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[[2022年]][[5月23日]]、ボンダレフは[[2022年ロシアのウクライナ侵攻|ロシアのウクライナ侵攻]]へ抗議する自身の立場から辞任していたことを発表し、ロシアによる侵攻を﹁侵略戦争﹂と呼び<ref>{{cite web|url=https://eu.usatoday.com/story/news/politics/2022/05/23/ukraine-russia-invasion-live-updates/9888764002/|title='Ashamed' of war, Russian diplomat resigns"|work=[[USA Today]]|date=23 May 2022|access-date=23 May 2022}}</ref>、ウクライナ人民に対する犯罪であるのみならず、﹁ロシアの人民に対する最も深刻な犯罪でもあり、[[Z (軍隊符号)|太字のZ]]によって我々の国における繁栄する自由社会への全ての希望と見通しが消されている﹂と述べた<ref>{{cite web|url=https://www.thedailybeast.com/boris-bondarev-ashamed-russian-diplomat-quits-chief-united-nations-role-over-putins-warmongering|first=Barbie Latza|last=Nadeau|title='Ashamed' Top Russian Diplomat Leaves United Nations Over Putin's 'Warmongering'|work=[[The Daily Beast]]|date=23 May 2022|access-date=23 May 2022}}</ref><ref name="dw">{{cite web|url=https://www.dw.com/ru/sotrudnik-postpredstva-rf-pri-oon-podal-v-otstavku-iz-za-vojny-v-ukraine/a-61903948|title=Советник постпредства РФ при ООН подал в отставку из-за войны в Украине|work=[[Deutsche Welle]]|date=23 May 2022|access-date=23 May 2022|language=ru|trans-title=Advisor to the Permanent Mission of the Russian Federation to the UN resigned due to the war in Ukraine}}</ref>。ボンダレフは、上級大使館職員に侵攻に対する懸念を幾度か表明したが、﹁派生する問題を避けるために口を閉じ﹂続けるように言われた、と述べた<ref name="reuters">{{cite web|url=https://www.reuters.com/world/europe/russian-diplomat-switzerland-says-he-resigns-over-ukraine-invasion-2022-05-23/|title=Russian diplomat in Switzerland says he resigns over Ukraine invasion|work=[[Reuters]]|date=23 May 2022|first=Emma|last=Farge|access-date=23 May 2022}}</ref>。また、他の外交官が自分に続くことは期待しておらず<ref name="reuters" />、この戦争の黒幕の目標は﹁権力に永遠に留まり続ける﹂ことだ、とも述べた<ref name="dw"/>。
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[[2022年]][[5月23日]]、ボンダレフは[[2022年ロシアのウクライナ侵攻|ロシアのウクライナ侵攻]]へ抗議する自身の立場から辞任していたことを発表し、ロシアによる侵攻を﹁侵略戦争﹂と呼び<ref>{{cite web|url=https://eu.usatoday.com/story/news/politics/2022/05/23/ukraine-russia-invasion-live-updates/9888764002/|title='Ashamed' of war, Russian diplomat resigns"|work=[[USA Today]]|date=23 May 2022|access-date=23 May 2022}}</ref>、ウクライナ人民に対する犯罪であるのみならず、﹁ロシアの人民に対する最も深刻な犯罪でもあり、[[Z (軍隊符号)|太字のZ]]によって我々の国における繁栄する自由社会への全ての希望と見通しが消されている﹂と述べた<ref>{{cite web|url=https://www.thedailybeast.com/boris-bondarev-ashamed-russian-diplomat-quits-chief-united-nations-role-over-putins-warmongering|first=Barbie Latza|last=Nadeau|title='Ashamed' Top Russian Diplomat Leaves United Nations Over Putin's 'Warmongering'|work=[[The Daily Beast]]|date=23 May 2022|access-date=23 May 2022}}</ref><ref name="dw">{{cite web|url=https://www.dw.com/ru/sotrudnik-postpredstva-rf-pri-oon-podal-v-otstavku-iz-za-vojny-v-ukraine/a-61903948|title=Советник постпредства РФ при ООН подал в отставку из-за войны в Украине|work=[[Deutsche Welle]]|date=23 May 2022|access-date=23 May 2022|language=ru|trans-title=Advisor to the Permanent Mission of the Russian Federation to the UN resigned due to the war in Ukraine}}</ref>。ボンダレフは、上級大使館職員に侵攻に対する懸念を幾度か表明したが、﹁派生する問題を避けるために口を閉じ﹂続けるように言われた、と述べた<ref name="reuters">{{cite web|url=https://www.reuters.com/world/europe/russian-diplomat-switzerland-says-he-resigns-over-ukraine-invasion-2022-05-23/|title=Russian diplomat in Switzerland says he resigns over Ukraine invasion|work=[[Reuters]]|date=23 May 2022|first=Emma|last=Farge|access-date=23 May 2022}}</ref>。また、他の外交官が自分に続くことは期待しておらず<ref name="reuters" />、この戦争の黒幕の目標は﹁権力に永遠に留まり続ける﹂ことだ、とも述べた<ref name="dw"/>。
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同年[[7月22日]]、[[ユーロニュース|euronews]]にインタビュー記事が掲載された。[[2008年]]時点のボンダレフは、他の多くのロシア人と同じく[[南オセチア紛争 (2008年)|南オセチア紛争]]での勝利を喜んでいた。﹁自分たちが何か偉大で強力なものの一部であるという感覚﹂であると説明している。'''ロシアの考え方では﹁強くなる﹂ということは﹁戦争に勝ち、新たな領土を征服すること﹂'''で、[[1990年代]]に[[チェチェン・ロシア紛争|チェチェン]]などで弱体化したロシアが再び強くなったことを感じたかったのだろうと話している。[[2014年]]の[[ロシアによるクリミアの併合|クリミアの併合]]は、決して認められないことも侵略行為とみなされることも理解していたが、今後、外交で何らかの解決策を見出すことができるだろうと考えていた。しかし長年にわたり、防衛産業や関連する政府機関と仕事をするうちに[[プロパガンダ]]と現実の違いに衝撃を受けた。陸軍の改革・兵器の生産などの成功が報告されていたが、実際には酷い状況であることを知り、システムが嘘に嘘を重ねているのを見たという。
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ウクライナ侵攻が起こったのは、プーチン政権が支持者に﹁成功と大きな勝利を見せる必要﹂があり、クリミアの成功を繰り返したかったのだろうと推察している。しかし、ウクライナは﹁[[ルースキー・ミール|ロシアの世界]]﹂を望んでいなかった。とは言え、ウクライナを征服してもロシア国民の生活はさらに貧しくなるため、プーチンは別の敵︵[[モルドバ]]、[[カザフスタン]]、[[バルト三国]]︶を見つけて、新しい戦争を始めなければならないとしている<ref>{{Cite web |title=Экс-дипломат РФ: Путин находится в цугцванге |url=https://ru.euronews.com/2022/07/22/russia-euronews-bulgaria-boris-bondarev-itw |website=euronews |date=2022-07-22 |access-date=2022-09-08 |language=ru}}</ref>。
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同年[[8月16日]]、ジュネーブのル・タン紙のインタビューに応じた。記事によると、[[スイス]]が経済制裁に参加すると発表したとき<ref>{{Cite web |title=スイスが対露制裁に全面参加 永世中立国、異例の強硬措置 |url=https://mainichi.jp/articles/20220301/k00/00m/030/219000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-09-04 |language=ja |date=2022年3月1日}}</ref>、モスクワとスイスの国連代表部はショックと怒りに包まれたという。ロシアはスイスについては﹁合法であるかどうかにかかわらず、ロシアのビジネスにとって安全な避難所であり続け、何らかの形で制裁を回避するのに役立つことを望んでいた﹂ためで、ボンダレフは戦争全体について﹁誤算、状況の誤った解釈、世界の完全な誤解の継続的な歴史﹂であるとしている。また、﹁モスクワは、この冬の間、ヨーロッパを確実に凍らせるだろう。世論が政治家に圧力をかけ始め、ウクライナがロシアと交渉することを要求する程度まで﹂と、ロシアがエネルギーの供給停止をすることでヨーロッパが折れるまで待つだろうと推測している<ref>{{Cite news|title=Boris Bondarev, spécialiste en désarmement, prévient: «Moscou va s’assurer que l’Europe gèle cet hiver»|url=https://www.letemps.ch/monde/boris-bondarev-specialiste-desarmement-previent-moscou-va-sassurer-leurope-gele-cet-hiver|work=Le Temps|date=2022-08-16|access-date=2022-09-04|issn=1423-3967|language=fr}}</ref><ref>{{Cite web |title=Москва надеялась, что Швейцария останется «убежищем для российского бизнеса» |url=https://www.swissinfo.ch/rus/politics/%D0%BC%D0%BE%D1%81%D0%BA%D0%B2%D0%B0-%D0%BD%D0%B0%D0%B4%D0%B5%D1%8F%D0%BB%D0%B0%D1%81%D1%8C--%D1%87%D1%82%D0%BE-%D1%88%D0%B2%D0%B5%D0%B9%D1%86%D0%B0%D1%80%D0%B8%D1%8F-%D0%BE%D1%81%D1%82%D0%B0%D0%BD%D0%B5%D1%82%D1%81%D1%8F--%D1%83%D0%B1%D0%B5%D0%B6%D0%B8%D1%89%D0%B5%D0%BC-%D0%B4%D0%BB%D1%8F-%D1%80%D0%BE%D1%81%D1%81%D0%B8%D0%B9%D1%81%D0%BA%D0%BE%D0%B3%D0%BE-%D0%B1%D0%B8%D0%B7%D0%BD%D0%B5%D1%81%D0%B0-/47836042 |website=SWI swissinfo.ch |access-date=2022-09-04 |language=ru |last=Keystone-SDA/ts |date=2022-08-18}}</ref>。
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同年[[8月16日]]、ジュネーブのル・タン紙のインタビューに応じた。記事によると、[[スイス]]が経済制裁に参加すると発表したとき<ref>{{Cite web |title=スイスが対露制裁に全面参加 永世中立国、異例の強硬措置 |url=https://mainichi.jp/articles/20220301/k00/00m/030/219000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-09-04 |language=ja |date=2022年3月1日}}</ref>、モスクワとスイスの国連代表部はショックと怒りに包まれたという。ロシアはスイスについては﹁合法であるかどうかにかかわらず、ロシアのビジネスにとって安全な避難所であり続け、何らかの形で制裁を回避するのに役立つことを望んでいた﹂ためで、ボンダレフは戦争全体について﹁誤算、状況の誤った解釈、世界の完全な誤解の継続的な歴史﹂であるとしている。また、﹁モスクワは、この冬の間、ヨーロッパを確実に凍らせるだろう。世論が政治家に圧力をかけ始め、ウクライナがロシアと交渉することを要求する程度まで﹂と、ロシアがエネルギーの供給停止をすることでヨーロッパが折れるまで待つだろうと推測している<ref>{{Cite news|title=Boris Bondarev, spécialiste en désarmement, prévient: «Moscou va s’assurer que l’Europe gèle cet hiver»|url=https://www.letemps.ch/monde/boris-bondarev-specialiste-desarmement-previent-moscou-va-sassurer-leurope-gele-cet-hiver|work=Le Temps|date=2022-08-16|access-date=2022-09-04|issn=1423-3967|language=fr}}</ref><ref>{{Cite web |title=Москва надеялась, что Швейцария останется «убежищем для российского бизнеса» |url=https://www.swissinfo.ch/rus/politics/%D0%BC%D0%BE%D1%81%D0%BA%D0%B2%D0%B0-%D0%BD%D0%B0%D0%B4%D0%B5%D1%8F%D0%BB%D0%B0%D1%81%D1%8C--%D1%87%D1%82%D0%BE-%D1%88%D0%B2%D0%B5%D0%B9%D1%86%D0%B0%D1%80%D0%B8%D1%8F-%D0%BE%D1%81%D1%82%D0%B0%D0%BD%D0%B5%D1%82%D1%81%D1%8F--%D1%83%D0%B1%D0%B5%D0%B6%D0%B8%D1%89%D0%B5%D0%BC-%D0%B4%D0%BB%D1%8F-%D1%80%D0%BE%D1%81%D1%81%D0%B8%D0%B9%D1%81%D0%BA%D0%BE%D0%B3%D0%BE-%D0%B1%D0%B8%D0%B7%D0%BD%D0%B5%D1%81%D0%B0-/47836042 |website=SWI swissinfo.ch |access-date=2022-09-04 |language=ru |last=Keystone-SDA/ts |date=2022-08-18}}</ref>。
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同月23日、ドイツ国営の[[ドイチェ・ヴェレ]]がインタビュー記事を掲載し、[[YouTube]]に動画をアップロードした<ref>{{Cite web |title=Экс-дипломат РФ при ООН: Надо, чтобы Украина одержала победу – DW – 23.08.2022 |url=https://www.dw.com/ru/jeks-diplomat-rf-pri-oon-nuzhno-chtoby-ukraina-oderzhala-pobedu/a-62900009 |website=dw.com |access-date=2022-08-25 |language=ru}}</ref><ref>{{Citation|title=Как на самом деле работает МИД РФ и что дипломаты думают о войне - интервью с Борисом Бондаревым|url=https://www.youtube.com/watch?v=LA-adjCZ_IM|language=ja-JP|access-date=2022-08-25}}</ref>。
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同月23日、ドイツ国営の[[ドイチェ・ヴェレ]]がインタビュー記事を掲載し、[[YouTube]]に動画をアップロードした<ref>{{Cite web |title=Экс-дипломат РФ при ООН: Надо, чтобы Украина одержала победу – DW – 23.08.2022 |url=https://www.dw.com/ru/jeks-diplomat-rf-pri-oon-nuzhno-chtoby-ukraina-oderzhala-pobedu/a-62900009 |website=dw.com |access-date=2022-08-25 |language=ru}}</ref><ref>{{Citation|title=Как на самом деле работает МИД РФ и что дипломаты думают о войне - интервью с Борисом Бондаревым|url=https://www.youtube.com/watch?v=LA-adjCZ_IM|language=ja-JP|access-date=2022-08-25}}</ref>。
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それによるとボンダレフは侵攻当日、1941年にドイツ空軍の空襲を受けた[[キーウ]]や[[ハルキウ]]に、ロシア空軍が同じことをしているのを知り、悪夢だと思ったという。その時に決意はしていたが、黙って辞めたくなかったため、モスクワにいる家族︵妻と猫︶を待っての辞任となった。開戦後に外務省を辞めた人々を何十人も知っているが、ボンダレフ自身が辞任のときの声明を出したのは、この戦争についてロシアの集団的責任が問われるとき、せめて自分の良心は少しでもはっきりさせ﹁我々の政府が引き起こした犯罪と戦うという共通の大義に貢献したい﹂ためと説明している。同僚については、合理的な考えを持ってはいるが静かに指示に従っている人々と、﹁ウクライナ人とは、もっと前にやっておくべきだった﹂﹁ウクライナ人、アメリカ人の正体を示すことが重要だ﹂と思っている人々がおり、後者は開戦当時にはこれが彼らの生涯の夢だったのかと思うほどの様子であったと語っている。
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それによるとボンダレフは侵攻当日、[[1941年]]にドイツ空軍の空襲を受けた[[キーウ]]や[[ハルキウ]]に、ロシア空軍が同じことをしているのを知り、悪夢だと思ったという。その時に決意はしていたが、黙って辞めたくなかったため、モスクワにいる家族︵妻と猫︶を待っての辞任となった。開戦後に外務省を辞めた人々を何十人も知っているが、ボンダレフ自身が辞任のときの声明を出したのは、この戦争についてロシアの集団的責任が問われるとき、せめて自分の良心は少しでもはっきりさせ﹁我々の政府が引き起こした犯罪と戦うという共通の大義に貢献したい﹂ためと説明している。同僚については、合理的な考えを持ってはいるが静かに指示に従っている人々と、﹁ウクライナ人とは、もっと前にやっておくべきだった﹂﹁ウクライナ人、アメリカ人の正体を示すことが重要だ﹂と思っている人々がおり、後者は開戦当時にはこれが彼らの生涯の夢だったのかと思うほどの様子であったと語っている。
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ボンダレフはロシアの外交政策・外交はモラル破綻をきたしており、ここ20年で外交官・仕事の質が著しく低下したことにも言及。[[ロシア外務省]]は、コネ採用や語学力不足などで仕事をしていない人さえいる状態であると明かしている。顕著になったのは[[ロシアによるクリミアの併合|2014年]]以降、そして[[2018年]]に[[セルゲイ・スクリパリ]]と娘の毒殺未遂事件があって以降、'''”ある種の壊滅的な性格”''' を獲得した。それは、外交官が自分のキャリアのため﹁モスクワで気持ちよく読んでもらうため﹂に報告をするようになったことだという。例えば、各国がロシアを非難する決議を行った場合でも﹃ロシア嫌いの勢力が手段を選ばず、親ロシアの人々に自分たちの意見を押し付けている﹄などのことを書き添え、それが楽しいことであるかのように偽装をすることが必要とされる。
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ボンダレフはロシアの外交政策・外交はモラル破綻をきたしており、ここ20年で外交官・仕事の質が著しく低下したことにも言及。[[ロシア外務省]]は、コネ採用や語学力不足などで仕事をしていない人さえいる状態であると明かしている。顕著になったのは[[ロシアによるクリミアの併合|2014年]]以降、そして[[2018年]]に[[セルゲイ・スクリパリ]]と娘の毒殺未遂事件があって以降、'''”ある種の壊滅的な性格”''' を獲得した。それは、外交官が自分のキャリアのため﹁モスクワで気持ちよく読んでもらうため﹂に報告をするようになったことだという。例えば、各国がロシアを非難する決議を行った場合でも﹃ロシア嫌いの勢力が手段を選ばず、親ロシアの人々に自分たちの意見を押し付けている﹄などのことを書き添え、それが楽しいことであるかのように偽装をすることが必要とされる。
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2022年9月8日 (木) 12:53時点における版
ボリス・ボンダレフ | |
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Борис Бондарев | |
国籍 | ロシア |
職業 | 外交官 |
雇用者 | ロシア外務省 |
ボリス・ボンダレフ︵露‥Борис Бондарев、英‥Boris Bondarev︶は、ロシアの元外交官である。2019年からロシアのウクライナ侵攻に抗議して2022年5月に辞任するまで、スイスにある国際連合ジュネーブ事務局への政府代表部に勤めていた。
経歴
2002年にロシア外務省で勤務を始めた。2019年からは、国際連合ジュネーブ事務局におけるロシアの参事官を務めた[1]。
2022年5月23日、ボンダレフはロシアのウクライナ侵攻へ抗議する自身の立場から辞任していたことを発表し、ロシアによる侵攻を﹁侵略戦争﹂と呼び[2]、ウクライナ人民に対する犯罪であるのみならず、﹁ロシアの人民に対する最も深刻な犯罪でもあり、太字のZによって我々の国における繁栄する自由社会への全ての希望と見通しが消されている﹂と述べた[3][4]。ボンダレフは、上級大使館職員に侵攻に対する懸念を幾度か表明したが、﹁派生する問題を避けるために口を閉じ﹂続けるように言われた、と述べた[5]。また、他の外交官が自分に続くことは期待しておらず[5]、この戦争の黒幕の目標は﹁権力に永遠に留まり続ける﹂ことだ、とも述べた[4]。
同年7月22日、euronewsにインタビュー記事が掲載された。2008年時点のボンダレフは、他の多くのロシア人と同じく南オセチア紛争での勝利を喜んでいた。﹁自分たちが何か偉大で強力なものの一部であるという感覚﹂であると説明している。ロシアの考え方では﹁強くなる﹂ということは﹁戦争に勝ち、新たな領土を征服すること﹂で、1990年代にチェチェンなどで弱体化したロシアが再び強くなったことを感じたかったのだろうと話している。2014年のクリミアの併合は、決して認められないことも侵略行為とみなされることも理解していたが、今後、外交で何らかの解決策を見出すことができるだろうと考えていた。しかし長年にわたり、防衛産業や関連する政府機関と仕事をするうちにプロパガンダと現実の違いに衝撃を受けた。陸軍の改革・兵器の生産などの成功が報告されていたが、実際には酷い状況であることを知り、システムが嘘に嘘を重ねているのを見たという。
ウクライナ侵攻が起こったのは、プーチン政権が支持者に﹁成功と大きな勝利を見せる必要﹂があり、クリミアの成功を繰り返したかったのだろうと推察している。しかし、ウクライナは﹁ロシアの世界﹂を望んでいなかった。とは言え、ウクライナを征服してもロシア国民の生活はさらに貧しくなるため、プーチンは別の敵︵モルドバ、カザフスタン、バルト三国︶を見つけて、新しい戦争を始めなければならないとしている[6]。
同年8月16日、ジュネーブのル・タン紙のインタビューに応じた。記事によると、スイスが経済制裁に参加すると発表したとき[7]、モスクワとスイスの国連代表部はショックと怒りに包まれたという。ロシアはスイスについては﹁合法であるかどうかにかかわらず、ロシアのビジネスにとって安全な避難所であり続け、何らかの形で制裁を回避するのに役立つことを望んでいた﹂ためで、ボンダレフは戦争全体について﹁誤算、状況の誤った解釈、世界の完全な誤解の継続的な歴史﹂であるとしている。また、﹁モスクワは、この冬の間、ヨーロッパを確実に凍らせるだろう。世論が政治家に圧力をかけ始め、ウクライナがロシアと交渉することを要求する程度まで﹂と、ロシアがエネルギーの供給停止をすることでヨーロッパが折れるまで待つだろうと推測している[8][9]。
同月23日、ドイツ国営のドイチェ・ヴェレがインタビュー記事を掲載し、YouTubeに動画をアップロードした[10][11]。
それによるとボンダレフは侵攻当日、1941年にドイツ空軍の空襲を受けたキーウやハルキウに、ロシア空軍が同じことをしているのを知り、悪夢だと思ったという。その時に決意はしていたが、黙って辞めたくなかったため、モスクワにいる家族︵妻と猫︶を待っての辞任となった。開戦後に外務省を辞めた人々を何十人も知っているが、ボンダレフ自身が辞任のときの声明を出したのは、この戦争についてロシアの集団的責任が問われるとき、せめて自分の良心は少しでもはっきりさせ﹁我々の政府が引き起こした犯罪と戦うという共通の大義に貢献したい﹂ためと説明している。同僚については、合理的な考えを持ってはいるが静かに指示に従っている人々と、﹁ウクライナ人とは、もっと前にやっておくべきだった﹂﹁ウクライナ人、アメリカ人の正体を示すことが重要だ﹂と思っている人々がおり、後者は開戦当時にはこれが彼らの生涯の夢だったのかと思うほどの様子であったと語っている。
ボンダレフはロシアの外交政策・外交はモラル破綻をきたしており、ここ20年で外交官・仕事の質が著しく低下したことにも言及。ロシア外務省は、コネ採用や語学力不足などで仕事をしていない人さえいる状態であると明かしている。顕著になったのは2014年以降、そして2018年にセルゲイ・スクリパリと娘の毒殺未遂事件があって以降、”ある種の壊滅的な性格” を獲得した。それは、外交官が自分のキャリアのため﹁モスクワで気持ちよく読んでもらうため﹂に報告をするようになったことだという。例えば、各国がロシアを非難する決議を行った場合でも﹃ロシア嫌いの勢力が手段を選ばず、親ロシアの人々に自分たちの意見を押し付けている﹄などのことを書き添え、それが楽しいことであるかのように偽装をすることが必要とされる。
このようなことから、ロシアを正常に戻すには﹁ウクライナ軍がロシア軍を倒し、ロシア社会とエリート層に﹃何かが間違っていること﹄を知らせる必要がある﹂﹁このために、ウクライナに必要なすべての支援、軍事を提供する必要がある﹂と結論している[12]。
出典
(一)^ “Exclusive: Senior Russian Diplomat at U.N. Defects”. UN Watch (2022年5月23日). 2022年5月23日閲覧。
(二)^ “'Ashamed' of war, Russian diplomat resigns"”. USA Today (2022年5月23日). 2022年5月23日閲覧。
(三)^ Nadeau, Barbie Latza (2022年5月23日). “'Ashamed' Top Russian Diplomat Leaves United Nations Over Putin's 'Warmongering'”. The Daily Beast. 2022年5月23日閲覧。
(四)^ ab“Советник постпредства РФ при ООН подал в отставку из-за войны в Украине” [Advisor to the Permanent Mission of the Russian Federation to the UN resigned due to the war in Ukraine] (ロシア語). Deutsche Welle (2022年5月23日). 2022年5月23日閲覧。
(五)^ abFarge, Emma (2022年5月23日). “Russian diplomat in Switzerland says he resigns over Ukraine invasion”. Reuters. 2022年5月23日閲覧。
(六)^ “Экс-дипломат РФ: Путин находится в цугцванге” (ロシア語). euronews (2022年7月22日). 2022年9月8日閲覧。
(七)^ “スイスが対露制裁に全面参加 永世中立国、異例の強硬措置”. 毎日新聞 (2022年3月1日). 2022年9月4日閲覧。
(八)^ “Boris Bondarev, spécialiste en désarmement, prévient: «Moscou va s’assurer que l’Europe gèle cet hiver»” (フランス語). Le Temps. (2022年8月16日). ISSN 1423-3967 2022年9月4日閲覧。
(九)^ Keystone-SDA/ts (2022年8月18日). “Москва надеялась, что Швейцария останется «убежищем для российского бизнеса»” (ロシア語). SWI swissinfo.ch. 2022年9月4日閲覧。
(十)^ “Экс-дипломат РФ при ООН: Надо, чтобы Украина одержала победу – DW – 23.08.2022” (ロシア語). dw.com. 2022年8月25日閲覧。
(11)^ (日本語) Как на самом деле работает МИД РФ и что дипломаты думают о войне - интервью с Борисом Бондаревым 2022年8月25日閲覧。
(12)^ “«Я хочу внести свой вклад в борьбу со злом, в которое превратилось наше государство» Deutsche Welle взяло интервью у российского дипломата Бориса Бондарева. Он подал в отставку после начала войны” (ロシア語). Meduza (2022年8月24日). 2022年8月25日閲覧。