年齢差別

年齢による差別

 (: ageism) [1][2]

概要

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「エージズム」は、1969年、アメリカの医師で老年医学者、ロバート・バトラーが初めて使用した。バトラーは、これを高齢であるという理由で高齢者をステレオタイプ化し、差別するプロセスと定義した。

WHOは2021年、エイジズムにかんするグローバルレポート[3]で、年齢を理由にした固定観念、偏見、差別と説明した。

報告書によれば、エイジズムには、制度的なもの、対人的なもの、自らに起因するもの、があると3分類し、制度的なものは、年齢を理由に不当に機会を制限し、組織的に不利益を与える法律、規則、社会規範などをさし、定年制度や中途採用の際の年齢制限がこれにあたり、対人的なものは、2人以上の個人間で生じるものとし、年齢や年をとることについての冗談や、医療従事者らによる高齢者への虐待など、自らに起因するものは、自分自身にむけて生じるもので、もう年だからと自ら行動を制限し、自尊感情が低くなることなどである。

運転関連

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運転免許の年齢制限など、差別を受けたと感じるとストレス源となり、自信を失う原因になる[4]

雇用

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1967 (ADEA) 40[5]

1970[6]

EU2006

200710[7][7]

日本での年齢制限訴訟と合憲判決

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2004-2005年にかけて、「国家公務員採用試験の年齢制限の是非を問う訴訟」が起こされた。全審級において原告が敗訴し、年齢制限は存続することになった。

  • 2004年6月18日、平成15年(行ウ)第547号「国家公務員採用III種試験受験資格確認等請求事件」の一審判決。
  • 2004年9月28日、平成16年(行コ)第229号「国家公務員採用III種試験受験資格確認等請求事件」の控訴審判決。
  • 2005年4月19日、平成16年(行ツ)第330号 最高裁判決。

なお、控訴審において東京高裁は、「本件受験資格規定による年齢制限を設けることにより、受験すらできずに国家公務員への道が閉ざされる者が生じ、仮に受験が認められれば合格するであろう受験資格年齢超過の優資質者を排除してしまう反面、年齢制限を設けなければ合格しなかったであろう相対的劣資質者を採用する事態も生じ得ることは容易に推認することができる」としつつも、原告の全請求を退けている。

受験

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  • 京都大学医学部入試を受験した学生の面接点数が50点満点中0点であったことが、年齢差別ではないかとの見方が出ているが、担当者は否定しており真偽は不明である[8]

人種差別では「黒人はみんな〜」「白人はみんな〜」性差別では「女はみんな〜」「男はみんな〜」という表現が使われるように、年齢差別でも「老人は保守主義だ」「若者はマナーが悪い」「若者のほうが老人より能力がある」といったステレオタイプが使用される。

文化

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アメリカのような実力主義で先輩・後輩関係という文化の無い社会では相手の年齢を聞くことそのものが失礼とされる。

脚注

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(一)^  - .  (2015821). 2023627

(二)^ North, Michael S.; Fiske, Susan T. (2015). Modern attitudes toward older adults in the aging world: A cross-cultural meta-analysis. (). Psychological Bulletin 141 (5): 9931021. doi:10.1037/a0039469. ISSN 1939-1455. http://doi.apa.org/getdoi.cfm?doi=10.1037/a0039469. 

(三)^ 

(四)^ Regain your confidence (). Harvard Health (201961). 202261

(五)^ 2015-06-27

(六)^ 調2015-06-27

(七)^ ab  ISBN 4-7923-3220-6

(八)^ JCAST2015-06-27

関連項目

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