魚道

魚の往来を助けるための川の構造物



20057

概説

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使

沿

目的

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[?][?]

湿退




基本構造による分類

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突出型魚道

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「突出型魚道」の基本として共通した構造は、コンクリートの三面張り水路の中に一定間隔で仕切壁としてプール壁が設けられた構造となっている。水路内に設けるプール壁の各種形状により階段式、アイスハーバー式、バーチカルスロット式、潜孔式、粗石付き斜路式、デニール式などの魚道方式の名称がある。

プール式魚道

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バーチカルスロット式魚道
石川県鍋谷川北沖用水堰)
越流式(アイスハーバー式)魚道(埼玉県利根川利根大堰





  

階段式魚道

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長野県坂城町、埴科頭首工に併設されている階段式魚道。(上流側から見る)

調

ストリーム式魚道

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自然石スロープ魚道

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自然石スロープ魚道」(揖斐川支流・根尾川)根尾川にもある玉石を使用して設置された魚道。
岐阜県大野町、2009年1月)

30cm 30 cm - 50 cm30 cm - 50 cm10 cm25mm - 40 mm4 cm - 5 cm 調

扇形魚道

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自然石パノラマ魚道

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自然石パノラマ魚道」(揖斐川支流・根尾川)自然河川の段差にも見られる自然の斜流を模した流れの扇形魚道。
(岐阜県大野町、2008年6月)

180 - 901190225m - 20m9090

1

20 cm - 30 cm10 cm - 15 cm

30 cm - 50 cm30 cm - 50 cm10 cm25 mm - 40 mm4 cm - 5 cm


棚田式魚道

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棚田式魚道」(根尾川上流の山で採取された割り石を使用した流れ。揖斐川支流・根尾川第3床固め工)
(岐阜県大野町、2000年5月)

沿

20 cm60 cm - 80 cm沿
 
3
20005

調 調調
 
使8
20085

調調32 31[?]


多自然型魚道

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新たな方式

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高低差が大きな箇所に設ける専用魚道について

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たて型壁面魚道」(越美山系・山の谷)の上り口へは棚田式魚道で誘導している。
(岐阜県揖斐川町、2008年3月)
 
たて型壁面魚道のスリット部を通過するアマゴ」(岐阜大学:原形魚道実験より2005年10月)

これまで、砂防ダムなど高低差が比較的大きな箇所に設置する専用魚道は無かったため、高低差が小さな箇所に設ける突出型魚道の製品を使用して折返し型で設置された。しかし設置には広い面積を要したり施工期間も長期を要するという課題があった。また同様な製品を螺旋状に積み上げた設置例もある。この螺旋式魚道は流下する水が一定方向に旋回しながら流下するため、下流に向かうほど流れが加速され魚類の遡上が困難になる事例が報告されている。このような課題を解決するため、最近[いつ?]では砂防ダムなどの河川構造物の壁面に直接取り付け縦方向に組上げて魚道を構成する高低差が比較的大きな箇所専用の新型魚道が開発されて設置されている。

たて型壁面魚道

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この魚道は河川構造物の壁表面に縦方向に設置されることから「たて型壁面魚道」と称される。この魚道のパーツは大きく3種類から成る。「右の折返し部」と「左の折返し部」及びそれらをつなぐ「樋部」である。螺旋式魚道が一定方向に旋回を繰り返すことで流れに加速が生じる報告がされているため「たて型壁面魚道」の折り返し部の旋回方向は「右旋回」と「左旋回」を交互に繰り返し、全体としてS字状の流れがブレーキをかけて加速現象を防ぐ構造となっている。この鋼製魚道のプール壁の形状は「棚田式魚道」の丸みのある自然石に挟まれた「スリット部」の形状や間隔が、アユをはじめとする水棲生物の通過に良好な成果が報告されているため、その形状を鋼製で模して製作してある。

設置方法についても、ダム本提及び側壁などの河川構造物の壁面に直接ボルトを使用して3種類のパーツ毎に単体で取り付ける工法を用いている。このため上部の魚道の重量が下部の魚道に荷重としてかからない構造であるため何層もの設置が可能となる。魚道を河川構造物の壁面に直接取付けるため、魚道用として河川構造物以外の用地が必要ない。また、建設費が安価で施工期間も大幅に短縮された施工例が報告されている。

巨石が流出する箇所に設置する魚道について

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山間の河川では、設置された魚道に巨石が衝突して魚道が破壊される事例がよく報告されている。このように巨石が流出してくる河川(流路工)に設置できる魚道もいくつか提案されているので、そのうちの2例を紹介する。

亀の甲羅型魚道

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前述の扇形魚道のひとつである「自然石パノラマ魚道」の表面に配置されている自然石の大きさについて、流出してくる巨石と同等以上の大きさの巨石を使用してある。扇型魚道の表面全体を現地の巨石を利用して覆い、コンクリートで繋ぎを行う構造の魚道である。この巨石と巨石の間が「魚類の通り道」となる。流出してきた巨石が魚道に衝突した場合、その表面に配置された巨石に衝突することになるため、巨石より奥まった位置にある「魚類の通り道」は損傷を免れる。流出してきた巨石は弾かれて魚道の下流に流されることとなる。結果として魚道全体に損傷が生じないこととなる。

この魚道における「魚類の通り道」は、魚道表面に配置された巨石と巨石の間の隙間に充填するコンクリートを掘り下げて水路を造り、その通り道の底面は高水圧洗浄機により骨材を洗い出す方法をとる。この骨材による自然石の細かな凹凸は「通り道」を流下する流れの底面から近い部分の流速を和らげる減速効果が期待される。(「魚類の通り道」の大きさは、巨石の大きさにもよるが幅20 cm - 50 cm程度、深さ20 cm - 50 cm程度の大きさとなって遡上経路としての役割を果たすことになる。)

構造物内魚道

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流出してくる巨石の衝突を避けるために、河川構造物の例えば床固工の下流側の垂直に近い壁面に埋め込む鋼製魚道である。河川構造物の下流側の壁面に魚道の側面の「明り取り部」が覗く状態で構造物内に設ける魚道工法である。これにより濁流とともに流出してきた巨石は、床固工の上部(越流部)を押し流されて下流へと流されて行くため、河川構造物の下流側壁面には衝突しにくいため魚道に損傷が生じにくくなる。この鋼製魚道は「たて型壁面魚道」の「スリット付きプール壁」構造を取り入れ、上部の開口部に覆いを設け、側面は水深以上の箇所を開口部として「明り取り部」としたものである。

付属設備

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調

 




出典

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参考文献

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DVWK 1998ISBN 4-381-01151-1

1995ISBN 4-381-02127-4

 2003ISBN 4-381-01599-1

  2009

関連項目

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外部リンク

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