食料自給率

国内で消費される食料のうち、どの程度が国内産でまかなわれているかを表す指標
食糧自給率から転送)

食料自給率(しょくりょうじきゅうりつ)とは、1国内で消費される食料のうち、どの程度が国内産でまかなわれているかを表す指標。食料を省略して自給率と言われる場合もある。

指標の種類

編集

食料自給率には総合食料自給率と品目別自給率がある[1]

総合食料自給率

編集

[1]

2



[1]

11÷11[1]
×××[1]
[1]

[1][1]

×[1]

11++[2]



[1]

÷[1]
×[1]
[1][1]

×[1]

品目別自給率

編集

小麦など、特定の品目ごとの食料自給率である[1]。算出にあたっては、品目の重量を使用する(重量ベース)。

  • 品目別自給率=国内生産量÷国内の消費仕向量[1]
    • 国内消費仕向量=(国内生産量-輸出量)+輸入量[1]

国際連合食糧農業機関の指標

編集

国際連合食糧農業機関(FAO)のwebサイト[3]にあるFood Balance Sheet: A Handbook(食品バランスシートハンドブック)[4]IV. Applications and Uses for Food Balance Sheets Data(4章 食糧バランスシートデータへの応用と用途)[5]には以下の4種類をあげている。

  1. Standardization of Food Balance Sheets(標準化した食品のバランスシート)
  2. Import Dependency Ratio(IDR、輸入依存率)- 計算式:IDR=(輸入:Imports÷(生産:production+輸入:imports-輸出:exports))×100
  3. Self-Sufficiency Ratio(SSR、自給率)- 計算式:SSR=(生産:production÷(生産:production+輸入:Imports-輸出:exports))×100
  4. Analysis of the Pattern of Per Caput Food Supply(食品供給のパターン分析)

主要国の食料自給率の推移

編集

日本の農林水産省が推計した、1965年から2055年までの主要国の食料自給率は以下の通りである。これは経済統計のように各国がそれぞれ計算して発表したものではない[6]

主要国の最新の食料自給率
国名 カナダ オーストラリア フランス アメリカ ドイツ イギリス イタリア スイス 日本
生産額ベース
(2009年)
121% 128% 83% 92% 70% 58% 80% 70% 70%
カロリーベース
(2019年)
233% 169% 131% 121% 84% 70% 58% 50% 38%
出典:農林水産省試算[7]
主要国の食料自給率(カロリーベース食料自給率)(単位:パーセント)
国名 1965 1975 1985 1995 2005 2015 2025 2035 2045 2055
アメリカ 117 146 142 129 123 129
カナダ 152 143 176 163 173 255
ドイツ 66 73 85 88 85 93
スペイン 96 98 95 73 73 83
フランス 109 117 135 131 129 132
イタリア 88 83 77 77 70 62
オランダ 69 72 73 72 62 64
スウェーデン 90 99 98 79 81 77
イギリス 45 48 72 76 69 71
スイス 32 32 47 66 57 51
オーストラリア 199 230 242 261 245 214
韓国 51 45 43
日本 73 54 53 43 40 39
出典:農林水産省試算[8]

地域別の食料自給率

編集

日本の食料自給率

編集
 
[9] 196573% - 201039%
%%
2020201037%[10]

200820貿5600010%[11]

20183711965199366[12][13]

202182520200.3837.1719651.6867.4298765121153[14]

2021[15]
品目 割合
98%
小麦 17%
大麦・はだか麦 12%
いも類 72%
豆類 8%
野菜 79%
果実 39%
肉類 53%
鶏卵 97%
牛乳・乳製品 63%
魚介類 57%
海藻類 69%
砂糖類 36%
油脂類 14%
きのこ類 89%

2017293315.694529%3315.61452.344%492.615%1125.734%[16]

201729397.433.99%8.12%2667%110.628%[16]

54%2010531沿1292364811181201062%201120101[17]

4316%2010[18]

100%192%1%[19]

28%1731242013[8]

7

低下の要因

編集
畜産物・油脂1kgを生産するために必要な
穀物等の量(試算)
牛肉 豚肉 鶏肉 鶏卵 大豆油 なたね油
11kg 7kg 4kg 3kg 5kg 2kg

4[1]()()[2]

[20][21]198020%200525%[21]

196EU8100%516%2

[22]調使2200238.8%[23]11%6[23]宿1322.5%

食料自給率の問題点

編集
カロリーベース
編集

[2][24]

(一)100[24]

(二)[24]

(三)[24]11+[25][24]9002573kcal20051805kcal768kcal111013kcal÷1156%[3]

[2]

[26]  4%
安定供給
編集

2008[27][28]調[?]

1[29]

調[30]

2024年6月14日、食料供給困難事態対策法が成立した。食料危機の際、政府が農家に増産などを求められるようにする。施行は1年以内。コメや小麦などが大幅に不足する場合、政府は農家や販売者らに対し、生産や販売に関する計画の策定・提出を指示でき、従わない場合は20万円以下の罰金を科す。増産の要請に応じた農家らに補助金などで支援する[31][32]

そのほかの議論
編集

[33][34]

[35]

[36][37]

日本以外

編集



[1]201262%[1]



[1]202150%[1]



[1]202147%[1]



[1]

[1]202131%[1]



[1]

[1]201298%[1]



[1]

[1]201232%[1]



[1]

肥料・飼料の自給率

編集

[38]





  

  

  

[39]



  50100

 10

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ アメリカやオーストラリアなど、大規模平野が確保出来るにもかかわらず水稲栽培の競争力としてタイやカンボジアなど高温多雨地域の農業に価格競争力が太刀打ちできない要因として、人件費を考慮したうえでの単位収量の差別化が困難である要素が大きい。またアメリカと日本の水稲栽培における単位収量が同じであり、労働コストが同じであると仮定した場合、大規模栽培が可能であるアメリカと困難である日本を比較した場合、機械化などによる効率化程度以上にアメリカでの栽培を選択する比較優位が生じない。これはアメリカでは単位収量が高い水稲栽培をするよりも、小麦など単位収量が低い作物を選択することのほうが、より比較優位を獲得しやすいことを示唆する。
  2. ^ 陸稲の場合はイネ栽培でも連作障害が発生する。
  3. ^ 引用元では55%

出典

編集


(一)^ abcdefghijklmnopqrstuvwxyzaaabacadaeafagah. . 2017124

(二)^ abc ! 200810p24-27  (PDF) 

(三)^ FAO

(四)^ FOOD BALANCE SHEETS A handbook

(五)^ IV. APPLICATIONS AND USES FOR FOOD BALANCE SHEETS DATA FOOD AND AGRICULTURE ORGANIZATION OF THE UNITED NATIONS Rome, 2001

(六)^  

(七)^   

(八)^ ab  

(九)^ . . 2022810 Template:Cite web accessdate 

(十)^    2022 192020

(11)^  - 201030

(12)^ 37 18. . (201987). https://www.asahi.com/articles/DA3S14130372.html 2019816 

(13)^  

(14)^ 3717 20. (2021826). https://www.asahi.com/articles/DA3S15021985.html 

(15)^   5 (2) 2022-9-10

(16)^ ab 29 2019-8-16

(17)^   

(18)^ 

(19)^ 

(20)^ #

(21)^ ab1 18

(22)^ 6.! -  

(23)^ ab  20049193ISBN 978-4535048287

(24)^ abcde5 - 2010

(25)^ 15  (PDF) 

(26)^ 2009P.54-57 ISBN 4165030805

(27)^  2008

(28)^  2008

(29)^   2009230

(30)^   2003139

(31)^  . . 2024615

(32)^   | NHK | 

(33)^   2003135

(34)^   ︿2001274

(35)^  <1>JBpress201010132013423

(36)^   ︿201260

(37)^   10% NHK︿2009148

(38)^ 

(39)^ 

参考文献

編集
  • 『よくわかる「いま」と「これから」農業と食料の仕組み』、2007年10月1日、藤岡幹恭/小泉貞彦
  • 「食料自給率問題―数値向上に向けた施策と課題―」森田倫子 国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 546(JUN.15.2006)
    • 国立国会図書館 (PDF)
  • 浅川芳裕『日本は世界5位の農業大国 - 大嘘だらけの食料自給率』講談社〈講談社プラスアルファ新書〉、2010年2月。ISBN 978-4062726382 

関連項目

編集

外部リンク・記事情報

編集