「トマス・ロバート・マルサス」の版間の差分
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[[File:Malthus - Essay on the principle of population, 1826 - 5884843.tif |thumb|''Essay on the principle of population'', 1826]] |
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父は弁護士で植物学者のダニエル・マルサスで、[[啓蒙主義]]者である。彼は[[ジャン=ジャック・ルソー]]や[[デイヴィッド・ヒューム]]と親交があり、マルサスの生年1766年に自宅にルソーとヒュームを招待している<ref name="yasashii24">中矢俊博 『やさしい経済学史』 日本経済評論社、2012年、24頁。</ref>。''Malthus''の名前の由来は''Malthouse''(麦芽製造所)、つまりウィスキー工場とされている([[ジョン・メイナード・ケインズ]] 『J.M.ケインズ 人物評伝』 75頁より)<ref>小泉祐一郎 『図解経済学者バトルロワイヤル』 ナツメ社、2011年、221頁。</ref>。その第2子として生まれ、家庭教師から指導を受け、また父からもきめ細かな教育を受けた。 |
父は弁護士で植物学者のダニエル・マルサスで、[[啓蒙主義]]者である。彼は[[ジャン=ジャック・ルソー]]や[[デイヴィッド・ヒューム]]と親交があり、マルサスの生年1766年に自宅にルソーとヒュームを招待している<ref name="yasashii24">中矢俊博 『やさしい経済学史』 日本経済評論社、2012年、24頁。</ref>。''Malthus''の名前の由来は''Malthouse''(麦芽製造所)、つまりウィスキー工場とされている([[ジョン・メイナード・ケインズ]] 『J.M.ケインズ 人物評伝』 75頁より)<ref>小泉祐一郎 『図解経済学者バトルロワイヤル』 ナツメ社、2011年、221頁。</ref>。その第2子として生まれ、家庭教師から指導を受け、また父からもきめ細かな教育を受けた。 |
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2015年7月13日 (月) 18:33時点における版
古典派経済学 | |
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生誕 | 1766年2月14日 |
死没 | 1834年12月23日(68歳没) |
影響を 受けた人物 |
ジャン=シャルル=シスモンディ デヴィッド・リカード |
影響を 与えた人物 |
チャールズ・ダーウィン ジョン・メイナード・ケインズ |
実績 |
人口論 過少消費説(有効需要論)の主張 |
来歴
思想・影響
マルサスの思想は、経済学のうえでは、人間理性の啓蒙による理想社会の実現を主張するウィリアム・ゴドウィンやニコラ・ド・コンドルセへの批判とも位置づけられる。 ﹃人口論﹄は次のような命題につながる。人口の抑制をしなかった場合、食糧不足で餓死に至ることもあるが、それは人間自身の責任でありこれらの人に生存権が与えられなくなるのは当然のことである[10]。戦争、貧困、飢饉は人口抑制のためによい[11]。これらの人を社会は救済できないし、救済すべきでないとマルサスは考えた[12]。これらマルサスによる生存権の否定は、ジャーナリストのウィリアム・コベットなどから人道に反すると批判を受けた[12]。 人口を統計学的に考察した結果、﹁予防的抑制﹂と﹁抑圧的抑制﹂の二つの制御装置の考え方に到ったが、この思想は後のチャールズ・ダーウィンの進化論を強力に支える思想となった[13]。特に自然淘汰に関する考察に少なからず影響を与えている[9]。すなわち、人類は叡智があり、血みどろの生存競争を回避しようとするが、動植物の世界にはこれがない。よってマルサスの人口論のとおりの自然淘汰が動植物の世界には起きる。そのため、生存競争において有利な個体差をもったものが生き残り、子孫は有利な変異を受け継いだとダーウィンは結論したのである。 またマルサスは救貧法について、貧者に人口増加のインセンティブを与えるものであり、貧者を貧困にとどめておく効果があるとし、漸進的に廃止すべきであると主張していた[8]。 ジョン・メイナード・ケインズはマルサスについて﹁もしリカードではなくマルサスが19世紀の経済学の根幹をなしていたなら、今日の世界ははるかに賢明で、富裕な場所になっていたに違いない。ロバート・マルサスは、ケンブリッジ学派の始祖である﹂と評価している[14]。脚注
- ^ 2月13日・17日説もあり
- ^ a b 中矢俊博 『やさしい経済学史』 日本経済評論社、2012年、24頁。
- ^ 小泉祐一郎 『図解経済学者バトルロワイヤル』 ナツメ社、2011年、221頁。
- ^ フランソワ・トレモリエール、カトリーヌ・リシ編著、樺山紘一日本語版監修『ラルース 図説 世界史人物百科』Ⅲ フランス革命ー世界大戦前夜 原書房 2005年 27ページ
- ^ Venn, J.; Venn, J. A., eds. (1922–1958). "Malthus, Thomas Robert". Alumni Cantabrigienses (10 vols) (online ed.). Cambridge University Press.
- ^ Malthus T. R. 1798. An Essay on the Principle of Population. Oxford World's Classics reprint: xxix Chronology.
- ^ 日本経済新聞社編 『世界を変えた経済学の名著』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2013年、150頁。
- ^ a b 経済学史の窓から 第7回 マルサスは陰鬱な科学者か?書斎の窓
- ^ a b フランソワ・トレモリエール、カトリーヌ・リシ編著、樺山紘一日本語版監修『ラルース 図説 世界史人物百科』Ⅲ フランス革命―世界大戦前夜 原書房 2005年 28ページ
- ^ 橘木俊詔 『朝日おとなの学びなおし 経済学 課題解明の経済学史』 朝日新聞出版、2012年、92頁。
- ^ 佐藤雅彦・竹中平蔵 『経済ってそういうことだったのか会議』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2002年、388頁。
- ^ a b 橘木俊詔 『朝日おとなの学びなおし 経済学 課題解明の経済学史』 朝日新聞出版、2012年、93頁。
- ^ 中矢俊博 『やさしい経済学史』 日本経済評論社、2012年、26頁。
- ^ 中矢俊博 『やさしい経済学史』 日本経済評論社、2012年、25頁。