早課
概要
編集意義付け
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早課全体には様々な意義付けがなされるが、以下のようなものが挙げられる。
●神殿司祭長宅での裁判とイロド王︵ヘロデ王︶による裁判‥ユダヤ人によるイイスス・ハリストス︵イエス・キリストのギリシャ語読み︶に対する裁判を記憶する。この時間帯にそれが行われたため。
●起床への感謝、神への讃美
●一日の労働への祝福があるようにとの祈願
また、各部分において様々な意義付けがなされる。以下に幾つかの部分について概説するが、これで全てではない。
●六段聖詠︵第3聖詠、第37聖詠、第62聖詠、第87聖詠、第102聖詠、第142聖詠︶ - 痛悔が神に赦しを得ることについての望みと、神が祈願を聞き入れ守る事を信じ、記憶する。
●多油祭︵ポリエレイ︶ - ポリエレイとは"πολύ"︵ポリ[1]︶と"έλεος"︵エレオス︶の合成語であって﹁多くの仁慈︵あはれみ︶﹂という意味。この場面で詠隊により聖歌﹁其仁慈︵あはれみ︶は世々にあればなり﹂が歌われる事により﹁ポリエレイ﹂の名がある。﹁多油﹂の漢字表記は、この時に聖堂内の全ての照明が一斉に燈されること︵かつての照明の主力は油灯であった︶に由来する。この時、救世主イイスス・ハリストスの復活を記憶して祈る。
脚注
編集- ^ 正教会では中世以降のギリシャ語もしくは現代ギリシャ語が使われる事が多いので、正教会に関係する本記事でも片仮名転写を現代ギリシャ語に則る。古典ギリシャ語再建音では「ポリュ」となる。
参考文献
編集- ミハイル・ソコロフ著、木村伊薩阿克訳『正教奉神礼』日本正教会(明治24年3月)