JR九州811系電車

九州旅客鉄道の交流近郊形電車

811系電車(811けいでんしゃ)は、九州旅客鉄道(JR九州)の交流近郊形電車

JR九州811系電車
811系0番台を先頭とする8両編成
(2019年6月 渡瀬駅 - 南瀬高駅間)
基本情報
運用者 九州旅客鉄道
製造所 近畿車輛
日立製作所
九州旅客鉄道小倉工場
製造年 1989年 - 1993年
製造数 28編成112両
運用開始 1989年7月21日
主要諸元
編成 4両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 交流20,000 V・60 Hz
架空電車線方式
最高運転速度 120 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.2 km/h/s[1]
編成定員 0番台:510人(座席204人)
1500番台:597人
車両定員 クモハ810形:120人(座席48人)
クハ810形:118人(座席44人)
中間車:136人(座席56人)
全長 20,000 mm
全幅 2,950 mm
全高 3,670 mm
車体 ステンレス
台車 円錐積層ゴム式ボルスタレス台車
DT50QA・TR235QA
主電動機 直巻整流子電動機
MT61QA形 (0・100番台)
かご形三相誘導電動機
MT405K形(1500番台)
主電動機出力 150 kW (全番台)
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式 (0・100番台)
TD平行カルダン駆動方式(1500番台)
歯車比 5.6(0・100番台)
6.53(1500番台)
編成出力 150 kW×8 = 1,200 kW
制御方式 サイリスタ位相制御(0番台・100番台)
SiCハイブリッドモジュール素子採用IGBT-VVVFインバータ制御(1500番台)
制動装置 電気指令式
発電ブレーキ併用)(0番台)
回生ブレーキ併用)(1500番台)
保安装置 ATS-SKATS-DK、EB装置、防護無線
備考 定員・質量は0番台のもの
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概要

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北九州・福岡都市圏における快速列車の増発と老朽化した421系の置き換えを目的として開発され、1989年平成元年)7月のアジア太平洋博覧会「よかトピア」の開催にあわせて営業運転を開始した[2]

1993年(平成5年)までに4両編成28本、合計112両が製造された[3]

車両概説

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本項では、0番台落成時の仕様について述べる。

車体

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3[4]調34151500

FRP[2] 211[2]"NEW RAPID TRAIN 811"(813817821)

使783783811JR

内装

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車内の様子(クハ810-106)

220061881019957JR使

ATS-DK

AU403K (42,000 kcal/h) 1

810便12


主要機器

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20000VMT61QA(1-495 %[5]570 %[6]412 (4S2P) [6]25MM'1M[2]

MM'M811M'c810(TM401K)

TAc2T3[5]

783使沿783415[5]120 km/h100 km/h

(RS401KA) 1使 (2,500 V, 4,000 A) 4使8[6][6]

 (MH1084-C2000MQ)  (SC400K) 23使

 (PS101QB) 810

DT50QA/TR235QA[3]

421423415783

141510081170%[7]

形式

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810

811

810SIV

811

810 - 811 - 811 - 81048113810 - 810223

P xxx[4]PxxxP xxxPMxxxM
編成番号

← 八代・佐伯・早岐

門司港・佐世保 →

クハ810形
(Tc')
サハ811形
(T)
モハ811形
(M)
クモハ810形
(Mc')
P1, P5~8, P15 0番台 0番台 0番台 0番台
P103〜104,108,110,111 100番台 100番台 100番台 100番台
P106 100番台 200番台 100番台 100番台
P1504・1511・1512 1500番台 1500番台 1500番台 1500番台
P2003・2009・2010・2013・2014・2016・2017 1500番台 2000番台 2000番台 2000番台
P2101・2102・2107・2108 2100番台 2100番台 2100番台 1600番台
P7609 7600番台 1500番台 1500番台 7600番台
P8105 7600番台 8200番台 2100番台 8100番台

番台区分

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0番台

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クハ810-2(廃車)を利用した運転シミュレーター

1989PM1-PM419902PM5-PM1519913PM1619924PM17417PM22002142(810811)(811810)[8]810-2()

PM17100

100番台

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100番台

1992715[9][9]0

PM101 - PM1094919935318PM110, PM11142

サハ811形200番台

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サハ811-201。写真手前の車端部にトイレが設置されている

811201, 2022使[9]14052201PM105202PM10628102[9]PM105PM8105811-201811-8201[10]

811-105, 106PM107811-107

改造

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リニューアル車

リニューアル車

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3020167PM4[11][12]

JRSiCIGBTVVVF(M'c:PC408KA,M:PC408KB)[* 1](MT405K)[12]PS401K[11]LED8113[12]41549 %[7] 

JR[13]Old is New [12]JRCT"Commuter Train 811"811CT[12]"NEW RAPID TRAIN 811""Commuter Train 811"[12]LED使

[14] [12] LED[12]8131100LED810810+5002000

1PM15042017331[15]415427

202827[16][* 2]2781[11]

検測装置搭載改造車(『RED EYE』)

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サハ811-8201に設置された電車線路モニタリング装置

2018102019315002PM105PM109RED EYE811RED EYECT[17]202041[17]

NECNEC3[17]

PM1058112004K[17]
8103

+6000+1500+500
  • PM109:クハ810-109 - サハ811-109 - モハ811-109 - クモハ810-109
    PM7609:クハ810-7609 - サハ811-1609 - モハ811-1609 - クモハ810-7609
  • PM105:クハ810-105 - サハ811-201 - モハ811-105 - クモハ810-105
    PM8105:クハ810-7605 - サハ811-8201 - モハ811-2105 - クモハ810-8105

その他

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2008年現在では、全編成の排障器が813系と同様の乗務員室昇降ステップ組込み大型に交換されている。一部の編成では客室側窓の一部固定化改造も施工されているが、落成当初から扉間の中央と車端部以外の側窓が固定式とされている813系と異なるのは、車端部から一箇所おきに固定式とされている点である。

2005年(平成17年)春以降、車外スピーカーの設置が進められている。また、落成当初はドア周辺のみであったつり革がドア間の座席部分にも増設されている。これに伴い干渉する一部の吊り広告枠が移設された。

広告車両

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スペースワールド号

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スペースワールド色(第2次)
車内の様子(モハ811)

PM11PR[18]沿調[18]使[18][18]

19968"NEW RAPID TRAIN811"

使

20091[19]使[8]2017PM4PM1504PM1511112

三井グリーンランド号

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三井グリーンランド色(PM9)

1995年7月21日三井グリーンランドのPRを目的に外装が変更された[20]。対象編成はP8・9編成で、車体全体に緑色の帯が配され、「三井グリーンランド」のPRステッカーが貼付された。内装は変更されていない。

排障器の色は外装変更の時点から両編成とも緑色だったが、P9は排障器を強化型に交換した際に灰色となっている(2007年3月現在。右の写真とは逆)。現在はP8も強化型の排障器に交換されているが、こちらは緑色とされた。車外スピーカー取付工事については後述する。

当初は快速「三井グリーンランド号」に優先的に使用されていたが、当列車が消滅したことにより、他の編成と共通運用となった。2007年7月に「グリーンランド」に名称変更された際、2編成とも車体側面の緑色の帯を廃し従来のオリジナルの塗装に戻され、広告・イラストステッカーも撤去された。ただし側面戸袋部の「NEW RAPID TRAIN 811」ロゴは存置された。P9編成のみ先頭車前面下部の緑色の帯がそのまま残っていたが、2009年に消され完全に原色に復元された。

日本テレコム広告車両

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2006年、P101編成に日本テレコム(現ソフトバンク)のラッピング広告を施したもの。福岡ソフトバンクホークスの選手(順番に鳥越裕介斉藤和巳松中信彦杉内俊哉)が描かれていた。運用は他編成と共通で2007年にラッピングが撤去され、元の塗装に戻っている。

門司港レトロ号(PM8)

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門司港レトロラッピング(PM8)(前4両)

5P82008329[21]20138891010[3][8]10[22]201512[23]

わたせせいぞうラッピングトレイン

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2019年(平成31年)3月10日、門司港駅グランドオープンに合わせて運行を開始した。北九州市にゆかりのある漫画家・イラストレーターのわたせせいぞうが描き下ろしたイラストをPM110編成の車体にラッピングした[24]

日立物流ラッピングトレイン

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2022年11月より運行を開始したラッピングトレイン。Pm106編成に施行され上からピンク•白•水色の順でドアを除く側面の窓下に貼られた。車内も広告が全て日立物流のものとなった。2023年3月3日~4日に解除された。

上記の他にも、どーもくんCATS(P1編成に黒帯が塗装された)、ドラえもん のび太の恐竜2006ポケモンシリーズなど期間限定でラッピングが行われた事例がある。

運用

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[4]20229[25]

鹿 - 

  - 

 - 



鹿 - [25]1993 - 

20229[26]2016[27]

2022923-20032011813

脚注

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注釈

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(一)^ JRVVVFJR2055000JR2531000退JR72001214

(二)^ 2024[12][14]

出典

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(一)^ 8112. . 20111019[]

(二)^ abcd I JR81119899341p.51-55

(三)^ abc811 2015-201620158102ISBN 978-4-8022-0030-1 

(四)^ abc, p. 20.

(五)^ abc '8910 JR811  

(六)^ abcdJRPDF6281989 

(七)^ abJR 2017-2017101102  

(八)^ abc, p. 21.

(九)^ abcd, p. 22.

(十)^  & 2019318.

(11)^ abcJR811 - 西2017427

(12)^ abcdefghi811(PDF) - (2017425)

(13)^ 425 - 西2018126

(14)^ ab 811 - (2017426)

(15)^ 811 - railf.jp 201745

(16)^ 35 - 20226232023115

(17)^ abcdREDEYE(PDF) - (2020325)

(18)^ abcd199062JR811""pp.54 - 55

(19)^ 811.  (2009128). 20121016

(20)^  JR.  (): p. 3. (1995721) 

(21)^ 811.  (200846). 20121016

(22)^ 811PM810.  (2013811). 20151224

(23)^ 811. 2021925

(24)^  JR811.  (2019310). 2019310

(25)^ ab 2015-201620158147 - 148ISBN 978-4-8022-0030-1 

(26)^ 811.  (2009317). 20121016

(27)^ JR811PM9 - RM News (20168222016824)

参考文献

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  • * 交友社鉄道ファン」1990年6月号新車ガイド2「JR九州811系"スペースワールド"号」(坂本 真治・九州旅客鉄道株式会社 運輸部車両課)
  • 『鉄道ダイヤ情報』第346号、交通新聞社、2013年2月。 
  • 『レイル マガジン』第406号、NEKO PUBLISHING

関連項目

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