C P U ︵ シ ー ピ ー ユ ー 、 英 : C e n t r a l P r o c e s s i n g U n i t ︶ 、 中 央 処 理 装 置 ︵ ち ゅ う お う し ょ り そ う ち ︶ ま た は 中 央 演 算 処 理 装 置 ︵ ち ゅ う お う え ん ざ ん し ょ り そ う ち ︶ は 、 コ ン ピ ュ ー タ の 主 要 な 構 成 要 素 の ひ と つ で 、 コ ン ピ ュ ー タ 内 の 他 の 装 置 ・ 回 路 の 制 御 や デ ー タ の 演 算 な ど を 行 う 装 置 [ 1 ] 。 演 算 装 置 と 制 御 装 置 を 統 合 し た も の [ 1 ] 。 コ ン ピ ュ ー タ に お け る 中 心 的 な 処 理 装 置 ︵ プ ロ セ ッ サ ︶ [ 2 ] 。
﹁ C P U ﹂ の 意 味 は 、 厳 密 に 言 う と 、 ﹁ プ ロ セ ッ サ ﹂ [ 注 釈 1 ] や ﹁ マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ ﹂ と は 意 味 が 異 な っ て お り 、 範 囲 の 違 い が あ る 。
も と も と は 、 コ ン ピ ュ ー タ の 中 央 処 理 装 置 ︵ C P U ︶ は 、 デ ィ ス ク リ ー ト ︵ ダ イ オ ー ド や ト ラ ン ジ ス タ な ど 、 単 機 能 の 個 別 半 導 体 で 構 成 さ れ た 電 子 回 路 ︶ か ら 成 る か な り 大 き な サ イ ズ の 電 子 回 路 で 作 ら れ た 。 や が て 集 積 回 路 を 作 れ る よ う に な る と 、 そ れ を 使 い 中 央 処 理 装 置 を 作 る よ う に な っ た 。 ︵ な お 、 大 型 汎 用 機 を 指 す ﹁ メ イ ン フ レ ー ム ﹂ と い う 語 は 、 も と も と は 多 数 の 架 ︵ フ レ ー ム ︶ か ら 成 る 大 型 汎 用 機 シ ス テ ム に お い て C P U の 収 ま る 主 要 部 ︵ メ イ ン ︶ 、 と い う 所 か ら 来 て い る 。 ︶ さ ら に 大 規 模 集 積 回 路 ︵ L S I ︶ を 作 れ る よ う に な る と 、 や が て C P U の 機 能 を 含 ん だ マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ を 製 造 で き る よ う に な り 、 そ れ が C P U と し て 使 わ れ て い る ︵ た だ し マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ は C P U 以 外 の 用 途 で 使 わ れ て い る ほ う が は る か に 数 が 多 い 。 例 え ば PC の 電 源 部 に 内 蔵 さ れ て い る 制 御 用 マ イ ク ロ コ ン ト ロ ー ラ は マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ の 一 種 だ が 、 PC の C P U で は な い 。 ︶
機能と動作
C P U は 記 憶 装 置 上 に あ る プ ロ グ ラ ム と 呼 ば れ る 命 令 列 を 順 に 読 み 込 ん で 解 釈 ・ 実 行 す る こ と で 情 報 の 加 工 を 行 な う 。 C P U は コ ン ピ ュ ー タ 内 で の 演 算 を 行 な う 中 心 で あ り 、 C P U は 通 常 は バ ス と 呼 ば れ る 信 号 線 を 介 し て 主 記 憶 装 置 や 入 出 力 回 路 に 接 続 さ れ 、 何 段 階 か の 入 出 力 回 路 を 介 し て 補 助 記 憶 装 置 や 表 示 装 置 、 通 信 装 置 な ど の 周 辺 機 器 が 接 続 さ れ 、 デ ー タ や プ ロ グ ラ ム な ど 情 報 の や り と り を 行 な う 。
こ の よ う な C P U を 用 い た プ ロ グ ラ ム に よ る コ ン ピ ュ ー タ の 逐 次 動 作 が ほ と ん ど の コ ン ピ ュ ー タ の 基 本 的 な 動 作 原 理 と な っ て い る 。 記 憶 装 置 上 に プ ロ グ ラ ム を 配 置 し て か ら 、 プ ロ グ ラ ム を 実 行 す る 方 式 を プ ロ グ ラ ム 内 蔵 方 式 と 言 う 。
現 在 の C P U は 、 部 品 と し て は プ ロ セ ッ サ の 1 種 で あ る 。 プ ロ セ ッ サ の 多 く は マ イ ク ロ チ ッ プ と し て 実 装 さ れ て お り 、 マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ や M P U ( M i c r o P r o c e s s i n g U n i t ) と 呼 ば れ る 。 ま た 、 算 術 演 算 機 能 を 強 化 し 信 号 処 理 に 特 化 し た デ ジ タ ル シ グ ナ ル プ ロ セ ッ サ ( D S P ) や 、 メ モ リ や 周 辺 回 路 を 搭 載 し 組 込 機 器 制 御 を 目 的 と し た マ イ ク ロ コ ン ト ロ ー ラ ︵ マ イ コ ン ︶ な ど の 展 開 種 も 登 場 し て い る 。
専 用 の 電 子 回 路 に 比 べ る と 実 行 速 度 は 遅 い が 、 プ ロ グ ラ ム を 変 え る だ け で 多 様 な 処 理 が 行 な え る こ と か ら 、 非 常 に 多 岐 に わ た る 用 途 に 使 用 で き る 汎 用 性 と 柔 軟 性 が 最 大 の 特 徴 で あ る 。 専 用 回 路 ︵ ハ ー ド ウ ェ ア ︶ の 変 更 ・ 修 正 に 比 べ れ ば 、 ソ フ ト ウ ェ ア の 変 更 ・ 修 正 は 容 易 で あ り 、 物 質 的 な コ ス ト が か か ら な い た め 、 シ ス テ ム 設 計 ・ 開 発 の 試 行 錯 誤 も し や す い 。 こ の た め 、 C P U は お よ そ あ ら ゆ る シ ス テ ム に 内 蔵 さ れ 、 現 代 の 産 業 や 生 活 の 屋 台 骨 を 支 え る 存 在 に ま で 普 及 し て い る 。 現 在 最 も 普 及 し て い る C P U ア ー キ テ ク チ ャ と し て A R M ア ー キ テ ク チ ャ が 挙 げ ら れ る 。 A R M ア ー キ テ ク チ ャ ベ ー ス の C P U は 1 9 9 1 年 か ら 数 え 2 0 0 8 年 初 頭 に 出 荷 個 数 が 1 0 0 億 個 を 超 え る [ 5 ] な ど 、 家 電 製 品 か ら 工 業 製 品 、 携 帯 機 器 な ど に 至 る 多 く の シ ス テ ム に 組 み 込 ま れ 、 機 器 制 御 を 司 っ て い る 。 ま た 、 パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ ( PC ) な ど 、 現 在 の 汎 用 コ ン ピ ュ ー タ 製 品 に お け る 多 く の シ ス テ ム の メ イ ン C P U に x 8 6 ア ー キ テ ク チ ャ が 用 い ら れ て お り 、 イ ン テ ル の x 8 6 系 C P U 出 荷 数 は 1 9 7 8 年 6 月 9 日 の 8 0 8 6 発 売 か ら 2 0 0 3 年 ま で の 25 年 で 10 億 個 を 越 え た [ 6 ] 。
い わ ゆ る ノ イ マ ン 型 ・ プ ロ グ ラ ム 内 蔵 方 式 の プ ロ セ ッ サ の 構 造 と 基 本 動 作 は 、 世 界 で 最 初 の 実 用 的 な ノ イ マ ン 型 ・ プ ロ グ ラ ム 内 蔵 方 式 の コ ン ピ ュ ー タ で あ っ た E D S A C の 実 装 の 時 点 で 、 す で に 構 造 と 基 本 動 作 が 実 装 さ れ て い る 。 C P U や C P U 以 外 の プ ロ セ ッ サ の 発 達 に は 、 プ ロ セ ス 技 術 の 微 細 化 に よ る 高 速 化 、 命 令 の 各 処 理 工 程 の 並 列 実 行 ︵ 命 令 パ イ プ ラ イ ン 、 演 算 パ イ プ ラ イ ン ︶ 、 命 令 の 並 列 実 行 ︵ ス ー パ ー ス ケ ー ラ 、 V L I W ︶ 、 デ ー タ 演 算 の 並 列 化 ︵ S I M D 演 算 ︶ 、 複 数 プ ロ セ ッ サ ・ コ ア の 実 装 ︵ マ ル チ コ ア ︶ 、 複 数 ス レ ッ ド の 同 時 実 行 ︵ 同 時 マ ル チ ス レ ッ デ ィ ン グ ︶ な ど や そ の 他 多 数 の 要 素 が あ る 。
C P U は 、 全 体 を 制 御 す る 制 御 装 置 、 演 算 装 置 、 デ ー タ を 一 時 記 憶 す る レ ジ ス タ 、 メ モ リ な ど の 記 憶 装 置 と の イ ン タ フ ェ ー ス 、 周 辺 機 器 と の 入 出 力 装 置 と の イ ン タ フ ェ ー ス 、 な ど か ら 構 成 さ れ る 。
そ の 他 浮 動 小 数 点 演 算 を 行 う F P U ︵ 浮 動 小 数 点 演 算 ユ ニ ッ ト ︶ 、 レ ジ ス タ よ り 多 く の 情 報 を 一 時 記 憶 す る キ ャ ッ シ ュ メ モ リ 、 D M A コ ン ト ロ ー ラ 、 タ イ マ ー 、 シ リ ア ル イ ン タ フ ェ ー ス な ど の 機 能 を C P U と 同 一 IC 内 に 持 つ も の も あ る 。 ま た 、 メ モ リ か ら 読 み 込 ん だ 命 令 語 を 内 部 的 な オ ペ レ ー シ ョ ン に 置 き 換 え る 変 換 部 を 持 つ も の も あ る 。
ク ロ ッ ク 同 期 型 の C P U は 、 ク ロ ッ ク 信 号 に よ っ て 規 則 正 し い タ イ ミ ン グ で 各 部 の 動 作 を 統 制 さ れ て い る 。
同 じ ア ー キ テ ク チ ャ の C P U で あ れ ば ク ロ ッ ク 周 波 数 が 高 い 方 が 高 速 に 動 作 し 、 一 定 時 間 に 多 く の こ と を 処 理 で き る 。 た だ し そ の 代 わ り に 消 費 電 力 や 発 熱 が 大 き く な る と い う 問 題 も 発 生 す る 。 1 ク ロ ッ ク で 処 理 で き る 内 容 は C P U お よ び 命 令 セ ッ ト の 設 計 に よ り 異 な り 、 複 数 ク ロ ッ ク で 1 つ の 機 械 語 命 令 を 実 行 す る も の か ら 、 1 ク ロ ッ ク で 複 数 の 命 令 を 同 時 に 実 行 で き る も の ま で あ る 。 ク ロ ッ ク 周 波 数 が 1 G H z の C P U は 、 基 本 回 路 が 1 秒 間 に 10 億 回 の 動 作 を す る 。
多 く の C P U で は 、 大 ま か に 言 っ て 制 御 装 置 が 命 令 の 解 釈 と プ ロ グ ラ ム の 制 御 の 流 れ を 制 御 し 、 演 算 装 置 が 演 算 を 実 行 す る 。
高 性 能 な C P U や 、 非 ノ イ マ ン 型 の C P U や 、 画 像 処 理 向 け の C P U は 、 同 時 に 複 数 の 命 令 を 実 行 で き る よ う に 複 数 の 実 行 部 を 同 一 IC 内 に 持 っ て い る も の が あ る 。
ノ イ マ ン 型 C P U の 基 本 的 な 動 作 は 、 そ の 実 装 に 関 わ ら ず プ ロ グ ラ ム と 呼 ば れ る 命 令 列 を 順 番 に 実 行 す る こ と で あ る 。
プ ロ グ ラ ム は 数 値 列 と し て 何 ら か の メ モ リ に 格 納 さ れ て い る 。 C P U で は 、 フ ェ ッ チ ( f e t c h ) 、 デ コ ー ド ( d e c o d e ) 、 実 行 ( e x e c u t e ) と い う 3 つ の ス テ ッ プ が ほ ぼ 必 ず 存 在 す る 。
最 初 の 段 階 で あ る フ ェ ッ チ と は 、 実 行 す べ き 命 令 ︵ あ る 数 値 ま た は 数 値 の 並 び ︶ を プ ロ グ ラ ム の 置 か れ た メ モ リ か ら 取 り 出 す こ と で あ る 。 メ モ リ 上 の 実 行 す べ き 命 令 の 位 置 は プ ロ グ ラ ム カ ウ ン タ で 指 定 さ れ る 。 プ ロ グ ラ ム カ ウ ン タ は C P U が 現 在 見 て い る プ ロ グ ラ ム 上 の 位 置 を 示 し て い る と も 言 え る 。 命 令 フ ェ ッ チ に 使 用 さ れ る と 、 プ ロ グ ラ ム カ ウ ン タ は フ ェ ッ チ し た ぶ ん だ け 増 加 さ せ ら れ る 。
C P U が メ モ リ か ら フ ェ ッ チ し た 命 令 に よ っ て C P U の 次 に す べ き こ と が 決 定 さ れ る 。 デ コ ー ド で は 、 命 令 を C P U に と っ て 意 味 の あ る 形 式 に 分 割 す る 。 命 令 を 表 す 数 値 を ど う 分 割 す る か は 、 予 め そ の C P U の 命 令 セ ッ ト で 決 定 さ れ る 。 命 令 の 一 部 の 数 値 は 命 令 コ ー ド と 呼 ば れ 、 実 行 す べ き 処 理 を 指 定 す る 。 そ の 他 の 部 分 は オ ペ ラ ン ド と 呼 ば れ 、 そ の 命 令 で 使 用 す る 情 報 を 示 し て い る 。 た と え ば 加 算 命 令 の オ ペ ラ ン ド は 加 算 す べ き 数 値 を 示 し て い る 。 オ ペ ラ ン ド に は 数 値 そ の も の が 書 か れ て い た り 、 数 値 の あ る 場 所 ︵ メ モ リ の ア ド レ ス か レ ジ ス タ の 番 号 ︶ が 書 か れ て い る 。 古 い 設 計 で は 、 デ コ ー ダ ︵ デ コ ー ド を 行 う 部 分 ︶ は 変 更 不 可 能 な ハ ー ド ウ ェ ア 部 品 だ っ た 。 し か し 、 よ り 複 雑 で 抽 象 的 な C P U や 命 令 セ ッ ト で は マ イ ク ロ プ ロ グ ラ ム 方 式 が し ば し ば 使 わ れ 、 命 令 を 様 々 な 信 号 に 変 換 す る の を 助 け て い る 。 こ の マ イ ク ロ プ ロ グ ラ ム は 書 き 換 え 可 能 な 場 合 が あ り 、 製 造 後 で も 命 令 デ コ ー ド 方 法 を 変 更 す る こ と が で き る 。
フ ェ ッ チ と デ コ ー ド の 次 は 、 実 行 ス テ ッ プ が 行 わ れ る 。 こ の ス テ ッ プ で は 、 C P U の 多 く の 部 分 が 接 続 さ れ ︵ た と え ば マ ル チ プ レ ク サ を 切 り 替 え る な ど し て ︶ 指 定 さ れ た 操 作 を 実 行 す る 。 た と え ば 、 加 算 を 要 求 さ れ て い る 場 合 、 加 算 器 が 所 定 の 入 力 と 接 続 さ れ 、 出 力 と 接 続 さ れ る 。 入 力 は 加 算 す べ き 数 値 を 提 供 し 、 出 力 に は 加 算 結 果 が 格 納 さ れ る 。 加 算 結 果 が 大 き す ぎ て そ の C P U に 扱 え な い 場 合 、 算 術 オ ー バ ー フ ロ ー フ ラ グ を フ ラ グ レ ジ ス タ ︵ ス テ ー タ ス レ ジ ス タ ︶ に セ ッ ト す る ︵ R I S C で は フ ラ グ レ ジ ス タ が 存 在 し な い 場 合 も あ る ︶ 。 入 力 や 出 力 に は い ろ い ろ な も の が 使 用 さ れ る 。 演 算 結 果 が 一 時 的 か あ る い は す ぐ に 利 用 さ れ る 場 合 に は レ ジ ス タ と 呼 ば れ る 高 速 で 小 さ な メ モ リ 領 域 に 格 納 さ れ る 。 メ モ リ も 入 力 や 出 力 に 使 わ れ る 。 レ ジ ス タ 以 外 の メ モ リ は 低 速 だ が 、 コ ス ト 的 に は 一 般 的 な メ モ リ の 方 が 安 価 で あ り 大 量 の デ ー タ を 格 納 で き る た め 、 コ ン ピ ュ ー タ に は 必 須 で あ る 。
い く つ か の 命 令 は プ ロ グ ラ ム カ ウ ン タ を 操 作 す る 。 そ れ ら は 一 般 に ジ ャ ン プ 命 令 と 呼 ば れ 、 ル ー プ を 構 成 し た り 、 条 件 分 岐 を し た り 、 サ ブ ル ー チ ン を 実 現 す る の に 使 わ れ る 。 ま た 、 多 く の 命 令 は フ ラ グ レ ジ ス タ を 変 化 さ せ る 。 そ れ ら の フ ラ グ は プ ロ グ ラ ム の 動 作 に 影 響 を 与 え る 。 た と え ば 比 較 命 令 は 二 つ の 値 を 比 較 し て フ ラ グ レ ジ ス タ に そ の 大 小 を 示 す 値 を セ ッ ト す る 。 そ し て 、 そ の 値 を 使 用 し て そ の 後 の 処 理 の 流 れ を 決 定 す る 。
命 令 を 実 行 後 、 同 じ 流 れ が 繰 り 返 さ れ て 次 の 命 令 を プ ロ グ ラ ム カ ウ ン タ に し た が っ て フ ェ ッ チ す る 。 も っ と 複 雑 な C P U で は 、 複 数 の 命 令 を フ ェ ッ チ し 、 デ コ ー ド し 、 同 時 に 実 行 す る こ と も で き る 。 し か し 、 基 本 的 に ど ん な C P U で も や っ て い る こ と は こ こ で 説 明 し た 流 れ と 同 じ で あ る 。
ENIAC
現 代 の C P U の よ う な 装 置 が 出 て く る 以 前 、 E N I A C の よ う な 計 算 機 は 、 実 行 す る 処 理 の 内 容 を 変 え る た び に 物 理 的 に 配 線 を 変 更 し て い た 。 こ の よ う な 機 械 で は 、 プ ロ グ ラ ム を 変 更 す る た め に 物 理 的 に 再 構 成 す る 必 要 が あ る ︵ た と え ば E N I A C な ど で は パ ッ チ パ ネ ル が 使 わ れ た ︶ こ と か ら ﹁ プ ロ グ ラ ム 固 定 計 算 機 ﹂ と 呼 ば れ る こ と が あ る ︵ な お 、 E N I A C は 非 常 に 限 ら れ た 機 能 と 性 能 に な る が 、 あ る 程 度 は プ ロ グ ラ ム 内 蔵 方 式 的 な 動 作 も で き た ︶ 。
C P U は 一 般 に ソ フ ト ウ ェ ア ︵ プ ロ グ ラ ム ︶ を 実 行 す る 装 置 と し て 定 義 さ れ る た め 、 C P U と 呼 べ る 装 置 が 現 れ た の は プ ロ グ ラ ム 内 蔵 方 式 の コ ン ピ ュ ー タ か ら で あ る 。 プ ロ グ ラ ム 内 蔵 方 式 の 考 え 方 は 、 E N I A C の 設 計 時 に す で に 存 在 し て い た が 、 マ シ ン の 完 成 を 早 期 に 可 能 と す る た め 、 E N I A C の 初 期 段 階 で 採 用 さ れ な か っ た 。 E N I A C が 完 成 す る 以 前 の 1 9 4 5 年 6 月 30 日 、 数 学 者 の ジ ョ ン ・ フ ォ ン ・ ノ イ マ ン の 名 で 、 E D V A C に 関 す る 報 告 書 の 第 一 草 稿 ( F i r s t D r a f t o f a R e p o r t o n t h e E D V A C ) と い う 報 告 書 が 公 開 ・ 配 布 さ れ た 。 こ の 中 で 、 プ ロ グ ラ ム 内 蔵 方 式 の コ ン ピ ュ ー タ の 設 計 に つ い て 概 説 さ れ て い る [ 注 釈 2 ] 。 こ の 報 告 書 は E D S A C な ど に 影 響 を 与 え た 。 E D V A C は 1 9 4 9 年 8 月 に 一 応 の 完 成 を 見 、 ア バ デ ィ ー ン に 移 さ れ た [ 注 釈 3 ] 。 E D V A C は 様 々 な 命 令 の 集 ま り を 実 行 す る よ う 設 計 さ れ て い た 。 命 令 を 組 み 合 わ せ る こ と で 実 用 的 な プ ロ グ ラ ム を 構 成 し 、 E D V A C で 動 作 さ せ る こ と が で き た 。 E D V A C で は プ ロ グ ラ ム は 高 速 な メ モ リ に 格 納 さ れ て お り 、 物 理 的 に 配 線 を 変 更 す る こ と で 指 定 さ れ る も の で は な い 点 が 重 要 で あ る 。 ノ イ マ ン 型 の 設 計 で は 、 E D V A C で 動 作 さ せ る プ ロ グ ラ ム を 変 更 す る に は メ モ リ を 書 き 換 え れ ば よ か っ た ︵ ノ イ マ ン 型 は プ ロ グ ラ ム 内 蔵 だ け で な く 、 プ ロ グ ラ ム が デ ー タ と し て 書 き 換 え 可 能 で あ る 点 ま で 含 む 点 に 注 意 ︶ 。
結 果 と し て ノ イ マ ン 型 で 先 に 完 成 し た の は 、 E D S A C ( 1 9 4 9 年 ) や M a n c h e s t e r M a r k I の 試 作 機 B a b y ( 1 9 4 8 年 ) で あ っ た 。 E D V A C は 先 に 設 計 が 始 ま っ て い る が 、 設 計 者 間 の ご た ご た が あ っ て 完 成 が 遅 れ た 。 ま た 、 ア イ デ ア レ ベ ル で は Z u s e Z 3 を 1 9 4 1 年 に 開 発 し て い る コ ン ラ ッ ド ・ ツ ー ゼ も そ れ 以 前 に プ ロ グ ラ ム 内 蔵 方 式 ︵ 書 き 換 え で な い 点 に 注 意 ︶ を 考 案 し て い た [ 注 釈 4 ] 。 デ ー タ と プ ロ グ ラ ム を 同 じ 記 憶 装 置 に 格 納 す る か ど う か と い う 点 が 異 な る 方 式 と し て 、 ハ ー バ ー ド ・ ア ー キ テ ク チ ャ が あ る 。 こ れ は E D V A C 以 前 に 完 成 し た H a r v a r d M a r k I に 由 来 す る 。 同 機 で は さ ん 孔 テ ー プ に プ ロ グ ラ ム を 格 納 し た 。 ノ イ マ ン 型 と ハ ー バ ー ド 型 の 大 き な 違 い は 、 後 者 が 命 令 と デ ー タ の 格 納 場 所 と 扱 い を 完 全 に 分 離 し て い る こ と で あ り 、 前 者 は ど ち ら も 同 じ 記 憶 領 域 に 格 納 す る 。 汎 用 C P U は 基 本 的 に ノ イ マ ン 型 で あ る が 、 ハ ー バ ー ド ・ ア ー キ テ ク チ ャ も 部 分 的 に 採 用 さ れ て い る ︵ キ ャ ッ シ ュ メ モ リ な ど ︶ 。
デ ジ タ ル 機 器 と し て の C P U は 、 状 態 を 変 更 し た り 表 現 し た り す る た め に 、 何 ら か の ス イ ッ チ を 必 要 と す る 。 電 気 機 械 式 か ら 電 子 式 へ の 移 行 期 に は 、 リ レ ー や 真 空 管 が ス イ ッ チ と し て 使 わ れ た 。 こ れ ら は 、 従 来 の 完 全 な 機 械 式 よ り も 高 速 に ス イ ッ チ を 切 り 替 え ら れ た が 、 チ ャ タ リ ン グ を は じ め 、 コ イ ル ︵ イ ン ダ ク タ ︶ に よ っ て 発 生 す る 高 電 圧 な ど の 問 題 が あ っ た 。 一 方 、 真 空 管 は チ ャ タ リ ン グ は 起 こ さ な い が 、 機 能 す る に は 熱 が 必 要 で あ り 、 劣 化 に よ り 動 作 中 に カ ソ ー ド の 電 子 放 射 能 力 が 減 退 ︵ エ ミ ッ シ ョ ン 減 退 ︶ し て 動 作 不 能 に な っ て し ま う 。 真 空 管 が 劣 化 ・ 故 障 し た ら 、 故 障 し た 部 位 を 特 定 し て 交 換 し な け れ ば な ら な い 。 し た が っ て 、 初 期 の 電 子 計 算 機 は 高 速 化 は 実 現 し た も の の 、 電 気 機 械 式 計 算 機 よ り も 信 頼 性 が 低 か っ た 。 E D V A C の よ う な 真 空 管 計 算 機 は 故 障 と 故 障 の 間 の 平 均 時 間 ︵ M T B F = M e a n T i m e B e t w e e n F a i l u r e ︶ は 約 8 時 間 で あ っ た が 、 H a r v a r d M a r k I の よ う な リ レ ー 式 計 算 機 は ほ と ん ど 故 障 し な か っ た 。 し か し 、 信 頼 性 よ り も 性 能 が 重 視 さ れ [ 注 釈 5 ] [ 要 検 証 – ノ ー ト ] 、 真 空 管 式 計 算 機 が 主 流 と な っ て い っ た 。 当 時 の 同 期 式 C P U の ク ロ ッ ク 周 波 数 は 現 在 の C P U に 比 較 す る と 非 常 に 遅 く 、 1 0 0 k H z 〜 4 M H z 程 度 で あ っ た 。 こ れ は 、 当 時 の 論 理 素 子 ︵ 真 空 管 ︶ の ス イ ッ チ ン グ 速 度 に よ っ て 限 界 が 定 め ら れ て い た 。
C P U の 設 計 と 複 雑 さ の 進 歩 は 、 小 型 で 信 頼 性 の 高 い 電 子 部 品 を 使 う こ と で も た ら さ れ た 。 新 た に 発 明 さ れ 急 激 に 性 能 の 向 上 し た ト ラ ン ジ ス タ の 利 用 で あ る 。 こ れ に よ っ て 、 1 9 5 0 年 代 か ら 1 9 6 0 年 代 に は 、 か さ ば っ て 信 頼 性 の 低 い 真 空 管 や リ レ ー は 使 わ れ な く な り 、 ト ラ ン ジ ス タ 製 C P U が 主 流 と な っ た 。 こ の 改 善 に よ っ て さ ら に 複 雑 で 信 頼 性 の あ る C P U を 一 枚 か ら 数 枚 の プ リ ン ト 基 板 で 構 成 で き る よ う に な っ た 。
1 9 6 4 年 、 I B M が 発 表 し た S y s t e m / 3 6 0 ア ー キ テ ク チ ャ は 、 い ろ い ろ な 性 能 と 大 き さ の コ ン ピ ュ ー タ と し て 実 装 さ れ 、 そ れ ら の シ リ ー ズ で は プ ロ グ ラ ム を 変 更 す る こ と な く 動 作 さ せ る こ と が で き た 。 当 時 、 た と え 同 じ メ ー カ ー で あ っ て も 、 サ イ ズ の 違 う コ ン ピ ュ ー タ は 互 換 性 が な い の が 普 通 だ っ た 。 こ の 改 善 を 成 し 遂 げ る た め 、 I B M は マ イ ク ロ プ ロ グ ラ ム 方 式 を 採 用 し た 。 こ れ は 現 在 の C P U で も 広 く 使 わ れ て い る 手 法 で あ る 。 S y s t e m / 3 6 0 は 大 変 な 成 功 を 収 め 、 そ の 後 数 十 年 間 メ イ ン フ レ ー ム 市 場 を 支 配 し 続 け 、 現 在 の z / A r c h i t e c t u r e に 至 っ て い る 。
同 じ 1 9 6 4 年 、 D E C も 、 ﹁ P D P - 8 ﹂ と い う 後 世 に 影 響 を 与 え た ミ ニ コ ン ピ ュ ー タ を 、 科 学 分 野 や 研 究 分 野 に 向 け て リ リ ー ス し た 。 D E C は 、 後 に さ ら に 広 く 使 わ れ る こ と と な る ﹁ P D P - 1 1 シ リ ー ズ ﹂ を 発 表 し た が 、 こ の シ リ ー ズ は 、 後 に 集 積 回 路 ︵ IC ︶ が 使 え る よ う に な る と 、 そ れ を 使 っ た バ ー ジ ョ ン も 製 造 さ れ て い る 。 ト ラ ン ジ ス タ を 使 っ た C P U で は 、 新 た な 設 計 上 の 工 夫 を す る 余 裕 が 生 じ 、 S I M D や ベ ク ト ル 計 算 機 と 呼 ば れ る も の が 出 現 し た 。 そ の よ う な 初 期 の 実 験 的 設 計 は 、 後 に ク レ イ 社 の 製 造 し た ス ー パ ー コ ン ピ ュ ー タ の ベ ー ス と な っ て い る 。
ト ラ ン ジ ス タ を 使 っ た コ ン ピ ュ ー タ は 、 そ れ 以 前 の も の と 比 較 し て い く つ か の 明 確 な 利 点 が あ っ た 。 信 頼 性 向 上 と 消 費 電 力 低 下 は も ち ろ ん 、 ト ラ ン ジ ス タ に よ る ス イ ッ チ は 切 り 替 え 時 間 が 劇 的 に 短 縮 さ れ た た め 、 C P U が 高 速 化 さ れ た 。 ト ラ ン ジ ス タ に よ る コ ン ピ ュ ー タ で は 動 作 周 波 数 は 数 十 M H z ま で 高 速 化 さ れ た 。
C P U な ど に 使 わ れ る プ ロ セ ッ サ は 、 1 9 7 0 年 代 に 1 チ ッ プ の 大 規 模 集 積 回 路 ︵ L S I ︶ に 集 積 さ れ る よ う に な っ た ︵ マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ ︶ 。 初 期 の マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ は 4 ビ ッ ト や 8 ビ ッ ト で 、 当 時 の ミ ニ コ ン ピ ュ ー タ や メ イ ン フ レ ー ム の C P U に 比 べ る と 非 常 に 機 能 の 限 ら れ た も の で あ っ た が 、 1 9 7 0 年 代 末 か ら 1 9 8 0 年 代 の 微 細 化 の 進 展 に よ り 、 プ ロ セ ス 保 護 な ど 当 時 の メ イ ン フ レ ー ム に 相 当 す る よ う な 機 能 を 統 合 し た 32 ビ ッ ト プ ロ セ ッ サ が 現 れ た 。 組 み 込 み 用 途 に は 周 辺 機 能 や メ モ リ 等 を 集 積 し た 、 い わ ゆ る ワ ン チ ッ プ マ イ コ ン も 普 及 し た 。 初 期 の マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ は N M O S ロ ジ ッ ク 回 路 で 構 成 さ れ て い た が 、 1 9 8 0 年 代 に は C M O S 化 が 進 み 、 消 費 電 力 が 激 減 し た ︵ C M O S は 消 費 電 力 は 抑 え ら れ る が 、 当 初 は 遅 か っ た こ と か ら 、 電 卓 や 時 計 な ど 消 費 電 力 が 重 要 で 速 度 が 重 要 で な い 分 野 で し か 使 わ れ な か っ た ︶ 。 C M O S は 微 細 化 が 進 め ば 進 む ほ ど 静 電 容 量 が 減 り 高 速 化 で き 、 高 速 化 を 狙 わ な い 場 合 は 低 消 費 電 力 化 で き る と い う 優 れ た 特 長 が あ り ︵ デ ナ ー ド 則 ︶ 、 動 作 周 波 数 は 2 0 0 0 年 代 に は G H z オ ー ダ ー ま で 上 が っ た 。 微 細 化 は よ り 多 く の ゲ ー ト を 載 せ る こ と が で き る と い う こ と で も あ り 、 命 令 パ イ プ ラ イ ン や ア ウ ト ・ オ ブ ・ オ ー ダ ー 実 行 な ど で 命 令 レ ベ ル の 並 列 性 を 引 き 出 す 、 複 雑 で 高 性 能 な プ ロ セ ッ サ が 作 ら れ る よ う に も な っ た 。 微 細 化 に よ る 集 積 度 の 向 上 の 傾 向 は ム ー ア の 法 則 に よ り 定 性 的 に モ デ ル 化 さ れ て い る 。 た だ し 複 雑 化 に 比 例 し て 性 能 が 線 形 に 上 が る わ け で は な い ︵ ポ ラ ッ ク の 法 則 ︶ 。 し か し 、 2 0 0 6 年 頃 に は デ ナ ー ド 則 が 崩 れ て 、 動 作 周 波 数 の 向 上 と マ イ ク ロ ア ー キ テ ク チ ャ の 複 雑 化 で 性 能 向 上 を 図 る 方 向 性 は 行 き 詰 ま っ た 。 以 降 は ︵ 非 対 称 型 を 含 む ︶ マ ル チ コ ア 化 と 、 相 対 的 に 低 い ク ロ ッ ク で も 高 い 性 能 を 引 き 出 し や す い S I M D の 性 能 向 上 に 力 点 が 置 か れ て い る 。
極 低 温 で 4 . 8 G H z で 動 作 す る マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ の マ ス ク パ タ ー ン
マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ の 複 雑 さ 、 機 能 、 構 造 、 一 般 的 な 形 状 は こ の 50 年 間 で 劇 的 に 変 化 し た が 、 C P U の 高 性 能 化 の 基 本 的 な コ ン セ プ ト は 、 マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ 以 前 の 1 9 6 0 年 代 に 初 め て 現 れ た 、 と い う も の が 多 い 。 た と え ば 、 ア ウ ト ・ オ ブ ・ オ ー ダ ー 実 行 の 方 式 で あ る s c o r e b o a r d i n g も T o m a s u l o の ア ル ゴ リ ズ ム も 、 最 初 に 考 案 さ れ た の は 1 9 6 0 年 代 で あ る 。
21 世 紀 現 在 の コ ン ピ ュ ー タ は 、 ほ ぼ 全 て が ﹁ 二 値 論 理 ﹂ 方 式 で あ り 、 そ の う ち の 全 て で は な い も の の か な り 多 く が 、 二 値 論 理 に 数 の 表 現 法 と し て 二 進 法 を マ ッ ピ ン グ し て 演 算 な ど を 行 っ て い る が [ 注 釈 6 ] 、 メ イ ン フ レ ー ム や 、 電 卓 用 に 特 別 に 設 計 さ れ た マ イ コ ン [ 注 釈 7 ] な ど に は 、 広 義 の 二 進 化 十 進 表 現 に 含 ま れ る よ う な 方 式 で ハ ー ド ウ ェ ア に よ っ て 直 接 に 十 進 の 計 算 を 行 う 機 能 が 強 化 さ れ て い る も の も あ る 。 1 ビ ッ ト が 二 進 法 の 1 桁 で あ る 。 ビ ッ ト 数 を ﹁ ビ ッ ト 幅 ﹂ な ど と も 呼 ぶ 。
例 え ば 、 ﹁ ビ ッ ト 幅 ﹂ や ﹁ デ ー タ バ ス 幅 ﹂ が 8 ビ ッ ト で あ る た め 8 ビ ッ ト C P U と 呼 ば れ る C P U で は 、 主 な レ ジ ス タ 等 の 幅 、 あ る い は 、 デ ー タ バ ス の 幅 が 8 ビ ッ ト で あ る 。 8 ビ ッ ト で は 、 非 負 整 数 で あ れ ば 二 進 法 8 桁 で 表 せ る 範 囲 で あ る ﹁ 2 の 8 乗 − 1 ﹂ ま で 、 つ ま り ﹇ 0 〜 2 5 5 ﹈ の 範 囲 の 整 数 が 表 現 で き る 。
ま た ﹁ ア ド レ ス 幅 ﹂ は C P U が 直 接 に メ モ リ を 指 し 示 す ︵ ア ド レ ッ シ ン グ す る ︶ 範 囲 を 制 限 す る 。 例 え ば 、 ア ド レ ス 幅 が 32 ビ ッ ト の C P U で は 、 そ の C P U が 直 接 指 定 で き る ア ド レ ス の 範 囲 は 、 2 の 32 乗 、 つ ま り 4 , 2 9 4 , 9 6 7 , 2 9 6 個 の 異 な る 位 置 に な る 。
S y s t e m / 3 6 0 以 降 の 多 く の 命 令 セ ッ ト ア ー キ テ ク チ ャ ︵ I S A ︶ で は [ 注 釈 8 ] 1 バ イ ト が ア ド レ ス 付 け の 単 位 で あ る た め ︵ バ イ ト ア ド レ ッ シ ン グ ︶ [ 注 釈 9 ] 、 4 ギ ビ バ イ ト の メ モ リ に 、 直 接 ア ク セ ス で き る 、 と い う こ と に な る 。
こ れ ら は C P U の デ ー タ 幅 や ア ド レ ス 幅 に よ る 単 純 な 分 類 方 法 で あ り 、 実 際 の C P U で は デ ー タ 信 号 線 や ア ド レ ス 指 定 方 法 に 工 夫 す る こ と で 、 外 部 的 に 少 な い デ ー タ バ ス 幅 や 内 部 的 に 少 な い ア ド レ ス 幅 で も 効 率 的 に メ モ リ ・ ア ク セ ス で き る よ う に し て い る も の が あ る た め 、 こ う い っ た 分 類 は 多 少 複 雑 に な っ て い る [ 注 釈 10 ] 。
C P U を 表 現 す る 場 合 の ビ ッ ト 数 の 意 味 は 以 下 の 通 り で あ る 。
● ア ド レ ス 幅 ︵ 内 部 の ア ド レ ス レ ジ ス タ 幅 、 外 部 ア ド レ ス バ ス 幅 ︶
● デ ー タ バ ス 幅 ︵ 内 部 デ ー タ 幅 、 外 部 デ ー タ バ ス 幅 ︶
● 内 部 演 算 幅 ︵ = 演 算 装 置 の 幅 と 整 数 レ ジ ス タ 幅 ︶
● 命 令 語 長
1 9 9 0 年 代 以 降 は 4 ビ ッ ト か ら 64 ビ ッ ト ま で 多 様 な ビ ッ ト 幅 の C P U が 製 品 化 さ れ て い る 。 高 ビ ッ ト 幅 の C P U は 機 能 や 性 能 が 高 い 反 面 、 高 集 積 化 や 回 路 の 複 雑 度 か ら 高 価 格 で 消 費 電 力 も 大 き く 、 低 ビ ッ ト 幅 の C P U は 機 能 や 性 能 が 制 限 さ れ る 代 わ り に 安 価 で 低 消 費 電 力 で あ る な ど 特 徴 が あ り 、 状 況 に 応 じ て 使 い 分 け ら れ て い る 。
1 9 9 0 年 代 後 半 か ら 21 世 紀 に 入 っ て 、 パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ 用 C P U で 一 般 化 し た 、 い く ぶ ん 新 た な C P U 高 速 化 技 術 に つ い て は 、 複 数 C P U の 搭 載 ︵ マ ル チ コ ア ︶ や V L I W 、 ス ー パ ー ス ケ ー ラ な ど が あ る 。 こ れ ら は メ イ ン フ レ ー ム な ど の 大 型 計 算 機 で は ず っ と 前 か ら 一 般 的 だ っ た が 、 PC 用 の 技 術 と し て 降 り て く る ま で に は プ ロ セ ス 微 細 化 の 発 展 や 製 造 コ ス ト 低 下 を 待 た な け れ ば な ら な か っ た 。
C P U の ビ ッ ト 数 に よ る 用 途 の 例 を 示 す 。
4 ビ ッ ト
1 9 8 0 年 代 を 中 心 に 、 一 般 的 な 家 電 製 品 、 キ ー ボ ー ド や マ ウ ス 、 電 卓 や 時 計 な ど 、 ロ ー エ ン ド の 組 み 込 み シ ス テ ム に 広 く 用 い ら れ た 。 家 電 用 の 赤 外 線 リ モ コ ン な ど 機 能 的 に 単 純 な も の に つ い て は 4 ビ ッ ト の マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ で も 十 分 で あ る が 、 既 に 新 規 採 用 の 事 例 は ほ と ん ど な く な っ て い る 。
8 ビ ッ ト 、 16 ビ ッ ト
機 器 組 み 込 み 向 け に 8 ビ ッ ト や 16 ビ ッ ト の プ ロ セ ッ サ ・ コ ア と 周 辺 回 路 を 組 み 合 わ せ た マ イ ク ロ コ ン ト ロ ー ラ ( M C U ) と 呼 ば れ る も の が 広 く 使 用 さ れ て い る 。 い ず れ も 要 求 仕 様 と 製 造 原 価 と の 兼 ね 合 い で 都 合 の 良 い サ イ ズ の プ ロ セ ッ サ が 選 定 さ れ 製 造 さ れ る 。 だ が 、 こ の 用 途 で も 32 ビ ッ ト マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ の 価 格 低 下 、 旧 来 用 い て き た 半 導 体 の 製 造 終 了 、 要 求 仕 様 の 高 度 化 や 汎 用 開 発 ツ ー ル の 援 用 要 求 に よ り 、 あ え て 32 ビ ッ ト 以 上 の C P U を 選 択 す る ケ ー ス も 少 な く な い 。
32 ビ ッ ト
携 帯 電 話 や デ ジ タ ル カ メ ラ を は じ め 、 自 動 車 の エ ン ジ ン 制 御 や 産 業 用 ロ ボ ッ ト 、 工 作 機 械 、 白 物 家 電 な ど 組 み 込 み シ ス テ ム や 大 小 さ ま ざ ま な シ ス テ ム の 制 御 に 幅 広 く 用 い ら れ て お り 、 狭 義 の C P U と 呼 ば れ る も の の 主 要 な 使 用 例 で あ る 。
2 0 0 0 年 代 以 降 の 半 導 体 製 造 技 術 の 進 歩 に 伴 い 、 ロ ー エ ン ド の 32 ビ ッ ト プ ロ セ ッ サ と 1 6 / 8 ビ ッ ト プ ロ セ ッ サ の 価 格 差 は 少 な く な っ て お り 、 16 ビ ッ ト 命 令 ︵ A R M の T h u m b 命 令 な ど ︶ を 持 つ 32 ビ ッ ト プ ロ セ ッ サ が M C U 用 途 に も 広 く 使 わ れ る よ う に な っ て い る 。
2 0 1 0 年 代 の 高 性 能 ・ 多 機 能 化 し た 情 報 機 器 に は 、 メ イ ン の C P U の 他 に し ば し ば ペ リ フ ェ ラ ル ︵ カ メ ラ な ど の セ ン サ 類 や 、 ス ト レ ー ジ 、 デ ィ ス プ レ イ 、 ネ ッ ト ワ ー ク な ど の 周 辺 デ バ イ ス ︶ 制 御 用 の 32 ビ ッ ト M C U が 組 み 込 ま れ て い る 。 ま た 、 I o T デ バ イ ス の 構 成 単 位 と し て セ ン サ や ア ク チ ュ エ ー タ に 組 み 込 ま れ る M C U へ の 性 能 要 求 も 高 度 化 し て い る 。 こ う し た こ と か ら 世 の 中 に 出 回 っ て い る 32 ビ ッ ト プ ロ セ ッ サ の 数 は 膨 大 で あ る 。
64 ビ ッ ト
パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ ( PC ) 、 ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン 、 サ ー バ 、 ス ー パ ー コ ン ピ ュ ー タ を は じ め 、 タ ブ レ ッ ト や ス マ ー ト フ ォ ン な ど の ﹁ ス マ ー ト デ バ イ ス ﹂ と 総 称 さ れ る 情 報 機 器 、 ル ー タ な ど の ネ ッ ト ワ ー ク 機 器 、 ゲ ー ム 機 な ど 、 大 量 の デ ー タ を 処 理 す る 用 途 で 使 わ れ て い る 。
業 務 用 の サ ー バ で は 大 き な 主 記 憶 容 量 が 求 め ら れ た た め 、 1 9 9 0 年 代 か ら C P U と オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム ( OS ) の 64 ビ ッ ト 化 が 進 め ら れ て い た が 、 一 般 消 費 者 向 け の PC に も 浸 透 し た の は 2 0 0 0 年 代 中 盤 以 降 で あ る [ 注 釈 11 ] 。 2 0 1 0 年 代 以 降 、 市 販 さ れ て い る PC は 64 ビ ッ ト C P U を 搭 載 す る も の が ほ と ん ど で あ る が 、 オ フ ィ ス ス イ ー ト な ど の 用 途 で は ア プ リ ケ ー シ ョ ン ソ フ ト ウ ェ ア を 64 ビ ッ ト 化 し て も パ フ ォ ー マ ン ス 向 上 の 恩 恵 が 得 ら れ る 場 面 は 限 ら れ て お り [ 7 ] 、 ま た 互 換 性 の 問 題 ︵ 32 ビ ッ ト 版 の ア ド オ ン が 利 用 で き な く な る な ど ︶ の 回 避 の た め に 、 32 ビ ッ ト 版 ア プ リ ケ ー シ ョ ン が 推 奨 さ れ て い る ケ ー ス も あ る [ 8 ] 。 一 部 の プ ラ ッ ト フ ォ ー ム で は 、 64 ビ ッ ト OS 上 の 32 ビ ッ ト エ ミ ュ レ ー シ ョ ン レ イ ヤ ー を 介 し て 32 ビ ッ ト ア プ リ ケ ー シ ョ ン を 実 行 す る こ と も で き る た め 、 す べ て の ア プ リ ケ ー シ ョ ン を 64 ビ ッ ト 化 し な け れ ば な ら な い と い う わ け で は な い [ 注 釈 12 ] 。 ま た 、 64 ビ ッ ト 版 の デ バ イ ス ド ラ イ バ が 提 供 さ れ て い な い 周 辺 機 器 が あ る な ど の 問 題 か ら 、 64 ビ ッ ト C P U を 搭 載 し て い な が ら も 32 ビ ッ ト 版 の OS を 利 用 し な け れ ば な ら な い ケ ー ス も あ る [ 注 釈 13 ] 。 た だ し 、 画 像 処 理 や 動 画 編 集 な ど 大 量 の デ ー タ を 処 理 す る 用 途 で は 、 巨 大 な メ モ リ を 割 り 当 て る こ と が で き る 64 ビ ッ ト 化 の メ リ ッ ト は 大 き く 、 こ れ ら の ア プ リ ケ ー シ ョ ン ソ フ ト ウ ェ ア は 比 較 的 早 い 時 期 か ら 64 ビ ッ ト 化 が 進 ん だ 。 2 0 1 9 年 現 在 で は 、 32 ビ ッ ト 版 デ バ イ ス ド ラ イ バ の サ ポ ー ト や 更 新 が 打 ち 切 ら れ て い る ケ ー ス も あ る [ 9 ] 。
ス マ ー ト フ ォ ン も 普 及 の 初 期 は 32 ビ ッ ト C P U が 用 い ら れ た が 、 2 0 1 3 年 9 月 に 発 表 さ れ た i P h o n e 5 s を 皮 切 り に 64 ビ ッ ト C P U へ の 対 応 と 移 行 が 進 ん で お り 、 i O S の よ う に 32 ビ ッ ト 版 ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 動 作 サ ポ ー ト を 打 ち 切 っ た り 、 A n d r o i d の よ う に 64 ビ ッ ト 版 ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 提 供 を 義 務 付 け た り す る プ ラ ッ ト フ ォ ー ム も あ る 。
上 記 の 分 類 に 当 て は ま ら な い も の と し て 、 過 去 に は 、 互 い に 結 合 し 自 由 に ビ ッ ト 長 を 増 や す 事 が で き る 方 式 の C P U が あ り 、 こ れ は ビ ッ ト ス ラ イ ス プ ロ セ ッ サ と 呼 ば れ た 。 代 表 的 な 製 品 に A M D の A M 2 9 0 0 シ リ ー ズ な ど が 挙 げ ら れ る 。 A M 2 9 0 1 は 、 ス イ ス 連 邦 工 科 大 学 の L i l i t h ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン 等 に 使 用 さ れ て い た 。 ま た デ ー タ を バ イ ト 単 位 で 扱 う C P U ︵ バ イ ト マ シ ン ︶ の 他 、 ワ ー ド 単 位 で 扱 う C P U ︵ ワ ー ド マ シ ン ︶ も あ る ︵ 日 本 電 気 の A C O S - 6 な ど ︶ 。
最も基本的なCPUの低消費電力化技術は低電圧化であった。ロジック動作の信号線の電圧を低電圧化することは、低消費電力化につながると同時に信号を"Hi"と"Low"の間で高速に変更できるため動作速度の向上にも寄与した。
当初はリレーのような数十ボルト の動作電圧だったが、1980年代には5 V がデジタルコンピュータの標準的な動作電圧となり、1990年代には内部回路が3 V程度の低電圧化を取り入れはじめ、外部との信号線でも同様の低電圧化が行なわれる頃には、CPUの内部ではさらに低い電圧が採用されるようになった。2000年代末には内部的には1 V弱まで低電圧化が進められ、当時はノイズ耐性を考慮すればほぼ限界であると考えられていたが、その後もマイクロプロセッサの低電圧化の趨勢は続き、2013年に登場したQuark X1000 は最低0.28 Vの超低電圧動作が可能である。
ほ と ん ど の C P U ︵ も っ と 言 え ば ほ と ん ど の 順 序 回 路 ︶ は 同 期 式 で あ る 。 つ ま り 、 C P U は 同 期 信 号 に し た が っ て 動 作 す る よ う 設 計 さ れ て い る 。 こ の 信 号 は ﹁ ク ロ ッ ク 信 号 ﹂ と し て 知 ら れ て い て 、 一 定 周 期 の 矩 形 波 の 形 で あ る こ と が 多 い 。 電 気 信 号 の 伝 播 速 度 か ら C P U 内 の 信 号 経 路 の 長 さ を 考 慮 し て ク ロ ッ ク 信 号 の 周 波 数 が 決 定 さ れ る 。 こ の 周 波 数 は 信 号 伝 播 の 最 悪 ケ ー ス を 考 慮 し て 決 め な け れ ば な ら な い 。 最 悪 ケ ー ス を 考 慮 し て 周 波 数 を 決 定 す れ ば 、 C P U 全 体 が 波 形 の エ ッ ジ 部 分 で 動 作 す る よ う 設 計 で き 、 C P U の 設 計 を 簡 略 化 で き る と 同 時 に ト ラ ン ジ ス タ 数 も 減 ら す こ と が で き る 。 し か し 、 こ の 設 計 手 法 の 欠 点 と し て C P U 全 体 が 最 も 遅 い 部 分 を 待 つ よ う に 設 計 し な け れ ば な ら ず 、 全 体 の 高 速 化 が そ の 遅 い 部 分 に よ っ て 制 限 さ れ る 。 こ の 制 限 に 対 処 す る た め に 命 令 パ イ プ ラ イ ン や ス ー パ ー ス ケ ー ラ と い っ た 手 法 が 採 ら れ て き た 。
パ イ プ ラ イ ン だ け で は 同 期 式 C P U の 問 題 を 全 て 解 決 す る こ と は で き な い 。 た と え ば 、 ク ロ ッ ク 信 号 は 他 の 電 気 信 号 の 遅 延 に 影 響 さ れ る 。 ク ロ ッ ク 周 波 数 が 高 く な り 、 さ ら に 複 雑 な C P U を 動 作 さ せ よ う と し た と き 、 全 回 路 を 同 期 さ せ る の が 困 難 に な っ て き た 。 こ の た め 、 新 た な 高 性 能 C P U で は 1 つ の ク ロ ッ ク 信 号 で C P U 全 体 を 同 期 す る の で は な く 、 い く つ か の ク ロ ッ ク 信 号 で 各 部 分 を 個 別 に 同 期 さ せ る よ う に し て い る 。 ま た 、 ク ロ ッ ク 周 波 数 が 高 く な る に つ れ て C P U の 発 熱 が 大 き な 問 題 と な っ て き た 。 ク ロ ッ ク 信 号 が " H i " と " L o w " を 繰 り 返 す こ と で 多 く の ロ ジ ッ ク 回 路 が 同 様 に " H i " と " L o w " を 繰 り 返 し 、 そ の 回 路 が 演 算 処 理 に 使 わ れ て い な い 時 で も ク ロ ッ ク 信 号 が 供 給 さ れ て い る 間 は 無 駄 に 動 作 し て 発 熱 す る 。 21 世 紀 現 在 C P U に 使 用 さ れ て い る 半 導 体 回 路 で は 、 信 号 電 圧 を " H i " か " L o w " に 保 持 し 続 け る よ り も " H i " か ら " L o w " や " L o w " か ら " H i " へ 移 る 時 に 多 く の 電 気 エ ネ ル ギ ー を 消 費 す る 。 こ の た め 、 C P U に 高 速 処 理 能 力 を 求 め る と ク ロ ッ ク 周 波 数 が 高 く な り 発 熱 も 多 く な っ て 、 さ ら に 冷 却 す る 必 要 が 生 じ る 。
つ ま り 、 無 駄 に ク ロ ッ ク 信 号 を 供 給 す る こ と を 止 め れ ば 電 力 消 費 は 抑 え ら れ 発 熱 も 小 さ く な る 。 こ の よ う に 、 演 算 処 理 に 関 与 し な い 不 要 ブ ロ ッ ク へ の ク ロ ッ ク 信 号 の 供 給 を 止 め る ク ロ ッ ク ゲ ー テ ィ ン グ ︵ 英 語 版 ︶ と 呼 ば れ る 手 法 が あ る 。
2000年代後半以降に登場した高性能CPUで使用されている半導体回路技術(プロセス技術)では、消費電力に対するリーク電流 の比率が大きくなった。リーク電流はクロック信号の有無に関係が無いため、クロックゲーティングだけでは大きな電力削減効果は得られない。
このような高性能CPUでは、クロック信号の供給停止だけではなく、動作していないモジュール等への電源供給そのものを遮断するパワーゲーティング (英語版 ) と呼ばれる技術が必要になる。従来は、高性能化したCPUが消費する大電流をロジック回路に最適化された半導体回路技術(プロセス技術)で制御することは容易ではなかったが、リーク電流対策として2000年代末までには広く用いられる技術になった。
ク ロ ッ ク 信 号 で 全 体 を 一 斉 に 動 か す の を や め る 、 と い う 手 も あ る 。 非 同 期 設 計 に は 独 特 の 手 法 が 必 要 で 、 同 期 設 計 と 比 較 す る と 非 常 に 難 し い 点 が あ る が 、 消 費 電 力 と 発 熱 の 面 で 大 き な 利 点 が あ る 。 S R A M な ど で は 、 ク ロ ッ ク と 関 係 な く ア ク セ ス で き た ほ う が 扱 い に 便 利 な 場 合 も あ り 、 非 同 期 S R A M は ご く 一 般 的 な 製 品 で あ る 。 ま た 演 算 回 路 な ど 、 一 般 的 な プ ロ セ ッ サ 内 部 の 一 部 に 使 わ れ る こ と も あ る 。
一 般 に 市 販 さ れ た 製 品 と し て は 、 非 同 期 設 計 を 表 に 出 し た マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ は あ ま り 一 般 的 で は な い が 、 研 究 室 で の 試 作 と い っ た レ ベ ル で は 研 究 ・ 試 作 は さ か ん に 行 わ れ て お り 、 日 本 の も の で は 南 谷 ら に よ る T I T A C [ 10 ] な ど が 知 ら れ て い る 。 海 外 で は マ ン チ ェ ス タ ー 大 に よ る A R M ベ ー ス の A M U L E T は ︵ 技 術 的 で は な い 理 由 で 中 止 に は な っ て い る が ︶ 市 販 品 に 使 用 さ れ る 予 定 が あ っ た 。 他 に M I P S ︵ R 3 0 0 0 ︶ ベ ー ス の M i n i M I P S な ど が あ る 。
ク ロ ッ ク を 完 全 に 無 く す る の で は な く 部 分 的 に 非 同 期 化 す る こ と で 性 能 を 高 め る 工 夫 と し て は 、 非 同 期 演 算 装 置 を 使 っ て ス ー パ ー ス カ ラ ー の パ イ プ ラ イ ン を 構 成 す る こ と で 演 算 性 能 を 上 げ よ う と し た 設 計 な ど が あ る 。 同 期 動 作 す る C P U に 比 較 し て 性 能 が 向 上 す る か ど う か は 定 か で は な い が 、 少 な く と も 原 理 的 に は 効 果 が 期 待 で き る 。
比喩 的表現だが、CPUは、コンピュータの「頭脳」に例えられることが多い[11] 。
コンピュータゲーム の世界では、コンピュータやソフトウェアが動かす対戦相手や敵ユニットをCPUと呼ぶこともある。
(一) ^ イ ン テ ル の 日 本 法 人 は ﹁ プ ロ セ ッ サ ー ﹂ と 表 記 し て い る [ 3 ] 。
(二) ^ ア イ デ ィ ア の 元 は E N I A C の プ ロ ジ ェ ク ト 中 に 検 討 さ れ た も の で 、 ノ イ マ ン は 助 言 役 と し て 加 わ り 、 報 告 書 の 執 筆 者 は ノ イ マ ン で あ る 。 報 告 書 の 著 者 が ノ イ マ ン だ け と さ れ た こ と や ア イ デ ィ ア を 誰 の 功 績 と み る か に つ い て は 諸 説 あ る 。
(三) ^ モ ー ク リ ー と エ ッ カ ー ト の 離 脱 ︵ 理 由 に つ い て は 諸 説 ︶ な ど が あ り ご た つ い た 。 運 用 に 入 っ た の は 1 9 5 1 年 。
(四) ^ 1 9 3 6 年 に 特 許 申 請 し て い る が 、 ア メ リ カ に 出 願 し た 際 に チ ャ ー ル ズ ・ バ ベ ッ ジ の 解 析 機 関 と の 類 似 を 指 摘 さ れ 、 特 許 は 成 立 し て い な い 。 ツ ー ゼ は こ の と き ま で バ ベ ッ ジ の 業 績 を 知 ら な か っ た と 思 わ れ る 。 [ 独 自 研 究 ? ] な お Z 3 は 1 9 9 8 年 に チ ュ ー リ ン グ 完 全 で あ っ た こ と が 示 さ れ て い る 。
(五) ^ こ こ の ﹁ 信 頼 性 ﹂ の 考 え 方 に は 問 題 が あ る 。 対 象 の 問 題 を 解 決 す る に は 一 定 量 の 計 算 量 が 必 要 な の で あ っ て 、 一 定 量 の 計 算 時 間 が 必 要 な わ け で は な い 。 従 っ て 、 平 均 故 障 時 間 を そ の ま ま 比 較 す る の で は な く 、 性 能 比 を 考 慮 し て 比 較 し な け れ ば 意 味 が な い 。
(六) ^ 初 期 の デ ジ タ ル コ ン ピ ュ ー タ に は 、 そ れ 以 前 の 機 械 式 計 算 機 に 類 似 さ せ た た め ︵ E N I A C の 場 合 ︶ や 、 事 務 的 な 計 算 の た め ︵ I B M 1 4 0 1 の 場 合 ︶ に 、 十 進 法 を 採 用 し た も の も あ っ た ︵ E D S A C の よ う に 二 進 の も の も あ っ た ︶ 。 他 に は 3 進 数 を 採 用 し た も の も あ っ た 。 そ れ 以 降 は 二 進 法 を 採 用 す る の が 一 般 化 し た 。 二 進 法 で は 各 桁 は ふ た つ の 値 ︵ 1 と 0 ︶ し か と ら な い の で 、 高 い 電 圧 と 低 い 電 圧 で そ れ を 表 す こ と が で き る 。
(七) ^ 人 が 気 に な ら な い 程 度 に ︵ す な わ ち 、 普 通 の C P U と は 比 較 に な ら な い ほ ど ︶ 遅 く て も 良 い が 、 極 め て 省 電 力 で あ る こ と な ど が 要 求 さ れ る 。
(八) ^ 近 年 [ い つ ? ] で 、 日 本 で よ く 知 ら れ て い る 例 外 は 、 C A S L の C O M E T ぐ ら い で あ ろ う [ 独 自 研 究 ? ] 。
(九) ^ な お 、 複 数 バ イ ト か ら 成 る ワ ー ド 単 位 の ア ク セ ス は 、 必 ず し も こ の 単 位 で ア ク セ ス で き る と は 限 ら な い ︵ ア ラ イ ン メ ン ト 違 反 と し て バ ス エ ラ ー に な る も の も 多 い ︶ 。
(十) ^ ア ド レ ス ビ ッ ト 幅 は 8 ビ ッ ト C P U に お い て は 16 ビ ッ ト 幅 以 上 あ る 事 が 通 常 で 、 32 ビ ッ ト C P U で は 24 ビ ッ ト な ど 、 N - ビ ッ ト C P U と 称 す る 場 合 の ビ ッ ト 数 と 一 致 し な い 事 が 多 数 あ る 。 外 部 デ ー タ バ ス 幅 は 16 ビ ッ ト C P U で 外 部 デ ー タ バ ス 8 ビ ッ ト 、 32 ビ ッ ト C P U で 外 部 バ ス 16 ビ ッ ト な ど 、 こ れ も N - ビ ッ ト C P U と 称 す る 場 合 の ビ ッ ト 数 と 一 致 し な い 事 が 多 数 あ る 。 内 部 デ ー タ バ ス 幅 は 32 ビ ッ ト C P U で 内 部 デ ー タ バ ス 64 ビ ッ ト の 例 が あ る 。 レ ジ ス タ の ビ ッ ト 幅 で は 16 ビ ッ ト C P U で 32 ビ ッ ト レ ジ ス タ を 持 つ C P U が あ る 。 命 令 長 は C I S C で は 複 数 の ビ ッ ト 幅 が 混 在 し て お り 、 R I S C で も 32 ビ ッ ト 演 算 で 16 ビ ッ ト バ ス な ど が あ る 。
(11) ^ M i c r o s o f t W i n d o w s S e r v e r 2 0 0 3 を ベ ー ス に し た M i c r o s o f t W i n d o w s X P P r o f e s s i o n a l x 6 4 E d i t i o n が 2 0 0 5 年 に リ リ ー ス さ れ た が 、 最 初 の 一 般 消 費 者 向 け 64 ビ ッ ト OS と し て は 、 翌 2 0 0 6 年 に リ リ ー ス さ れ た x 6 4 版 M i c r o s o f t W i n d o w s V i s t a が 主 に そ の 役 目 を 果 た し た 。
(12) ^ 64 ビ ッ ト 版 M i c r o s o f t W i n d o w s に は W O W 6 4 サ ブ シ ス テ ム が 搭 載 さ れ て い る 。 64 ビ ッ ト 版 m a c O S も ま た 32 ビ ッ ト ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 動 作 を サ ポ ー ト す る が 、 H i g h S i e r r a 以 降 で は 非 推 奨 と な り 、 起 動 時 に 警 告 が 表 示 さ れ る よ う に な っ て い る 。 m a c O S C a t a l i n a で は 32 ビ ッ ト ア プ リ ケ ー シ ョ ン の サ ポ ー ト が 打 ち 切 ら れ た 。
(13) ^ x 8 6 版 M i c r o s o f t W i n d o w s は 32 ビ ッ ト の x 8 6 C P U を 搭 載 す る シ ス テ ム の ほ か 、 64 ビ ッ ト の x 6 4 C P U を 搭 載 す る シ ス テ ム に イ ン ス ト ー ル し て 実 行 す る こ と も で き る 。
こ の 節 に は 参 考 文 献 や 外 部 リ ン ク の 一 覧 が 含 ま れ て い ま す が 、 脚 注 に よ る 参 照 が 不 十 分 で あ る た め 、 情 報 源 が 依 然 不 明 確 で す 。 適 切 な 位 置 に 脚 注 を 追 加 し て 、 記 事 の 信 頼 性 向 上 に ご 協 力 く だ さ い 。 ︵ 2 0 2 1 年 11 月 ︶