモ・チューブ
- ディスプレイデバイス
- The Society for Information Display - SID ; 世界最大のディスプレイ学会
外部リンク
編集- 「昭和」の象徴…ブラウン管TVの生産終了へ(読売新聞、2014年12月8日) at Archive.is (archived 2014年12月8日)2023年9月4日閲覧。
- 2005年情報端末関連機器の世界・日本市場規模および需要予測 at the Wayback Machine (archived 2009年3月29日)(社団法人 電子情報技術産業協会)2023年9月4日閲覧。