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レジンキャスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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レジンキャストとは、主として工業デザイン試作や歯科技工などの分野で用いられる、少量生産向きの合成樹脂の成型方法である。レジンキャスティングとも呼ばれる。常温鋳造法(コールドキャスト)の一つである。

概要


 (Resin ) 





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利点と欠点

この成型方法は、個々の成型物単位では射出成型とは比べものにならないほど高コストとなる一方、初期投資額をおさえることができるため、少量生産向きである。また、歯科技工用などの一品生産にも向いている。逆に大量生産にはまったく不向きである。これは自動化されている射出成形に対して注型作業に人手を要する事や、ある程度の技術を要する事などから、型が注型樹脂に侵されるために寿命が極めて短い事、硬化に時間がかかるため冷えれば固まる射出成型と比較すると生産性が低いなどが理由である。また、高圧で金型に射出する射出成型と比較して軟質の型に低圧で樹脂を流すため、細部のモールドの再現にも劣る。軟質の型を使用するため抜き勾配を考慮しなくてもよく、比較的複雑な形状の製品を分割せずに作れる。

有機溶剤が成型品の内部に残留している場合、経年変化により変形するが、一定の温度で加熱処理することによりある程度軽減する事ができる。

使用する材料

使用する型

主にシリコーン (シリコーンゴム) が用いられる。軟質の型であれば抜き勾配も必要なく、従来であればスライド型を使用するような物も作れる。但し、耐久性は金型に劣る。シリコーンが普及する前は天然ゴムを加熱重合する事でゴム型を製作していた。この場合、原型は耐熱性の素材でなければならなかった。シリコーンゴムが普及してからは原型の素材は耐熱性の素材である必要は無くなり、特別な加熱装置等を必要としなくなったため、個人製作によるガレージキットが普及した。

注型する樹脂


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ウレタン樹脂


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エポキシ樹脂


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不飽和ポリエステル樹脂

常温で液体の樹脂と硬化剤に分かれており、その二つを攪拌混合することで重合させて固体とする。透明度が高いという特長を持つが、重合硬化時の縮みが大きく、寸法安定性などについては問題がある。しばしば揮発性溶剤が混合された状態で販売されているため、硬化後も溶剤の揮発に伴い、徐々に変形する。

成型方法

常温常圧で樹脂自身の重さによって型に流し込む重力注型法や、型と樹脂を真空容器にいれて減圧し大気圧で押し込む真空注型法などがある。

重力注型法



トップゲート方式

樹脂を流し込む湯口からつらなる注型口 (ゲート) を型部分の上部に誘導し、樹脂を流し込む方式。注型口そのものが空気抜きになることが多くシリコーン型も小さくすむ反面注型口を大きくしなければならず、原型のディテールを損なう場合がある。また注型時に気泡が発生しやすい。

アンダーゲート方式

樹脂を流し込む湯口からつらなる注型口 (ゲート) を型部分の下部に誘導し、樹脂を流し込む方式。注型口とは別に空気抜きの穴を設けなければならないため、型割りが複雑になるうえシリコーン型が大型になる。しかし注型口は比較的小さくすることが出来、原型のディテールが複雑な場合は効果的である。また注型時の気泡は湯口に集中するため、成型物の仕上がりはトップゲート方式と比較し良くなる。

真空注型法




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遠心法



関連項目