疑わしきは罰せず
刑事裁判における原則
概要 編集
この言葉は事実認定の過程を裁判官の側から表現したものである。これを当事者側から表現した言葉が推定無罪であり、ふたつの言葉は表裏一体をなしている。
検察官が挙証責任を負う範囲については、構成要件該当事実のほか、違法性・有責性・処罰条件・刑の加重減免・量刑を基礎付ける事実も含むと解され、以下のような例がある。
●殺人罪の構成要件該当事実については合理的な疑いを超える証明がなされていたとしても、正当防衛の否定に合理的な疑いがある場合は無罪としなければならない。
●殺人罪について外形的な事実について合理的な疑いを超える証明がなされていたとしても、殺意について合理的な疑いを超える証明がなされていない場合は︵公訴時効が成立しない場合は︶傷害致死罪等という形で最高刑が下がる刑事罰にしなければならない。