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ディーノ・ブッツァーティ︵Dino Buzzati、1906年10月16日 - 1972年1月28日︶は、イタリアの作家、ジャーナリスト、画家。
短編集 Sessanta racconti で1958年にストレーガ賞を受賞。
短編小説の名手として知られる。そのほか、詩、舞台美術、評論、漫画も手がける。
カルヴィーノと並んで20世紀イタリア文学を代表する作家である。幻想的、不条理な作風からイタリアのカフカと称されることがある。
経歴
北イタリア・ベッルーノ近くの村サン・ペッレグリーノで生まれる。
法学者である父ジュリオ・チェーザレは1920年に亡くなっている。
1924年、ミラノ大学法学部に入学、1928年に卒業。在学中、二年間の兵役に就く。
卒業後はイタリアの新聞社コリエーレ・デラ・セラに入社。1933年に刊行された処女小説 Barnabo delle montagne はほとんど注目されなかったが、
﹃タタール人の砂漠﹄︵1940年︶、短編集﹃七人の使者﹄︵1942年︶が高い評価を受ける。
また、この頃のジャーナリストとしての経験は後の彼の考え方、作品に影響を与えている。
1939年に特派員としてエチオピアに派遣され、1940年には従軍記者として巡洋艦に乗りマタパン岬沖海戦やシルテ湾海戦などを報道した。
1950年代は﹃七人の使者﹄に収められている短編﹁七階﹂の戯曲化、ストレーガ賞の受賞、と成功を手にした時期である。また、ミラノで個展も開催された。
1972年、癌のため死去。
著作
長編小説
●Barnabo delle montagne, 1933
●﹃ウッドの秘密﹄Il segreto del Bosco Vecchio, 1935
●﹃タタール人の砂漠﹄(Il deserto dei Tartari, 1940)
●﹃偉大なる幻影﹄(Il grande ritratto, 1960)
●﹃ある愛﹄(Un amore, 1963)
短編集
●﹁七人の使者﹂(I sette messaggeri, 1942)
●﹁スカラ座の恐怖﹂(Paura alla Scala, 1949)
●﹁バリヴェルナ荘の崩壊﹂(Il crollo della Baliverna, 1954)
●Esperimento di magia, 1958
●Sessanta racconti, 1958
●﹁海獣コロンブレ﹂(Il colombre, 1966)
●La boutique del mistero, 1968
●180 racconti, 1982
●mi chiamo Dino Buzzati, 1988
●Il meglio dei racconti, 1989
●Lo strano Natale di Mr. Scrooge e altre storie, 1990
その他
●童話﹃シチリアを征服したクマ王国の物語﹄(La famosa invasione degli orsi in Sicilia, 1945)
●詩集、評論など多数
邦訳
●﹃タタール人の砂漠﹄奥野拓哉訳﹃世界文学全集20世紀の文学 第33 (パヴェーゼ,ブッツァーティ,モラーヴィア)﹄集英社 1966
●﹃タタール人の砂漠﹄松籟社、脇功訳、1992年 岩波文庫、2013
●﹃ある愛﹄脇功,在里寛司訳 河出書房新社 1969 今日の海外小説
●﹃偉大なる幻影﹄脇功,松谷健二訳 早川書房、1968年
偉大なる幻影/スカラ座の恐怖/戦艦“死︵トード︶”
●﹃七人の使者 ブッツァーティ短編集﹄河出書房新社、脇功訳、1974年
七人の使者/大護送隊襲撃/七階/それでも戸を叩く/マント/竜退治/Lで始まるもの/水滴/神を見た犬/なにかが起こった/山崩れ/円盤が舞い下りた/道路開通式/急行列車/聖者たち/自動車のペスト
●﹃シチリアを征服したクマ王国の物語﹄福音館書店、天沢退二郎, 増山暁子訳、1987年
童話。2008年 福音館文庫 ISBN 978-4834023527
●﹃階段の悪夢 短篇集﹄図書新聞、千種堅訳、1992年 ISBN 978-4886113016
階段の悪夢/クレシェンド/ちょうちょう/モザイク/チクタク/都市の些事/中古車/変化/二人噺/今風の楽しみ/イカルス/発明/光の速さ/動物説話/疎外/強調法/大変なパーティ/時間のほつれ/恋文/小さなミステリー/波頭に乗って/年老いた非合法活動家たち/象皮病/満月/翼の生えた妻
●﹃待っていたのは 短編集﹄河出書房新社、脇功訳、1992年 ISBN 978-4309201887
夕闇の迫るころ/忘れられた女の子/夜の苦悩/鼠/バリヴェルナ荘の崩壊/世界の終わり/戦さの歌/アナゴールの城壁/人間の偉大さ/待っていたのは/水素爆弾/時を止めた機械/友だち/クリスマスの物語/冒涜
●﹃石の幻影 短編集﹄河出書房新社、大久保憲子訳、1998年 ISBN 978-4309203058
石の幻影/海獣コロンブレ/一九八〇年の教訓/誤報が招いた死/謙虚な司祭/拝啓新聞社主幹殿
●﹃神を見た犬﹄光文社古典新訳文庫、関口英子訳、2007年 ISBN 978-4334751272
天地創造/コロンブレ/アインシュタインとの約束/戦の歌/七階/聖人たち/グランドホテルの廊下/神を見た犬/風船/護送大隊襲撃/呪われた背広/一九八〇年の教訓/秘密兵器/小さな暴君/天国からの脱落/わずらわしい男/病院というところ/驕らぬ心/クリスマスの物語/マジシャン/戦艦︽死︵トート︶︾
●﹃夜の挿話 (エピソード) ディーノ・ブッツァーティ作品集﹄香川真澄訳 イタリア文藝叢書刊行委員会 2012
関連項目
●幻想文学
●マジックリアリズム
●奇妙な味