王子稲荷神社
東京都北区岸町にある神社
王子稲荷神社(おうじいなりじんじゃ)は、東京都北区岸町にある神社である。東国三十三国稲荷総司との伝承を持ち、民話『王子の狐火』や落語『王子の狐』でも有名。
王子稲荷神社 | |
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![]() 拝殿 ![]() | |
所在地 | 東京都北区岸町1-12-26 |
位置 | 北緯35度45分21.9秒 東経139度44分0秒 / 北緯35.756083度 東経139.73333度座標: 北緯35度45分21.9秒 東経139度44分0秒 / 北緯35.756083度 東経139.73333度 |
主祭神 | 宇迦之御魂神・宇気母智之神・和久産巣日神 |
社格等 | 無格社 関八州稲荷総司 東京八大稲荷 |
創建 | 平安時代以前 |
例祭 | 2月初午 |
主な神事 | 12月31日:狐の行列 |
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f3/100_views_edo_018.jpg/220px-100_views_edo_018.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8a/Hiroshige-100-views-of-edo-fox-fires.jpg/220px-Hiroshige-100-views-of-edo-fox-fires.jpg)
祭神
編集摂社
編集装束稲荷神社
編集概略
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古くは岸稲荷と号した[1]。﹃新編武蔵風土記稿﹄巻之十八の豊島郡之十﹁王子村﹂によれば、荒川流域が広かった頃、その岸に鎮座した事から名付けられた[2]。また、治承四年に源頼朝より奉納を得たという[2]。徳川家康が王子稲荷、王子権現、両社の別当寺であった金輪寺に宥養上人を招いて以降、江戸北域にあって存在を大きくした。
狐火
編集「王子の狐火」を参照
﹃江戸砂子﹄王子稲荷の段に以下のとおり記されている。
狐火おびただし、この火にしたがひて、田畑のよしあしを所の民うらなふことありといふ。
︵訳︶ 狐火がおびただしい。当地の農民はこの火によって田畑の豊凶を占ったりするという。
狐火にわうじ田畑のよしあしを知らんとここに金輪寺かな
年毎に刻限おなじからず、一時ほどのうちなり。宵にあり、あかつきにありなどして、これを見んために遠方より来るもの空しく帰ること多し、一夜とどまれば必ず見るといへり。
︵訳︶ 狐火の現れる時刻は年によって違うが、1~2時間ほどのことだという。晩に現れることもあれば明け方に現れることもあり、遠方からわざわざ見に来た人も見ずに終わることが多いが、一晩中待機していれば必ず見られるとのこと。
毎年大晦日の夜、諸国のキツネ、社地の東、古榎のあたりにあつまり、装束をあらためるといい、江戸時代、狐火で有名であった。
﹁関東八州﹂の稲荷︵参照‥稲荷神︶の総社と観光紹介されるようになっているが、元来は東国三十三国の稲荷総司の伝承をもっていた。
社伝には﹁康平年中、源頼義、奥州追討のみぎり、深く当社を信仰し、関東稲荷総司とあがむ﹂ とある。この﹁関東﹂を中世以来別当寺金輪寺は、陸奥国まで含む﹁東国三十三国︵参照‥出羽三山*歴史項︶﹂と解釈してきた。﹁三拾三ケ国の狐稲荷の社へ火を燈し来る﹂との王子神社の縁起絵巻﹁若一王子︵にゃくいちおうじ︶縁起﹂︵紙の博物館蔵︶の付箋[3]が示す通り江戸中期までは神域に﹁東国三十三国﹂の幟、扁額を備えていた。寛政の改革時に幕府行政の上からの干渉を受けて以降、関八州稲荷の頭領として知られるようになった。
﹁三十三国﹂とあるが、北陸道・東山道・東海道を全部あわせても東国は30国しかない。33という数字は全令制国の合計66国を半分にした観念的な数字とする説、平安時代までに廃止された諏訪国・石城国・石背国を加えたものとする説、当時﹁蝦夷ヶ島﹂と総称された渡党︵わたりとう︶・日本︵ひのもと︶・唐子︵からこ︶を加えたとする説などがある。
祭事
編集王子稲荷の格式
編集『新編武蔵風土記稿』巻之十八 豊島郡之十 にはまた、王子稲荷について「当社は(王子)権現の末社の如く聞こえたれど左にあらず、金輪寺中興宥養(家康と昵懇の間柄の高僧)を王子両社(王子権現と王子稲荷)の別当に補せらると云うに拠っても知らるる」と記している[2]。王子稲荷は江戸市民から神社人気一番を得続けた。
美術における王子稲荷
編集文化財
編集備考
編集脚注
編集- ^ 江戸名所図会 1927, p. 346.
- ^ a b c 新編武蔵風土記稿 王子村 稲荷社.
- ^ “王子の狐物語・正しい王子の歴史のために”. 王子の里伝承観光舎、王子の小太郎. 2015年3月8日閲覧。
- ^ 火事除けに「凧市」王子稲荷神社、7日と19日『産経新聞』朝刊2018年2月3日(東京面)
- ^ 王子 狐の行列(2018年2月5日閲覧)
- ^ 石川(1993)、p.1
- ^ a b 額面著色鬼女図
参考文献
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●石川博﹁三代豊国の﹁初午の図﹂をめぐって﹂﹃甲斐路 No.77﹄山梨郷土研究会、1993年
●﹁王子村 稲荷社﹂﹃新編武蔵風土記稿﹄ 巻ノ18豊島郡ノ10、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:763978/14。
●斎藤長秋 編﹁卷之五 玉衡之部 王子稲荷社﹂﹃江戸名所図会﹄3巻、有朋堂書店︿有朋堂文庫﹀、1927年、340-341,346-347頁。NDLJP:1174157/175。
関連項目
編集- 王子の狐火
- 狐火
- 落語 『王子の狐』
- 乃木神社 (東京都港区)
- テレビドラマ 『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』