月山
山形県にある火山
概要
編集地学
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火山活動は約70万年前に始まり、最後に噴火した約30万年前には山頂部まで形成された。東側斜面には弥陀ヶ原などの湿原が点在し、比較的なだらかなのに比べ、北西側斜面には長径2.5kmの馬蹄型カルデラが開いて急峻な姿を見せ、北方に山体崩壊時の堆積物が分布する。
月山のなだらかな山容は楯状火山をイメージさせ、かつてはそう考えられてきたが、頂上付近の輝石安山岩や、爆発カルデラ地形の中にある雨告山中央火口丘の存在は成層火山の特徴であり、現在では楯状火山とは考えなくなった[注釈1]。
南西麓では、硬い火山岩の上に、深さ約100メートルの軟らかい火山噴出物が堆積しており、地表近くを月山の万年雪から出る大量の雪解け水が流れることにより、地滑りを誘発しやすくなっている。そのため、国土交通省の調査で広範囲な地滑りが起きる可能性があり、平成21年度より地盤の動きを止める本格的な工事に着手する予定である。
アイスキャップの山
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月山山頂一帯のなだらかな地形部には、氷河の拡張した時代に氷帽氷河︵アイスキャップ︶が存在していた可能性が地形学者の五百澤智也により指摘されており、四ツ谷川上流にある牛首カール3か所は、複合涵養域谷氷河のU字谷地形であり、その下部の解析谷には底堆石層の露頭が存在する。また五百澤は近世の月山での講中登山などの記録の古文書での記載に着目し、数百年前の月山では夏季にもかかわらず多量の残雪があった事にも言及しており、元禄2年︵1689年︶6月6日︵新暦7月23日︶に月山に登った松尾芭蕉が記した奥の細道での
雲霧山気の中に氷雪を踏んで登ること八里、更に日月行道の雲関に人かとあやしまれ、息絶身こごえて、頂上にいたれば日没して月顕わる — 松尾芭蕉、奥の細道
この芭蕉の記載から、はからずも芭蕉は夏季における氷雪の記録を残してくれていると指摘している[9]。
月山山麓湧水群
編集自然
編集観光
編集- 月山の副峰姥ヶ岳にあり冬季は閉鎖。4月上旬にオープンし、7月末頃まで夏スキーが楽しめる。冬季はリフトの運転をしていないが、スノーモービルやクロスカントリースキーなどは楽しめる。
- 道の駅 月山(月山あさひ博物村)
登山モデルコース
編集- 姥沢バス停→月山ペアリフト→姥ガ岳→牛首→月山神社→山頂→仏生池→月山八合目バス停
- 所要時間4時間、標高差500m。
- 月山ペアリフトのリフト下駅からリフトに乗って距離1km、標高差約300mを登り、リフト上駅へ向かう。リフトを使用しない場合は姥沢小屋の分岐で右に向かい、リフト分岐まで1時間25分を登山する。[10]
アクセス
編集月山が登場する作品
編集月山にちなむ名称
編集脚注
編集注釈
編集- ^ a b 以前はアスピーテに分類されていたが、現在では成層火山が侵食や爆発によりなだらかになったものであるという説が有力である。詳しくは火山#地形による分類を参照。
出典
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(一)^ 地図閲覧サービス2万5千分1地形図名‥月山(仙台)︵国土地理院、2010年12月31日閲覧︶
(二)^ 日本の主な山岳標高‥山形県︵国土地理院、2010年12月31日閲覧︶
(三)^ 外国人にわかりやすい地図表現検討会 (2016年1月6日公表) (PDF). 地名の英語表記及び外国人にわかりやすい地図記号について. 国土地理院. p. 7
(四)^ ﹃日本百名山﹄ 深田久弥︵著︶、朝日新聞社、ISBN 4-02-260871-4、pp321-324
(五)^ ﹃新日本百名山登山ガイド︿上﹀﹄ 岩崎元郎︵著︶、山と溪谷社、ISBN 4-635-53046-9
(六)^ ﹃花の百名山﹄︵愛蔵版︶ 田中澄江︵著︶、文春文庫、ISBN 4-16-352790-7
(七)^ ﹃新・花の百名山﹄ 田中澄江︵著︶、文春文庫、ISBN 4-16-731304-9、
(八)^ 月山山麓湧水群 - 名水百選 Archived 2011年9月26日, at the Wayback Machine. - 環境省
(九)^ 堀淳一、山口恵一郎、籠瀬良明編、五百澤智也著﹁アイス・キャップ︵氷帽氷河︶の月の山﹂﹃地図の風景 東北編2山形・秋田・青森﹄48-54ページ (株)そしえて1981年 ISBN 4-88169-283-6
(十)^ 登山ルート・山旅スポット. “月山の登山レポート リフト~月山のピストン登山ルート”. 山旅旅. 2020年10月8日閲覧。
参考文献
編集- 日本の万年雪―月山・鳥海山の雪氷現象1971~1998に関連して 土屋巌著 古今書院 ISBN 978-4772213493
関連項目
編集外部リンク
編集- 日本の火山 月山 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
- 月山 - 鶴岡市観光連盟
- 磐梯朝日国立公園 月山ビジターセンター