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﹃あらたま﹄は、日本の歌人、斎藤茂吉の個人歌集。春陽堂から1921年1月1日に刊行された。本文286頁、﹁あらたま編輯手記﹂16頁、歌数746首。
概要
歌集名﹁あらたま﹂は、森鷗外の小説﹃青年﹄に﹁璞︵あらたま︶から玉が出来るやうに﹂とあり、﹃雁﹄に﹁まだ璞の侭であつた﹂とあることから暗示を受けたものとされる[1]。1913年9月から1917年12月までの作品が収録されている。内容は、前の歌集﹃赤光﹄から引き続き﹁生命の氾濫・生の肯定﹂を特徴とし、中途から沈静な諦念の色調が加わるとされる。しばしば引用される歌に次のようなものがある。
- ふり灑(そそ)ぐあまつひかりに目の見えぬ黒き蛼(いとど)を追ひつめにけり
- あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり
- 草づたふ朝の蛍よみじかかるわれのいのちを死なしむなゆめ
- 朝あけて船より鳴れる太笛のこだまはながし並みよろふ山
脚注
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