正教会における、晩課・早課も含めた、広義の時課が行われる大まかな時刻の図解。正教会暦においては一日は日没に始まり日没に終わる。但し、このような時刻で全ての時課が行われる事は、大規模な修道院を除き極めて稀である。
晩堂課には晩堂大課︵ばんどうたいか、ギリシア語: Μέγα Απόδειπνον, ロシア語: Великое повечерие, 英語: Great Compline︶と晩堂小課︵ばんどうしょうか、ギリシア語: Μικρόν Απόδειπνον, ロシア語: Малое повечерие, 英語: Small Compline︶とがある。晩堂小課は晩堂大課を縮小した短いものとなっている[2]。
晩堂大課は降誕祭・神現祭などの大祭や、大斎に行われる。晩堂大課では祈祷文﹁神は我等と偕にす﹂が歌われる。大斎第一週には、クリトの聖アンドレイの痛悔のカノンが挿入されて朗誦される[1]。
この奉事において正教徒は、夕食後、眠りに着く前に、知って犯した罪・知らないで犯した罪など、諸々の罪の赦しを神に求め痛悔し、神がこの眠りを人の罪ゆえに目覚めない眠り︵死︶とすることがないように願い、睡眠中に敵の誘惑から守るように霊と体への安息を求める。さらに昼間の労働で疲れた人の体にとって至福の時として、修士アンティオフの祈りにより、夜の平安と眠りを救世主に求める。また、一時的な眠りから死の眠りによる浮世との別れを想起し、憎悪をなくし、すべての人々のために祈ることも行われる[2]。
- 晩堂課 - 意義説明と訓示。東方正教会 - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)より(長司祭長屋房夫によるページ)。
- トマス・ホプコ著・イオアン小野貞治訳『正教入門シリーズ2 奉神礼』西日本主教区(日本正教会)
- ミハイル・ソコロフ著、木村伊薩阿克訳『正教奉神礼』日本正教会(明治24年3月)