PC/AT
IBM PC AT︵IBMピーシーエーティー、英語: IBM Personal Computer AT︶は1984年にIBMが発売したパーソナルコンピュータ。型番は﹁IBM 5170﹂。略称はPC AT、PC/AT、AT等。前身はIBM PC XT、後継はIBM PS/2。なお当アーキテクチャを継承した各社による製品群はPC/AT互換機を参照。
![]() | |
製造元 | IBM |
---|---|
種別 | パーソナルコンピュータ |
発売日 | 1984年8月14日[1][2] |
販売期間 | (販売終了 1987年4月2日[3]) |
OS | IBM BASIC / PC DOS 3.0 / OS/2 1.0 |
CPU | Intel 80286 6, 8MHz |
メモリ | 256KB - 16MB |
ストレージ | 20MB HDD, 1.2MB 5.25インチ フロッピーディスク |
ディスプレイ | EGA |
前世代ハード | |
次世代ハード | |
関連商品 | IBM PC互換機 |
呼称
編集正式名称は「IBM Personal Computer AT」、型番は「IBM 5170」である。ATはAdvanced Technology(先進技術)を意味する。
概要
編集
PC/ATは、IBM PCおよびIBM PC XTの後継機種として登場した。Intel 80286を搭載し、システムバス︵拡張スロット︶を16ビット化︵ATバス。後にISAとして規定された︶し、ビデオ︵グラフィック︶にEGAを搭載した。
初代IBM PCと同様に、オープンアーキテクチャを採用し、内部仕様の多くが公開されたため、Compaq、Dellなど多くのメーカーからPC/AT互換機が発売された。
PC/AT及びその互換機のキラーアプリケーションともいえるソフトウェアが、表計算ソフト﹁Lotus 1-2-3﹂であった。アメリカ合衆国では、税務計算の必要性やApple II用アプリケーション﹁VisiCalc﹂などのヒットなど、表計算ソフトが受け入れられる下地があった。﹁1-2-3﹂は1983年にIBM PC用のアプリケーション︵8086のリアルモードで稼働︶として登場したが、R3ではPC/AT以降に特化したモード︵80286のプロテクトモード︶が追加された。PC/ATの性能をフルに引き出すことで、互換性を重視した﹁Microsoft Multiplan﹂をはるかに凌駕する再計算スピードや、豊富なアドオンによるカスタマイズ性の高さをセールスポイントとしてアピールし、大ベストセラーとなった。互換機メーカは、PC/ATとの互換性よりも﹁1-2-3互換﹂(1-2-3 Compatible)を売りにするほどであった。
マイクロソフトは、IBMによるPC DOSの権利譲渡の要求を頑なに拒んだ。逆に、自社ブランド (MS-DOS) でのオペレーティングシステム (OS) の各社へのOEM供給や単独販売を行うようになった。これにより、MS-DOSはCP/M-86との競争に勝利し、また互換機によるIBM純正機の市場シェア低下という結果をもたらしたのである。これに対し、IBMは失った市場を取り戻す為、IBM PS/2によりクローズドアーキテクチャ路線への方向転換を画策したのだが、その時には既に、市場はAT一色に染まっていた[要出典]。
基本仕様
編集歴史
編集詳細は「IBM PC#IBM PCファミリー」を参照
脚注
編集
(一)^ Somerson, Paul (Nov 13, 1984). “AT the Party”. PC Magazine: 123 2014年7月5日閲覧。.
(二)^ 日本では1985年11月25日だが、法人販売のみで、個人を含めた一般販売はされなかった。﹁日本IBM、﹁PC﹂日本でも発売―直販・特約店ルートで。﹂﹃日経産業新聞﹄ 1985年11月26日、7面。
(三)^ IBM PC AT at Vintage Computer