おくのほそ道

元禄時代に活動した俳人松尾芭蕉による紀行文集
奥の細道から転送)

おくのほそ道』(おくのほそみち)は、元禄文化期に活躍した俳人松尾芭蕉紀行及び俳諧元禄15年(1702年)刊。

おくのほそ道
訳題 Oku no Hosomichi
作者 松尾芭蕉
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 紀行
俳諧
初出情報
初出 元禄15年(1702年
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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概要

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西50016892[6]6002400150[6]41691西500

96[7][* 2]

2327168951614[6]

  [* 3][6]

11  [6]

6[6]

沿  [6]   [6]

4つの原本

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[][11]

21996[12][13][14]1972[13][14]

西西1944[15][11][13][14]西[* 4]

出版経緯

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西[16]51694170215西[17]1西

19381319603519968[18]

旅程

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足立区(千住宿入口:左側)と荒川区(南千住駅前:右側)でそれぞれに碑を建てているが、芭蕉が隅田川の南岸(荒川区側・当時江戸)に降りて出発したのか、北岸(足立区側)に降りて出発したのかの「千住論争」が存在する[19]
 
蕪村画 逸翁美術館

江戸、旅立ち

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2 

  

327[20] 



  

日光

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4月1日 下野国日光(現、栃木県日光市)

「あらたふと 青葉若葉の 日の光」

黒羽 雲巌寺 光明寺

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4月4日 黒羽(栃木県大田原市)を訪れ、黒羽藩城代家老浄法寺図書高勝、俳号桃雪

4月5日 雲巌寺に禅の師匠であった住職・仏頂和尚を訪ねる。

「木啄も 庵はやぶらず 夏木立」

4月9日 修験光明寺に招かれて行者堂を拝する。

「夏山に 足駄を拝む 首途哉」

那須 温泉神社 殺生石

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4月19日 温泉神社(栃木県那須町)に那須与一を偲び、殺生石を訪ねる。

「野を横に 馬牽むけよ ほととぎす」

白河の関

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4月20日 陸奥国白河福島県白河市)

「心許なき日かず重るまゝに、白川の関にかゝりて旅心定りぬ」

飯坂の里

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5月2日 飯坂(福島県福島市飯坂町

「笈も太刀も五月に飾れ紙幟」

多賀城

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5月4日 多賀城宮城県多賀城市)、壺の碑(多賀城碑)を見て「行脚の一徳、存命の悦び、羇旅の労をわすれて泪も落るばかり也」と涙をこぼしたという。

松島

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5月9日 歌枕松島(宮城県宮城郡松島町

芭蕉は美観に感動したあまり「いづれの人か筆をふるひことばを尽くさむ」と自らは句作せず、代わりに曾良の句を文末に置いた[* 5]

「松嶋や 鶴に身をかれほとゝぎす」曾良

平泉

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513 3西

耀

 

  

  


尿前の関

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5月14日 尿前(宮城県大崎市

「蚤虱 馬の尿する 枕もと」

(実際には尿前の関より先の堺田にあった「封人の家」で作られた)

尾花沢

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5月17日 出羽国尾花沢山形県尾花沢市)、旧知の豪商、鈴木清風を訪ねる。

「涼しさを 我宿にして ねまる也」

「這出よ かひやが下の ひきの声」

「まゆはきを おもかげにして 紅粉べにの花」

山形領 立石寺

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5月27日 立石寺山形市山寺)にて。

閑さや岩にしみ入る蝉の声

新庄

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5月29日 最上川の河港大石田(山形県大石田町)での発句を改めたもの。

「五月雨を あつめて早し 最上川もがみがわ

出羽三山

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65 

  

66 

  

67 殿

 殿 

鶴岡

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6月10日 鶴岡(山形県鶴岡市)にて。

「珍しや 山をいで羽の 初茄子び」

酒田

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6月14日 酒田(山形県酒田市)にて。

「暑き日を 海にいれたり 最上川」

「あつみ山や 吹浦かけて 夕すヾみ」

象潟

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象潟地震で隆起する以前の、象潟の様子が描かれた屏風。

616  

 西 

西

  

越後 出雲崎

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7月4日 越後国出雲崎いずもざき新潟県出雲崎町)での句。

「荒海や 佐渡によこたふ 天の河」

市振の関

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7月13日 親不知おやしらずの難所を越えて市振いちぶり(新潟県糸魚川市)の宿に泊まる。

一家ひとつやに 遊女もねたり 萩と月」

越中 那古の浦

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7月14日 越中国那古の浦(富山県射水市)数しらぬ川を渡り終えて。

「わせの香や 分入わけいる右は 有磯海ありそうみ

金沢

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71582924 [* 6]調

  

  

 

  

小松

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7月25日から27日 山中温泉(石川県加賀市)から戻り8月6日から7日 懇願され滞在長引くも安宅の関記述なし。

「しほらしき 名や小松吹 萩すゝき」

加賀 片山津

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7月26日 小松(石川県小松市)、『平家物語』(巻第七)や『源平盛衰記』も伝える篠原の戦い(篠原合戦)、斎藤実盛を偲ぶ。

「むざんやな 甲の下の きりぎりす」

山中温泉

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72785 宿

  



    



  

小松 那谷寺

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8月5日 小松へ戻る道中参詣、奇岩遊仙境を臨み。

「石山の 石より白し 秋の風」

大聖寺 熊谷山全昌寺

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8月7日 前夜曾良も泊まる。和泉屋の菩提寺、一宿の礼、庭掃き。

庭掃にわはきて いでばや寺に 散柳ちるやなぎ

終宵よもすがら 秋風聞や うらの山」 曾良

越前 吉崎

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8月9日 「この一首にて数景尽たり」 蓮如ゆかり越前国吉崎御坊福井県あわら市)の地。

終宵よもすがら 嵐に波を 運ばせて 月を垂れたる 汐越の松」  西行[22]

松岡 天龍寺

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8月10日 金沢から供とした立花北枝とここで別れる[23]

「物書て 扇引さく 余波哉」

敦賀

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814

  

815

  

816西

  

  

大垣

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821
96 

  

文化財

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奥の細道の沿道には多くの文化財が点在している。それらを統合し文化財保護法名勝として、『おくのほそ道の風景地』が12県に跨り26カ所が指定されている[* 7]

主な文庫注解

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  1979ISBN 9784003020623
1991ISBN 9784000070799

  2017ISBN 9784003510247

   退︿2003ISBN 9784044010041

  ︿2001ISBN 9784043574025

 ︿1980ISBN 9784061584525

   ︿2007ISBN 9784061598140

翻訳書

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  • 『スペイン語で旅するおくのほそ道 (Sendas de Oku)』伊藤昌輝訳、エレナ・ガジェゴ・アンドラーダ監修、大盛堂書房、2018年(日西対訳版)。ISBN 978-4-88463-122-2

映像

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31
NHK2000425311040VHS1040200121

NHK 9
NHK20079102520082DVDNHK 2

DVD 199712/
辿

 DVDCD20054/
DVD2CD2

おくのほそ道を追体験した記録

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  • 俳諧師の諸九尼は1771年、京を出発して東海道、江戸、仙台、中山道を経て京に帰り「秋かぜの記」を著している。諸九尼は、志太野坡(芭蕉門下)の弟子の湖白亭浮雲(有井新之助)と駆け落ちした経緯をもつ。

翻案作品

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漫画

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ゲームソフト

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音楽

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  • 湯浅譲二
    • 交響組曲「奥の細道」(1995)
  • 新実徳英
    • 「おくのほそ道─越の国々」 メゾソプラノとピアノのための(2011)
    • 芭蕉の句による歌曲集「おくのほそ道~みちのくへ」(2013)
  • 柏木俊夫
    • 芭蕉の奥の細道による気紛れなパラフレーズ(1950)

ミュージカル

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2008~2009年の劇団わらび座によるミュージカル[24]

脚注

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注釈

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(一)^ 8[1]宿[]

(二)^ 14[7]

(三)^ [8]
  西47
[6]

^ 1960西

^  [21]

^ 

^  - 

出典

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(一)^  188,  .

(二)^  &  1986, pp. 0052.jp2-0055.jp2.

(三)^  1984, pp. 20-2111.

(四)^  2001a, pp. 112.

(五)^  2001b, p. 10loc=I .

(六)^ abcdefghi 2001, pp. 136137.

(七)^ ab 2015, pp. 128129.

(八)^ ab. www.bashouan.com.  2  (20181111). 201811112023128

(九)^   1972, .

(十)^   1971, pp. 31, 1 西.

(11)^ ab20062319 

(12)^ 2009/07/12

(13)^ abcDB, 

(14)^ abc   (西, 2009-06-30) :西. (14)

(15)^ 19516 )8 17/20p713  1994

(16)^ 31A01 https://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko31/bunko31_a0150/

(17)^  2006, .

(18)^ 215 201110172-174 

(19)^ 25  2014723 

(20)^  2005, p. 8廿7

(21)^  1970, p. 79.

(22)^  2005, p. 210西西調

(23)^    

(24)^  . . 2021114

(25)^  . . 2021114

参考文献

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20011110ISBN 4-534-03315-X 

20151010ISBN 978-4-534-05318-3 

 : 673-8419701125ISSN 0286-293X NAID 110000993286http://ypir.lib.yamaguchi-u.ac.jp/bg/metadata/1242 

. . LAP Edc. SOFT. 20181052022127

 ︿2005ISBN 4-16-660460-0 

 . 5020011-12 

 : 2001 
I 10

1 1011

   ︿  ; 11972 西58 ; 17cm
西11

15p

 3[]1881 NCID BD0051784X 12414131
1 

2 21

4  

64101986100052.jp2-0055.jp2doi:10.11501/3198506:00021363 

   : 391119841120-2111 

1879 NCID BA86305628   187923

 §§§ 3︿1971310021.jp2doi:10.11501/1674591:75011212 

関連項目

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 20071996
1987



2010便



1982︿1984



西





 - 

外部リンク

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