ラ・ブームのソースを表示

{{pp-vandalism|small=yes}}
{{otheruses|1980年公開のフランス映画|その他|ラブーム}}
{{Infobox Film
| 作品名 = ラ・ブーム
| 原題 = La Boum
| 監督 = [[クロード・ピノトー]]
| 製作 = {{仮リンク|アラン・ポワレ|fr|Alain Poiré|en|Alain Poiré}}
| 脚本 = {{仮リンク|ダニエル・トンプソン|fr|Danièle Thompson|en|Danièle Thompson}}<br />クロード・ピノトー
| 出演者 = [[ソフィー・マルソー]]
| 音楽 =  {{仮リンク|ウラジミール・コスマ|fr|Vladimir Cosma|en|Vladimir Cosma}}
| 撮影 = エドモン・セシャン
| 公開 = {{Flagicon|FRA}} 1980年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">17</span>日<br />{{Flagicon|JPN}} 1982年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">6</span>日<br />ほか<ref name="release">[[インターネット・ムービー・データベース|IMDb]]の[http://www.imdb.com/title/tt0082100/releaseinfo La boum (1980) Release dates]による。{{BRD}} 1981年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">11</span>日・{{ESP}} 1981年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">14</span>日（マドリード）・{{TUR}} 1982年<span class="ltr">3</span>月・{{USA}} 1983年<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">13</span>日（ニューヨーク）・{{PHL}} 1984年<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">22</span>日（ダバオ）・{{HUN}} 1985年<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">28</span>日</ref>
| 上映時間 = 110分
| 製作国 = {{FRA}}
| 言語 = フランス語
| 制作費 = 
| 興行収入 = {{Flagicon|FRA}} 437万人<ref name="IMDbAdmissions" /><ref name="allocineFiche" />または450万人{{sfn|八森|pp=78-80}}
| 配給 = {{Flagicon|FRA}} [[ゴーモン]]<br />{{Flagicon|JPN}} [[松竹富士]]
| 前作 = 
| 次作 = [[ラ・ブーム<span class="ltr">2</span>]]
}}
『'''ラ・ブーム'''』（{{lang-fr-short|''La Boum''}}）は、[[1980年の映画|1980年]]に公開された[[クロード・ピノトー]]監督による[[フランス映画]]である。1700人の中から選ばれた当時<span class="ltr">13</span>歳の[[ソフィー・マルソー]]のデビュー作であり<ref name="kinejunDB">キネ旬データベースの[http://www.kinejun.jp/cinema/id/11354 作品情報「ラ・ブーム」]</ref>、フランスで入場者数437万人<ref name="IMDbAdmissions">[http://www.imdb.com/title/tt0082100/business La boum (1980) Box office / business]</ref><ref name="allocineFiche">[http://www.allocine.fr/film/fichefilm-4403/technique/ Fiche Technique du film (La Boum)]</ref>とも動員450万人{{sfn|八森|pp=78-80}}とも伝えられる大ヒットを記録しただけではなく、ドイツ・イタリア・スイスなどヨーロッパ各国{{sfn|八森|pp=78-80}}や日本を含むアジア<ref name="IMDbForum">[[インターネット・ムービー・データベース|IMDb]]のフォーラム"[http://www.imdb.com/title/tt0082100/board/thread/15186830 Dreams are my reality - Was it a hit in your countries ?]"ではフィリピン、香港、台湾でヒットだったと報告がある。</ref>でヒット作となった。主題歌となった{{仮リンク|リチャード・サンダーソン|en|Richard Sanderson}}の「愛のファンタジー」(''Reality'') も同時に話題になった。

== ストーリー ==
<!--他からの転載は禁止されています-->
「ブーム」とはパーティーのこと<ref name="crown">『クラウン仏和辞典』第<span class="ltr">5</span>版、2001年、三省堂によると古風、「若者が自宅で開くダンスパーティー」とする。</ref><ref group="注">フランス語版Wiktionaryの一般名詞「boum」では「若者が開く音楽と踊りのパーティー。学年末や誕生日に開く云々」と記す。{{Wikt|fr:boum}}</ref>。ブームに誘われることを夢見る<span class="ltr">13</span>歳のヴィックが、自分の<span class="ltr">14</span>歳の誕生日ブームを開くまでの物語。[[リセ]]の新学期（夏のバカンス明け）に始まり、[[歯科医]]と[[イラストレーター]]である両親の別居騒動、[[ハープ]]奏者の曾祖母プペットの折々の助言を背景に、ブームで出会ったマチューとの恋模様、春休み明けに自身が開く誕生日ブームまでを描く。

フランス的文化・恋愛価値観が垣間見られる作品。

== キャスト ==
※括弧内は日本語吹替（初回放送[[1983年]][[<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">10</span>日]]『[[木曜洋画劇場]]』）<!-- タイトルロールの順 -->
* フランソワ・ベレトン François Berreton{{refnest|group="注"|Berretonの綴りは続編のカルトランジュで確認できる。[[BiFi]]の作品ページもこの綴りを採用している<ref>{{Cite web |url=http://cinema.encyclopedie.films.bifi.fr/index.php?pk=50670 |title=La Boum |website=Fiche Film |publisher=La Cinémathèque française |accessdate=2021-10-28}}</ref>。}}
: 演 - [[クロード・ブラッスール]]（[[納谷悟朗]]）
: ヴィックの父、病院勤務の歯科医、自宅に歯科医院を開業予定
* フランソワーズ・ベレトン Françoise Berreton
: 演 - [[ブリジット・フォッセー]]（[[平井道子]]）
: ヴィックの母、[[バンド・デシネ]]作家のデビューを果たす
* ヴィック・ベレトン Victoire "Vic" Berreton<ref group="注">本作では一貫して「ヴィック」だが、続編「ラ・ブーム<span class="ltr">2</span>」でパスポートのフルネームを読み上げる場面がある。</ref>
: 演 - [[ソフィー・マルソー]]（[[玉川砂記子]]）
: [[ヴェルサイユ]]からパリの名門[[リセ]]・[[アンリ<span class="ltr">4</span>世校]]に移ってきた<span class="ltr">13</span>歳
* プペット・ヴァラディエ Poupette Valadier
: 演 - {{仮リンク|ドゥニーズ・グレイ|fr|Denise Grey}}（[[新村礼子]]）
: ヴィックの曾祖母、[[ハープ]]奏者、[[藤田嗣治|フジタ]]ら文化人との交際多数、<span class="ltr">42</span>年にわたり妻ある男を想い続ける
* マチュー Mathieu
: 演 - {{仮リンク|アレクサンドル・スターリング|fr|Alexandre Sterling|en|Alexandre Sterling}}（[[永久勲雄]]）
: ヴィックと同じリセに通う、ホテル業界を志望し、実習にも行く
* エリック・レマン Eric Lehman
: 演 - {{仮リンク|ベルナール・ジラルドー|fr|Bernard Giraudeau|en|Bernard Giraudeau}}
: ヴィックのドイツ語教師
* ペネロープ・フォンタネ Pénélope Fontanet
: 演 - {{仮リンク|シェイラ・オコナー|fr|Sheila O'Connor}}
: ヴィックの恋多き同級生
*サマンサ・フォンタネ Samantha Fontanet
: 演 - {{仮リンク|アレクサンドラ・ゴナン|fr|Alexandra Gonin}}（[[渕崎ゆり子]]）
: ペネロープの妹
* ステファン Stephane
: 演 -  [[ジーン＝フィリップ・レオナール]]<ref>{{IMDb name|0529630|Jean-Philippe Léonard}}. {{accessdate|2021-10-28}}</ref>
: ヴィックの同級生。極度の近視、[[歯列矯正]]をしている<!-- 入れ歯という記述をよく見るのであえて記す -->
* アントワーヌ Antoine
: 演 - [[リシャール・ボーランジェ]]
* {{仮リンク|ウラジミール・コスマ|fr|Vladimir Cosma|en|Vladimir Cosma}}
: 本人（クレジットなし）、指揮者として
: 日本語版その他声の出演：[[沢木郁也]]、[[鳥海勝美]]、横山つや、松永大、[[長堀芳夫]]、[[難波克弘]]、[[龍田直樹]]、'''梁'''瀬真由美、[[みきさちこ]]、[[西川和孝]]、[[深見理佳]]、牧章子、東富士郎

== 主題歌 ==
主題歌である[[リチャード・サンダーソン]]が歌う「愛のファンタジー」(''Reality'') は日本では[[EMIミュージック・ジャパン|東芝EMI]]から発売された。日本では1982年<span class="ltr">2</span>月に通常のシングルレコードと<span class="ltr">LP</span>レコード、同年<span class="ltr">3</span>月には[[レコード#外観上のバリエーション|ピンクのハート型のレコード]]が発売された。日本では同年<span class="ltr">7</span>月時点で通常のシングルレコードは<span class="ltr">15</span>万枚<ref name="nikkei19820712">{{Cite news|和書|title=笑いの輪広げるジョーク小物──日用品も変身、遊び心をとらえる（けいざいレポート） |newspaper=[[日本経済新聞]] |publisher=日本経済新聞社 |date=1982-07-12 |issue=夕刊 |page=3}}</ref>、<span class="ltr">LP</span>レコードは<span class="ltr">10</span>万枚<ref name="nikkei19820712" />、ハート型レコードは<span class="ltr">15</span>万枚<ref name="nikkei19820712" />を売り上げており、レコード店によると「重複して買った客がかなり多い」という<ref name="nikkei19820712" />。

== 作中に登場する実在の事物 ==
場所や時代を強く示すもののみ。
* [[ラ・クーポール|クーポール]] - プペットとヴィックの行く[[レストラン]]。[[モンパルナス]]大通りに所在する。
<!-- * コリント<ref group="注">竹書房のDVD字幕による。次作の字幕にある「コラトー」と同じ</ref> (Corinto) - イタリアレストラン -->
* {{仮リンク|サンテチェンヌ・デュ・モン教会|fr|Église Saint-Étienne-du-Mont de Paris}} - [[<span class="ltr">5</span>区 (パリ)|パリ<span class="ltr">5</span>区]]にある、[[リセ]]・[[アンリ<span class="ltr">4</span>世校]]の向かいにある教会。
* [[カブール (フランス)|カブール]]  - ヴィックがホテル実習をしているマチューに会いに行った町。プペットも[[藤田嗣治|フジタ]]と旅行したと語っている。
* [[ウォークマン]] - マチューがヴィックに声をかける小道具。本作製作の前年、1979年に発売開始。
* [[超音波検査|エコー]] - 当時、胎児診断に実用化されたばかり。

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Image:Panthéon et perspective.JPG|オープニングよりやや右に振ったアングル。収録に使った[[リセ]]・[[アンリ<span class="ltr">4</span>世校]]の塔から近隣の[[パンテオン (パリ)|パンテオン]]を望む。遠景に[[エッフェル塔]]。
Image:DSC 7095--Saint-Etienne-du-.jpg|サンテチェンヌ・デュ・モン教会。建物は作品中に映されていないが、前の広場でのシーンがいくつかある。
Image:Lycee-henri-4-rue-clovis.jpg|[[リセ]]の入口（アンリ<span class="ltr">4</span>世校）
Image:CabourgHotel.jpg|カブールのホテル
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== 評価 ==
公開時の評に以下のようなものがある。
* [[山本晋也]]「もろ、ロリータ・コンプレックス」{{sfn|襟川|p=81}}
* 襟川恵子「「お尻がムズムズ。はずかしくって見てられん」「女の子ってわからん」と言っていた人を知っている」「おもちゃ箱的青春ムービー。（中略）ごく普通の少女達が、普通の恋をして、またひとつ大人になるのでありました、とりまく大人は大人でイロイロあり、ひとつ年をとりましたとさ。といった、よくあるパターンではありますが、しかし、その味つけがなかなかのもの」{{sfn|襟川|p=81}}。
* 小藤田千栄子「何を着て行こうかと、あれこれ迷う若いヒロインの、カット重ねによるファッションの見せ方は、こちらも心がはずむ」「（ヒロインの曾祖母が）いかにもフランスらしい人生の練達者に見える。この人が、影に日向に、若いヒロインの先導者となるのである。この豊かさは、他の国の映画では、ちょっと見あたらない」「両親が、娘の初めてのブームの、送りむかえをするところなど、気の使い方がしのばれて、描写はユーモラスにも細かい」「別居から、離婚寸前までいく（中略）親のいざこざに遭遇する、現代の子供という、世界共通のテーマを提示してくる」{{sfn|小藤田|pp=76-77}}。
* 八森稔「”すべての世代を楽しませる優しいバラ色の映画””魔術のような美しい映画”と評された」{{sfn|八森|pp=78-80}}。

後年の評に以下のようなものがある。
* 佐藤友紀「とりたててどうということもないリセエンヌの淡い初恋物語だったり、友情物語だったり。社会現象をともなったあのヒットぶりは、一体何だったのか」<ref>{{Cite book|和書|author=ソフィー・マルソー |authorlink=ソフィー・マルソー |others=金子ゆき子 訳 |title=うそをつく女 |date=2000-01-01 |publisher=草思社 |isbn=978-4794209412 |page={{要ページ番号|date=2021年<span class="ltr">10</span>月}} |chapter=解説 正直な心の風景（佐藤友紀）}}</ref>。

== 監督インタビュー ==
* 大ヒットした理由は、若者たちが映画の主人公を同一視してくれたからだろう。日本の若者がどういう状況におかれているかわからないが、ロマンチックな初恋物語であり、どこにでもある親と子の話だから、きっとわかってくれると思う{{sfn|八森|pp=78-80}}。
* 現代（引用注 1980年代はじめ）の若者は麻薬やセックスなど暗いイメージが強調され過ぎているように思えるが、もっとロマンチックな青春を送っている子供たちもきっといるはずだ。純粋に、平凡に生きている子供を描くことで社会の現実を伝えたかった{{sfn|八森|pp=78-80}}。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|30em|group="注"}}
=== 出典 ===
{{Reflist|30em}}

== 参考文献 ==
* {{Cite journal|和書|journal=キネマ旬報 |author=小藤田千栄子 |title=“離婚時代”を反映した青春映画の佳作（「ラ・ブーム」<span class="ltr">1</span>） |issue=1982年<span class="ltr">3</span>月下旬 |volume=832 |page=76-77 |ref={{sfnref|小藤田}} }}
* {{Cite journal|和書|journal=キネマ旬報 |author=八森稔 |title=クロード・ピノトー監督インタビュー（「ラ・ブーム」<span class="ltr">2</span>） |issue=1982年<span class="ltr">3</span>月下旬 |volume=832 |page=78-80 |ref={{sfnref|八森}} }}
* {{Cite journal|和書|journal=キネマ旬報 |author=襟川恵子 |title=おもちゃ箱の楽しさとソフィーの魅力（「ラ・ブーム」<span class="ltr">3</span>） |issue=1982年<span class="ltr">3</span>月下旬 |volume=832 |page=81 |ref={{sfnref|襟川}} }}

== 外部リンク ==
{{external media |topic=ポスター |image1=[[:en:File:La Boum 1982 film poster.jpg]]}}

* [http://cinema.encyclopedie.films.bifi.fr/index.php?pk=50670 La Boum] - [[BiFi]]{{fr icon}}
* {{Allcinema title|24669|ラ・ブーム}}
* {{Kinejun title|11354|ラ・ブーム}}
* {{IMDb title|0082100|La Boum}}

{{movie-stub}}
{{DEFAULTSORT:らふうむ}}
[[Category:1980年の映画]]
[[Category:フランスの青春映画]]
[[Category:フランスのロマンティック・コメディ映画]]
[[Category:フランス語の映画]]
[[Category:思春期を題材とした映画作品]]
[[Category:パリを舞台とした映画作品]]
[[Category:中学校を舞台とした映画作品]]
[[Category:ヴェルサイユで製作された映画作品]]
[[Category:ゴーモンの作品]]