パッケージソフトウェア
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パッケージソフトウェア︵packaged software︶とは、狭義には特定の業務あるいは業種で汎用的に利用することのできる既製の市販ソフトウェアである。
概要
見込み開発された汎用ソフトウエアとして
業種・規模を問わず多数の企業・組織で共通する業務︵財務会計や給与計算など︶や、業種内︵製造業、卸売業、小売業、不動産業、自治体、学校、病院など、さらに﹁自動車製造業の試作・設計﹂、﹁建設業の進捗管理﹂、﹁金融業の与信管理﹂など︶おのおので共通するビジネスモデルについて、多数の企業で汎用的に利用できるソフトウエアを目論み、開発・販売される。 ﹁パッケージソフト﹂又は、単に﹁パッケージ﹂と略され、もしくはプログラム製品、プログラムプロダクト︵program product、略してPP︶とも呼ばれる。 各企業・組織において、パッケージソフトそのままの機能では自組織の業務に合わない個所は、カスタマイズを行ったり、プラグイン方式で機能追加を行ったりする。 現在ではコンピュータの低価格化などによりパーソナルコンピュータ︵パソコン︶が個人に普及し、伴ってワープロソフトや写真編集ソフトのような個人向けの市販ソフトが多数流通しており、企業向けシステム以外にもこれらを含めて称することが多い。 パッケージソフトウエアを利用せず、目的のシステムを独自にいちから制作する開発法を﹁スクラッチ開発﹂と呼ぶ。オフコン時代など、パッケージソフトウエアが普及するまでの時代では、こちらが主流であった。 いわば、パッケージソフトウエアは既製品︵見込生産品︶であり、スクラッチ開発品は受注生産品である。利点
●既製品であり、設計・開発行程を経ずともすぐに利用できる。 ●多くの利用者がいる。 ●操作方法や利用例などの情報を多くの情報源から入手しやすい。 ●バグなどの報告が多いため、各企業向けの個別開発システムより比較的早く修正される。もしくは、回避策などの情報を市中から入手しやすい[1]。 ●︵カスタマイズなどが少なければ︶比較的安価。 ●不要となった場合、汎用的な機能をもっているゆえに転売できる可能性が高い。難点
●自組織の業務内容や、連携する他システムと合うか、選定にあたって十分検討が必要である。 ●不要な機能が多数あっても、それらの機能を含めた代金で購入することになる。 ●合わない場合は、自社の業務ロジックをソフトウエアに合うよう変更するか、ソフトウエアのカスタマイズなどを行うことになる。 ●カスタマイズの量や難易度によっては、スクラッチ開発よりもかえって高価になる可能性がある。 ●カスタマイズにより、メーカー保証を得られなる場合がある。 ●一部分または全部をカスタマイズできない製品がある。そのままの仕様では自社業務に利用できない機能部分がカスタマイズ不可と判明した場合、最悪はそのパッケージソフトは放棄することになる。個人用のパッケージソフトウエアになるほど、カスタマイズ不能な製品が多くなる。オンラインソフトウエア等の対義語として
物理的なインストールメディアを用いないオンラインソフトウェアに対する、︵箱などにパック︵包装︶された︶ソフトウェアを表す場合にも用いられる。脚注
<references>関連
- アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)
- SaaS(Software as a Service)
- 企業資源計画
- ダウンロード販売
- スクラッチ
- ^ 大きいシェアをもつソフトウエアにおいてバグが放置された結果、そのバグの状態が事実上のソフトウエア仕様として世間に認識(妥協)されていく場合がある。