「候補者ビル・マッケイ」の版間の差分
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== あらすじ == |
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選挙のスペシャリストであるマービン・ルーカス︵ピーター・ボイル︶は、現在3期目のカリフォルニア州選出の人気の高い共和党上院議員クロッカー・ジャーモン︵ドン・ポーター︶に対抗する民主党の候補者を探さなければならない。勝てない選挙に積極的に出たがる民主党の大物議員がいないため、ルーカスは元カリフォルニア州知事ジョン・J・マッケイ︵メルビン・ダグラス︶の、理想主義的でハンサムでカリスマ性のある息子、ビル・マッケイ︵ロバート・レッドフォード︶に目を付ける。
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ルーカスはマッケイにある提案をする。ジャーモンが負ける筈がなく、結果は既に見えているので、マッケイは正に自分の言いたいことを言って選挙運動する自由がある。マッケイは自分の価値観を訴える機会を得られることからこの提案を受け入れ、選挙運動を開始する。民主党内に大した対抗馬がいないので、マッケイはその名前だけで民主党の指名を獲得する。その後、ルーカスは嫌なニュースを告げる。最新の選挙予想によれば、マッケイは圧倒的な差で敗北するというのである。ルーカスは、民主党はマッケイが負けても屈辱というほどのことはないと考えていることから、マッケイはより幅広い有権者にアピールするために主張を穏健化させていく。
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ビルはルーカスの説得に傾き立候補を決断。ハワード・クライン([[アレン・ガーフィールド]])ほか数々の優秀な[[懐刀|選挙参謀]]が付いて[[選挙運動]]を展開するが、対抗馬である[[共和党 (アメリカ)|共和党]]のベテラン議員クロッカー・ジャーモン(ドン・ポーター)の熟練した戦術に苦戦する。 |
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マッケイは州全体で選挙活動を行っていく中、彼のメッセージは日に日に総論的になっていく。このやり方により世論調査での支持率は上がってきているが、彼は新たな問題を抱えることとなる。マッケイの父親が選挙から距離を置いているため、メディアは彼の沈黙をはジャーモンへの支持を意味していると解釈している。マッケイはしぶしぶ父親に会って問題を話すと、父親はメディアに対し、選挙から距離を置いて欲しいとの息子の意向を尊重しているだけだと語る。
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当初は理想に燃えていたビルであったが、次第に清濁混ぜ合わせて呑まなければならないという政治の現実を痛感し、否応なくその歯車に巻き込まれていくのであった。 |
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世論調査でのマッケイとの差が僅か9ポイントしか無くなってきたこともあり、ジャーモンは討論会の開催を提案する。 マッケイはルーカスが作成する案に沿って討論することに同意するが、討論会の最終盤、マッケイは良心の呵責を感じ、この討論会は貧困や人種などの本当に重要な問題を扱っていないと口走ってしまう。ルーカスはこれは自陣の選挙運動に悪影響を与えると激怒する。報道陣は討論会終了後のマッケイを質問攻めにしようとするが、彼の父親が到着し、彼の討論ぶりを祝福する。マッケイの失言を報じる代わりに、息子を支援するために元知事が再登場したという報道内容になった。この好意的な報道と父親による選挙運動の支援が相まって、世論調査での差は更に縮まる。 |
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投票を数日後に控えたルーカスとマッケイの父親は、マッケイ支持の可能性について話し合うために労働組合の代表者との会談の場を設ける。会談中、組合の代表者はマッケイに対し、協力すればお互いに多くの利益をもたらすことが出来るのではないかと感じていると語る。マッケイは、組合と連携する積りは無いと言うが、ぎこちなくはあるが部屋全体で笑いが起こり、緊張は和らぐ。労働組合の代表者がマッケイ支持を公表し、今やカリフォルニア州の労働者の支持を得て、マッケイはジャーモンと互角の状況となる。 |
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そしてマッケイが選挙に勝つ。最後のシーンでは、報道陣が外で騒ぐ中、彼は祝勝会から抜け出し、ルーカスを部屋に引き込む。 マッケイはルーカスに訊く。「これから一体どうすりゃいいんだ?」 報道陣が2人を部屋から引きずり出そうとやって来る中、ルーカスは返事をしない。 |
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== キャスト == |
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| マーヴィン・ルーカス || [[ピーター・ボイル]] || [[池田勝]] |
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| クロッカー・ジャーモン上院議員 || [[ドン・ポーター]] || [[大木民夫]] |
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吹替その他:[[緒方賢一]]、[[嶋俊介]]、[[村松康雄]]、[[国坂伸]]、[[石井敏郎]]、[[鵜飼るみ子]]、[[若本規夫]]、[[西村知道]]、[[広瀬正志]]、[[好村俊子]]、[[山崎勢津子]]、[[横尾まり]]、[[大滝進矢]]、[[山本千鶴]] |
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初回放送 - 1980年11月1日 [[テレビ朝日]] ウィークエンドシアター(23:15-25:15) |
初回放送 - 1980年11月1日 [[テレビ朝日]] ウィークエンドシアター(23:15-25:15) |
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[[ユージーン・マッカーシー]]が[[1968年アメリカ合衆国大統領選挙]]に出馬した際、そのスピーチライターを務めた[[ジェレミー・ラーナー]]が脚本を執筆している。ラーナーは[[第45回アカデミー賞|第45回]][[アカデミー脚本賞]]を受賞した<ref>{{Cite web|url=http://www.oscars.org/awards/academyawards/legacy/ceremony/45th-winners.html |title=The 45th Academy Awards (1973) Nominees and Winners |accessdate=2011-08-28|work=oscars.org}}</ref>。
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[[ユージーン・マッカーシー]]が[[1968年アメリカ合衆国大統領選挙]]に出馬した際、そのスピーチライターを務めた[[ジェレミー・ラーナー]]が脚本を執筆している。ラーナーは[[第45回アカデミー賞|第45回]][[アカデミー脚本賞]]を受賞した<ref>{{Cite web|url=http://www.oscars.org/awards/academyawards/legacy/ceremony/45th-winners.html |title=The 45th Academy Awards (1973) Nominees and Winners |accessdate=2011-08-28|work=oscars.org}}</ref>。
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ビル・マッケイのキャラクターはジョン・V・タニー︵[[:en:John V. Tunney|John V. Tunney]]︶をモデルにしていると言われている<ref>Projecting Politics: Political Messages in American Films by Terry Christensen and Peter Hass, page 146</ref>。ジョン・V・タニーはボクシング・ヘビー級王者の[[ジーン・タニー]]の息子で、1965年にカリフォルニア38区の[[アメリカ合衆国下院|下院議員]]に就任した。1970年のカリフォルニア州の上院議員選挙に出馬し勝利。このときの選挙にマイケル・リッチーは仕事として関わっていた<ref>Beverly Merrill Kelley, ''Reelpolitik Ideologies in American Political Film'', 2012, Lexington Books, p. 23.</ref>。
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ビル・マッケイのキャラクターはジョン・V・タニー︵[[:en:John V. Tunney|John V. Tunney]]︶をモデルにしていると言われている<ref>Projecting Politics: Political Messages in American Films by Terry Christensen and Peter Hass, page 146</ref>。ジョン・V・タニーはボクシング・ヘビー級王者の[[ジーン・タニー]]の息子で、1965年にカリフォルニア38区の連邦[[アメリカ合衆国下院|下院議員]]に就任した。1970年のカリフォルニア州の連邦上院議員選挙に出馬し、元俳優で現職の[[ジョージ・マーフィー]]に勝利した。このときの選挙にマイケル・リッチーは仕事として関わっていた<ref>Beverly Merrill Kelley, ''Reelpolitik Ideologies in American Political Film'', 2012, Lexington Books, p. 23.</ref>。
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[[ナタリー・ウッド]]は本人役として出演した。レッドフォードとは『[[雨のニューオリンズ]]』以来の共演となる。 |
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[[Category:マイケル・リッチーの監督映画]] |
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2024年5月24日 (金) 05:37時点における最新版
候補者ビル・マッケイ | |
---|---|
The Candidate | |
監督 | マイケル・リッチー |
脚本 | ジェレミー・ラーナー |
製作 | ウォルター・コブレンツ |
製作総指揮 |
ロバート・レッドフォード (クレジットなし) |
出演者 | ロバート・レッドフォード |
音楽 | ジョン・ルービンスタイン |
撮影 | ヴィクター・J・ケンパー |
編集 |
ロバート・エストリン リチャード・A・ハリス |
配給 |
ワーナー・ブラザース 日本ヘラルド |
公開 |
1972年6月29日 1976年11月20日 |
上映時間 | 109分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
あらすじ[編集]
選挙のスペシャリストであるマービン・ルーカス︵ピーター・ボイル︶は、現在3期目のカリフォルニア州選出の人気の高い共和党上院議員クロッカー・ジャーモン︵ドン・ポーター︶に対抗する民主党の候補者を探さなければならない。勝てない選挙に積極的に出たがる民主党の大物議員がいないため、ルーカスは元カリフォルニア州知事ジョン・J・マッケイ︵メルビン・ダグラス︶の、理想主義的でハンサムでカリスマ性のある息子、ビル・マッケイ︵ロバート・レッドフォード︶に目を付ける。 ルーカスはマッケイにある提案をする。ジャーモンが負ける筈がなく、結果は既に見えているので、マッケイは正に自分の言いたいことを言って選挙運動する自由がある。マッケイは自分の価値観を訴える機会を得られることからこの提案を受け入れ、選挙運動を開始する。民主党内に大した対抗馬がいないので、マッケイはその名前だけで民主党の指名を獲得する。その後、ルーカスは嫌なニュースを告げる。最新の選挙予想によれば、マッケイは圧倒的な差で敗北するというのである。ルーカスは、民主党はマッケイが負けても屈辱というほどのことはないと考えていることから、マッケイはより幅広い有権者にアピールするために主張を穏健化させていく。 マッケイは州全体で選挙活動を行っていく中、彼のメッセージは日に日に総論的になっていく。このやり方により世論調査での支持率は上がってきているが、彼は新たな問題を抱えることとなる。マッケイの父親が選挙から距離を置いているため、メディアは彼の沈黙をはジャーモンへの支持を意味していると解釈している。マッケイはしぶしぶ父親に会って問題を話すと、父親はメディアに対し、選挙から距離を置いて欲しいとの息子の意向を尊重しているだけだと語る。 世論調査でのマッケイとの差が僅か9ポイントしか無くなってきたこともあり、ジャーモンは討論会の開催を提案する。 マッケイはルーカスが作成する案に沿って討論することに同意するが、討論会の最終盤、マッケイは良心の呵責を感じ、この討論会は貧困や人種などの本当に重要な問題を扱っていないと口走ってしまう。ルーカスはこれは自陣の選挙運動に悪影響を与えると激怒する。報道陣は討論会終了後のマッケイを質問攻めにしようとするが、彼の父親が到着し、彼の討論ぶりを祝福する。マッケイの失言を報じる代わりに、息子を支援するために元知事が再登場したという報道内容になった。この好意的な報道と父親による選挙運動の支援が相まって、世論調査での差は更に縮まる。 投票を数日後に控えたルーカスとマッケイの父親は、マッケイ支持の可能性について話し合うために労働組合の代表者との会談の場を設ける。会談中、組合の代表者はマッケイに対し、協力すればお互いに多くの利益をもたらすことが出来るのではないかと感じていると語る。マッケイは、組合と連携する積りは無いと言うが、ぎこちなくはあるが部屋全体で笑いが起こり、緊張は和らぐ。労働組合の代表者がマッケイ支持を公表し、今やカリフォルニア州の労働者の支持を得て、マッケイはジャーモンと互角の状況となる。 そしてマッケイが選挙に勝つ。最後のシーンでは、報道陣が外で騒ぐ中、彼は祝勝会から抜け出し、ルーカスを部屋に引き込む。 マッケイはルーカスに訊く。﹁これから一体どうすりゃいいんだ?﹂ 報道陣が2人を部屋から引きずり出そうとやって来る中、ルーカスは返事をしない。キャスト[編集]
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
---|---|---|
ビル・マッケイ | ロバート・レッドフォード | 野沢那智 |
マーヴィン・ルーカス | ピーター・ボイル | 池田勝 |
ジョン・J・マッケイ | メルヴィン・ダグラス | 大久保正信 |
クロッカー・ジャーモン上院議員 | ドン・ポーター | 大木民夫 |
ハワード・クライン | アレン・ガーフィールド | |
ナンシー・マッケイ | カレン・カールソン | 弥永和子 |
ウォーリー・ヘンダーソン | モーガン・アップトン | |
リッチ・ジェンキン | クイーン・レデカー | |
ポール・コーリス | マイケル・ラーナー | |
ナタリー・ウッド (本人役) |
製作[編集]
ユージーン・マッカーシーが1968年アメリカ合衆国大統領選挙に出馬した際、そのスピーチライターを務めたジェレミー・ラーナーが脚本を執筆している。ラーナーは第45回アカデミー脚本賞を受賞した[1]。 ビル・マッケイのキャラクターはジョン・V・タニー︵John V. Tunney︶をモデルにしていると言われている[2]。ジョン・V・タニーはボクシング・ヘビー級王者のジーン・タニーの息子で、1965年にカリフォルニア38区の連邦下院議員に就任した。1970年のカリフォルニア州の連邦上院議員選挙に出馬し、元俳優で現職のジョージ・マーフィーに勝利した。このときの選挙にマイケル・リッチーは仕事として関わっていた[3]。 ナタリー・ウッドは本人役として出演した。レッドフォードとは﹃雨のニューオリンズ﹄以来の共演となる。備考[編集]
ハンサムで知られる共和党の政治家ダン・クエールが本作のロバート・レッドフォードに似ていると言われたことから、選挙運動でこのイメージを最大限に利用したが、後にレッドフォードから苦情を受けた︵レッドフォードは民主党支持者である︶。脚注[編集]
- ^ “The 45th Academy Awards (1973) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年8月28日閲覧。
- ^ Projecting Politics: Political Messages in American Films by Terry Christensen and Peter Hass, page 146
- ^ Beverly Merrill Kelley, Reelpolitik Ideologies in American Political Film, 2012, Lexington Books, p. 23.
外部リンク[編集]
- 候補者ビル・マッケイ - allcinema
- 候補者ビル・マッケイ - KINENOTE
- The Candidate - オールムービー(英語)
- The Candidate - IMDb(英語)