「ロシア兵士の母の委員会連合」の版間の差分
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[[2022年ロシアのウクライナ侵攻]]以降、音信不通となった兵士の家族らからの問い合わせが殺到している。代表のスヴェトラーナ・ゴルブによれば、今回の[[軍事作戦|作戦]]について家族らにはほぼ何も知らされていないという。また、ウクライナで戦いたくないという兵士の声を伝える家族らからの電話も多くかかってきている。例として、ロシア南部[[ダゲスタン共和国|ダゲスタン]]のある母親は最前線にいる息子が上官に「自分は戦闘に加わりたくない」と告げたと語っていた。しかし、上官は選択の余地はないと言ったという。「これはあってはならないことだ」とゴルブは言う。団体は独自の[[データベース]]を用いて兵士の所在を突き止め、当局に安否情報の開示を要求している。他には、死亡した兵士の遺体を自分たちの手によって回収することを検討している。[[ロシア国防省|国防省]]が返還を渋っているのだとゴルブが思い至ったためである<ref>{{Cite web |url=https://www.theguardian.com/world/2022/mar/02/russian-soldiers-mothers-committee-ukraine |title=‘Just a sea of tears’: the group helping anxious mothers of Russian soldiers |publisher=The Guardian |date=2022-03-02 |accessdate=2022-03-05}}</ref>。 |
[[2022年ロシアのウクライナ侵攻]]以降、音信不通となった兵士の家族らからの問い合わせが殺到している。代表のスヴェトラーナ・ゴルブによれば、今回の[[軍事作戦|作戦]]について家族らにはほぼ何も知らされていないという。また、ウクライナで戦いたくないという兵士の声を伝える家族らからの電話も多くかかってきている。例として、ロシア南部[[ダゲスタン共和国|ダゲスタン]]のある母親は最前線にいる息子が上官に「自分は戦闘に加わりたくない」と告げたと語っていた。しかし、上官は選択の余地はないと言ったという。「これはあってはならないことだ」とゴルブは言う。団体は独自の[[データベース]]を用いて兵士の所在を突き止め、当局に安否情報の開示を要求している。他には、死亡した兵士の遺体を自分たちの手によって回収することを検討している。[[ロシア国防省|国防省]]が返還を渋っているのだとゴルブが思い至ったためである<ref>{{Cite web |url=https://www.theguardian.com/world/2022/mar/02/russian-soldiers-mothers-committee-ukraine |title=‘Just a sea of tears’: the group helping anxious mothers of Russian soldiers |publisher=The Guardian |date=2022-03-02 |accessdate=2022-03-05}}</ref>。 |
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4月と5月にはヴァレンティーナ・メリニコフがインタビューに応じた。4月のインタビューでは、ロシア軍の徴集兵が心理的圧迫・暴力を受けて入隊契約をすることが後を絶たず、誰が前線に立ってもおかしくない状況を訴えた。メリニコフは軍幹部とのコンタクトがあり、2002年までは大統領の軍事顧問とも直接電話で話せたが、今回、氏名・IDナンバーやデータも正確な死傷兵リストはウクライナ側からの提供であるという。また2014年からウクライナの「不明兵士家族連絡会」とコンタクトしており、現在も[[Zoom (アプリケーション)|ZOOM]]で連絡を取り合っているが、捕虜交換にはロシア側がウクライナ兵の捕虜がどこに何人いるのか明らかにする必要があり、「いない」というのなら銃殺されたのだろうと見ている。またウクライナ人捕虜が[[ルガンスク人民共和国|ルハンスク]]で虜囚になっている可能性に言及し、懸念している。また、[[ロシアによるクリミアの併合|クリミア併合]]のあった2014年に西側に警告を発したが、[[欧州連合|EU]]や[[人権団体]]は「ロシアと事を構えたくない」「ロシアとは合弁事業が沢山あるから」と取り合わなかった。結果、このようなことになってしまったと主張している。5月には、これほど多くの行方不明者が出たことはないと話した。兵士や将校本人の戦闘拒否の訴え、また家族からの訴えに対し「(相談者自身が)何ができるかを説明するのです。電話や手紙の宛先、訴えを正式に記録する方法。新たな問題が発生した場合は、都度、軍人やその親族に説明できるように心がけています」と話している。外国エージェント法のため直接に援助が出来ないためで、既婚者や子どものいる家庭を持っている軍人も多いため、行方不明者の家族に対しての法的支援がないことを懸念しているという<ref>{{Cite web |title=«Можно сравнить с первой чеченской» Как российские власти относятся к солдатам, которых отправили на войну, — и кто помогает их близким. Рассказывает Валентина Мельникова из Комитета солдатских матерей |url=https://meduza.io/feature/2022/05/25/mozhno-sravnit-s-pervoy-chechenskoy |website=Meduza |access-date=2022-07-20 |language=ru |date=2022年5月25日}}</ref>。 |
4月と5月にはヴァレンティーナ・メリニコフがインタビューに応じた。4月のインタビューでは、ロシア軍の徴集兵が心理的圧迫・暴力を受けて入隊契約をすることが後を絶たず、誰が前線に立ってもおかしくない状況を訴えた。メリニコフは軍幹部とのコンタクトがあり、2002年までは大統領の軍事顧問とも直接電話で話せたが、今回、氏名・IDナンバーやデータも正確な死傷兵リストはウクライナ側からの提供であるという。また2014年からウクライナの﹁不明兵士家族連絡会﹂とコンタクトしており、現在も[[Zoom (アプリケーション)|ZOOM]]で連絡を取り合っているが、捕虜交換にはロシア側がウクライナ兵の捕虜がどこに何人いるのか明らかにする必要があり、﹁いない﹂というのなら銃殺されたのだろうと見ている。またウクライナ人捕虜が[[ルガンスク人民共和国|ルハンスク]]で虜囚になっている可能性に言及し、懸念している。また、[[ロシアによるクリミアの併合|クリミア併合]]のあった2014年に西側に警告を発したが、[[欧州連合|EU]]や[[人権団体]]は﹁ロシアと事を構えたくない﹂﹁ロシアとは合弁事業が沢山あるから﹂と取り合わなかった。結果、このようなことになってしまったと主張している<ref>{{Cite web |title=前線へ送られるロシア兵の現実−−﹁兵士の母の会﹂の告発 |url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000250284.html |website=テレ朝news |access-date=2022-08-04 |language=ja |date=2022-04-03}}</ref>。5月には、これほど多くの行方不明者が出たことはないと話した。兵士や将校本人の戦闘拒否の訴え、また家族からの訴えに対し﹁︵相談者自身が︶何ができるかを説明するのです。電話や手紙の宛先、訴えを正式に記録する方法。新たな問題が発生した場合は、都度、軍人やその親族に説明できるように心がけています﹂と話している。外国エージェント法のため直接に援助が出来ないためで、既婚者や子どものいる家庭を持っている軍人も多いため、行方不明者の家族に対しての法的支援がないことを懸念しているという<ref>{{Cite web |title=«Можно сравнить с первой чеченской» Как российские власти относятся к солдатам, которых отправили на войну, — и кто помогает их близким. Рассказывает Валентина Мельникова из Комитета солдатских матерей |url=https://meduza.io/feature/2022/05/25/mozhno-sravnit-s-pervoy-chechenskoy |website=Meduza |access-date=2022-07-20 |language=ru |date=2022年5月25日}}</ref>。
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この連合について日本語で読めるものとして、ピーター・ポマランチェフ著『プーチンのユートピア』(池田年穂訳、慶應義塾大学出版会、2018年。原著は Peter Pomerantsev, Nothing is True and Everything is Possible, 2014)の「入門儀礼」の章(151-165頁)が挙げられる。 |
この連合について日本語で読めるものとして、ピーター・ポマランチェフ著『プーチンのユートピア』(池田年穂訳、慶應義塾大学出版会、2018年。原著は Peter Pomerantsev, Nothing is True and Everything is Possible, 2014)の「入門儀礼」の章(151-165頁)が挙げられる。 |
2022年8月4日 (木) 21:26時点における版
略称 | Союз КСМР、СКСМР |
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設立 | 1989年(前身組織) |
本部 | ロシア連邦モスクワ |
ウェブサイト | Союз КСМР |