アコヤガイ
二枚貝の一種
(真珠貝から転送)
アコヤガイ︵阿古屋貝、珠母[1]、学名: Pinctada fucata martensii︶は、ウグイスガイ目ウグイスガイ科に分類される二枚貝の一種[2]。真珠養殖に利用される﹁真珠母貝﹂の一つで、天然でも殻内に真珠を持つことがある。クロチョウガイやマベとともに﹁真珠貝﹂としてよく知られている[2]。全体に膨らみが薄く、貝殻が柔らかい。
アコヤガイ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Pinctada fucata martensii | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
アコヤガイ(阿古屋貝) 真珠貝 パールオイスター | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Japanese Pearl Oyster Akoya Pearl Oyster |
概要
編集利用
編集真珠養殖
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貝殻の内側に異物が混入すると、その異物を核として真珠層を巻く性質があり、真珠の養殖に使用されている。養殖では、別の貝の貝殻を球状に加工したものを核としている。埋め込む核は2個であることが多い。ボタンやカフリンクス、ネクタイピン、真珠、ネックレス、指輪等の装身具に用いられる。
産卵期は5~9月。受精後約20日で殻高0.2mmほどに成長、足糸を出して浅瀬の岩に付着する。プランクトンや有機性懸濁物を濾過して、エネルギーとすることが多い。ある程度成長すると、養殖が可能となり、養成場へ移される。
日本では愛媛県の宇和海、長崎県の大村湾、三重県の英虞湾などで養殖されている。ほかにも、西日本各地の透明度の高い内湾でアコヤガイを利用した真珠養殖が行われている。浜揚げ目安は3年の経過である。
1990年代後半に感染症が拡大したため日本のアコヤガイ養殖は打撃を受け、中国産のアコヤガイが導入された。中国産は病気には強いが真珠の品質が劣るため、交雑が問題となっている。
2019年以降、愛媛県の宇和海で稚貝が大量死する例が見られた。2022年までに国と愛媛県の研究機関は、原因がビルナウイルス科に分類される新種のウイルスに感染したものと特定した[3]。
食用
編集語源
編集ゲノム解読
編集分類
編集アコヤガイ属(Pinctada属)の分類
- モスソアコヤガイ Pinctada albina Shark Bay Pearl Oyster - オーストラリアに分布
- Pinctada atropurpurea
- Pinctada chemnitzi
- ベニコチョウガイ Pinctada fucata
- アコヤガイ Pinctada fucata martensii
- Pinctada laosensis
- モスソアコヤガイ Pinctada maculata
- クロチョウガイ(黒蝶貝) Pinctada margaritifera Black-lip Oyster
- Pinctada martensi
- シロチョウガイ(白蝶貝) Pinctada maxima White-lip Oyster or Gold-lip oyster
- Pinctada nigra
- Pinctada radiata Gulf Pearl Oyster
- Pinctada virens
脚注
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(一)^ 金沢庄三郎 編﹁あこやがひ︵阿古屋貝・珠母︶﹂﹃広辞林﹄︵新訂︶三省堂、1934年、15頁。
(二)^ abcde“アコヤガイ︵二枚貝類ウグイスガイ科︶”. 沖縄市. 2019年12月5日閲覧。
(三)^ “真珠養殖のアコヤガイ大量死、原因は新種ウイルス”. 読売新聞 (2022年2月2日). 2022年2月9日閲覧。
(四)^ “(二) 真珠介”. 武蔵石壽. 2022年4月3日閲覧。
(五)^ “OIST研究員ら、世界に先駆け、アコヤガイのゲノム解読に成功 〜美しい真珠を生み出す仕組みの解明に道筋〜”. 沖縄科学技術大学院大学 (2012年2月8日). 2012年5月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月14日閲覧。
参考文献
編集- 水生生物情報データベース -AQUATIC ORGANISMS- - 独立行政法人 水産総合研究センター
- アコヤガイのゲノム解読に成功 〜美しい真珠を生み出す仕組みの解明に道筋〜 - 沖縄科学技術大学院大学