宮城球場のソースを表示

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<!--注意　この項目名は「宮城球場」です。「県営宮城球場」や、命名権取得後の「楽天koboスタジアム宮城」などに編集・移動しないで下さい-->
{{混同|宮城スタジアム|仙台市民球場}}
{{野球場情報ボックス
|スタジアム名称 = 宮城球場<br />（楽天モバイルパーク宮城）
|愛称 = 
|画像 = [[File:Rakuten Mobile Park Miyagi Entrance.jpg|300px|外観]]<br>[[File:Rakuten Mobile Park Miyagi Inside.jpg|300px|フィールド全景]]
|画像説明 = （上）球場外観（下）フィールド全景
|正式名称 = 宮城球場
|所在地 = [[宮城県]][[仙台市]][[宮城野区]]宮城野二丁目<span class="ltr">11</span>番<span class="ltr">6</span>号
| 緯度度 = 38|緯度分 = 15|緯度秒 = 22.34|N(北緯)及びS(南緯) = N
| 経度度 = 140|経度分 = 54|経度秒 = 9|E(東経)及びW(西経) = E
| 地図国コード = JP
| pushpin_map = Japan Miyagi
|起工 = 
|建設期間 = 
|開場 = [[1950年]]（[[昭和]]25年）<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">5</span>日<br />（球場完成前に開場。完成日は同年<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">27</span>日）
|修繕 = 
|拡張 = 
|閉場 = 
|取り壊し = 
|所有者 = 宮城県
|管理・運用者 = [[東北楽天ゴールデンイーグルス|株式会社楽天野球団]]<br />（[[都市公園法]]に基づく管理許可制度による）
|グラウンド = 内外野フェアグラウンド - 天然芝<br />ファウルエリア - 天然芝及び人工芝<br />塁間およびピッチャーズマウンド - 黒土クレー舗装
|スコアボード = 
|ダグアウト = ホーム - 三塁側 <br /> ビジター - 一塁側
|照明 = 照明塔<span class="ltr">6</span>基・合計444灯<br />最大照度<br />　投捕間：2500Lx<br />　内野：2000Lx<br />　外野：1500Lx
|建設費 = 
|設計者 = [[鹿島建設]]（2004年<span class="ltr">12</span>月からの改修）
|プロジェクトマネージャ = 
|構造エンジニア = 
|サービスエンジニア = 
|総合建築者 = 
|建設者 = 鹿島建設（2004年<span class="ltr">12</span>月からの改修）
|旧称 = 
* フルキャストスタジアム宮城（2005年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">20</span>日 - 2007年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">4</span>日）
* 日本製紙クリネックススタジアム宮城（2008年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">1</span>日 - 同年<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">14</span>日、2011年 - 2013年）
* クリネックススタジアム宮城（2008年<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">15</span>日 - 2010年）
* 楽天Koboスタジアム宮城（2014年 - 2016年）
* Koboパーク宮城（2017年）
* 楽天生命パーク宮城（2018年 - 2022年）
|使用チーム、大会 = [[千葉ロッテマリーンズ|ロッテオリオンズ]]（1973年 - 1977年{{efn2|専用球場扱いとなるのは1974年から}}）<br />[[東北楽天ゴールデンイーグルス]]（2005年 - 現在）
|収容能力 =31,272人<ref>{{Cite|和書 |author = |title = 2022プロ野球選手写真名鑑 |date = 2022-02-17 |edition =  |publisher = 日刊スポーツ出版社 |isbn = |series = }}</ref>
|規模 = グラウンド面積 - 12,800[[平方メートル|m<sup>2</sup>]]<br />両翼 - 100.1 m（約328.4 ft） <br /> 中堅 - 122 m（約400.3 ft）<br /> 左右中間 - 116m（約380.6ft）<br />バックストップ - 60 ft（約18.3 m）
|フェンスの高さ = 1.65〜2.8m （約8.2 ft）　左中間1.65m（約5.4 ft）<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/03/19/kiji/K20160319012237320.html|title=オコエ　伝説キャッチチャンス？コボスタに日本一低い1.65ｍフェンス|publisher=[[スポニチ]]|accessdate=2016-03-27}}</ref>。
}}
'''宮城球場'''（みやぎきゅうじょう）は、[[宮城県]][[仙台市]][[宮城野区]]の[[宮城野原公園総合運動場]]内にある[[野球場]]。[[2005年]]（[[平成]]17年）より[[日本プロ野球|プロ野球]]・[[パシフィック・リーグ]]の[[東北楽天ゴールデンイーグルス]]の[[専用球場]]（本拠地）として使用されているほか、[[日本の高校野球|高校野球]]などの[[日本のアマチュア野球|アマチュア野球]]も開催されている（後述）。

上記と同年より[[命名権]]（ネーミングライツ）が導入されており、現在は'''楽天モバイルパーク宮城'''（らくてんモバイルパークみやぎ）が優先される愛称として使用されている。（なお、命名権による愛称の変遷については[[#命名権|後述]]。）

== 名称 ==
宮城県立都市公園条例で定められた正式名称は'''宮城野原公園宮城球場'''（みやぎのはらこうえん みやぎきゅうじょう）であるが、一般的には公園名を省いて単に「'''宮城球場'''」と呼ばれている。施設は[[宮城県]]が所有し、[[東北楽天ゴールデンイーグルス]]の運営法人・株式会社[[楽天野球団]]が[[都市公園法]]に基づく管理許可制度により運営管理を行っている。東北楽天ゴールデンイーグルスのホームゲームの警備は2021シーズンより[[東北ニッソーサービス]]株式会社が行っている。

なお、一部報道など<ref>[[ベースボールマガジン]] 2001年夏季号 「野球場」大特集 - 2001年、[[ベースボール・マガジン社]]発行</ref><ref>球場物語―この<span class="ltr">1</span>冊で球場のすべてが分かる! B.B.mook―スポーツシリーズ（338） - 2005年<span class="ltr">3</span>月、ベースボール・マガジン社発売 ISBN 4583613113</ref>で「'''県営宮城球場'''」と表記されることがある。1990年代<!--正確な時期は不明-->に施設管理権が[[宮城県教育委員会]]から県教委の外郭団体である宮城県スポーツ振興財団へ移管された際、県の直接管理ではなくなったことから前述の「宮城球場」に改称しており、「県営」は冠さない。2004年までは、報道などにおいて球場名に都市名を冠した'''仙台宮城球場'''という通称が使用されていた。

=== 命名権 ===
宮城県[[条例]]上の施設名称は「宮城球場」であるが、[[2005年]]（平成<span class="ltr">17</span>年）[[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">7</span>日]]に宮城県と[[楽天野球団]]との間で締結された「宮城球場ネーミングライツ基本協定書」に基づき<ref name="PrefMiyagi20140115">{{PDFlink|[https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/249942.pdf 第849回宮城県教育委員会定例会日程]}}（宮城県 2014年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">15</span>日）</ref>、優先して使用される愛称を名付ける権利、すなわち、[[命名権]]を売り出している。同協定書では、球団を[[代理店]]とし、[[宮城県教育委員会]]と球団が共同で公募をし、県教委が選定をすること、および、収入を県教委が1/4、球団が3/4の配分で受け取ること<!--第<span class="ltr">6</span>条-->が定められている<ref name="PrefMiyagi20140115"/>。また契約期間は<span class="ltr">3</span>年間<!--第<span class="ltr">7</span>条-->で、漢字の「宮城」の<span class="ltr">2</span>文字を必ず入れること<!--第<span class="ltr">5</span>条-->などが決められている。
{|class="wikitable" style="font-size: 80%;"
|+宮城球場の施設命名権による愛称の変遷、および、命名権料（受取配分は県1/4、楽天野球団3/4）{{efn2|契約料は年額<span class="ltr">1</span>億5000万円以上<!--第<span class="ltr">4</span>条-->。契約料が年額<span class="ltr">1</span>億5000万円から<span class="ltr">2</span>億円未満の間であった場合は、県の収入は5000万円に固定され、残余が楽天野球団の収入となる<!--第<span class="ltr">6</span>条第<span class="ltr">2</span>項-->。年額<span class="ltr">2</span>億円以上の場合は、県1/4、球団3/4という受取配分になる。}}
!契約期間（<span class="ltr">3</span>年毎）<span class="ltr">!</span>契約企業<span class="ltr">!</span>契約料年額（税抜）<span class="ltr">!</span>愛称<span class="ltr">!</span>公式略記{{efn2|{{PDFlink|[https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/12701.pdf 第770回宮城県教育委員会定例会日程]}}（宮城県 2008年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">16</span>日）によると、日本プロ野球機構の内規により、<span class="ltr">6</span>文字以内の表記もあることが求められている。そのため、<span class="ltr">6</span>文字を超える愛称が命名される場合、<span class="ltr">6</span>文字以下の公式略記も合わせて発表される。}}<br />（太字：[[全角]]6文字以下）
|-
||[[2005年]][[<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">20</span>日]]<ref name="fullcast20050122">{{PDFlink|[https://www.fullcastholdings.co.jp/dcms_media/other/20050122_1.pdf 県営宮城球場ネーミングライツ(命名権)取得に関するお知らせ]}}（フルキャスト 2005年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">22</span>日）</ref><br /> - [[2007年]][[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">4</span>日]]<ref>[https://sendai.keizai.biz/headline/146/ 楽天イーグルスの本拠地、年間<span class="ltr">2</span>億円以上でネーミングライツ公募]（仙台経済新聞 2007年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">30</span>日）</ref>
||[[フルキャストホールディングス|フルキャスト]]<ref name="fullcast20050122"/>
||'''2億0000万円'''<ref name="fullcast20050122"/>
||'''[[#フルキャストスタジアム宮城|フルキャストスタジアム宮城]]'''<ref name="fullcast20050122"/>
||'''フルスタ宮城'''<br />（フルスタ）
|-
||[[2008年]][[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">1</span>日]]<br /> - [[2010年]][[<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">31</span>日]]
|rowspan="2"|[[日本製紙]]<ref name="sponichi20131101">[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/11/01/kiji/K20131101006925870.html 「<span class="ltr">K</span>スタ」名称変更へ　日本製紙、契約更新せず]（スポーツニッポン  2013年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">1</span>日）</ref>
||'''2億5000万円'''<ref name="sponichi20131101"/>
||'''[[#日本製紙クリネックススタジアム宮城・クリネックススタジアム宮城|日本製紙クリネックススタジアム宮城]]'''<br />（ - 2008年[[<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">14</span>日]]）<br />'''クリネックススタジアム宮城'''<br />（2008年[[<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">15</span>日]] - ）
|rowspan="2"|'''Kスタ宮城'''<br />（<span class="ltr">K</span>スタ<ref>[http://www.kahoku.co.jp/news/2013/11/20131101t14025.htm 「<span class="ltr">K</span>スタ」名称変更へ　日本製紙、契約更新せず]（河北新報 2013年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">1</span>日）{{リンク切れ|date=2017年<span class="ltr">10</span>月}}</ref>）
|-
||[[2011年]]1月<span class="ltr">1</span>日<br /> - [[2013年]]12月<span class="ltr">31</span>日
||'''2億0000万円'''<ref name="sponichi20131101"/>
||'''日本製紙クリネックススタジアム宮城'''
|-
||[[2014年]]1月<span class="ltr">1</span>日<br /> - [[2016年]]12月<span class="ltr">31</span>日<ref name="PrefMiyagi20140115"/>
|rowspan="6"|[[楽天グループ|楽天→楽天グループ]]<ref name="PrefMiyagi20140115"/><ref name="TRGE20161031"/>
||'''2億0100万円'''<ref name="PrefMiyagi20140115"/>
||'''[[#楽天Koboスタジアム宮城|楽天Koboスタジアム宮城]]'''<ref name="PrefMiyagi20140115"/>
||'''コボスタ宮城'''（ - 2015年）<ref name="PrefMiyagi20140115"/><br />（コボスタ<ref>[http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201612/20161209_13019.html ＜コボスタ＞まばゆい光の世界　幻想的]（河北新報 2016年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">09</span>日）</ref>）<br />'''Koboスタ宮城'''（2016年）<ref>[https://corp.rakuten.co.jp/news/update/2016/0125_01.html 「楽天Koboスタジアム宮城」の略称表記変更について]（楽天 2016年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">25</span>日）</ref><br />（Koboスタ<ref>[＜ラクマ＞フリマ楽しもう　Kobobスタで<span class="ltr">22</span>日]（河北新報 2016年<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">17</span>日）</ref>）
|-
|rowspan="2"|[[2017年]]1月<span class="ltr">1</span>日<br /> - [[2019年]]12月<span class="ltr">31</span>日<ref name="TRGE20161031">[https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/6900.html 宮城球場の施設命名権（ネーミングライツ）について]（東北楽天ゴールデンイーグルス公式サイト 2016年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">31</span>日）</ref>
|rowspan="2"|'''2億0100万円'''<ref>[http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201611/20161101_13015.html 「Koboパーク宮城」に愛称変更]（河北新報 2016年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">1</span>日）</ref>
||'''[[#Koboパーク宮城|Koboパーク宮城]]'''<ref name="TRGE20161031"/><br />（ - 2017年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">31</span>日）
||'''Koboパーク'''<ref name="TRGE20161031"/><br />'''Kobo'''<ref name="TRGE20161031"/><br />（コボパ宮城<ref>[http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201704/20170417_14005.html ＜楽天＞岸が本拠地初登板「力もらえた」]（河北新報 2017年<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">17</span>日）</ref>・コボパ<ref>[http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201702/20170203_11039.html スポーツ庁長官がコボパ視察　施設改革方向探る]（[[河北新報]] 2017年<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">3</span>日）</ref>）
|-
|rowspan="2"|'''[[#楽天生命パーク宮城|楽天生命パーク宮城]]'''<br />（2018年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">1</span>日 - ）
|rowspan="2"|楽天生命パーク<br />'''楽天生命'''
|-
||[[2020年]]1月<span class="ltr">1</span>日<br /> - [[2022年]]12月<span class="ltr">31</span>日
||'''2億0100万円'''
|-
|rowspan="2"|[[2023年]]1月<span class="ltr">1</span>日<br /> - [[2025年]]12月<span class="ltr">31</span>日
|rowspan="2"|'''2億0100万円'''
|-
||'''[[#楽天モバイルパーク宮城|楽天モバイルパーク宮城]]'''
||楽天モバイルパーク<br />'''楽天モバイル'''
|}
:※ しばしば用いられる非公式略記は、括弧で付記。

==== フルキャストスタジアム宮城 ====
宮城球場が楽天の本拠地となるにあたり、所有者である宮城県は、県が保有する資産を有効活用して収入確保を図ると共に、地域に密着したプロ球団の育成を目指すため、楽天野球団と共同で[[命名権|施設命名権]]（ネーミングライツ）の売却を決定し、[[2005年]][[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">11</span>日]]から[[スポンサー]]企業の募集を開始。契約期間<span class="ltr">3</span>年以上、年額<span class="ltr">1</span>億5000万円以上で、名称の一部に「宮城」の<span class="ltr">2</span>文字を使用することが条件だった<ref>{{PDFlink|[http://www.pref.miyagi.jp/kohou/kaiken/pdf/h16/20050111.pdf 宮城球場の命名権者（ネーミングライツスポンサー）の公募について]}}</ref>。その結果、[[日本の労働者派遣|労働者派遣]]業大手のフルキャスト（現[[フルキャストホールディングス]]。当時の本社は[[東京都]][[渋谷区]]に所在）<span class="ltr">1</span>社のみが応募し、球団と宮城県などによる審査を経て、[[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">22</span>日]]に契約期間<span class="ltr">3</span>年、年額<span class="ltr">2</span>億円（うち<span class="ltr">1</span>億5000万円は球団、5000万円は県の収入）で基本合意に達し、呼称は'''フルキャストスタジアム宮城'''（フルキャストスタジアムみやぎ）に決定、同年[[<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">20</span>日]]から採用された。「フルスタ」「フルスタ宮城」「フルキャスト宮城」などといった略称・通称でも呼ばれ、報道などでも使用された。そのため、フルキャストによる独自調査では、同年[[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">20</span>日]]から[[<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">31</span>日]]までに限ってもその広告宣伝効果は<span class="ltr">4</span>億4000万円を超えるものとなった<ref>[http://www.jinzai-business.net/news_details156.html スタジアム命名権効果は年間<span class="ltr">4</span>億円以上に フルキャスト広報室が独自調査]（月間人材ビジネス 2005年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">5</span>日）</ref>。なお、県と楽天野球団が命名権導入にあたって締結した「ネーミングライツ基本協定書」において、最低売却額は年額<span class="ltr">1</span>億5,000万円、売却益の分配率は1:3（県25%、楽天野球団75%）と取り決められた。

ところが、[[2007年]][[<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">3</span>日]]にフルキャストが[[警備員]]や建設・港湾荷役など[[労働者派遣法]]で定められている禁止業務に労働者を派遣する違法行為を繰り返し行ったとして、<span class="ltr">1</span>箇月ないし<span class="ltr">2</span>箇月の[[行政行為|業務停止処分]]を受けた。これについて宮城県の[[村井嘉浩]][[宮城県知事|知事]]は「重大で許し難い行為。県民は快く思わないのではないか」と不快感を表明し、また楽天の池田敦司取締役も「出てきた事実に基づき県と相談します」と話した。

フルキャストは2005年に県・球団と命名権契約を交わした際、契約解除条項の一として「社会的信用が失墜したと認められる場合」を明記していた。また[[2008年]][[<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">18</span>日]]までの契約期間終了に伴って、宮城県は年内を目途に新たな契約企業を募集する方針を当時既に決定しており、引き続きフルキャストと契約を更新することも選択肢の一つとしていたものの、前述の違法行為が発覚した際、ある県幹部は「その可能性はなくなった」と話した。

この一連の事態を受けて[[<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">30</span>日]]夕方、フルキャストの役員が[[宮城県庁]]を訪れ、宮城県に対し謝罪した上で「自社の業務停止処分の問題に関する県民・ファンへの影響などを考慮した」として命名権の契約解除を申し出た。これは翌[[<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">31</span>日|31日]]に県教育委員会が開いた「広告審査委員会」の席上で明らかにされた。宮城県は[[<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">3</span>日]]以降に改めてフルキャスト側の事情聴取を行った上で結論を出すことを決めた。なおフルキャスト側は契約解除の時期を「混乱を避けるため、できればシーズン終了後にしたい」と話したという。

そして[[<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">7</span>日]]、宮城県は楽天主催公式戦のシーズン最終戦当日をもってフルキャストとの命名権契約を解消することを決定した。プロ野球本拠地野球場の命名権契約が途中解消されるのは日本では初めてのケースとなった。これに伴い、県は新たな契約企業募集に向けた準備に入り、楽天主催公式戦のシーズン最終戦（対[[千葉ロッテマリーンズ|ロッテ]]23回戦）が開催された[[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">4</span>日]]に「フルキャストスタジアム宮城」の名称使用を終了し、翌[[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">5</span>日]]から新たな契約先が決定するまでの間は県条例上の施設名称である「宮城球場」のみを暫定的に使用することになった。なお、フィールドやスコアボード、メインスタンド正面など球場施設内に掲出されていたフルキャストの社ロゴや看板、その他球場内外の標識・案内板などの撤去費用等については、その後県、仙台市などの関係機関とフルキャスト両者が協議して負担割合を決定した。

==== 日本製紙クリネックススタジアム宮城・クリネックススタジアム宮城 ====
フルキャストとの命名権契約解消に伴い、宮城県は[[2007年]][[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">29</span>日]]から[[<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">20</span>日]]にかけて命名権契約企業の募集を実施した。前回と同様、球場名には「宮城」を入れることを条件とした。その結果、県内外<span class="ltr">3</span>社から応募があったことを公表。その後、県内から応募した<span class="ltr">1</span>社が辞退し、県外<span class="ltr">2</span>社について審査を継続した結果、宮城県内にも[[岩沼市]]と[[石巻市]]に製造拠点を置く[[日本製紙]]に命名権を売却することが決定した。県・楽天野球団と同社が検討を進めた結果、同社グループの[[日本製紙クレシア]]が製造販売する[[ティッシュペーパー]]の商品名「[[クリネックス]]」を施設名に冠することが決まり、新たな施設名称は'''日本製紙クリネックススタジアム宮城'''（にほんせいしクリネックススタジアムみやぎ）に決定した。契約期間は[[2008年]][[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">1</span>日]]から[[2010年]][[<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">31</span>日]]までの<span class="ltr">3</span>年間で、契約金額は年額<span class="ltr">2</span>億5000万円（うち<span class="ltr">1</span>億8750万円は球団、6250万円は県の収入）。また、公式略称を'''Kスタ宮城'''とすることも併せて決定した。なお新規契約先募集に先立って、基本協定書の内容が2007年[[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">11</span>日]]付で一部変更され、最低売却額は年額<span class="ltr">2</span>億円に引き上げられた。

略称「<span class="ltr">K</span>スタ」の「<span class="ltr">K</span>」は、クリネックスの英字表記「Kleenex」の頭文字をとったもの。先の「フルスタ」に倣って「クリスタ」と省略することも検討されたものの、「『クリスタ』はいくつかの商品で[[商標]]登録されている」「[[大阪市]][[中央区 (大阪市)|中央区]]にある[[地下街]]『[[クリスタ長堀]]』など類似した名称を使用している施設が既にある」「『クリスタ』では『クリスタル (Crystal)』を連想させ、『クリネックス』を略したことが認識しにくくなる」などの要因から、略称にはイニシャルを使用する運びとなった。

だが、両者が契約文書の細部調整作業を進めていた2008年[[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">9</span>日]]、日本製紙が製造する再生紙[[年賀はがき]]の[[古紙]]配合率が定められた基準値を下回っていることが発覚したのを発端に、製紙各社による古紙配合率偽装問題が勃発した。[[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">25</span>日]]、日本製紙の本村秀常務らが仙台を訪れ、県に対して謝罪するとともに命名権の契約継続を要請。席上、同社側は「一定期間、呼称から『日本製紙』の社名を外したい」という考えを示した。村井知事は[[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">28</span>日]]の定例記者会見でこの問題について「消費者を欺いた大きな社会問題だが、配合率の基準に無理があった事情も汲まなければならない」と一定の理解を示し、社名を呼称から外す提案について「会社の<span class="ltr">PR</span>を狙って命名権を取得したのだから、問題を非常に重く受け止めている証しではないか」と同社の姿勢を評価。楽天の島田社長も「基本的に続けて頂きたい」と契約維持を求めていた。

[[<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">1</span>日]]の広告審査委員会でこの件が審議され、日本製紙が社内に調査委員会を設け、原因究明と再発防止を進めていることや、社名外しを求めたことについても「信頼回復に努めている姿勢の表れ」と評価。また既に命名権による呼称が印刷物などで使用され始めており、特にパ・リーグ開幕が[[<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">20</span>日]]に迫っていることから、仮に契約を解除した場合、大きな混乱が生じる可能性も考慮され、契約を継続することが決まった。これを踏まえ、宮城県の村井知事は[[<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">4</span>日]]の定例記者会見で契約継続を正式に発表。また併せて契約継続の条件として、契約満了までの<span class="ltr">3</span>年間、呼称から社名を外すことも発表した。社名外しの期間については、日本製紙側は「<span class="ltr">1</span>年間ないし<span class="ltr">2</span>年間」を提示していたが、契約満了までとしたことについて、村井知事は「社会的影響を考えると、自粛して頂くのが妥当と判断しました」と話した。これを受けて日本製紙側は「それだけ重大であると判断されたということ。真摯に受け止めたい」として、県、球団に改めて陳謝した。こうした過程を経て、[[<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">15</span>日]]に県・楽天野球団と日本製紙は正式に契約を締結。これにより、同日以降の呼称は'''クリネックススタジアム宮城'''（クリネックススタジアムみやぎ）となった。なお、略称の<span class="ltr">K</span>スタ宮城は引き続き使用した。

宮城県は、旧契約の期間満了を前にした2010年[[<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">13</span>日]]、日本製紙との命名権契約を更新する方針を明らかにした。当時既に日本製紙側が契約更新の意思を県・楽天野球団側へ事前に伝達していたことから、契約中の企業が優先交渉権を有すると定めた県の規定に基づいて、県・楽天野球団は日本製紙側と契約更新に向けて交渉を進めた結果、<span class="ltr">3</span>年間の契約延長が決まり、[[<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">1</span>日]]に発表された<ref>{{Cite press release|和書|title=宮城県知事記者会見（平成<span class="ltr">22</span>年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">1</span>日）|url=http://www.pref.miyagi.jp/kohou/kaiken/h22/k221101.htm|publisher=宮城県|date=2010-11-01|accessdate=2010-11-01}}</ref><ref>{{Cite press release|和書|title=宮城球場のネーミングライツに関して|url=http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/981.html|publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス|date=2010-11-01|accessdate=2010-11-01}}</ref><ref>{{Cite press release|和書|title=宮城球場のネーミングライツを更新 〜正式名称を「日本製紙クリネックススタジアム宮城」へ〜
|url=http://www.np-g.com/news/news10110101.html|publisher=日本製紙グループ|date=2010-11-01|accessdate=2010-11-01}}</ref>。契約期間は[[2011年]]1月<span class="ltr">1</span>日から[[2013年]]12月<span class="ltr">31</span>日までの<span class="ltr">3</span>年間で、契約金額は年額<span class="ltr">2</span>億円（うち<span class="ltr">1</span>億5000万円は球団、5000万円は県の収入）。年額が5000万円減となったことについて、村井知事は同日の定例記者会見で「企業では厳しい経済状況を背景に広告経費を削減する傾向にあり、他県でも命名権の契約額を減額する傾向にある。<span class="ltr">2</span>億円は基本協定書の最低金額を満たしており、やむを得ないものだと考えた。<span class="ltr">2</span>億円でも更新になったのは大変ありがたい」と説明した。また契約更新にあたって県教委の広告審査委員会が同社を再審査した結果、コンプライアンス（法令順守）体制や地域貢献活動への取り組みを評価し、再び名称に社名を冠することを認めたため、2011年からの呼称は'''日本製紙クリネックススタジアム宮城'''とすることが決まった。併せて略称の<span class="ltr">K</span>スタ宮城もこれまで通り継続して使用し、加えて旧呼称のクリネックススタジアム宮城も新たに略称として使用することになった。

しかし、日本製紙は国内需要の縮小に伴う経営効率化の一環として2013年<span class="ltr">10</span>月に前述の命名権契約を更新しない意向を宮城県に伝えた。このため宮城県は[[2013年の日本シリーズ|日本シリーズ]]終了後の<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">5</span>日から<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">4</span>日まで、日本全国の企業を対象に新たな命名権契約企業を公募<ref>{{cite news|title=消える「<span class="ltr">K</span>スタ」…新命名権、全国で募集開始 |url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/11/06/kiji/K20131106006955780.html|newspaper=スポーツニッポン|date=2013-11-06|accessdate=2013-11-06}}</ref>。その結果、楽天と他<span class="ltr">1</span>社が立候補した<ref>{{cite news|title=県営宮城球場　命名権に<span class="ltr">2</span>社が応募、2013年内に結果発表|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/12/04/kiji/K20131204007136870.html|newspaper=スポーツニッポン|date=2013-12-04|accessdate=2013-12-04}}</ref>。なお、「日本製紙クリネックススタジアム宮城」「クリネックススタジアム宮城」「<span class="ltr">K</span>スタ宮城」といった呼称は、契約期間の満了と新たなスポンサー企業（楽天）との命名権契約締結を機に変更された（後述）<ref>{{cite news|title=「<span class="ltr">K</span>スタ」消える…命名権保有の日本製紙、契約更新せず |url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/11/02/kiji/K20131102006928300.html |newspaper=スポーツニッポン|date=2013-11-02|accessdate=2013-11-03}}</ref>。

==== 楽天Koboスタジアム宮城 ====
宮城県が上記の命名権契約企業公募に応じた楽天など<span class="ltr">2</span>社を審査した結果、イーグルスを所有する[[楽天グループ|楽天]]が、年間契約料<span class="ltr">2</span>億100万円で命名権を取得。[[2014年]][[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">1</span>日]]に、球場の愛称を同社の[[電子書籍]]通信販売サイト「[[コボ|楽天Kobo]]」の名称を冠した'''楽天Koboスタジアム宮城'''に変更した<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2013121400158 新球場名は「楽天koboスタジアム」＝球団親会社が命名権] 時事通信社 2013年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">14</span>日</ref><ref>{{Cite web|和書|date=2013-12-24 |url=http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/3772.html |title=宮城球場の施設命名権（ネーミングライツ）について |publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト |accessdate=2013-12-25}}</ref>{{efn2|ただし、[[NHKプロ野球]]の中継では頭に楽天はつかず「コボスタジアム宮城」という表現が用いられている。}}。契約期間は従来と同じ<span class="ltr">3</span>年間で、略記は[[2016年]][[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">31</span>日]]までは'''コボスタ宮城'''<ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/12/24/kiji/K20131224007262620.html 楽天本拠地　愛称は「コボスタ宮城」　2014年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">1</span>日から使用]（『スポーツニッポン』2013年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">24</span>日付記事）</ref>、同年[[<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">1</span>日]]から契約期間満了までは'''Koboスタ宮城'''を用いていた<ref>{{Cite web|和書|date=2016-01-25 |url=http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/6053.html |title=Koboスタ宮城の短縮表記に関して |publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト |accessdate=2016-09-17}}</ref>。

==== Koboパーク宮城 ====
[[2016年]][[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">31</span>日]]、楽天が宮城球場の施設命名権に関する契約を更新。[[2017年]][[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">1</span>日]]から<span class="ltr">1</span>年間にわたって'''Koboパーク宮城'''という愛称を使用した<ref name=sponichi161031>{{cite news|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/10/31/kiji/K20161031013635990.html|title=楽天　宮城球場のネーミングライツ更新「Koboパーク宮城」へ愛称変更|newspaper=スポニチアネックス|date=2016-10-31|accessdate=2016-10-31}}</ref>。

球場の魅力向上を目指す「ボールパーク化」を反映し、それまで愛称で「スタジアム」だった部分が「パーク」に変更された<ref name=sponichi161031 />。これ以降の愛称は、全て「○○パーク宮城」の形となっている。

==== 楽天生命パーク宮城 ====
[[2018年]][[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">1</span>日]]から[[2022年]][[<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">31</span>日]]までは、楽天が宮城球場の施設命名権を保有したままグループ会社（[[楽天生命保険]]）の名を冠した「'''楽天生命パーク宮城'''」という愛称を使用した<ref>{{cite news|url=https://hochi.news/articles/20171225-OHT1T50084.html|title=【楽天】 来年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">1</span>日から本拠地名称「楽天生命パーク宮城」に変更|newspaper=スポーツ報知|date=2017-12-25|accessdate=2017-12-25}}</ref>。この間には、[[2019年]][[<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">25</span>日]]に施設命名権の契約を更新している<ref>{{cite news|url=https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201911/20191126_12015.html|title=宮城球場命名権　楽天生命パーク引き続き使用へ|newspaper=河北新報|date=2019-11-25|accessdate=2019-12-06}}</ref>。

==== 楽天モバイルパーク宮城 ====
[[2022年]][[<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">28</span>日]]、楽天グループ（2021年<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">1</span>日に楽天より社名変更）との間で施設命名権に関する契約を更新。契約期間は[[2023年]][[<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">1</span>日]]から[[2025年]][[<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">31</span>日]]までの<span class="ltr">3</span>年間で、これに合わせて球場の愛称を「[[楽天モバイル]]」（グループ傘下の電気通信事業者）の名を冠した「'''楽天モバイルパーク宮城'''」に変更した<ref>{{Cite web|和書|url=https://sp.rakuteneagles.jp/news/detail/00005183.html|title=【宮城球場 愛称変更】2023シーズンから「楽天モバイルパーク宮城」へ!|publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト|date=2022-11-28|accessdate=2022-11-28|}}</ref>。

== 歴史 ==
[[日本プロ野球|プロ野球]]の公式戦に[[評定河原球場]]を使用していた仙台市内で、[[連合国軍占領下の日本|第二次世界大戦後（GHQによる占領期）]]に造成されていた土地（[[大日本帝国陸軍]]練兵場の跡地）に建設。日本プロ野球が[[プロ野球再編問題 (1949年)|パシフィック・リーグとセントラル・リーグによる<span class="ltr">2</span>リーグ制]]へ移行した[[1950年]]（[[昭和]]25年）<span class="ltr">5</span>月に開場した。

パシフィック・リーグでは宮城球場の竣工（1950年<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">27</span>日）を目前に控えていた同月<span class="ltr">5</span>日、変則[[ダブルヘッダー]]方式の公式戦（[[千葉ロッテマリーンズ|毎日オリオンズ]]対[[福岡ソフトバンクホークス|南海ホークス]]戦と毎日対[[大映ユニオンズ|大映スターズ]]）を組んでいた<ref name="jiten"/>。実際には<span class="ltr">4</span>日の夜から観衆が続々と詰め掛けていて、<span class="ltr">5</span>日の未明（午前<span class="ltr">2</span>時頃）には数千人が集まっていた。<span class="ltr">5</span>日の朝には群衆がもみ合う状況になった<ref name="jiten">沢柳政義『野球場大事典』大空社、1990年、p.292</ref>ため、主催者は当初午前<span class="ltr">10</span>時に予定していた開場時間を午前<span class="ltr">8</span>時に繰り上げた<ref name="jiten"/>ところ、開場の直後に観衆が入口のトンネルで転倒。その影響で[[将棋倒し]]が発生したため、<span class="ltr">3</span>名が即死した<ref name="jiten"/>。さらに、入口からあふれた観衆が<span class="ltr">1</span>塁側スタンド側のフェンス（高さ<span class="ltr">2</span>メートル）を越えての入場を試みたため、フェンスがおよそ80mにわたって倒壊。地面に転落した観衆から、<span class="ltr">12</span>名の重傷者と<span class="ltr">19</span>名の軽傷者が出た<ref name="jiten"/>が、前述したダブルヘッダーは当初の予定どおりに催された。

[[1972年]]（昭和<span class="ltr">47</span>年）までは照明設備が存在しなかったため、ナイトゲームを開催できなかった。これに対して[[河北新報|河北新報社]]を中心に、宮城県内から<span class="ltr">15</span>の有力企業・団体が同年<span class="ltr">9</span>月に[[東北野球企業]]を共同で設立。1972年の[[NPB|プロ野球（NPB）]]シーズン終了後には、同社からの資金援助を背景に大規模な改修工事を実施した。この工事では、照明設備の増設（<span class="ltr">6</span>基の照明塔の新設など）によってNPBのナイトゲームの開催に必要な照度を確保できるようになったほか、得点を電光で掲示できる[[スコアボード]]を導入<ref name=nighter>[http://jyoho.kahoku.co.jp/member/mono_news/backnumber/backnumber_7.htm (<span class="ltr">7</span>) 東北初ナイター・宮城球場]（[[河北新報]]「ニュースの記憶〜仙台圏・あのころ」）</ref>。いずれも、[[東北地方]]の野球場では初めての設備だった<ref name=nighter/>。なお、東北野球企業は改修工事の完了を機に、事業の軸足を宮城球場での興行関連事業（NPB公式戦の誘致や入場券の販売など）に移している。
===ロッテ本拠地時代===
[[1973年]]（昭和<span class="ltr">48</span>年）から[[1977年]]（昭和<span class="ltr">52</span>年）までは、NPBの[[パシフィック・リーグ|パシフィック・リーグ（パ・リーグ）]]に加盟している[[千葉ロッテマリーンズ|ロッテオリオンズ（現在の千葉ロッテマリーンズ）]]の本拠地であった。ロッテが[[1962年]]（昭和<span class="ltr">37</span>年）のシーズン途中から本拠地として使用していた[[東京スタジアム (野球場)|東京スタジアム]]が、[[1972年]]（昭和<span class="ltr">47</span>年）のシーズン終了後に閉鎖されたことに伴う措置で、実際には、パ・リーグのレギュラーシーズンに前・後期（<span class="ltr">2</span>シーズン）制が導入された1973年に限って、「準本拠地」という扱いを受けていた。ロッテが宮城球場を「本拠地」として正式に定めたのは、翌[[1974年]]（昭和<span class="ltr">49</span>年）の<span class="ltr">1</span>月である<ref name="仙台市史年表" >『仙台市史 年表』（仙台市・平成<span class="ltr">27</span>年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">31</span>日発行）129頁「昭和<span class="ltr">49</span>年(1974)」より。</ref>（[[ジプシー・ロッテ|当該項で詳述]]）。

1974年[[<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">6</span>日]]には、東北地方の球場では初めて、NPBレギュラーシーズンの開幕戦（ロッテ対[[阪急ブレーブス]]戦）に使用<ref name="仙台市史年表" />。ロッテは[[1974年のロッテオリオンズ|この年]]に後期優勝を果たしたため、前期を制していた阪急との[[プレーオフ制度 (日本プロ野球)|プレーオフ]]では、第<span class="ltr">3</span>戦を宮城球場で開催した。プレーオフの第<span class="ltr">1</span>戦から連勝していたロッテは、第<span class="ltr">3</span>戦にも勝利したことによってリーグ優勝を決めた（[[1974年のパシフィック・リーグプレーオフ|当該項]]で詳述）ものの、[[宮城球場#収容人員拡張とボールパーク化の推進（2012 - 2018年）|後述する事情]]から宮城球場で[[1974年の日本シリーズ|日本シリーズ]]を開催できなかった。ロッテは[[1977年]]（昭和<span class="ltr">52</span>年）にも後期で優勝したため、宮城球場が阪急（前期優勝）との[[1977年のパシフィック・リーグプレーオフ]]（第<span class="ltr">3</span>戦以降）で再び使われたが、<span class="ltr">2</span>勝<span class="ltr">2</span>敗で迎えた第<span class="ltr">5</span>戦（<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">15</span>日）に敗れたため[[1977年の日本シリーズ|日本シリーズ]]進出を逃した。

その一方で、宮城球場でのロッテ主催公式戦では、[[完全試合]]が<span class="ltr">2</span>度にわたって達成されている。最初の試合は1973年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">10</span>日の対[[埼玉西武ライオンズ|太平洋クラブライオンズ]]後期第<span class="ltr">12</span>回戦（[[ダブルヘッダー]]の第<span class="ltr">1</span>試合）で、ロッテの[[八木沢荘六]]が達成。逆に、[[1978年]]（昭和<span class="ltr">53</span>年）<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">31</span>日の対阪急後期<span class="ltr">8</span>回戦では、ロッテ打線が阪急の[[今井雄太郎]]に完全試合の達成を許した。ちなみに、今井の完全試合は（NPB発足前の<span class="ltr">1</span>リーグ時代や<span class="ltr">2</span>リーグ制移行後の[[セントラル・リーグ]]を含む）[[昭和|昭和時代]]の日本プロ野球公式戦で最後に達成されたものである（[[完全試合#プロ野球|当該項で詳述]]）。

===ロッテによる川崎球場への本拠地移転===
ロッテは1978年（昭和<span class="ltr">53</span>年）から、[[神奈川県]][[川崎市]]が保有する[[川崎球場]]へ本拠地を移転した。前年（1977年）まで川崎球場を本拠地として使用していた[[横浜DeNAベイスターズ|大洋ホエールズ]]が、1978年に完成したばかりの[[横浜スタジアム]]（[[神奈川県]][[横浜市]]）へ本拠地を移したことによる。

本拠地を首都圏の球場に置くことを東京スタジアムの閉鎖後も模索していたロッテは、横浜スタジアムの完成に際して、同スタジアムを「共同本拠地」として使用することを大洋側に申し入れていた。当時は[[後楽園球場]]が[[読売ジャイアンツ|読売ジャイアンツ（巨人）]]と[[日本ハムファイターズ]]の「共同本拠地」になっていたが、大洋側は「横浜スタジアムの専用球場化」という方針を打ち立てたうえで、1978年から本拠地を川崎球場から横浜スタジアムへ移転することを1977年<span class="ltr">8</span>月に川崎市へ通告。この通告が川崎市側との事前折衝を経ずに突然為されたことから、川崎球場が周辺地域にもたらしてきた[[経済効果]]が本拠地の移転によって失われることを懸念した同市は、ロッテの本拠地を川崎球場へ誘致する姿勢に転じた。一方のロッテも、横浜スタジアムの共用案が大洋側に受け入れられなかったことから、川崎市の積極的な誘致活動に応じる格好で川崎球場への本拠地移転を決めた（[[川崎球場#大洋本拠地時代|当該項で詳述]]）。

===ロッテの川崎移転後===
ロッテは1978年以降も、主催公式戦の一部に宮城球場を[[2004年]]（[[平成]]16年）まで使用していた。当初は年間<span class="ltr">10</span>試合前後だったが、本拠地を川崎球場から[[千葉マリンスタジアム]]に移転した[[1992年]]（平成<span class="ltr">4</span>年）以降は、年に1 - 2カード（2 - 5試合）程度にまで減少していた。その一方で、[[横浜DeNAベイスターズ|横浜ベイスターズ（大洋ホエールズの後継球団）]]が年に<span class="ltr">1</span>試合、[[読売ジャイアンツ|読売ジャイアンツ（巨人）]]が隔年開催の東北シリーズで使用するなど、セントラル・リーグに加盟する球団の公式戦も催されていた。さらに、1992年には[[1992年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|NPBオールスターゲームの第<span class="ltr">3</span>戦]]を開催。NPB球団の本拠地以外の球場が[[オールスターゲーム (日本プロ野球)|NPBオールスターゲーム]]に使われた事例は、1992年の第<span class="ltr">3</span>戦が初めてであった<ref>[http://jyoho.kahoku.co.jp/member/mono_news/backnumber/backnumber_28.htm (<span class="ltr">28</span>) 宮城球場・プロ野球オールスター戦]（河北新報「ニュースの記憶〜仙台圏・あのころ」）</ref>。

毎年<span class="ltr">7</span>月には[[全国高等学校野球選手権宮城大会]]の会場にもなっているが、前述したスコアボードは選手名が手書き式であったほか、座席の劣化など施設の老朽化が著しかった。さらに、1978年以降の夏場には選手権宮城大会での使用が優先されているため、NPBの公式戦は雨の多い時期に組まれることが多かった。このような事情から、東北野球企業では経営状態が急速に悪化した末に、[[2002年]]（平成<span class="ltr">14</span>年）をもって解散。[[2003年]]（平成<span class="ltr">15</span>年）と[[2004年]]（平成<span class="ltr">16</span>年）には、宮城球場の興行に関する事業を河北新報社が引き継いでいた。

さらに、グラウンドに水が溜まりやすい立地であることから、高校野球の選手権宮城大会でも試合の雨天中止が続出。大会の運営や日程調整に支障を来していたため、宮城県内では宮城球場の改修・移転・建て替えなどをめぐる議論がたびたび浮上していた。[[1999年]]（平成<span class="ltr">11</span>年）には、宮城球場を全面的に改修する旨の嘆願書が、およそ<span class="ltr">12</span>万人分の署名簿と合わせて宮城県に提出されている。一方の宮城県では当時財政難で、[[都市公園法]]を初めとする法律上の問題と相まって、具体的な改善策を打ち出すまでに至らなかった。

==== ヤクルトスワローズの本拠地誘致構想 ====
2004年の<span class="ltr">6</span>月には、NPBに加盟する球団を東北地方へ誘致することを目指していた複数の市民団体が、セントラル・リーグの[[東京ヤクルトスワローズ|ヤクルトスワローズ]]を仙台市に誘致する活動を開始した。ヤクルトの本拠地・[[明治神宮野球場]]の使用に関する契約期間が<span class="ltr">1</span>年で、ヤクルト側が使用を継続するために毎年の契約更新を余儀なくされていることを踏まえての活動で、非公式ながら署名などの誘致活動を展開。団体では「<span class="ltr">5</span>年後（2009年シーズン）を目途にヤクルトの本拠地誘致したい」という意向を示してはいたものの、老朽化が進んでいた宮城球場の扱いや、宮城球場に代わる球場の建設などについての具体案を出すまでには至らなかった。

その一方で、パ・リーグではこの年のシーズン終了後に、[[オリックス・バファローズ|オリックス・ブルーウェーブ]]による[[大阪近鉄バファローズ]]の吸収合併で[[オリックス・バファローズ]]が誕生。合併に至る過程で[[プロ野球再編問題 (2004年)|NPBの再編問題]]が生じたこともあって、ヤクルトの本拠地誘致構想は後述する新球団の参入計画に事実上引き継がれた。

====「ライブドア」と「楽天」による球界参入構想====
オリックスブルーウェーブへの吸収合併に伴う近鉄球団の消滅（前述）に2004年のシーズン中から反対してきた[[日本プロ野球選手会]]は、[[日本野球機構|日本野球機構（NPB）]]に対して、パ・リーグの<span class="ltr">6</span>チーム制を維持すべく<span class="ltr">1</span>チームの新規参入を認めることを要望。NPBもこの要望を受け入れたため、新規参入を希望する事業者を公募したところ[[ライブドア]]と[[楽天グループ|楽天]]（いずれもインターネット関連企業）がNPBに加盟を申請した。申請に際しては両社とも宮城県を[[プロ野球地域保護権|保護地域]]へ定めることや、宮城球場を改修したうえで本拠地として使用することなどを打ち出していた。

ライブドアでは、プロ野球チームを運営する子会社（[[ライブドアベースボール]]）を設立したうえで、<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">16</span>日にNPBへの加盟を申請した。これに対して、楽天も同月<span class="ltr">24</span>日の午後に加盟を申請。NPBが<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">6</span>日に実施した第<span class="ltr">1</span>回の公開ヒアリング（審査会）では、ライブドア・楽天の両社から、改修に向けた計画が示された。いずれの計画も「改修工事の費用を親会社が負担する」という前提で立てられていて、楽天側は<span class="ltr">32</span>億円程度、ライブドア側は20 - 30億円程度の予算を提示していた。

ちなみに楽天側は、2004年のNPBシーズン終了後から増・改築を段階的に施すことを視野に、2005年レギュラーシーズン開幕時点におけるスタンドの収容人数を「23,000人規模」と設定。このような暫定措置を経て、<span class="ltr">3</span>万人規模にまでスタンドを拡張する方針を打ち出していた。一方のライブドア側は、2005年のレギュラーシーズン開幕を「<span class="ltr">3</span>万人規模」の収容人数で迎えた後に、同年のシーズン途中を目途に改修工事を完了させる方針を明らかにしていた。

===「東北楽天ゴールデンイーグルス」の誕生に伴う本拠地化===
NPBでは、2004年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">2</span>日にプロ野球実行委員会とオーナー会議を相次いで開催。その席上で、楽天を母体とする「東北楽天ゴールデンイーグルス」の新規参入が正式に認められた。東北地方の球場を本拠地に使用する前提で創設された球団がNPBに加盟する事例は初めてで、本球場を本拠地に使用する球団の出現はロッテの撤退（川崎球場への本拠地移転）以来<span class="ltr">28</span>年ぶりであった。

楽天側は、ゴールデンイーグルスのNPB参入とパ・リーグ加盟が正式に認められたことを受けて、上記の計画に沿った第<span class="ltr">1</span>期の改修工事を2004年<span class="ltr">12</span>月から開始。工期中に大雪へ見舞われながらも、当初の予定どおり、翌[[2005年]]（平成<span class="ltr">17</span>年）のレギュラーシーズン開幕前（<span class="ltr">3</span>月）に完了した。2005年の<span class="ltr">10</span>月から計画されていた第<span class="ltr">2</span>期の改修工事についても、大幅な遅れが生じないまま[[2006年]]（平成<span class="ltr">18</span>年）<span class="ltr">3</span>月に完工（[[#球場改修工事|詳細後述]]）。球場の近隣で[[仙石線]]の地下化工事や[[仙台駅]]東口側の都市整備が進んだこともあって、公共交通機関や自動車などによる球場へのアクセスも改修工事の前に比べて大幅に向上した。
====本拠地化後の主な出来事====
命名権（ネーミングライツ）制度の導入に伴う動きについては[[#命名権|前述]]。
=====「フルスタ宮城」時代=====
;[[2005年]]（平成<span class="ltr">17</span>年）
東北楽天ゴールデンイーグルス（楽天）にとってレギュラーシーズン初の主催公式戦を、開幕第<span class="ltr">3</span>カードの第<span class="ltr">1</span>戦に当たる<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">1</span>日の対[[西武ライオンズ]]戦で開催した。

その一方で、巨人の主催試合として<span class="ltr">15</span>年振りに組まれていた<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">9</span>日の対横浜戦では、この年限りでの現役引退を<span class="ltr">2</span>日前（<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">7</span>日）に表明していた横浜の[[佐々木主浩]]（宮城県・[[東北高等学校|東北高校]]・[[東北福祉大学硬式野球部|東北福祉大学]]出身の右投手）が<span class="ltr">2</span>回裏の無死<span class="ltr">1</span>塁（巨人の[[清原和博]]内野手を打席に迎えた局面）で登板。「（地元に住む）おふくろ（実母）の前で投げたい」との希望に沿った登板で、親友にして高校時代からのライバルでもあった清原から<span class="ltr">3</span>球で三振で奪ったことによって、NPB（大洋・横浜）/ MLB（[[シアトル・マリナーズ]]）通算で<span class="ltr">16</span>年間のプロ野球生活を締めくくった。<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">17</span>日には、[[萩本欽一]]率いる[[茨城ゴールデンゴールズ]]と[[東北マークス|NTTグループ東北マークス]]（[[さとう宗幸]]が総監督を務める地元の[[社会人野球]]チーム）の練習試合をナイトゲームで開催。13,600人もの観客を前に、NTTマークスが<span class="ltr">16</span>対<span class="ltr">10</span>で勝利した。

;[[2006年]]（平成<span class="ltr">18</span>年）<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">31</span>日に催された[[第<span class="ltr">88</span>回全国高等学校野球選手権大会|第<span class="ltr">88</span>回全国高校野球選手権宮城大会]]決勝で、[[仙台育英学園高等学校|仙台育英]]の[[由規|佐藤由規]]と[[東北高等学校|東北]]の高山一輝が投手戦を展開。当時の大会規定によって0対0のまま延長<span class="ltr">15</span>回で打ち切られたが、翌<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">1</span>日の再試合で仙台育英が勝利したことによって<span class="ltr">5</span>年振りの[[第<span class="ltr">88</span>回全国高等学校野球選手権大会|本大会]]出場を果たした。

;[[2007年]]（平成<span class="ltr">19</span>年）<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">21</span>日に、[[2007年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|ガリバーオールスターゲーム]]第<span class="ltr">2</span>戦をデーゲームで開催。NPBオールスターゲームの開催は宮城球場時代の1992年以来<span class="ltr">15</span>年振り<span class="ltr">2</span>度目だが、東北地方でNPB球団の本拠地に使われている球場での開催は史上初めてで、デーゲームとしての開催は[[1955年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|1995年]]の第<span class="ltr">2</span>戦（<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">3</span>日に[[阪神甲子園球場]]を使用）以来<span class="ltr">52</span>年振りであった。当日は試合の開始前から大雨に見舞われていて、<span class="ltr">8</span>回表（セ・リーグ選抜チームの攻撃中）に雨脚が強くなったため、審判団は中断を経て[[コールドゲーム]]を宣告。NPBのオールスターゲームが「コールドゲーム」として成立したことは初めてであったが、記録上はセ・リーグ選抜が<span class="ltr">11</span>対<span class="ltr">5</span>で勝利している。

=====「<span class="ltr">K</span>スタ宮城」時代=====
;[[2008年]]（平成<span class="ltr">20</span>年）
楽天対巨人戦がデーゲームで組まれていた<span class="ltr">6</span>月<span class="ltr">14</span>日の試合前（午前<span class="ltr">8</span>時<span class="ltr">43</span>分）に宮城県の内陸南部で[[岩手・宮城内陸地震]]（最大震度<span class="ltr">6</span>強）が発生したことを受けて、晴天にもかかわらず、この試合が急遽中止された。地震の影響で公共交通機関の運行が停止されたことや、本震の発生後も余震が続いていたことなどを受けての措置で、地震の発生に伴う公式戦の中止は日本プロ野球史上初めてあった。このカードは翌<span class="ltr">15</span>日に改めて開催されたが、地震の影響で宮城県を中心に死者が出ていたため、試合前には両チームの関係者や観客から黙祷が捧げられた。

;[[2009年]]（平成<span class="ltr">21</span>年）
[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック|第<span class="ltr">2</span>回ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）]]の開催に伴ってNPBレギュラーシーズンの開幕日が<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">3</span>日に設定されたことを受けて、春先特有の気候や改修工事との兼ね合いで前年まで見送られてきた楽天主管のオープン戦を、例年開幕している時期（<span class="ltr">3</span>月の下旬）に<span class="ltr">2</span>試合開催（<span class="ltr">23</span>日の対オリックス戦と<span class="ltr">24</span>日の対[[西武ライオンズ]]戦）。さらに、楽天がレギュラーシーズン<span class="ltr">2</span>位で球団史上初めて[[2009年のパシフィック・リーグクライマックスシリーズ|クライマックスシリーズ（<span class="ltr">CS</span>）]]へ進出したため、<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">16</span>日・<span class="ltr">17</span>日には[[福岡ソフトバンクホークス]]（レギュラーシーズン<span class="ltr">3</span>位）との<span class="ltr">CS</span>ファーストステージの会場になった。

;[[2010年]]（平成<span class="ltr">22</span>年）<span class="ltr">6</span>月<span class="ltr">13</span>日の[[セ・パ交流戦]]（楽天対[[東京ヤクルトスワローズ]]戦）で、外野スタンドで泥酔していた男性客が2.8メートル下のグラウンドに飛び降りる事故が試合中に発生。男性客を救助するために、試合がおよそ<span class="ltr">15</span>分中断された。男性客は左足首を打撲しただけで大事に至らなかったものの、場内スタッフからの度重なる警告へ従わないまま飛び降りていたことが確認されたため、球場側は「球場の運営に支障を来した」との理由でこの客を無期限の出入り禁止に処した。

;[[2011年]]（平成<span class="ltr">23</span>年）
楽天の一軍が[[兵庫県立明石公園第一野球場]]でオリックスとのオープン戦、二軍が[[ヤクルト戸田球場]]（[[埼玉県]][[戸田市]]）で[[教育リーグ]]に臨んでいた<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">11</span>日の午後<span class="ltr">2</span>時<span class="ltr">46</span>分に[[東北地方太平洋沖地震]]（[[東日本大震災]]）が発生。当球場では、場内施設のうち<span class="ltr">47</span>ヶ所（照明塔など）が倒壊した。倒壊個所の補修に時間を要することや、地震の影響で[[東京電力]][[福島第一原子力発電所事故]]が発生したことを受けて、NPBではレギュラーシーズンの開幕を<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">12</span>日に延期することを決定。楽天の一軍では本拠地後初めてのレギュラーシーズン開幕戦を<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">25</span>日に[[千葉ロッテマリーンズ]]とのデーゲームで予定していたが、実際には会場を[[千葉マリンスタジアム|QVCマリンフィールド]]（ロッテの本拠地）に振り替えたうえで、ロッテの主催試合として開催した。レギュラーシーズン最初の楽天主催カードについても、対戦チームをオリックスに変更したうえで、[[阪神タイガース]]の本拠地である阪神甲子園球場を<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">15</span>日から<span class="ltr">3</span>日間使用している{{efn2|阪神はこの期間に、[[ナゴヤドーム]]で[[中日ドラゴンズ]]との<span class="ltr">3</span>連戦に臨んでいた。}}。<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">29</span>日の楽天対ロッテ戦から、球場の使用を再開。<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">24</span>日には、震災の発災前まで予定されていなかった[[2011年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|マツダオールスターゲーム2011]]第<span class="ltr">3</span>戦が、「東日本大震災の被災者救済チャリティー試合」として急遽開催された{{efn2|ただし、予備日が設けられていなかったため、降雨などで中止になった場合に開催を取り止めることが想定されていた。}}。

;[[2012年]]（平成<span class="ltr">24</span>年）
前年に見送られた楽天の本拠地化後初のNPBレギュラーシーズン開幕戦を、ロッテとのデーゲームとして<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">30</span>日に開催。

;[[2013年]]（平成<span class="ltr">25</span>年）
楽天が球団史上初めてパ・リーグで優勝したことを受けて、<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">26</span>日に、開場以来初めての[[2013年の日本シリーズ|日本シリーズ]]（楽天対巨人戦）を開催。楽天は、<span class="ltr">4</span>勝<span class="ltr">2</span>敗で迎えた<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">3</span>日の第<span class="ltr">7</span>戦に勝利したことによって、球団史上初の日本シリーズ制覇を本拠地で成し遂げた。レギュラーシーズンの途中（夏場）までは常設スタンドの収容人数（23,451人）が日本シリーズ開催の「目安」とされる規模（<span class="ltr">3</span>万人前後）に達していなかったものの、例年より観客の多かった夏場以降に座席やスタンドの仮設などを繰り返した結果、日本シリーズが開幕した時点では最大で28,120人を収容できるようになった（[[#2013年シーズン|詳細後述]]）。

=====「コボスタ宮城」→「Koboスタ宮城」→「Koboパーク」時代=====
;[[2017年]]（平成<span class="ltr">29</span>年）<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">30</span>日にナイトゲームとして催された楽天対西武戦では、<span class="ltr">8</span>回表の終了後に激しい降雨で中断している間に野鳥{{efn2|財団法人・[[日本野鳥の会]]は報道陣の取材に対し、この時の鳥の種は[[アカエリヒレアシシギ]]で、本来は繁殖地の[[北極海]]から越冬のために数万の大群で南下するものの、風の影響でその一部がはぐれて[[迷鳥]]となったのではないかとする見解を述べている<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/1880854.html|title=楽天本拠襲来した白い鳥の名はアカエリヒレアシシギ|newspaper=日刊スポーツ|date=2017-09-01<!--JSTの07:29なのでUTCなら<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">31</span>日-->|accessdate=2020-07-24}}</ref>。}}の大群がグラウンドに飛来。内外野を低空で旋回したため、グラウンド整備後も試合を再開できない事態に陥った。スタッフが笛を吹きながら野鳥を追い掛け回したり、中堅の後方から花火を数発打ち上げたりしても上記の事態が変わらなかったため、最終手段としてテレビ・ラジオの中継ブースと<span class="ltr">1</span>塁側・<span class="ltr">3</span>塁側のダッグアウトを除く照明を消灯。この状況で[[マルチコプター|ドローン]]を球場の上空に飛ばしたところ、野鳥の大群は内外野から離れた。しかし、すべての照明の再点灯に時間を要したため、試合が<span class="ltr">58</span>分間にわたって中断。さらに、<span class="ltr">8</span>回裏の終了後に雨脚が再び強まったことから、<span class="ltr">2</span>度目の中断を経て球審の[[秋村謙宏]]から降雨コールドゲームを宣告された（結果は8-8の引き分け）。[[プロ野球再編問題 (1949年)|2リーグ分立（1950年）]]以降のNPB一軍公式戦において、鳥の飛来で試合が中断した事例は、この試合で<span class="ltr">4</span>例目である<ref>{{cite news|url=https://www.sanspo.com/article/20170831-Y77KOZAEURKMHHAMPPLWZQ3LEE/2/|title=鳥の大群襲来<span class="ltr">!</span>西武、<span class="ltr">2</span>位"トリ"逃がした・・・勝ちムードのなか水差され痛恨ドロー|newspaper=サンケイスポーツ|date=2017-8-31|accessdate=2017-9-4}}</ref>。

;[[2019年]]（平成<span class="ltr">31</span>年）<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">2</span>日の楽天対日本ハム戦から、楽天主催の一・二軍公式戦開催日限定で[[楽天グループ#スポーツ興業における完全キャッシュレス化|スタジアム内外を完全にキャッシュレス化]]。この試合は16:00に始まったが、<span class="ltr">1</span>回裏の途中から激しい降雪に突如見舞われたため、16:11から<span class="ltr">22</span>分間中断した末に再開された（試合は3-1で楽天の勝利）<ref>{{cite news|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/04/02/kiji/20190402s00001173191000c.html|title=楽天―日本ハム戦が突然の大雪で中断、<span class="ltr">4</span>時<span class="ltr">33</span>分に再開|newspaper=スポーツニッポン|date=2019-4-2|accessdate=2019-4-3}}</ref>。<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">11</span>日には、[[令和時代]]および、宮城県内の球場としては初めて[[フレッシュオールスターゲーム]]を開催した<ref>{{cite news|url=http://npb.jp/news/detail/20190215_01.html|title=「プロ野球フレッシュオールスターゲーム2019」を楽天生命パーク宮城にて開催|newspaper=NPB日本野球機構|date=2019-2-15|accessdate=2019-2-15}}</ref>。
=====「楽天生命パーク」時代=====
;[[2020年]]（令和<span class="ltr">2</span>年）
年頭から日本国内で[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルスへの感染が拡大していること]]に伴って、[[NPB]]がレギュラーシーズンの開幕を当初の予定からおよそ<span class="ltr">3</span>ヶ月延期。当球場では、開幕当初に楽天主催の<span class="ltr">2</span>カード（対ロッテ戦・対西武戦各<span class="ltr">6</span>試合）を無観客で実施した。<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">15</span>日の対西武戦から、最大5,000名限定で観客の入場を再開（[[#2019年-2020年|詳細後述]]）。<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">21</span>日には上記の措置に沿って楽天対オリックスのナイトゲームを催したところ、<span class="ltr">8</span>回表の途中から[[濃霧]]で中断した後に[[コールドゲーム]]が成立した（試合は<span class="ltr">10</span>対<span class="ltr">3</span>でオリックスの勝利）。濃霧によるコールドゲームはNPBの一軍公式戦で<span class="ltr">20</span>年振り<span class="ltr">5</span>回目（日本シリーズを含めれば<span class="ltr">6</span>回目）だが、宮城球場時代にも、[[1975年]]4月<span class="ltr">27</span>日のロッテ対近鉄戦と[[1977年]]6月<span class="ltr">26</span>日の大洋対阪神戦で成立している<ref>{{cite news|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202007210001206.html|title=濃霧コールドは公式戦過去<span class="ltr">4</span>度　日本シリーズでも|newspaper=日刊スポーツ|date=2020-7-21|accessdate=2020-7-21}}</ref>。

;[[2021年]]（令和<span class="ltr">3</span>年）
宮城県内で<span class="ltr">2</span>月下旬から新型コロナウイルスへの感染が再び拡大していることを背景に、<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">18</span>日に宮城県と仙台市が緊急事態宣言を発出したことを受けて感染拡大防止策を強化。楽天主催の一軍公式戦では、日本ハムとの開幕<span class="ltr">3</span>連戦（<span class="ltr">3</span>月27 - 29日）を皮切りに、観客の入場を<span class="ltr">1</span>試合あたり<span class="ltr">1</span>万5,600人までに制限した<ref>{{cite news|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202103180000850.html|title=楽天、本拠楽天生命パーク観客上限<span class="ltr">1</span>万5600人に|newspaper=日刊スポーツ|date=2021-3-18|accessdate=2021-3-18}}</ref>。さらに、仙台市内における感染状況の深刻化を背景に[[まん延防止等重点措置]]が<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">5</span>日から<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">5</span>日まで仙台市に適用されることを受けて、当該期間中に予定されている楽天のホームゲーム<span class="ltr">12</span>試合の前売券の販売を<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">5</span>日の21:00で停止。試合が開催される場合には、停止時間までに前売券を購入した観客にのみ入場を認めていたが、この措置が緩和されるまでは当日券を発売しなかった<ref>{{cite news|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202104040000324.html|title=楽天、宮城「まん防」で一部本拠前売り券の販売停止|newspaper=日刊スポーツ|date=2021-4-4|accessdate=2021-4-4}}</ref>。

上記の条件に沿って<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">2</span>日に開催された楽天対ロッテのデーゲームでは、<span class="ltr">4</span>回表<span class="ltr">1</span>死<span class="ltr">1</span>塁の局面でロッテの[[安田尚憲]]が放った飛球が、左翼フェンス最上部とネット最下部に生じている隙間へ挟まった。楽天の左翼手・[[島内宏明]]がボールの抜き取りに手間取るうちに、一塁走者の[[中村奨吾]]が本塁へ生還したものの、審判団は協議によって以上の状況を「[[ボールデッド]]」とみなした。このため、中村の生還は認められず、試合は<span class="ltr">1</span>死<span class="ltr">2</span>・<span class="ltr">3</span>塁の局面から再開（公式記録上は安田の二塁打）。三塁に戻された中村は、次打者・[[角中勝也]]による二塁ゴロの間に、改めて本塁へ生還している<ref>{{cite news|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202105020000486.html|title=【珍プレー】ロッテ安田の打球が外野フェンスとネットに挟まる|newspaper=日刊スポーツ|date=2021-5-2|accessdate=2021-5-3}}</ref>。

なお、この年が東日本大震災の発災から<span class="ltr">10</span>年目に当たることを背景に、<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">17</span>日にはオールスターゲームの第<span class="ltr">2</span>戦で使用。楽天から<span class="ltr">5</span>選手が出場した結果、「<span class="ltr">3</span>番・左翼手」としてスタメンに起用された島内がMVPに選ばれた。

また、<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">19</span>日から<span class="ltr">25</span>日までは[[野球日本代表|2020東京オリンピック野球日本代表]]の強化合宿、オリンピック開会式後の<span class="ltr">24</span>日・<span class="ltr">25</span>日には日本代表の強化試合に使用されている。当球場で開催される楽天関連の試合では、基本として後攻のホームチーム（楽天）が三塁側のダグアウトを使用するが、<span class="ltr">24</span>日の強化試合第<span class="ltr">1</span>戦（日本代表対楽天戦）では日本代表が後攻（ホームチーム扱い）ながら一塁側のダグアウトへ入っていた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.japan-baseball.jp/jp/games/match2021/#overview|title=大会概要　ENEOS 侍ジャパン強化試合|accessdate=20210616|publisher=野球日本代表侍ジャパン公式サイト}}</ref>（結果は<span class="ltr">5</span>対<span class="ltr">3</span>で楽天が逆転勝利）<ref>{{cite news|url=https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/baseball-softball/news/202107240000183.html|title=侍ジャパンが楽天に逆転負け　千賀が勝ち越し許す／強化試合詳細|newspaper=日刊スポーツ|date=2021-7-24|accessdate=2021-7-24}}</ref>。

;[[2022年]]（令和<span class="ltr">4</span>年）<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">30</span>日に楽天対オリックスのナイトゲームを18:01から開始したところ、日没の直後から場内の至る場所で蛾が大量に飛翔。バックネット、バックネット裏のフェンス、照明設備の近くに張り付いたほか、<span class="ltr">3</span>回までマウンドや打席の近くでも飛び回るなど、選手の視界を遮っていた。スタンドの観客が屋内へ避難することも相次いでいたが、審判団が試合を中断させるまでには至らず、<span class="ltr">5</span>回裏に楽天が攻撃を終えた時点で試合が成立した<ref>{{cite news|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202208300000866.html|title=【アクシデント】楽天生命パークで蛾が大量発生し視界遮る　選手も観客も思わぬ“場外乱闘”|newspaper=日刊スポーツ|date=2022-8-30|accessdate=2022-8-30}}</ref><ref>{{cite news|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/08/30/kiji/20220830s00001173421000c.html|title=楽天生命パークに大量の“ガ”が発生　球場内を飛び回って避難する観客も|newspaper=スポーツニッポン|date=2022-8-30|accessdate=2022-8-30}}</ref>。もっとも、<span class="ltr">2</span>日後（<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">1</span>日）の同カードでは、試合が<span class="ltr">9</span>回に入ったところで十数羽の鳥が外野方向からグラウンド内へ飛来。主に左翼から中堅のエリアを低空で旋回したばかりか、一部の鳥が内野グラウンドにまで飛んできたため、審判がプレーを一時止める事態に至った<ref>{{cite news|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/09/01/kiji/20220901s00001173593000c.html|title=楽天生命パークで試合中に鳥の群れがグラウンド内を低空飛行、一時中断　<span class="ltr">2</span>日前には蛾の大群が飛来|newspaper=スポーツニッポン|date=2022-9-1|accessdate=2022-9-1}}</ref>。

=====「楽天モバイルパーク」時代=====
;[[2023年]]（令和<span class="ltr">5</span>年）<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">11</span>日に楽天対オリックスのナイトゲームが18:00から組まれていたが、晴天にもかかわらず、試合の開始時間が急遽19:46にまで繰り下げられた。楽天で前日（<span class="ltr">10</span>日）までの遠征先（福岡市）から当球場へ向かっていたチーム用具車が、[[東北自動車道]]を移動中に、帰省ラッシュと[[郡山ジャンクション]]（[[福島県]][[郡山市]]）付近での事故に起因する渋滞へ巻き込まれたことによる。この事態を受けて、楽天野球団が<span class="ltr">5</span>回裏の終了後に予定していた場外での花火の打上げを試合前に繰り上げることなどで対応していたところ、19:00過ぎにチーム用具車が球場へ到着した。試合自体は、楽天の先発投手・[[岸孝之]]が108球で<span class="ltr">9</span>回完封勝利を収めたこともあって、開始から<span class="ltr">2</span>時間<span class="ltr">37</span>分後の22:23に終了した<ref>{{cite news|url=https://www.sanspo.com/article/20230812-6O2PRCR6FJP7XOLXFLOR347PUQ/|title=楽天、前代未聞の試合開始<span class="ltr">1</span>時間<span class="ltr">46</span>分遅れも…岸孝之、スイスイ完封　お盆連休初日、渋滞で用具届かず…試合前に花火|newspaper=サンケイスポーツ|date=2023-8-12|accessdate=2023-8-14}}</ref>。

== 施設概要 ==
[[陸上自衛隊]]・[[霞目駐屯地|霞目飛行場]]の[[制限表面]]<ref>[https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/neaavn/osirase/2106_takasaseigen.pdf 霞目駐屯地から「高さ制限」のお知らせ]（[https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/neaavn/ 霞目駐屯地] 2009年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">24</span>日）</ref>による高さ規制が当球場の約半分にかかっているため、構築物や[[アドバルーン]]などの高さが規制されている。
=== 球場データ ===
* 建築面積：13,351.83m<sup>2</sup>（2012年）
* 延床面積：26,135.04m<sup>2</sup>（2012年）
* 収容人数：31,272人（過去の収容人員については[[#球場改修工事]]にて詳述）※うち車椅子席は総数<span class="ltr">43</span>席。
* 両翼：100.1m、中堅：122m、左右中間：116m（2013年）
** 両翼サイズは、2012年時点では日本で建造された球場の中で最長（101.5m）である。2004年までの最長は[[阪急西宮スタジアム|阪急西宮球場]]の101m（1992〜2002年）。
** 2013年から外野フェンス・フィールドの改修で両翼101.5mから100.1m、左・右中間117.0mから116.0m、フェンス高さ2.8m（両翼4.1m）から2.5m、両翼ポール高さ15.0mから16.2mに変更。
* 外野フェンス高：2.8m（中堅から左右中間にかけて） - 4.1m（両翼）　　2013年から2.5m、2016年より左中間フェンスのみ1.65m（<span class="ltr">12</span>球団本拠地最低）
* グラウンド面積：12,800m<sup>2</sup>（インフィールド面積：10,400m<sup>2</sup>、ファウルグラウンド面積：2,400m<sup>2</sup>）
** インフィールド面積が公表されているのは日本国内では当球場のみである。
* 内外野：[[天然芝]]・黒土クレー舗装（2016年）
* 照明設備：鉄塔<span class="ltr">6</span>基・444灯（バッテリー間：2500ルクス、内野：2000ルクス、外野：1500ルクス）
* ブルペン：三塁側<span class="ltr">3</span>人分、一塁側<span class="ltr">2</span>人分。三塁側に限って投球練習を見ることができる（見られない日もある）。一塁側はビジターチームのグッズ運搬トラックが駐車しており、見るのは不可。
* ベンチ：ベンチにある[[RECARO]]社製シートは個別になっており、リクライニング・シートウォーマー付<ref>2010年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">4</span>日放送の[[TBSテレビ]]『[[<span class="ltr">S</span>☆<span class="ltr">1</span>]]』より。</ref>。2022年より、AKRacing製ゲーミングチェアを<span class="ltr">1</span>塁側・<span class="ltr">3</span>塁側ダグアウトに合計<span class="ltr">80</span>席導入した<ref>{{Cite web|和書|title=【楽天イーグルス】AKRacingゲーミングチェア<span class="ltr">80</span>席をダグアウトに導入：時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20220323050930/https://www.jiji.com/jc/article?k=000000345.000037175&g=prt |website=時事ドットコム |accessdate=2022-03-23 |language=ja}}</ref>。

==== 2004年以前 ====
* 収容人数：28,000人（内野：座席13,000人、外野：芝生15,000人）
*: 改修前の座席以外の部分の収容人員の算出は、興行場法に定められた観客<span class="ltr">1</span>人当たりの面積によってなされている。しかしながら同法における算出は<span class="ltr">1</span>人当たり約0.3㎡と現実的ではない面積であり実態に適さないとの判断から改修後は算出面積の約60%で算出しており、その分が減員につながっている。
* 両翼：91.44m、中堅：121.92m
* 外野フェンス高：2.5m（ラバー1.8m＋金網0.7m）　左中間1.65m
** 金網は1990年代に追加されたもので、観客の乱入を防ぐ意味もあった。
* 内野：クレー舗装、外野：天然芝
* スコアボード：得点部チーム名、オーダー表示は手書き、得点表示のみ電球式、一度に<span class="ltr">12</span>回まで表示可能
*: アマチュア使用時は、主に得点表示部とボールカウントと打順表示のランプを使用し、選手・審判名は夏の高校選手権と春・秋の東北大会各決勝時に使用。チーム名表記は黒バック白字<span class="ltr">2</span>文字表示。1998年に行われた全国中学大会では全試合表示した。
* 照明設備：鉄塔<span class="ltr">6</span>基・444灯（バッテリー間：2500ルクス、内野：2000ルクス、外野 ： 1500ルクス）
*: 2004年以降に行われた改修においても、照明設備の改修はランプの交換を行う程度にとどまっており、<span class="ltr">6</span>基の鉄塔は1973年の設置当初のものを継続使用している。2020年シーズンからは、LED照明化されていない唯一のパ・リーグ本拠地球場となった。

=== フィールド ===
フェアグラウンドの面積は、[[日本野球機構|NPB]]球団が本拠地（[[専用球場]]）としている球場の中では最大級（公称値において他に上回る可能性があるのは[[阪神甲子園球場]]と[[福岡ドーム|福岡PayPayドーム]]のみ）である。ただし他のパ・リーグの球場もほぼ同等の広さを持ち、外野フェンスがより高めのところが多いために[[パークファクター]]の数値は毎年それほど低くない。

2004年までは通常規模の[[ファウルボール|ファウル]]グラウンドがあったが、2005年に設置されたフィールドシートのおかげで当時の他の本拠地球場では類を見ないほどの狭さとなり（2009年現在ではダッグアウト前がより狭い[[MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島]]や改修された[[西武ドーム|メットライフドーム]]の方が狭くなっている）、ファウル[[飛球|フライ]][[アウト (野球)|アウト]]が非常に少なくなっている。

グラウンド拡張の際に内野スタンドの外野方ファウルラインと平行にそのまま削り取ったため、外野フェンスは中堅と両翼の中間辺りから両翼にかけて徐々に高くなるようになっている。

=== スタンド ===
2004年まではバックネット裏のスタンドやダッグアウト部分のみが鉄筋コンクリート製で、他の部分は土盛りであった。2005年からの改修では土盛り部分のスタンドの座席と床面を取り壊したが、土盛りの構造は照明塔とともに内外野ともそのまま残されている。バックネット裏の外周部（<span class="ltr">2</span>階[[コンコース]]部分）や、内野スタンドと外野の両翼側にある上段部は継ぎ足すように鉄筋コンクリート製の建物が造られている。元々のコンコース面積が小さいために拡張後も売店の半数は球場外側にあり、チケットがなくても利用できるようになっている。

[[フィールドシート]]部分はグラウンド面より低く掘り下げられており、出入り口にはそれまで球場外から車椅子席（1998年に増設されたもので現在も一部がそのまま使用されている）やグラウンドへの通路であったものを流用している。

スタンド全体の規模はNPB球団が本拠地（[[専用球場]]）としている球場の中では最も小さく、収容人員も少ない。ただ、客席と選手が近いことにより観客の声援や野次が聞こえやすく、2006年から2009年まで楽天の指揮を執った[[野村克也]]監督は、「そんなに（観客が）入る球場ではないけど、声がよく聞こえるから、敵にとっては[[阪神甲子園球場|甲子園]]並みにアウェー感があるんじゃないか」と語っている。

===スコアボード===
*楽天参入前
開設当初は得点表示するのみの簡易的なスコアボードであったが、前述の歴史で述べたように[[1973年]]、[[東北野球企業]]の資金援助により一部電光式の本格的なスコアボードが完成し、[[2004年]]まで使用された。

チーム名：手書きで[[プロ野球]]のチーム名はアルファベット<span class="ltr">1</span>文字もしくは<span class="ltr">2</span>文字で書かれていた（例　[[千葉ロッテマリーンズ|ロッテ]]「O→M」、[[埼玉西武ライオンズ|西武]]「<span class="ltr">L</span>」、[[東京ヤクルトスワローズ|ヤクルト]]「<span class="ltr">YS</span>」、[[横浜DeNAベイスターズ|横浜]]「<span class="ltr">YB</span>」など。）。[[高校野球]]の場合、高校名<span class="ltr">2</span>文字（[[宮城県仙台第一高等学校]]「仙一」、[[宮城県仙台第二高等学校]]「仙二」、[[仙台育英学園高等学校]]「育英」、[[東北高等学校]]「東北」など）で書かれていた。　

オーダー表示：選手名は手書きで守備位置は数字のボード（例　[[投手]]「<span class="ltr">1</span>」、[[二塁手]]「<span class="ltr">4</span>」、[[左翼手]]「<span class="ltr">7</span>」、[[指名打者]]「<span class="ltr">DH</span>」）が入る。また、メンバーの枠に投手枠が無かったので、[[指名打者制]]を採用する試合では守備チーム側の<span class="ltr">DH</span>選手のところに投手のボードを入れていた。高校野球の試合では夏の[[全国高等学校野球選手権大会]]宮城県大会の決勝戦を除き、選手のボードは使われない。

審判：手書きで本塁「<span class="ltr">PL</span>」、一塁「1B」、二塁「2B」、三塁「3B」、左翼「<span class="ltr">LL</span>」、右翼「<span class="ltr">RL</span>」で<span class="ltr">90</span>年代前半まではそれぞれ「主」、「<span class="ltr">1</span>」、「<span class="ltr">2</span>」、「<span class="ltr">3</span>」、「左」、「右」の表記だった。

得点表示：電球式で一度に<span class="ltr">12</span>回まで表示できる。延長戦で<span class="ltr">13</span>回以降が行われる時は<span class="ltr">1</span>回の所にそれまでの得点が表示され、<span class="ltr">3</span>回の所から始まる。また<span class="ltr">1</span>イニングで<span class="ltr">19</span>点まで表示できる。

スコアボード下部分に「[[カニトップ]]」が、左右それぞれに「[[東北電力]]」と「[[サンシティ (不動産販売会社)|サンシティ]]」の広告、中央に[[シチズン時計]]が設置されていた。

*楽天参入後
まず、[[2004年]]オフにスコア表示のみ電光掲示式で、ほかは手書きパネル式だった以前のものからLEDを採用した最新鋭の電光掲示式に改められた。選手・チーム名表示はこれまでと同じ横書き。下方には東芝ライテック製の大型スーパーカラービジョンが設けられた。それにより、プレーのリプレイや、各種情報などが表示できる。

打順表のチーム名表示は企業名または地名（「楽天」、「日本ハム」、「広島」など）を使用。スコア表示部分のチーム名は各チームの帽子のマークを表示。ポジションの表記は数字であるが、指名打者は「<span class="ltr">DH</span>」、投手は「<span class="ltr">P</span>」と表記される。なお、イニングスコア表示、選手名表示、試合時間は固定式であるが、そのなかでも簡単なアニメーションを表示できる。またバックネット裏にあるサブボードは突貫工事であるため、以前SBO表示のみのものがそのまま使われた。

改修工事の完工直前、NPB側からバックスクリーンがやや狭く投球の視認性が悪いことが指摘されたため、スクリーン両側に遮光板を急遽追加。アサヒビールがスポンサーとなり、同社製品「アサヒスーパードライ」の缶を模した広告スペースが設けられた。またスーパーカラービジョン下部には東芝のロゴが設置されていたが、こちらも視認性の問題から、急遽ビジョン上部に移設された。<span class="ltr">5</span>回終了後、[[河北新報]]ニュースがビジョンに表示される。

[[2005年]]オフには、<span class="ltr">1</span>塁側のイーグルスネスト上部に東芝ライテック製スーパーカラービジョンが設置され、インプレー中は楽天の攻撃の場合は選手の顔写真が、ビジターチームの攻撃の場合はビジターチームのロゴマークが表示される。他にも、ボールカウント、打率、本塁打、打点を表示出来ることから、試合中は常に使われている。
なおこのボードは<span class="ltr">1</span>軍試合のみに使用され、ファーム戦や一般利用の場合は使用しない。

バックスクリーンには、メインビジョン下部に広告用ビジョン（ペンタビジョン）が設置された。阪神甲子園球場などに設置のものと同様、以前から同スタジアムでメインスポンサーとなっており、仙台を拠点に拡販するシティ派マンション分譲会社[[サンシティ (不動産販売会社)|サンシティ]]の広告が掲出されている。同社は、前述した通り2004年以前からバックスクリーン部に広告を出しており、楽天の東北遠征時にも「サンシティみちのくシリーズ」と銘打たれるメインスポンサーである。

[[2006年]]オフには、バックネット裏に試合の展開に応じて様々な文字・画像情報を提供する横幅94.08mのLEDの電光表示装置「[[オーロラリボン]]」（三菱電機製）を、日本の野球場では初めて設置した。（のちに[[千葉マリンスタジアム|QVCマリン]]や[[阪神甲子園球場|甲子園]]にも使用された。）

[[2007年]]オフには、前年バックネット裏に設置された「オーロラリボン」をレフト・ライト両ウィング上方に増設した。

[[2008年]]オフに、バックネット裏の広告スペースが改修当初の回転幕式から、<span class="ltr">T</span>字型の三菱電機製「オーロラビジョン」に入れ替えられた。これによって試合進行中に広告スペースとして使用する他、試合前後やイニング間には各種情報を表示できるようになった。フィールドレベルに映像装置が導入されたのは、国内の野球場では初のケースである{{efn2|後に[[ナゴヤドーム]]なども同様のシステムに改造。}}。

[[2009年]]オフには、右中間寄りにあった遮光板（前掲）の位置に、三菱電機製「オーロラビジョン」が設置された。幅20.64m、高さ16.32m、1036インチ、面積336.8m²で、スコアボードのスーパーカラービジョンの約<span class="ltr">7</span>倍の表示面積を有し、日本の屋外球場に設置されている映像装置としては最大級である。

この映像装置にも設備命名型広告が適用され、前年まで設置されていた遮光板のスポンサーであった創造電力が命名権を取得し「創造電力ビジョン」と命名された。これによって、打者は、打率、得点圏打率、出塁率、長打率、打点、本塁打、得点が表示されるようになった。今までは一般的に、打率と打点、本塁打のみ表示する球場しかなかったがインプレー中に表示するのは、日本のプロ野球本拠地では唯一である。

また投手は登板数、勝ち数、負け数、セーブ、投球回、ホールド、奪三振、防御率、投球数（2010年のみ）が表示されるようになった。これも、打者と同じくすべてをインプレ―中に表示するのは日本で唯一である。
[[File:Kleenex Stadium Miyagi 100322.JPG|thumb|right|300px|2010年シーズンから導入された大型ビジョン (2010年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">22</span>日)]]

[[2010年]]オフは、スコアボード、サブスコアボードのカウント表示部が、従来の「SBO（上からストライク・ボール・アウト）」順から、国際ルールに則った「BSO」順に改修された。これは2010年シーズンからプロ本拠地などで採用されているもので、同年から[[横浜スタジアム]]や[[MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島]]などがこの表示順を踏襲している。改修ではないが、2010年シーズンまでは試合時間を表示していたが、2011年シーズンは表示しなかった。

2011年、打順表における楽天のチーム名表記を[[楽天グループ|楽天]]のロゴマークに変更。

2013年<span class="ltr">5</span>月、打順表のチーム名表記をアルファベット表記（「EAGLES」「GIANTS」など）に変更。
2013年より、夏季の「TOHOKU GREEN」の企画中のみ、スコア・選手名の表記を緑色としている。

2016年より、パナソニック製の全面LED表示式スコアボードを導入<ref name="Panasonic" />。最上部に大時計（デジタル表示）、スコア、カウント・ジャッジ、スピードガンが並び、その下に自由表示スペースを挟んで両軍打順を横書きで表示（イニングは基本<span class="ltr">9</span>回。<span class="ltr">10</span>回以後はプロ・アマチュアとも<span class="ltr">1</span>回から書き直し）、スコア下には広告が入る。なお高校野球使用時にはレイアウトが大きく変わり、最上段はスコア、カウント・ジャッジが入り、その下は大時計・審判表示を挟んで両軍打順を縦書きで表示する<ref>[https://web.archive.org/web/20160506194651/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160429-00000160-sph-base.view-000 コボスタの新スコアボードが“高校野球仕様”に変身] - Yahoo!ニュース、2016年<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">29</span>日</ref>。

===トラッキングシステム===
楽天Koboスタジアム宮城時代の[[2014年]]からは、日本の野球場では初めて「[[トラックマン (ゴルフ用具)|Trackman]]」と呼ばれる[[ドップラー・レーダー]]式計測システムを楽天野球団が導入。同球団が主催するNPBの公式戦全試合を対象に、登板した投手が投じたボールの回転数や、打者が放った打球の飛距離・速度・軌道を計測している。打球に関する計測データについては、2016年から前述のLEDビジョンへ表示させているほか、テレビ・ラジオの中継にも提供している<ref name="Panasonic">[http://news.panasonic.com/jp/press/data/2016/03/jn160318-1/jn160318-1.html 株式会社楽天野球団様「楽天Koboスタジアム宮城」に、大型LEDビジョン及びスタジアム統合演出マネジメントシステムを中心とする最新のスタジアムソリューションを納入] - パナソニック株式会社2016年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">18</span>日付プレスリリース</ref>。

Koboパーク宮城時代の[[2017年]][[<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">27</span>日]]に催された対西武戦では、楽天の[[カルロス・ペゲーロ]]が<span class="ltr">4</span>回裏<span class="ltr">2</span>死満塁で迎えた第<span class="ltr">2</span>打席で西武の[[フランク・ガルセス]]から放った場外本塁打で、Trackman導入後最長の飛距離（推定153.1メートル）を計測。打球の速度も、設置後最速の時速189.5キロメートルに達した<ref>[https://full-count.jp/2017/05/27/post70147/ 楽天ペゲーロ驚愕弾は飛距離153.1メートル&速度189.5キロ　“球場史上最高弾”に] - FullCount、2017年<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">27</span>日</ref>。

=== 球場使用料 ===
当球場の使用料は、他球団と比べて比較的安価で年間約7000万円であることが[[横浜DeNAベイスターズ|横浜ベイスターズ]]身売り問題を取り上げた[[報道ステーション]]中で公表された。これは自前の球場を持つ[[阪神タイガース|阪神]]の[[阪神甲子園球場|甲子園球場]]と[[埼玉西武ライオンズ|西武]]の[[西武ドーム]]を除いた<span class="ltr">10</span>球団の中では一番安価である。または約<span class="ltr">90</span>億円を投資して改修工事を行い、それを宮城県に寄付する形でその見返りとして無形固定資産として使用権、営業権を[[楽天野球団]]が所持している。その結果、自前球場と比べると固定資産税の負担がなく、税制上もランニングコストも低く抑えることができ、スタジアムから、販売戦略に乗った入場料収入、広告看板を利用するスポンサーシップ収入、直営ショップによるグッズ販売収入、飲食、テナント収入を効率よく上げることができた。
また、一般向けには時間帯によっては<span class="ltr">4</span>時間で10000円を切る時間帯も存在する（同じくパリーグの[[福岡ドーム|福岡PayPayドーム]]の最低価格は<span class="ltr">2</span>時間で約<span class="ltr">26</span>万円つまり同じ条件では<span class="ltr">52</span>万円）。このように、他球場に比べ球団も一般も安く利用することができる。

== 球場改修工事 ==
=== 楽天参入時の大規模改修（2004年-2006年） ===
新規参入球団の仙台進出計画に呼応するように、宮城県は2004年<span class="ltr">10</span>月に県立都市公園条例を改正し、[[宮城野原公園総合運動場|宮城野原総合運動場]]内で球場に隣接する宮城陸上競技場（現[[仙台市陸上競技場]]）の補助グラウンド（宮城陸上補助競技場）を条例上の運動施設から削除する事務調整を行った。

都市公園法上の規定で、公園内の運動施設は総面積の50%未満と定められている。しかし、総合運動場は同法が施行された1956年以前からこれを上回る約52%となっていた。これでは仮に球場を拡張した場合には規定を充足できなくなるので、県の[[条例]]を改正して敷地面積が18,000m<sup>2</sup>ある補助競技場を「運動施設」から削除し、総合運動場内の運動施設総面積を削減した。宮城陸上競技場はこれまで[[日本陸上競技連盟]]公認の第<span class="ltr">1</span>種[[陸上競技場]]で、補助グラウンドの設置が必要となっていたが、[[2001年]]、市北郊の[[利府町]]に[[宮城スタジアム]]が完成したのに伴って補助グラウンドが不要な第<span class="ltr">3</span>種に格下げしているので、規定上の問題がなくなった。これにより、最大14,000m<sup>2</sup>まで球場を拡張することが可能となり、ライブドア、楽天の両者が順次明らかにした宮城球場の改修計画に対応できることとなった。

そして楽天の参入決定に伴い、宮城球場の改修工事が行われることとなり、同時に宮城球場の運営管理についても県の外郭団体である宮城県スポーツ振興財団から楽天野球団に移管した。球場改修工事の工期は2004年秋から2005年春にかけてと、2005年秋から2006年春にかけての<span class="ltr">2</span>期に分けて行われ、現在にいたる外観や設備が形成された。

; 第<span class="ltr">1</span>期（2005年<span class="ltr">3</span>月完成）
[[画像:Fullcast Stadium Miyagi 050911b.jpg|thumb|300px|第<span class="ltr">1</span>期改修後のスタンド内（2005年<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">11</span>日）]]
[[画像:Fullcast Stadium Miyagi 050911.jpg|thumb|300px|外周に「ボールパーク養成ギプス」が造られた第<span class="ltr">1</span>期改修後のバックネット裏スタンド外観（2005年<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">11</span>日）]]
* グラウンド
*: 拡張した上で全面ロングパイル人工芝とした。当初は改修前と同様、内野は土、外野は天然芝を維持する予定だったが、気候や芝生の管理の関係から切り替えられた。
*客席
*: バックネット裏スタンドの全ての椅子をこれまでより大きめのサイズに取り替えた。
*: バックネット裏スタンド前方には日本球界初の「砂被り席」を設置した。規定（ホームベースより60ft≒18.3m）より大きなファウルゾーン部分を利用して半地下式とし、グラウンドと全く同じ視点で観戦できるようにしている。この砂被り席は、基本的にはチームのスポンサー企業ならびに関係者専用となり、一般販売は行われていない。ただし一般ファン用にもオークション等で若干数を座席設定しているという。
*: 内野スタンドは床を作り直したほか、椅子をこれまでの背もたれなしの長椅子式から背もたれありの個別式に改めた。
*: ファウルゾーンにあった[[ブルペン]]の箇所には、フィールドシートを設置。ファウルライン寸前まで客席をせり出させ、より臨場感あふれるスタイルに改めた。しかしフェンスが前にあって観にくいと不評である。
*: 全て芝生席となっていた外野席には新たに椅子席を設置。[[鷲]]が翼を広げたような形に似るところから「ウイング席」と呼ばれるようになる。ただ、現在はあまり「ウイング席」と呼ばれていない。[[バックスクリーン]]から左右中間部分にはこれまでの芝生エリアを残した。
*: レフト側芝生エリア後方には「楽天山」と呼ばれる小高い丘のようなエリアが設けられた。尚この際、外野席の芝生部分には、改修前に外野のフィールドで使用していた芝の一部も移植されている。
*:以上の改修により、収容人員はこれまでの28,000人から20,000人に改められた。
*: 改修工事の完工直前、バックスクリーンがやや狭く投球の視認性が悪いことがNPB側から指摘されたため、スクリーン両側に遮光板を急遽追加。[[アサヒビール]]がスポンサーとなり、同社製品「[[アサヒスーパードライ]]」の缶を模した広告スペースが設けられた。またスーパーカラービジョン下部には東芝のロゴが設置されていたが、こちらも視認性の問題から急遽ビジョン上部に移設された。
* その他
*: バックネット裏スタンドの外周部分にはロッカールーム等の球団関係者専用室、球団のグッズショップ等が設けられ、売店も増設された。球団は「ボールパーク養成ギプス」と名付けた。
*: ブルペンはダッグアウト後方に移設された。このブルペンは<span class="ltr">3</span>塁側に限って球場の外からも見ることができ、試合時には投球練習を見ることも可能。ただし見られない日もある。
; 第<span class="ltr">2</span>期（2006年<span class="ltr">3</span>月完成）
[[画像:fullcastmiyagi_031.jpg|thumb|300px|内野スタンドが増築された第<span class="ltr">2</span>期改修後のスタンド内（2006年<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">2</span>日）]]
[[画像:Fullcast Stadium Miyagi 060918a.jpg|thumb|300px|「ボールパーク養成ギプス」が<span class="ltr">5</span>階建てとなった第<span class="ltr">2</span>期改修後のバックネット裏スタンド外観（2006年<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">18</span>日）]]
[[画像:Fullcast Stadium Miyagi 060918b.jpg|thumb|300px|第<span class="ltr">2</span>期改修後のスタンド内全景。左端がラウンジ等を内包する「イーグルスネスト」（2006年<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">18</span>日）]]
[[Image:Sendaimiyagikyuzyo200607b.jpg|thumb|right|300px|ナイトゲームの模様（2006年<span class="ltr">7</span>月撮影）]]
* 客席
*: バックネット裏スタンドの外周部分「ボールパーク養成ギプス」を<span class="ltr">2</span>階建てから<span class="ltr">5</span>階建てに拡張。3 - 5階には屋根付き席「クラブシート」を設置。<span class="ltr">3</span>階にはフードコートが設けられ、気軽に飲食を楽しみながら観戦できるスペースを提供。<span class="ltr">4</span>階には<span class="ltr">8</span>名程度が入れる完全個室型の「ロイヤルボックス」<span class="ltr">14</span>室が設けられた。<span class="ltr">5</span>階には中央部にテレビ/ラジオ中継用の放送席ならびに記者席が設けられ、三塁側には会員制のプレミアムラウンジが設けられた。
*: 3塁側内野席の上段にスタンドを増設し1800席を設置した。一塁側内野席の後方には<span class="ltr">5</span>人<span class="ltr">1</span>組で利用可能なボックス席「ボックスシート<span class="ltr">5</span>」が設けられた。
*: 以上の改修により、収容人員が前年の20,000人から23,000人に増えた。
* その他
*: 1塁側「ボックスシート<span class="ltr">5</span>」後方に最大300人を収容できるガラス張りの大型ラウンジ「イーグルスネスト」を設置。この名称は「鷲の巣」を意味する。空調の整った室内で快適な観戦が可能。各種飲食物も取り扱っている。ただし、利用できるのは年間席ホルダーやバックネット裏やフィールドシートなどの席の購入者や、ファンクラブの「ブースタークラブ」（ファンクラブの組織で、最も会費が高い）会員に限られる。また、試合のない日は結婚式を含めた各種パーティ等を行うことが出来る。
*: 球場外<span class="ltr">1</span>塁側内野席後方にはクラブハウスと50m四方の室内練習場を新設。クラブハウスと球場とは連絡通路で直結。
*: 楽天野球団の[[島田亨]]オーナーによると客席を当初の予定だった28,000人収容から23,000人に減らした分、特別感を楽しめる内容の改修にしたという。また、女性トイレの設置増やオムツ換えベッドの全てのトイレへの設置、授乳室<span class="ltr">4</span>箇所の設置、全階層への多目的トイレや[[オストメイト]]の設置などを実施した。
*: 使用するベンチや応援席などの配置は<span class="ltr">3</span>塁側をホーム・楽天、<span class="ltr">1</span>塁側をビジターチームとする。2007年<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">24</span>日に開催された「巨人対横浜」でもホームチームである巨人が<span class="ltr">3</span>塁側を使用していた。その他、球場のフェンス広告もこれまでの白色<span class="ltr">1</span>色だけのものからスタンド広告と同じカラー広告を多く配することとなった。このカラー広告フェンスはかつて[[大阪スタヂアム]]（1979年まで）、[[日本生命球場]]（1997年の閉鎖まで）、[[藤井寺球場]]（1983年まで）、[[平和台野球場]]（1970年代から<span class="ltr">80</span>年代前半ごろ）でも採用されたことがある。

=== 2007年-2011年の改修 ===
この期間は比較的小規模の改修を行っている。
; 2007年
: ベンチにシートヒーター内蔵型の防水本皮シートを取り入れた。[[ドイツ]]の[[レカロ]]製で、野球場としては世界初の採用である。
: またスコアボードに隣接する右中間側に、巨大な遮光板が新設された。楽天が使用する三塁側ダッグアウトは南西側を向いており、特にデーゲームや薄暮の際に右翼側からの直射日光を受けやすいことから、選手側からの要望で防眩のため設置された。広告スペースとして活用され、2007年から<span class="ltr">2</span>年間は[[東新住建]]グループ、2009年からは[[創造電力]]がスポンサーとなった。
; 2008年
: 右翼スタンドのうち右中間部分の芝生席を廃止し、新たに約400人収容の外野グループシート（<span class="ltr">5</span>人掛け）を新設した。宮城県と楽天野球団は同年[[<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">20</span>日]]付で「宮城球場設備命名型広告基本協定書」を締結、球場内の設備にも[[命名権|施設命名権]]を導入することになった。このグループシートはその適用第<span class="ltr">1</span>号となり、[[コンビニエンスストア]]大手の[[ローソン]]が<span class="ltr">2</span>年契約で命名権を取得。同社店舗に設置されているオンライン端末に因んで「[[Loppi]]グループシート<span class="ltr">5</span>」と命名され、グループ<span class="ltr">5</span>のチケットはローソンチケット限定での取り扱いとなった。これによる収容人数の減少と概数から実数への変更で、収容人数は23,000人から22,187人となった。
: グラウンドの人工芝の全面張替えを行い、左中間・右中間にそれぞれ<span class="ltr">1</span>箇所、楽天グループのシンボルマーク（<span class="ltr">R</span>）が白色で塗色された。張替えの理由は県・球団の公式発表においては「経年劣化のため」とされたが、これとは別に楽天の球団非公認マスコット「[[Mr.カラスコ]]」のストーリーの一環として「カラスコの度重なるグラウンド乱入によって、人工芝が傷ついたため」とも発表している<ref>{{Cite web|和書|date=2007-12-29 |url=https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/5.html |title=球団非公認マスコットMr.カラスコ<span class="ltr">08</span>年への動向について～第一回非公認マスコット選択会議（Mr.カラスコドラフト）開催～ |publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス |accessdate=2021-02-18}}</ref>。この人工芝の張替えによって打球が大きく弾むようになり、[[エンタイトルツーベース]]の数が激増した。
: スタジアム名変更に伴い、入り口およびスコアボード上部に設置されていた「フルキャストスタジアム宮城」のロゴを撤去。新しく「クリネックススタジアム宮城」のロゴを設置した。
; 2009年
: バックネット裏の前部を改修。従来は露天だった砂被り席の上にも座席を作り、既設置の砂被り席と併せて年間シートエリア「プレステージゾーン」とし、座席をフルクッションシートにグレードアップさせた。このゾーンには設備命名型広告が適用され、[[青葉区 (仙台市)|青葉区]]に製造拠点（[[宮城峡蒸溜所]]）を保有する[[ニッカウヰスキー]]が<span class="ltr">2</span>年契約で命名権を取得し「ニッカウヰスキー・プレステージ」と命名された。エリア内にはプレステージゾーンチケット保有者が自由に使えるバーラウンジ「ニッカ・プレステージバー宮城峡」がオープン。各種食事、飲み物が[[ビュッフェ]]形式で用意されている。また一塁側と三塁側の行き来も可能になり、メインスタンド部の回遊性・利便性が改善された。この改修により、収容人数は前年比<span class="ltr">89</span>人減の22,098人となった。
:前述しているが、遮光板の設置個所にオーロラビジョンを設置する改修工事を行った。
; 2010年
: 右翼スタンドのグループシート<span class="ltr">5</span>（ローソンは命名権契約を更新せず、座席名称から「Loppi」を削除）の隣接部にペアシート316席（158組）とトリプルシート<span class="ltr">75</span>席（<span class="ltr">25</span>組）を新設。また左翼スタンドの「楽天山」は雨天時に足許が滑りやすくなるため、天然芝を撤去して全面ラバーチップに張り替え、足場の安定を確保した。この改修により、収容人数は前年比928人増の23,026人となった。
: なお同年オフにはこの他、左翼スタンドを改修して1,500席程度の増席を予定していたが、観客動員数が伸び悩んだことなどから着手は見送られた。また開幕前の2011年[[<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">11</span>日]]に東日本大震災が発生し、場内の設備が一部損傷する被害を受けたため同年<span class="ltr">4</span>月中旬まで応急の復旧工事を実施した。
; 2011年
: シーズン終了後、震災による損傷箇所の全面的な補修が行われた。
: また外野スタンド右中間側のグループシート<span class="ltr">5</span>は、新たに[[セブンアンドアイホールディングス]]と[[セブン-イレブン|セブン-イレブンジャパン]]が設備命名型広告の権利を取得し「セブン-イレブン・グループシート<span class="ltr">5</span>」に、内野の一塁側ボックス席の<span class="ltr">5</span>人掛けシートは[[みちのくコカ・コーラボトリング]]が同様に広告権を取得し「コカコーラ・ボックスシート<span class="ltr">5</span>」となった。

=== 収容人員拡張とボールパーク化の推進（2012 - 2018年） ===
当球場の収容能力については、楽天が球界への参入を表明した際に専用球場としての当球場の収容能力について「当面23,000人規模で運営した後に、28,000～30,000人規模にまで段階的に改修する」という公約を2004年秋に提示していたが、規定上30,000人以上の収容能力を求められる[[日本野球機構|日本野球機構（NPB）]]の主催試合（オールスターゲームや日本シリーズ）を当球場で開催することについては、運営面や収益面などで支障が生じることが長年にわたって懸念されてきた。楽天参入前は当球場の収容陣人が28,000人と公称されていたが、観客席構造の見直しにより20,000人まで縮小、翌年の改修で23,000人規模まで拡張したものの、それ以上のさらなる拡張は困難を極めた。

その理由として、宮城野原公園総合運動場内の運動施設の総面積が都市公園法で規定された「50%以下」の規定ぎりぎりの49.6%となっていることが挙げられる。公園内に所在する各施設は利用者が多く、競技団体などからも施設の存続を強く要望されており、また近隣地区への移転新築も財政難等で難しいことなどから、これ以上公園内の施設を廃止するのは事実上困難である上、公園内の施設は宮城県所有だけでなく仙台市が所有する施設もあり、施設ごとの所有者・管理者の権限も錯綜していた。

この問題を克服するため、楽天では都市公園法第<span class="ltr">7</span>条第<span class="ltr">1</span>項第<span class="ltr">6</span>号の「競技会（中略）のため設けられる仮設工作物」として'''3ヶ月以内の占用{{efn2|都市公園法施行令第<span class="ltr">14</span>条第<span class="ltr">4</span>項に記載あり。}}が認められる仮設スタンドの設置'''を繰り返すなどして28,000人規模の収容人員を確保、2016年からは「公園席」として工作物を置かないエリアを観客席（芝生席）と見なすことで30,508人の収容人員を確保した。

==== 経緯 ====
当球場では2005年以降、楽天の対戦カードや予告先発投手などによって、公式戦のチケットが早々に売り切れる事態が頻発。2009年のシーズン終盤には、楽天が球団初の[[クライマックス・シリーズ|クライマックス・シリーズ（<span class="ltr">CS</span>）]]進出をめぐって熾烈な戦いを展開した影響で、チケットの入手が困難になる事態を引き起こした。結局、楽天は球団史上初のシーズン<span class="ltr">2</span>位で<span class="ltr">CS</span>へ初進出を決め、楽天球団として、また新装となった現在の球場としても初めての[[ポストシーズン|ポストシーズンゲーム]]として、ソフトバンクとのファーストステージ全試合を開催した。プレーオフが当球場で開催されたのは[[1977年のパシフィック・リーグプレーオフ|1977年]]に、後期優勝したロッテが阪急（前期優勝）と対戦して以来<span class="ltr">22</span>年ぶり<span class="ltr">3</span>回目である。

この年は楽天が日本シリーズに進出した場合も当球場を使用することが内定していたが、札幌ドーム（収容人数約43,000人）で開催のファイナルステージ（対日本ハム戦）で敗退したため実現には至らなかったが、NPBでは、<span class="ltr">CS</span>ファイナルステージの開催期間中に、当球場で日本シリーズを開催した場合の収益の試算を発表。札幌ドームで開催した場合に比べて、NPBが入場料収入から得られる<span class="ltr">1</span>試合あたりの収益が<span class="ltr">1</span>億円ほど下回ることを指摘していた{{efn2|日本選手権シリーズ試合規定第<span class="ltr">15</span>条では、入場料で得られた収益をNPBと進出<span class="ltr">2</span>球団で折半する割合が定められている。}}。この指摘に対して、楽天側は「<span class="ltr">1</span>席あたりの料金を引き上げることで、札幌ドームで見込める収益に追い付かせる」と回答している。

日本シリーズ終了後の[[<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">11</span>日]]に開催されたプロ野球実行委員会では、NPBが楽天に対して、当時22,098人まで収容できた観客席を6,000席分増設することを要望。同席していた巨人の[[清武英利]]球団代表が「NPBの収益や球団・選手の分配金が減るのは問題」と話すなど、楽天以外の球団の代表者からも楽天に改善を求める意見が寄せられた。しかし、楽天を代表して出席していた[[井上智治]]オーナー代行は、「仙台では22,000人ぐらいがちょうどいい。都市ごとに適切なキャパシティがある。席を増やさなくても、値段を上げる手もあるし、やり方はいろいろある。（NPBからの要望については球団で）検討するが、『絶対にやらなきゃいけない』とは思っていない」と発言し、大規模な増席に否定的な見解を示した。

[[<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">18</span>日]]のオーナー会議では、前述の増席問題が議題に上らなかったものの会議後に巨人の[[滝鼻卓雄]]オーナーが楽天の球界参入時の改修計画に言及している。「『（増席は）現金が300億円あるからすぐできる』と言っていた。約束したのだから実現してもらわないと（いけない）」という苦言を呈したうえで、楽天側による入場料の値上げ案についても「（増席に伴うコストの負担を）ファンへ押し付けるのはひどい」と批判した。これに対して、楽天の[[島田亨]]オーナーは、「『（参入時の計画で）実現する』と約束したのは23,000席で、28,000席はあくまでも努力目標。論拠はなく法的拘束力もない。1,000席分は対応するが、やみくもな増席は経営を圧迫する」との反論を展開している。

[[<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">7</span>日]]のプロ野球実行委員会では、前述の増席問題について再び審議を開始した。NPB側から楽天側に対して、再度6,000席もの増席要望が出された。下田邦夫コミッショナー事務局長（いずれも当時）は楽天が球界への参入審査の際にNPB側へ提出した資料を基に、「28,000席という約束があった」として改めて増席の早期実現を要求。井上オーナー代行は、2009年度オフシーズンの改修で外野席を1,000席分を増やす方針を示す一方で、今後の増席については「NPB主催試合の開催が前提ではないが、段階的に状況を見ながら前向きに検討したい」と回答するにとどめた。増席よりも入場料の値上げを優先する楽天の試案については、かつて当球場を本拠地同然で使用していたロッテオリオンズが収容人員が<span class="ltr">3</span>万人未満であることなどの問題からパ・リーグを制した1974年に[[1974年の日本シリーズ|日本シリーズ]]を当球場で開催できなかったこと<ref group="注">[[東京]]の[[後楽園球場]]にて代替開催。</ref>を踏まえて<ref>{{Cite web|和書|title=仙台育英初優勝、東北108年目の悲願「白河越え」達成／東北の野球史 |url=https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/202208230000092.html |website=日刊スポーツ |access-date=2022-08-28 |date=2022-08-23 |page=1}}</ref>、一部の球界関係者から「このまま座席を増やさなければ、仙台で日本シリーズが再び開催できない事態になりかねない」との危惧が示されていた<ref>2009年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">9</span>日付・スポーツニッポンより</ref>。

その一方で、プロスポーツの経営に詳しい[[大坪正則]]教授（[[帝京大学]]）が2009年時点における楽天の年間観客動員数（120.3万人）と[[仙台市]]の人口（100.7万人）を根拠に、「当球場の観客動員に対する仙台市の人口比は1.19倍で、専用球場のある日本国内の都市の平均よりやや低い」と指摘していた。球場の収容能力問題については、「イーグルスが<span class="ltr">2</span>万3000席の現状維持に固執すると、リーグ優勝を念頭に置いていない球団、消極的な球団とファンが見なしかねない。（中略）しかし、人口比1.2倍の観客数と<span class="ltr">73</span>％の観客席占拠率を勘案すると、<span class="ltr">2</span>万3000席から<span class="ltr">2</span>万8000席に増やす経済的必要性はない。現行の<span class="ltr">2</span>万3000席が平均して<span class="ltr">90</span>％以上埋まるようになってからでも遅くはない、と考えることもできる。また、観客席数を増やす金があるなら、その金を選手に投資して戦力強化を図るほうが大事と指摘する声もある。筆者も、先に席数を増やすよりも、チームの戦力を強化し常時優勝争いをするようになり、観客動員数が増えてから席数を増やすのが順序のような気がする」と主張していた<ref>『パ・リーグがプロ野球を変える』大坪正則：著、朝日新書、2011年、p61-64</ref>。

楽天は2010年シーズン前の改修で当球場の観客席を約900席、増設し、その結果、当球場の収容人数は23,026人にまで増えた。その一方で同年[[<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">20</span>日]]には「楽天グループお客様感謝デー」と銘打って[[東京ドーム]]で初の主催公式戦（対ロッテ戦）を開催。球団側の発表で、40,421人もの観客動員を記録した。この結果、楽天の[[三木谷浩史]]球団会長は、[[2011年]]以降も東京ドームでの主催試合の開催継続を示唆。実際に、「楽天グループデー お客様感謝祭」として、東京ドームで毎年<span class="ltr">1</span>試合の公式戦を開催している（2011年：対ソフトバンク戦、2012年：対ロッテ戦、2013年：対日本ハム戦）。2010年当時の一部報道では、当球場の問題が解決できなかった場合、前述のロッテのケースと同様に仙台での日本シリーズ開催を断念し、東京ドームで開催する為の布石ではないかとの憶測も報じられた<ref>2010年<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">22</span>日付・サンケイスポーツより</ref>。その一方で、当球場については、2011年のシーズン前に左翼スタンドの改修を計画。1,500席程度の増席を予定していた。しかし、シーズン<span class="ltr">6</span>位で観客動員数が伸び悩んだことなどから、<span class="ltr">10</span>月上旬までに県へ提出する予定だった改修申請を見送った。この時点では、球団関係者が「2011年シーズンに観客数が増えたら（増席を）再検討したい」と話していた。

このような楽天側の姿勢について、NPBの[[加藤良三]]コミッショナー（当時）は[[<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">28</span>日]]の総括会見で、「プロ球団がどういうサイズの球場を持つかは非常に大事。楽天（当球場）と横浜（収容人数が<span class="ltr">3</span>万人以上ながらセ・リーグ球団の専用球場では最少の[[横浜スタジアム]]）で日本シリーズをやったら、どれだけ観客が入るのか。日本シリーズをやる球場（の収容人数）は<span class="ltr">3</span>万席が最低（必要）だと思う」という見解を披露。楽天側が計画していた入場料の値上げについても、「客席が少ないと座席料を高くするしかないが、今の経済状況で料金を上げるのは難しい」と否定した。これに対して、楽天の島田オーナーは、[[<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">29</span>日]]の総括会見で「（レギュラーシーズン中の観衆が）常に満員となれば増やす価値はあるが、慎重に考えないといけない。日本シリーズのためだけに増やすのは経営判断として違う」と反論し、増席に慎重な姿勢を改めて示した。

==== 2012年オフシーズン ====
東日本大震災からの復旧を優先すべく前年から中断していた「ボールパーク構想」下での計画を再開するとともに、収容人員の拡張へ本格的に取り組み始めた。

まず、外野フェンスの改装と新設を実施。2004年の工事でフィールドを拡大した影響でホームランが出にくくなったことを背景に、フェアグラウンドのうち、両翼を従来から1.4メートル、左中間と右中間の最深部を1.4メートル縮小した。このため、ホームから両翼までの距離は100.1メートル、左中間・右中間の最深部までの距離は116メートルに変わった。また、縮小した分だけ外野フェンスをフェアグラウンド側へせり出したうえで、せり出したフェンスと外野スタンドの間のエリア（いわゆる「[[ラッキーゾーン]]」）を公募によって「'''Eウイング'''」と命名。レフト側にカウンターテーブル付きのペアシートを<span class="ltr">23</span>脚（全<span class="ltr">46</span>席）、ライト側にテーブル付きの<span class="ltr">4</span>人掛けシートを<span class="ltr">11</span>脚（全<span class="ltr">44</span>席）設置した<ref>[https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/2772.html Kスタ宮城リニューアルで「野球観戦の醍醐味」を体感<span class="ltr">!</span>]（2012年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">18</span>日 東北楽天ゴールデンイーグルスリリース）</ref>。「コカ・コーラボックスシート<span class="ltr">5</span>」（<span class="ltr">1</span>塁側の内野スタンド上段に設置している<span class="ltr">5</span>人掛けのボックス席エリア）についても、エリアの大幅な拡張や「パーティーデッキ」（団体観戦用デッキ）の新設と並行させる格好で、ボックス席を<span class="ltr">45</span>脚増設。この増設によって、エリア内の最大収容人数を、120人から345人に増やしている<ref name="Ewing" />。これにより収容人員は約400人強増えて23,451人（2012年までは23,026人）となった<ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/12/19/kiji/K20121219004805160.html Ｋスタ改修 サイズ縮小も「投手にも打者にもフェアな球場になる」]（2012年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">19</span>日スポーツニッポン 2012年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">23</span>日閲覧）</ref>。

その一方で、外野スタンドの最前列にあった金網を撤廃するとともに内野席の防球ネットを「ダイニーマネット」（[[ヤンキースタジアム]]や[[セーフコフィールド]]にも導入されている[[東洋紡]]製のワイヤーネット）へ張り替えた。さらに、新たに設けられた外野フェンスにはMLB全<span class="ltr">30</span>球団のうち、<span class="ltr">17</span>球団の本拠地球場で採用されている「Skydexウォールパッド」（クッション性と激突時の衝撃の吸収性に優れたPromats Athletics社製のラバー素材）を導入した<ref name="Ewing">[https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/2984.html 新設外野フェンス【<span class="ltr">E</span>ウィング】完成<span class="ltr">!</span>]（2013年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">26</span>日 東北楽天ゴールデンイーグルスリリース）</ref>。

==== 2013年シーズン ====
2013年シーズンは、レギュラーシーズンの開幕直後から首位の座を堅持。当スタジアムでも「盆休みシリーズ」として[[<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">9</span>日]]から開催したソフトバンクとの<span class="ltr">3</span>連戦で、全試合のチケットが完売した。このような盛況を受けて、[[<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">12</span>日|同月<span class="ltr">12</span>日]]には、同年<span class="ltr">9</span>月以降の主催試合での使用とシーズン終了後の解体を前提に仮設スタンドの設置を発表。<span class="ltr">3</span>塁側に936席、レフト側の「楽天山」の後方に1249席（合計で2185席）もの観客席を急遽仮設したため、<span class="ltr">9</span>月以後の収容人員は25,651人にまで増加した。この時点では、楽天が<span class="ltr">CS</span>に進出した場合にさらなる増席を予定していたほか、2014年度以後の増席については2013年のシーズン終了後に改めて検討するものとされていた<ref>[http://www.kahoku.co.jp/news/2013/08/20130813t14013.htm Ｋスタ、来月2185席増席 楽天が計画発表]（2013年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">13</span>日 河北新報・同日閲覧）、[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/3394.html 日本製紙クリネックススタジアム宮城「増席計画のお知らせ」]（2013年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">12</span>日 東北楽天ゴールデンイーグルスリリース 同<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">13</span>日閲覧）</ref>。<span class="ltr">3</span>塁側仮設席は<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">3</span>日の西武戦から、レフト側仮設席は同月<span class="ltr">13</span>日のオリックス戦から運用を開始した。同月<span class="ltr">13</span>日の試合前には、<span class="ltr">3</span>塁側仮設席の愛称を「'''蔵王'''」、レフト側仮設席の愛称を「'''栗駒'''」（いずれも宮城県内の山岳名に由来）と発表している<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20130913-1188622.html 【楽天】<span class="ltr">K</span>スタ宮城左翼に特設スタンド]（2013年<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">13</span>日、[[日刊スポーツ]]・同日閲覧）</ref>。

さらに、リーグ優勝とクライマックスシリーズ進出決定を受けて[[2013年の日本シリーズ|日本シリーズ]]進出時に28,120人収容となるようにするために、<span class="ltr">10</span>月に段階を追って仮設席の増築が決定した<ref>[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/3535.html 日本製紙クリネックススタジアム宮城「28,000増席計画のお知らせ」]（2013年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">1</span>日 東北楽天ゴールデンイーグルスリリース 同<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">12</span>日閲覧）</ref>。
*第<span class="ltr">1</span>段階 [[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">3</span>日]]からレギュラーシーズン最終日まで 217席増席（収容人員25,868人）
**内訳 レフトポール際の臨時席<span class="ltr">60</span>、レフトポール際の臨時席上段<span class="ltr">72</span>、ライトポール際の臨時席<span class="ltr">60</span>、外野指定席<span class="ltr">25</span>（レギュラーシーズン中は当日券のみ発売）
*第<span class="ltr">2</span>段階 [[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">17</span>日]]からの[[2013年のパシフィック・リーグクライマックスシリーズ|クライマックスシリーズ・ファイナルステージ]]開催期間 さらに1,097席増席（収容人員26,965人）
**内訳 座席224（<span class="ltr">1</span>塁側ウッドデッキ臨時席・<span class="ltr">3</span>階コンコース臨時席・内野<span class="ltr">3</span>塁側コンコース臨時席・外野ライトビジョン下臨時席）、立見席873（<span class="ltr">1</span>塁側ウッドデッキ立ち見自由席、<span class="ltr">3</span>塁側コンコース立ち見指定席、内野<span class="ltr">3</span>塁側コンコース立ち見自由席、内野<span class="ltr">3</span>塁側上段立ち見自由席）
*第<span class="ltr">3</span>段階 （クライマックスシリーズ・ファイナルステージを突破した場合）[[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">26</span>日]]から（[[<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">3</span>日]]まで）の[[2013年の日本シリーズ|日本シリーズ]]開催期間 さらに1,155席増席（収容人員28,120人）
**内訳 全て立ち見（<span class="ltr">3</span>階コンコース立ち見自由席、外野ライト自由席）

このように短期間で増席を重ねた結果、前身の宮城球場時代を含めても初めてとなる日本シリーズ第<span class="ltr">1</span>戦（2013年[[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">26</span>日]]）では、当時の最多記録となる25,209人もの観客を集めた<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20131027-1209780.html 東北初シリーズに<span class="ltr">K</span>スタ最多の<span class="ltr">2</span>万5209人]（日刊スポーツ2013年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">27</span>日 同<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">1</span>日閲覧）</ref>。なお、球団初の日本一達成がかかった第<span class="ltr">6</span>戦（同年[[<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">2</span>日]]）では、開場以来最多となる25,271人もの観客動員を記録。さらに、スタジアムの外周で開催した[[パブリックビューイング|パブリックビューイング（<span class="ltr">PV</span>）]]にも<span class="ltr">1</span>万人以上の観衆が集まって身動きが取れない状況に至ったため、<span class="ltr">5</span>回裏からは球団サイドでスタジアムのある公園敷地への入場制限措置を講じた<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20131103-1212993.html 【楽天】観客動員<span class="ltr">2</span>万5271人過去最多]（日刊スポーツ2013年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">3</span>日 同<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">6</span>日閲覧）</ref>。翌<span class="ltr">3</span>日の第<span class="ltr">7</span>戦では、<span class="ltr">PV</span>の会場を急遽、スタジアムに隣接する仙台市陸上競技場へ変更<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20131103-1213162.html 第<span class="ltr">7</span>戦PV Kスタ隣接の陸上競技場で]（日刊スポーツ2013年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">3</span>日 同<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">6</span>日閲覧）</ref>。この試合で楽天が日本シリーズ初制覇を決めたものの、スタジアムへの観客動員は25,249人で、前日達成の最多記録をわずかに下回った。

上記の仮設席については、[[鉄パイプ]]が剥き出しになった構造による視覚的な不安から「崩壊の危機」を煽る記事も出た<ref>[https://web.archive.org/web/20131023224556/http://gendai.net/articles/view/sports/145428 「台風」に「観客増」<span class="ltr">K</span>スタの仮設スタンドが崩壊危機<span class="ltr">!?</span>]（日刊ゲンダイ2013年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">23</span>日 同<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">1</span>日閲覧）</ref>が、[[長野オリンピックスタジアム]]などのスポーツイベントでの運用で安全性が保障されていた。しかし当球場では、楽天の好機に仮設席から大勢のファンが起立して応援することで、仮設スタンド全体に振動が生じていた。この現象や、仮設スタンドによる増席の影響でビジター球団側（一塁側およびライト側）の常設観客席における収容人数が相対的に少なくなったことについては、一部のファンから批判の声が上がっていた。

==== 2013年-2014年 ====
都市公園法の仮設工作物占用の規定に沿って、2013年の日本シリーズ終了直後に「'''栗駒'''」を除く全ての仮設スタンドを撤去した。この時点では、「'''蔵王'''」の跡地に仮設スタンドを再度建築することを前提に、2014年シーズンに立ち見席を除く観客席の最大収容人数を約26,000席と見込んでいた<ref name=hochi131120>[https://web.archive.org/web/20131121051032/http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20131120-OHT1T00191.htm 【楽天】<span class="ltr">K</span>スタ仮設スタンドを再建設へ]（「[[スポーツ報知]]2013年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">20</span>日付記事、同月<span class="ltr">21</span>日閲覧）</ref>。

楽天野球団では最大収容人数を28,000人超にまで増やすべく、2014年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">17</span>日に総額約<span class="ltr">20</span>億円・<span class="ltr">2</span>期にわたる常設スタンドの建築計画を発表<ref>{{Cite press release|和書|url=https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/3808.html|title=【楽天Koboスタジアム宮城】スタジアム増席・改修に関して|publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス|date=2014-01-17|accessdate=2019-04-27}}</ref>。<span class="ltr">3</span>月から公式戦開幕直前までの第<span class="ltr">1</span>期工事で、1,509人収容の「'''楽天山観覧席'''」を「楽天山」の後方に新設した（ただし、2015年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">1</span>日付け[[河北新報]]ではこの楽天山観覧席を、2013年の「栗駒」スタンド時代と同じ鉄骨製であることから「'''仮設席'''」とする説明がされている）<ref name="kahoku20151001"/>。さらに、公式戦期間中の2014年<span class="ltr">4</span>月から始まった第<span class="ltr">2</span>期工事で、カウンター付きの座席・テーブル付きの座席・ボックスシート・パーティーデッキ・立ち見席を備えた3,019人収容の常設スタンドを「'''蔵王'''」の跡地に建設<ref>[https://web.archive.org/web/20140730185727/http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/07/28/kiji/K20140728008646940.html コボスタ宮城に巨大スタンド完成!2万8736人収容可能に]（『[[スポーツニッポン]]』[[2014年]][[<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">28</span>日]]付記事）</ref>。スタンドの内訳は以下の通りで、2014年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">30</span>日の対ソフトバンク戦<ref>[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/4400.html 3019席の巨大スタンドが完成！<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">30</span>日（土）からバラエティ豊かな観戦が可能に！]（東北楽天ゴールデンイーグルス2014年<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">28</span>日）</ref>から運用を開始した。また、外野寄りにある「バイバースタンド」付近には、縦6m×横35mの大型LEDビジョンが<span class="ltr">9</span>月から設置された。
*総収容人員3019人
**内野<span class="ltr">3</span>塁側スタンド 1462人
***カウンターシート 224人
***プレミアムシート 651人
***ボックスシート<span class="ltr">6</span>（<span class="ltr">6</span>人掛け） 合計<span class="ltr">48</span>人（<span class="ltr">8</span>組）
***ボックスシート<span class="ltr">7</span>（<span class="ltr">7</span>人掛け） 合計<span class="ltr">70</span>人（<span class="ltr">10</span>組）
***スカイデッキ<span class="ltr">A</span>（テーブル付き立ち見デッキ席）<span class="ltr">50</span>人
***スカイデッキ<span class="ltr">B</span>（テーブル付き立ち見デッキ席）<span class="ltr">50</span>人
***スタンディング25 270人
***スタンディング50 75人
***立見席<span class="ltr">24</span>人
**[[Viber|バイバー]]スタンド（ポール際） 1509人
***バイバーシート（座面跳ね上げ式一般席）1371人
***バイバーリビング<span class="ltr">4</span>（<span class="ltr">4</span>人掛け） 合計<span class="ltr">32</span>人（<span class="ltr">8</span>組）
***バイバーリビング<span class="ltr">5</span>（<span class="ltr">5</span>人掛け） 合計<span class="ltr">20</span>人（<span class="ltr">4</span>組）
***バイバーリビング<span class="ltr">7</span>（<span class="ltr">7</span>人掛け） 合計<span class="ltr">56</span>人（<span class="ltr">8</span>組）
***立見席<span class="ltr">30</span>人
**コンコース立見席<span class="ltr">48</span>人

照明塔の一部の支柱にまたがる、いわゆる見切れという格好で増設した座席では、グラウンドへの視界が支柱で遮られることから、<span class="ltr">47</span>インチのテレビモニターを支柱に設置。ボックス席の一部にも小型モニターを付けている<ref>[http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201408/20140830_14031.html コボスタ新スタンド、きょうから]（河北新報2014年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">30</span>日 同<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">6</span>日閲覧）</ref>。

以上の常設席の増設について、楽天の[[立花陽三]]球団社長は、「今回の増席による28,000人収容は通過点で、将来は<span class="ltr">3</span>万人の収容を目指す」として、オールスターや日本シリーズを開催に必要な収容人数の下限を満たすべく、さらなる増席の計画があることを示唆した<ref>[http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201401/20140118_14007.html コボスタ宮城 東北楽天が<span class="ltr">8</span>月まで観客席4500増設へ]（2014年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">28</span>日河北新報<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">16</span>日閲覧）</ref>。

なお、2014年のシーズン開幕から<span class="ltr">3</span>塁側常設スタンドの運用開始までは、前述の仮設スタンドを撤去した関係で最大収容人数が25,723人に減少していた<ref>[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/3808.html 【楽天Koboスタジアム宮城】スタジアム増席・改修に関して] 東北楽天ゴールデンイーグルス2014年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">17</span>日付プレスリリース</ref>。しかし、運用開始初日（<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">30</span>日）のソフトバンク戦で25,308人（レギュラーシーズン・ポストシーズンを通して当時の歴代最多人員）を集客<ref>[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/4508.html 8/30（土）球団史上最多の観客動員数を記録！]（東北楽天ゴールデンイーグルス2014年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">30</span>日リリース）</ref>したのを皮切りに、観客動員記録を次々更新、主管<span class="ltr">65</span>試合目に当たる<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">20</span>日の日本ハム戦で、主管試合における年間の観客動員総数が1,292,366人（当時の最多記録で、当球場以外での主管試合も含む）に達した<ref>[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/4566.html 【シーズン観客動員数】球団新記録を達成！]（東北楽天ゴールデンイーグルス2014年<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">20</span>日リリース）</ref>。

その一方で、室内練習場に隣接した敷地に天然芝敷設・見学スペース付きの練習・イベントスペース「Green Field」（グリーンフィールド、約2,000平方メートル）を新設。2014年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">17</span>日から運用を開始した<ref>[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/4468.html 天然芝のフィールドが完成！名称は“Green Field”] 東北楽天ゴールデンイーグルス公式サイト2014年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">17</span>日付ニュース</ref>。

==== 2014年オフシーズン ====
[[File:Eagles Plaza.jpg|thumb|新設されたグッズショップ]]
エンターテインメント性にあふれる施設を球場の内外で充実させる目的で、スタジアムの外周部分を改修する工事を展開した<ref>[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/4786.html 【楽天Koboスタジアム宮城】ボールパーク改修に関して]（東北楽天ゴールデンイーグルス2014年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">20</span>日リリース）</ref>。
*正門に「ウェルカムゲート」を設置するとともに、その付近にグッズの大型グッズショップを新設。
*グッズショップには過去の東北楽天ゴールデンイーグルスの球団の歴史を振り返るコーナーも展示されている。
*3塁側の新設スタンド前に、直径21m×高さ10mの[[ドーム]]型多目的ホール（イーグルスドーム）を設置したうえで、2015年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">31</span>日から稼働を開始。楽天公式戦の[[パブリックビューイング]]や、イベント会場として2019年シーズンまで活用していた。NPBの球団本拠地球場に隣接させた球団所有のドーム型施設は、「イーグルスドーム」が初めてであった。
*年間予約席の購入者（シートオーナー）を中心に利用できるレストラン「VIPダイニング」を、<span class="ltr">1</span>塁側のスタンドでオープン。

以上の施策をめぐってた、レギュラーシーズンでチームが<span class="ltr">2</span>年連続で最下位に終わったことによって翌2016年以降の集客が懸念が報じられていた<ref name="FOCUS BASEBALL">『朝日新聞』2015年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">12</span>日付朝刊スポーツ面コラム「【FOCUS BASEBALL】楽しむ天空席、球場に新風次々 集客へ『ボールパーク』計画」</ref>。

==== 2015年-2016年 ====
2015年シーズン終了後の<span class="ltr">11</span>月下旬から、総額で<span class="ltr">30</span>億円規模の改修工事に着手<ref name=sponichi151001>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/10/01/kiji/K20151001011238500.html コボスタ宮城<span class="ltr">30</span>億円大改修 内外野天然芝、世界に誇れるボールパークに]（『[[スポーツニッポン]]』[[2015年]][[<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">1</span>日]]付記事）</ref>。総工費の<span class="ltr">30</span>億円は、楽天球団や楽天本社からの出資・寄贈で賄われた<ref name="kahoku20151001">[http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151001_13015.html ＜コボスタ＞天然芝に改修<span class="ltr">3</span>万人超収容確保]（2015年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">1</span>日 河北新報<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">4</span>日閲覧）</ref>。

この工事ではスタジアムの景観や選手の足腰に対する負担の軽減を考慮すべく、内・外野のフェアグラウンドに天然芝を敷設した。2014年<span class="ltr">8</span>月に開設した「グリーンフィールド」の使用・運営実績に基づく敷設で、パシフィック・リーグの本拠地では唯一、NPB12球団の本拠地では[[阪神甲子園球場]]（外野にのみ敷設）・[[MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島|マツダスタジアム]]（内・外野ともに敷設）に次ぐ事例。人工芝からの転換は、NPB球団の本拠地としては初めてである。また、スコアボードも全面的に改修。LEDを全面的に採用した<ref name=sponichi151001 />。

さらに、左中間側にある楽天山観覧席を撤去<ref name="kahoku20151001"/>。[[ペトコ・パーク]]（[[サンディエゴ・パドレス]]の本拠地）を手本に広大な敷地を擁する「公園席」を左中間の後方へ設置することで、収容人数を30,508人にまで増やした<ref name=sponichi151001/>。

2015年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">13</span>日には、<span class="ltr">4</span>人乗りゴンドラ<span class="ltr">16</span>台を擁する[[観覧車]]（全高36m、直径32m）を[[仙台ハイランド]]（2015年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">30</span>日閉園）から譲り受けたうえで、公園席に設置する計画を公表。公園席の整備後に設置工事を実施した<ref>[http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151114_14009.html ＜楽天＞コボスタに観覧車建設へ]（河北新報2015年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">14</span>日<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">15</span>日閲覧）</ref><ref>[http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160504_14026.html ＜コボスタ＞観覧車 回り巡ってまた笑顔を]（河北新報 2016年<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">4</span>日）</ref>うえで、楽天球団が千葉ロッテとのデーゲームを開催した2016年<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">3</span>日から、観覧車の営業を開始した<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/1641475.html 楽天、観覧車の営業開始メモリアルデー劇的逆転勝利]（『日刊スポーツ』2016年<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">3</span>日付記事）</ref><ref name="smile">[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/6348.html 5/3（火・祝）スマイルグリコパークがグランドオープン<span class="ltr">!</span>ついに「観覧車」がオープンします<span class="ltr">!</span>]（東北楽天ゴールデンイーグルス2016年<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">28</span>日付プレスリリース）</ref>。「動く観客席」として機能させることを目的に、プロ野球の本拠地に使用する野球場の敷地内に本格的な観覧車を常設するのは、日本はおろか[[メジャーリーグ]]でも初めての事例である<ref name="fgondora">[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/11/14/kiji/K20151114011504190.html 【野球】楽天 コボスタ宮城に観覧車 日米初の試み、来年<span class="ltr">5</span>月にも完成]（『スポーツニッポン』2015年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">14</span>日付記事）。メジャーリーグ球団の本拠地では、[[コメリカ・パーク]]（[[デトロイト・タイガース]]の本拠地）の場外に、ボール型のゴンドラを備えた小型観覧車を常設している。しかし、ゴンドラの中からグラウンドの全景が見えない構造になっている点で、当スタジアムの観覧車と異なる（[http://www.bostonglobe.com/2012/06/16/baseball-gallery/c8xEPO6sHHoqMk64mXcH0J/story.html?pic=8 参照]）。</ref>。

楽天球団では、2015年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">16</span>日にNPBの他<span class="ltr">11</span>球団に対して天然芝の張り替え・観覧車の設置計画を報告。特に異論が出なかったこと<ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/11/17/kiji/K20151117011523890.html 楽天 コボスタ観覧車を各球団に報告「特に異論もなかった」]（『スポーツニッポン』2015年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">17</span>日付記事）</ref>から、同月<span class="ltr">20</span>日には以下の概要で改修計画を正式に発表した<ref>[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/5892.html 【楽天Koboスタジアム宮城】スタジアム改修に関して]（東北楽天ゴールデンイーグルス2015年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">20</span>日付プレスリリース）</ref>。球団によれば、以下の計画を実現させることによってチームの勝敗の影響を受けにくい経営体質への転換を図るという<ref name="FOCUS BASEBALL" />。
*「公園席」（仮称「楽天山パーク」）の敷地は約4,000m<sup>2</sup>で、全面芝生席と見なすことで約7,000人まで収容が可能。2016年<span class="ltr">3</span>月に完成させる予定で、<span class="ltr">2</span>年以上の契約を前提にこのエリアの命名権を公募する。
*観覧車の高さは36mで、<span class="ltr">1</span>周の所要時間を<span class="ltr">5</span>分<span class="ltr">15</span>秒に設定。工費は約<span class="ltr">2</span>億円で、ナイトゲームに本塁打が出た際などの演出を兼ねてゴンドラや脚部にLEDの照明装置を付ける<ref name="fgondora" /><ref>[http://www.asahi.com/articles/ASHCN53B7HCNUTQP015.html コボスタ宮城、外野席に観覧車 国内初、来シーズン登場]（『朝日新聞』2015年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">27</span>日付記事）</ref>。
*センター後方に、パナソニック製で全面LEDのスコアボードビジョンを設置<ref>{{Cite web|和書|date=2016-03-18|url=http://news.panasonic.com/jp/press/data/2016/03/jn160318-1/jn160318-1.html|title=株式会社楽天野球団様「楽天Koboスタジアム宮城」に、大型LEDビジョン及びスタジアム統合演出マネジメントシステムを中心とする最新のスタジアムソリューションを納入|publisher=[[パナソニック]] |accessdate=2017-03-10}}</ref>。「楽天Koboビジョン」と連動させながら、チーム・選手に関する詳細なデータ表示や、多様な演出に活用する。
*内外野フェアグラウンド部分の天然芝化を機に、寒冷地帯である北アメリカ大陸のプロスポーツ向けスタジアムで実績を積んだ「サブエアーシステム」（年間を通じた土壌温度・水分管理を目的に天然芝の下から温風を吹き込むシステム）を、日本の野球場で初めて導入する。
*フィールドシートを、従来から約1.4m前面に拡張。拡張分のエリアに「エキサイティング・フィールドシート」（<span class="ltr">1</span>塁側<span class="ltr">57</span>席／<span class="ltr">3</span>塁側<span class="ltr">59</span>席）、ボックスシート（<span class="ltr">1</span>塁側：<span class="ltr">32</span>席［<span class="ltr">4</span>人×8ボックス］／<span class="ltr">3</span>塁側：<span class="ltr">32</span>席［<span class="ltr">4</span>人×8ボックス］）、ダッグアウト上部・カメラマン席の上部に「プレステージ・ダグアウト」（<span class="ltr">1</span>塁側：<span class="ltr">91</span>席／<span class="ltr">3</span>塁側：121席）をそれぞれ新設する。
*ゴールデンシートを「VIPシート」としてリニューアル。また、ダッグアウト内のベンチの列数を、従来の<span class="ltr">2</span>列から<span class="ltr">3</span>列に増やす。
寒冷地にある当スタジアムの全面天然芝化については、メジャーリーグ通でアメリカへの留学も経験した三木谷の強い意向を背景に、数年前から楽天球団の内部で検討。2015年<span class="ltr">7</span>月の時点では、芝の管理などに関する技術的な問題を解消できなかったため、2016年も人工芝の使用を続ける方向で調整していた。しかし、2015年<span class="ltr">9</span>月にサブエアーシステムを導入する目途が立ったことから方針を再転換。同月中旬の球団取締役会で、天然芝の全面導入が正式に決まった<ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/12/18/kiji/K20151218011702630.html 楽天本拠、コボスタの天然芝化 リスク承知で踏み出した一歩]（『スポーツニッポン』2015年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">18</span>日付記事）</ref>。なお、天然芝の整備は[[仙台スタジアム|ユアテックスタジアム仙台]]の管理業者が担当している。2016年シーズンには、阪神甲子園球場のグラウンド整備・維持管理を担当する[[阪神園芸]]のスタッフが、派遣扱いでシーズンを通じて常駐した<ref>[https://www.sanspo.com/article/20160105-7YDVHULGUFLN5N4KTCXMQ73RP4/ 「阪神園芸」が楽天本拠地コボスタに神業伝授!1年間仙台に駐在]（『サンケイスポーツ』2016年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">5</span>日付記事）</ref>。

本塁から約170m離れた場所に設置する観覧車については、楽天の主催公式戦で本塁打の打球を直撃させた選手に対して、2016年シーズンから楽天本社が[[楽天スーパーポイント]]100万ポイント（100万円相当）を贈呈することを計画している。「（楽天野球団創設時からの懸案事項である）生え抜きの長距離打者を育てたい」という三木谷の発案による計画で、対象はNPB12球団の全選手。ポイント相当分の賞金を、三木谷自身で拠出するという<ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/02/18/kiji/K20160218012060200.html 三木谷オーナー公約<span class="ltr">!</span>観覧車弾で楽天ポイント100万円分あげちゃう]（『スポーツニッポン』2016年<span class="ltr">2</span>月<span class="ltr">18</span>日付記事）</ref>。

「楽天山パーク」については2016年<span class="ltr">3</span>月に[[江崎グリコ]]が命名権を取得したため、同年から<span class="ltr">2</span>年間「'''スマイルグリコパーク'''」という名称を使用（2018年の命名権契約更新後も使用を継続）。同社は、観覧車の中央部分にも広告を掲出している<ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/03/23/kiji/K20160323012266290.html 楽天 新座席の命名権を江崎グリコが取得「スマイルグリコパーク」]（『スポーツニッポン』2016年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">23</span>日付記事）</ref>。前述の観覧車が営業を開始した<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">3</span>日には、「スマイルグリコパーク」もグランドオープン。<span class="ltr">3</span>歳以上の（観覧車を含む）パーク内施設利用者に対して、「プレイチケット」や「年間パスポート」を販売している。また、楽天のホームゲームを開催しない日にも、営業日を随時設定。入場券を購入するか、「年間パスポート」を提示すれば、楽天ホームゲームの開催・観戦希望の有無にかかわらずパークへ入場できる<ref name="smile" />。ただし、例年は<span class="ltr">11</span>月下旬（楽天球団のファン感謝祭を当球場で開催した直後）から翌年の<span class="ltr">3</span>月中旬（楽天のオープン戦期間中）までを「冬季休園期間」に設定している。

ちなみに「スマイルグリコパーク」には、一軒家風の本格的なカフェを建設。試合の観戦が可能な定員<span class="ltr">24</span>名の[[メリーゴーラウンド]]（木馬<span class="ltr">16</span>頭・馬車<span class="ltr">2</span>台）を常設したうえで、2016年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">2</span>日から有料での営業を開始した<ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/08/02/kiji/K20160802013079860.html コボスタ宮城にメリーゴーラウンドが<span class="ltr">!</span>乗車しながら観戦も]（『スポーツニッポン』2016年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">2</span>日付記事）</ref>。野球場の敷地内にメリーゴーラウンドを常設する事例は、日本はおろか、メジャーリーグ球団の本拠地でも初めてである<ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/06/22/kiji/K20160622012823780.html 球場内初<span class="ltr">!</span>楽天 今度はメリーゴーラウンド 木馬からオコエが見える]（『スポーツニッポン』2016年<span class="ltr">6</span>月<span class="ltr">22</span>日付記事）</ref>。

この結果、2016年にはチームが<span class="ltr">5</span>位でレギュラーシーズンを終えたにもかかわらず球団主催試合（<span class="ltr">72</span>試合）での観客動員総数が史上最多（当時）の162万961人に到達した。当スタジアムでの主催<span class="ltr">67</span>試合では、1,517,680人（<span class="ltr">1</span>試合平均22,652人）もの観衆を集めた<ref>[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/6834.html 球団新記録のシーズン主催試合観客動員数を更新<span class="ltr">!</span>]（東北楽天ゴールデンイーグルス公式サイト2016年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">2</span>日付球団ニュース）</ref>。
=== スマートスタジアム化の推進（2019年 - ） ===
==== 2018年-2019年 ====
[[File:EAGLE BRIDGE 20180614.jpg|thumb|バイバースタンドに設置されたEAGLE BRIDGE。手前側の先端には勝利の鐘、奥側の先端には空中ブランコが設置されていた（2018年<span class="ltr">6</span>月<span class="ltr">14</span>日）]]
「スマイルグリコパーク」では2018年<span class="ltr">3</span>月以降も、試合を観戦できる日本球界初の遊戯施設を順次増設。同年<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">13</span>日からは、かつて[[ロンドン]]市内を走行していた観光用の<span class="ltr">2</span>階建てバス（[[ロンドンバス]]）<span class="ltr">1</span>台を、パークの一角に常設している<ref>[https://hochi.news/articles/20180413-OHT1T50086.html 【楽天】本拠地に<span class="ltr">2</span>階建て「ロンドンバス」登場 オコエ「解放感MAXっすね」]（『スポーツ報知』2018年<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">13</span>日付記事）</ref>。その一方で、同年<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">4</span>日からは、「EAGLE BRIDGE」と称する<span class="ltr">2</span>本の[[吊橋]]（<span class="ltr">1</span>本は[[空中ブランコ]]付き）を三塁側のバイバースタンド上段（地上<span class="ltr">20</span>メートル）に設置していた<ref>[https://www.sanspo.com/article/20180508-NWC44EDK5JKZDKVIP7ZOLVAN7Y/ 銀次「鳥肌」 楽天生命パーク宮城に“空中ブランコ”登場／東北スポーツ]（『サンケイスポーツ』2018年<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">8</span>日付記事）</ref>。
[[File:EAGLES TOWER.jpg|thumb|イーグルスタワー（2019年<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">8</span>日）]]
2018年度のNPBオフシーズン中に、観客席の大幅なリニューアルへ着手。ライトポール付近の<span class="ltr">1</span>塁側スタンド後方に、「イーグルスタワー」と称する<span class="ltr">4</span>階建てのタワー型観戦スタンドを新設した<ref>{{Cite web|和書|title=※再掲※2019シーズンはスタジアムが大きく変わります!｜東北楽天ゴールデンイーグルス|url=https://sp.rakuteneagles.jp/news/detail/00001759.html|website=楽天イーグルス オフィシャルサイト|accessdate=2019-04-03|language=ja}}</ref>。このタワーでは、<span class="ltr">1</span>階（個室<span class="ltr">1</span>室）に<span class="ltr">15</span>席、<span class="ltr">2</span>・<span class="ltr">3</span>階（いずれもデッキ）に各<span class="ltr">24</span>席、<span class="ltr">4</span>階（テラス）に<span class="ltr">40</span>席、<span class="ltr">4</span>階の後方にLEDビジョンを設置。観戦席の総数は103席で、グループによる観戦を主に想定している<ref name="tower">[https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00001759.html 2019シーズンはスタジアムが大きく変わります<span class="ltr">!</span>]（東北楽天ゴールデンイーグルス公式サイト2019年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">22</span>日付球団ニュース）</ref>。また、<span class="ltr">1</span>塁側フィールドシートの座席を全て跳ね上げ式のシートに置き換えたほか、エリア内の座席構成を大幅に変更。楽天が公式戦で勝利した場合に、観客が試合終了後のフィールド内で選手とのハイタッチへ臨めるように、最前列から<span class="ltr">2</span>列分の座席（全<span class="ltr">50</span>席）を「ヴィクトリー・フィールドシート（<span class="ltr">1</span>塁側）」に充てた。さらに「フィールドルーム」（最大で<span class="ltr">10</span>名まで収容できる個室<span class="ltr">1</span>室）、「フィールドボックス<span class="ltr">6</span>」（可動式の屋根付き<span class="ltr">6</span>人掛けボックスシート<span class="ltr">2</span>脚）、ドリンクカウンターを新設した。外野スタンドでも、レフト・ライト最前列にある「<span class="ltr">E</span>ウイング」の指定席エリアを拡大するとともに、レフト側に設けられている「ホームランBOX」（<span class="ltr">E</span>ウイング後方のボックス席ゾーン）内のシートを<span class="ltr">8</span>人掛けから<span class="ltr">6</span>人掛けへ変更。内野スタンドの防球ネットも一新したほか、2018年シーズンまでインフィールドエリアにのみ導入していた天然芝を、ファウルグラウンドにも拡大した<ref name="tower" />。さらに、「イーグルスクライミング」と称する[[スポーツクライミング]]のアトラクション施設（高さ<span class="ltr">6</span>メートル）を「スマイルグリコパーク」へ新たに導入した。

なお、2019年シーズンからは、球場内外の店舗やカウンターで現金を収受しない「[[楽天グループ#スポーツ興業における完全キャッシュレス化|完全キャッシュレス化]]」を楽天主催試合の開催日限定で実施。「イーグルスタワー」については、各階の座席に<span class="ltr">4</span>つの入場料金区分（A - Dカテゴリー）を設けたうえで、同年<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">23</span>日の楽天対西武戦から運用を開始した。同年シーズンには、チームが最終盤で<span class="ltr">3</span>位へ食い込んだ末にクライマックスシリーズへの進出を決めたこともあって、当スタジアム主催試合での観客動員総数が歴代最多の173万2,526人にまで達した<ref name="smart">[https://www.nikkansports.com/baseball/news/202001300000243.html 楽天本拠地でSuica導入　昨季キャッシュレス化]（『[[日刊スポーツ]]』2020年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">30</span>日付記事）</ref>。

==== 2019年-2020年 ====
当球場のボールパーク化や球場周辺エリアの娯楽施設開発を目的に、楽天野球団と楽天LIFULL STAY（[[民泊|民泊事業]]を運営するグループ会社）が共同で「Rakuten STAY x EAGLES」という新会社を2020年<span class="ltr">1</span>月に設立。新会社と同じ名称の<span class="ltr">2</span>階建て宿泊施設（全<span class="ltr">4</span>室）を、「スマイルグリコパーク」の冬季休園中に同パーク内へ建設した。日本のプロ野球本拠地球場の敷地内では初めての宿泊施設で、楽天グループが運営する「楽天トラベル」をはじめ、国内外の宿泊予約サイトで予約を受付。楽天の公式戦を開催しない日でも、「スマイルグリコパーク」の開園期間中で空室があれば、予約を条件に宿泊できるようになっている。なお、当初の計画では、<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">17</span>日から予約を受け付けたうえで、<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">17</span>日（金曜日）から営業を開始する予定だった<ref>[https://corp.rakuten.co.jp/news/update/2020/0121_02.html 東北楽天ゴールデンイーグルスの「楽天生命パーク宮城」に宿泊施設「Rakuten STAY x EAGLES」が今春オープン]（楽天株式会社公式サイト2020年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">21</span>日付球団ニュース）</ref>。年初から日本国内で新型コロナウイルスへの感染が拡大している影響で、NPBレギュラーシーズンの開幕がおよそ<span class="ltr">3</span>ヶ月延期されたことなどから、実際には<span class="ltr">6</span>月<span class="ltr">17</span>日（火曜日）から予約を受付。当球場で楽天のホーム開幕カード第<span class="ltr">2</span>戦（ロッテとのナイトゲーム）が催された同月<span class="ltr">29</span>日（水曜日）から、正式に営業を開始した<ref>[https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00002702.html Rakuten STAY x EAGLES 6/22(月)13:00～宿泊予約受付を開始<span class="ltr">!</span>]（東北楽天ゴールデンイーグルス公式サイト2020年<span class="ltr">6</span>月<span class="ltr">22</span>日付ニュース）</ref>。

その一方で、2019年から楽天の主催公式戦開催日限定で実施している「完全キャッシュレス化」の一環として、2020年シーズンから紙・電子を問わず主催公式戦のチケットに[[<span class="ltr">QR</span>コード]]を付加。<span class="ltr">QR</span>コードの認証機と連動した押し下げバー式のエントランスゲートをスタジオ外周の全<span class="ltr">5</span>ヶ所へ設置したうえで、オリックスを相手に一軍のレギュラーシーズン開幕戦を開催する2020年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">20</span>日（金曜日）から、公式戦開催日に限ってゲートを稼働させる。このため、チケットを取得済みの観客は、<span class="ltr">QR</span>コードを認証機にかざすだけで、試合開始予定時刻の<span class="ltr">2</span>時間前から入場できる<ref name="QR">[https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00002703.html 2020シーズン楽天生命パーク宮城はますます楽しく<span class="ltr">!</span>ますますスマートに<span class="ltr">!</span>]（東北楽天ゴールデンイーグルス公式サイト2020年<span class="ltr">1</span>月<span class="ltr">22</span>日付ニュース）</ref>。ただし、一時退場や再入場の場合にも、入退場のたびに<span class="ltr">QR</span>コードによる認証を要する。

また「完全キャッシュレス化」の実施日に大半の施設で利用できる決済手段として、[[Suica]]などの[[乗車カード|交通系<span class="ltr">IC</span>カード]]を追加。Suicaについては、「完全キャッシュレス化」の実施当初から決済手段として認められている[[楽天ペイ]]のアプリケーション・ソフトを通じて、パソコンやモバイル端末機器からの発行手続きや現金チャージが可能になっている<ref name="smart" />。

さらに、前年のオフシーズンにリニューアルを実施した<span class="ltr">1</span>塁側のフィールドシートに続いて、<span class="ltr">3</span>塁側のフィールドシートでも全て跳ね上げ式のシートに置き換えたほか、エリア内の座席構成を大幅に変更。楽天が公式戦で勝利した場合に、観客が試合終了後のフィールド内で選手とのハイタッチへ臨めるように、最前列から<span class="ltr">2</span>列分の座席（エキサイティング・フィールドシート）を「ヴィクトリー・フィールドシート（<span class="ltr">3</span>塁側）」に改称したうえで、総座席数を<span class="ltr">74</span>席に増やした。さらに、ヴィクトリー・フィールドシート上段の指定席エリアを拡大するとともに、「フィールドボックス<span class="ltr">7</span>」（可動式の屋根付き<span class="ltr">6</span>人掛けボックスシート<span class="ltr">7</span>脚）やドリンクカウンターを新設。<span class="ltr">3</span>塁側スタンドの上段でも、「EAGLE BRIDGE」を撤去したうえで、跡地に「ボックスシート」（<span class="ltr">4</span>人掛けボックスシート<span class="ltr">6</span>脚）を設置した<ref name="QR" />。

なお、2015年シーズンから<span class="ltr">3</span>塁側スタンドの場外に開設されている「イーグルスドーム」も、「EAGLES DOME FANS'SHOP」（球場敷地内では<span class="ltr">2</span>店目の常設公式グッズショップ）にリニューアル。楽天の公式戦開催日には、試合開始の<span class="ltr">3</span>時間前から営業を始めている<ref name="QR" />。

ただし、NPBでは新型コロナウイルス感染拡大への防止策として2020年のレギュラーシーズン開幕当初に（他球場を含めた）全ての公式戦を無観客で開催。当球場の楽天ホームゲームでは、<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">15</span>日（水曜日）の対西武戦から、'''1試合につき5,000名を上限'''に観客の入場を再開した。チケットの販売対象は指定席のみで、デッキ・ラウンジ・イーグルスタワーのテラス・ビジター応援エリアを対象から除外。団体観戦用のチケットや、試合開催日の「スマイルグリコパーク」入園券も当面は販売しない。販売対象の指定席についても、新型コロナウイルス感染の抑制に向けた[[社会距離拡大戦略]]に沿って、座席の間隔を前後<span class="ltr">1</span>列・左右<span class="ltr">2</span>席分空けることを条件に定めている<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/202007090000410.html 楽天、今季初有観客一軍公式戦で村井県知事が始球式]（『[[日刊スポーツ]]』2020年<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">9</span>日付記事）</ref>。その一方で、日本政府が新型コロナウイルスへの感染拡大防止を目的に講じている有観客イベントへの入場人数制限を緩和したことに伴って、<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">9</span>日（金曜日）の対西武戦以降のホームゲームでは入場者数の上限を定員の半数（<span class="ltr">1</span>万5,600名）にまで引き上げた<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK20494_S0A920C2000000/ 楽天、観客上限<span class="ltr">1</span>万5600人に引き上げ　<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">9</span>日から]（『[[日本経済新聞]]』2020年<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">22</span>日付記事）</ref>。


楽天野球団では2020年レギュラーシーズンのホームゲームを当スタジアムだけで開催したものの、NPBがレギュラーシーズンの試合数を例年の143試合から120試合にまで減らしたことに伴い、ホームゲームを<span class="ltr">60</span>試合に限定。クライマックスシリーズはパ・リーグのみ優勝チームと<span class="ltr">2</span>位チームによる<span class="ltr">1</span>ステージ制で開催されたものの、楽天はレギュラーシーズンを<span class="ltr">4</span>位で終えた。結局、2020年主催試合での観客動員総数は<span class="ltr">23</span>万6,084人で、NPB全<span class="ltr">12</span>球団の本拠地球場としては最も少なかった<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASNDG43Q2ND8UTQP01B.html 楽天球団、赤字規模は「数十億円」　コロナ禍の経営変革]（『[[朝日新聞|朝日新聞デジタル]]』2020年<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">17</span>日付記事）</ref>。

==== 2021年（新型コロナウイルスへの感染拡大防止に向けた施策） ====
新型コロナウイルスへの感染拡大に歯止めがかからない状況でレギュラーシーズンを開幕したことを背景に、開幕直後で楽天戦が最初から組まれていなかった<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">22</span>日（木曜日）に、光触媒コーティングを全ての観客席（総数<span class="ltr">2</span>万6,115席）に施した。NPBの球団が本拠地に使用する屋外球場としては初めて（日本国内のプロスポーツの本拠地である屋外型スタジアムでは[[<span class="ltr">J</span>リーグ]]の[[ヴィッセル神戸]]がホームゲームに使用する[[ノエビアスタジアム神戸]]に次ぐ）試みで、光を浴びることによって抗菌効果を発揮する自己結合性酸化チタン分散液（ナノゾーンソリューション）をコーティングに使用。大型の散布型ドローンから、およそ300リットルもの溶液を噴射した。ナノゾーンソリューションは「<span class="ltr">1</span>回散布すれば上記の効果がおよそ<span class="ltr">2</span>年間持続する」とされているが、当球場では散布後も使用時の消毒作業を継続している<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/202104220000494.html 楽天本拠地で散布型ドローン用い光触媒コーティング　プロ野球界初の試み]（『[[日刊スポーツ]]』2021年<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">22</span>日付記事）</ref>。

さらに、<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">25</span>日（日曜日）以降の毎週日 - 火曜日には、楽天グループと仙台商工会議所が[[mRNA-1273|モデルナ社製新型コロナウイルスワクチン]]の職域接種会場を合同で運営。楽天グループが<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">31</span>日から神戸市民向け上記ワクチンの大規模接種会場をノエビアスタジアム神戸で運営していることを踏まえた施策で、楽天野球団を含めた北海道・東北地方のグループ会社の従業員とその家族、仙台市内の消防団員、公共サービスへの従事者（エッセンシャルワーカー）、仙台商工会議所会員の従業員とその家族などを対象に、<span class="ltr">1</span>日あたりおよそ5000回の接種を実施している<ref>{{Cite web|和書|date=2021-7-16|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202107160000894.html|title=楽天、仙台商工会議所と連携　本拠地で新型コロナワクチン職域接種合同実施|publisher=[[日刊スポーツ]]|accessdate=2021-7-16}}</ref>。

その一方で、オールスターゲーム第<span class="ltr">2</span>戦から日本代表強化合宿までの期間（<span class="ltr">7</span>月<span class="ltr">20</span>・<span class="ltr">21</span>日）には楽天野球団が当球場をチーム練習に使用していた。しかし、練習に<span class="ltr">2</span>日間とも参加していた[[赤見内銀次|銀次]]内野手が、<span class="ltr">21</span>日の夜に体調を崩したことをきっかけに、新型コロナウイルスへ感染していることが<span class="ltr">22</span>日の[[PCR検査]]で判明された。この事態を受けて、当球場では銀次が<span class="ltr">2</span>日間の練習で立ち寄った球場内施設（クラブハウスと選手ロッカー）を<span class="ltr">22</span>日に消毒した。銀次と共に練習へ参加していた総勢<span class="ltr">89</span>名の監督、コーチ、選手、スタッフには翌<span class="ltr">23</span>日のPCR検査で陰性が確認された<ref>{{Cite web|和書|date=2021-7-23|url=https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00003972.html|title=銀次選手 新型コロナウイルス感染症陽性判定について|publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス|accessdate=2021-7-24}}</ref>ものの、「銀次との[[濃厚接触]]の可能性が高い」とされる[[鈴木大地 (野球)|鈴木大地]]内野手には自主隔離措置が講じられた（銀次・鈴木ともレギュラーシーズンの再開後に実戦復帰）。

なお、宮城県内では新型コロナウイルスへの感染者数が<span class="ltr">8</span>月下旬をピークに減少へ転じている。楽天野球団では、日本政府・宮城県・仙台市・NPBと連携しながらイベントの収容人数制限の緩和に向けた技術実証をレギュラーシーズン終盤（<span class="ltr">10</span>月下旬）の楽天主催<span class="ltr">4</span>試合（いずれもパ・リーグの公式戦）で実施した。「[[ワクチン・検査パッケージ]]」（新型コロナウイルスワクチンの<span class="ltr">2</span>回接種済証明書かPCR検査での陰性証明書の提示を条件にイベント会場への入場を認める取り組み）の一環で、<span class="ltr">12</span>歳以上で上記の条件に該当する人々に対して、入場口や席種を限定したチケットを通常より安い価格で<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">13</span>日から販売している。ただし、該当する人が同伴・引率した児童（3 - 11歳）には上記の証明書の提示を求めず、個別の座席を使わない乳幼児（<span class="ltr">3</span>歳未満）には通常どおり入場券なしでの入場を認めていた<ref>{{Cite web|和書|date=2021-10-12|url=https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00004143.html|title=「ワクチン・検査パッケージ」によるチケット販売実施のお知らせ|publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス|accessdate=2021-10-12}}</ref>。

==== 2022年 ====
日本国内で「[[AKRacing]]」（[[中華人民共和国]]で開発された[[ゲーミングチェア]]）の販売を独占的に担うテックウインド株式会社がこの年から楽天野球団とスポンサー契約を結んだことを背景に、ダッグアウトのベンチシートを、一・三塁側とも2007年シーズン以来<span class="ltr">15</span>年振りに入れ替え。春先や秋季に寒気の下で試合を開催することへの配慮から、座面と腰部にヒーターを内蔵したダッグアウト専用設計の「AKRacing」ゲーミングチェアを、一・三塁側に<span class="ltr">40</span>席ずつ設置した<ref>{{Cite web|和書|date=2022-03-23|url=https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00004546.html|title=AKRacingゲーミングチェア<span class="ltr">80</span>席ダグアウトに導入。コラボレーションチェア 楽天イーグルスモデルも発売|publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス|accessdate=2022-05-05}}</ref>。

楽天対ソフトバンクのナイトゲームが開催された<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">23</span>日（火曜日）からは、日本国内でのスポーツ関連施設では初めて、[[Uber Eats]]を活用したサービスを楽天の一軍公式戦開催日に提供。スタジアムの場内・外周で営業している常設店（2022年シーズンは<span class="ltr">58</span>店）から<span class="ltr">40</span>以上の店舗を対象に、Uber Eatsに対応したアプリを内蔵したモバイル端末での商品の注文を、外周店舗では原則として試合開始の<span class="ltr">3</span>時間前、場内店舗では<span class="ltr">2</span>時間前から受け付けている。このサービスではアプリで注文した商品の配達を実施しないため、注文者が注文済みの商品を受け取るためには、注文先の店舗に設けられた「Uber Eatsピックアップ」へ営業時間内に出向くことが必要である。なお、場内が混雑している場合や、スタジアムの界隈が悪天候に見舞われている場合にはUber Eatsアプリからの注文を受け付けないことがある<ref>{{Cite web|和書|date=2022-08-23|url=https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00004981.html|title=楽天生命パーク宮城に Uber Eats が登場|publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス|accessdate=2022-08-23}}</ref>。

その一方で、楽天野球団が<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">23</span>日（水曜日・[[勤労感謝の日]]）に開催する「楽天イーグルスファン感謝祭2022」からは、[[PayPay]]（ソフトバンクが運営に関与している<span class="ltr">QR</span>コード決済サービス）をスタジアム場内・外周の売店に導入している。楽天・ソフトバンク両球団が共同で進める本拠地のキャッシュレス化施策に伴う措置で、ソフトバンクの本拠地である[[福岡PayPayドーム]]でも、この施策に沿って<span class="ltr">11</span>月下旬のファン感謝イベントから[[楽天ペイ]]を新たに導入。同じリーグへ加盟する複数球団の共同施策として、他球団の関連会社が運営する決済サービスを本拠地へ相互に導入することは、セ・リーグを含めてもNPB史上初めてである<ref>{{Cite web|和書|date=2022-11-17|url=https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00005152.html|title=楽天生命パーク宮城とPayPayドームへ「楽天ペイ」「PayPay」を相互導入決定!|publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス|accessdate=2022-11-17}}</ref>。
==== 2023年 ====
この年まで<span class="ltr">6</span>基の照明塔に[[HIDランプ]]を取り付けていたが、NPBシーズンの終了後に、消費電力が相対的に少ない[[LEDランプ]]への全面的な切り替え工事を実施。パ・リーグに加盟する球団が本拠地として使用している球場では最も遅く、グラウンド照明の全面LED化に踏み切った<ref>{{Cite news|和書|date=2023-12-31|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2023/12/31/kiji/20231230s00001173626000c.html|title=楽天本拠地照明　来季からLED化　パ・リーグ本拠地ではラスト|newspaper=スポーツニッポン|accessdate=2024-01-15}}</ref>。

=== 収容人員の推移 ===
<div style="float: right; text-align: center;">
{| class="wikitable" style="text-align: right;"
!年<span class="ltr">!</span>宮城球場の収容人員
|-
|[[2005年の日本プロ野球|2005年]]||20,000人
|-
|[[2006年の日本プロ野球|2006年]]||rowspan="2"|23,000人
|-
|[[2007年の日本プロ野球|2007年]]
|-
|[[2008年の日本プロ野球|2008年]]||22,187人
|-
|[[2009年の日本プロ野球|2009年]]||22,098人
|-
|[[2010年の日本プロ野球|2010年]]||rowspan="3"|23,026人
|-
|[[2011年の日本プロ野球|2011年]]
|-
|[[2012年の日本プロ野球|2012年]]
|-
|[[2013年の日本プロ野球|2013年]]||【{{0}}1月{{0}}{{0}} ～】 23,451人<br />【{{0}}4月{{0}}{{0}} ～】 23,466人<br />【{{0}}9月{{0}}{{0}} ～】 25,651人<br />【<span class="ltr">10</span>月{{0}}3日～】 25,868人<br />【<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">17</span>日～】 26,695人<br />【<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">26</span>日～】 28,120人
|-
|[[2014年の日本プロ野球|2014年]]||【{{0}}4月{{0}}1日～】 25,717人<br />【{{0}}8月<span class="ltr">30</span>日～】 28,736人
|-
|[[2015年の日本プロ野球|2015年]]||28,451人
|-
|[[2016年の日本プロ野球|2016年]]||rowspan="4"|30,508人
|-
|[[2017年の日本プロ野球|2017年]]
|-
|[[2018年の日本プロ野球|2018年]]
|-
|[[2019年の日本プロ野球|2019年]]
|}
</div>
; 宮城球場の収容人員の変遷<ref>[https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/3535.html 日本製紙クリネックススタジアム宮城「28,000増席計画のお知らせ」]（東北楽天ゴールデンイーグルス公式サイト 2013年<span class="ltr">10</span>月<span class="ltr">1</span>日）</ref><ref>[https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/5892.html 【楽天Koboスタジアム宮城】ボールパーク改修に関して]（東北楽天ゴールデンイーグルス公式サイト 2015年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">20</span>日）</ref>
{{legend-line|green solid 4px|宮城球場の収容人員（人）… 2005年以前は28,000人}}
{{legend-line|red solid 4px|2013年内の変遷}}
{{legend-line|blue solid 4px|2014年内の変遷}}
{{Line chart
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| points = yes
}}

== 野球以外での利用 ==
* 東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地になってからは、以下のように、野球以外のイベントやアトラクションにも数多く使われている<!--（'''正面広場'''、'''犬鷲の森'''、'''TOSINこどもの国'''、'''カラスの穴'''、'''プレイヤーズエリア'''=1塁側では選手出演のトークショーやアトラクションも行う）-->。
** 宮城球場正面の特設リングで、Mr.カラスコ出場の「レッスルフルスタMIYAGI」が開催されている。2005年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">24</span>日のvol.1では[[みちのくプロレス]]、同年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">29</span>日のvol.2では[[新日本プロレス]]が参戦した。2006年は、<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">17</span>日の「<span class="ltr">06</span>みちプロ編」、<span class="ltr">9</span>月<span class="ltr">6</span>日の「[[大阪プロレス]]編」が開催された。2007年は<span class="ltr">5</span>月にみちプロと対戦した。
** 2006年<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">23</span>日 - 9月<span class="ltr">6</span>日の約<span class="ltr">2</span>週間、[[SENDAI光のページェント]]実行委員会との共催で、「フルスタ宮城 光のページェント」との名称の[[イルミネーション]]イベントが行われた。
** 2006年と2007年に、[[仙台クラシックフェスティバル]]のプレイベントの<span class="ltr">1</span>つとして、「[[仙台市の音楽イベント#楽都仙台|楽都]]フルスタMIYAGI」の名称で[[クラシック音楽]]と[[ジャズ]]の演奏が外周スペースで行われた。
** 2007年の[[ゴールデンウィーク|GW]]には、「フルスタ宮城ヒーロー列伝」の名称で[[仮面ライダー電王]]と[[Yes!プリキュア<span class="ltr">5</span>]]のイベントショーが開催された。
** [[夏休み]]期間中には「フィールドお泊り会」と題し、地元企業の協賛の下、当該日のナイター、ないしは薄暮デーゲームの試合終了後、その観戦チケットを購入した<span class="ltr">6</span>歳以上<span class="ltr">15</span>歳以下の学童とその保護者（原則<span class="ltr">3</span>名までにつき<span class="ltr">1</span>人以上、4－6人の場合は<span class="ltr">2</span>人以上同伴）で希望者を招き、試合を終えた球場のフィールドで[[キャンプファイヤー]]や[[ラジオ体操]]、ベースランニング、キャッチボールなどのイベントを展開する企画が行われている<ref>[http://www.rakuteneagles.jp/news/detail/5429.html 夏スタ<span class="ltr">!</span>恒例のコボスタ宮城フィールドお泊り会開催<span class="ltr">!</span>今年はなんと<span class="ltr">2</span>回開催<span class="ltr">!</span>]</ref>。
** 2014年以降は[[SCRAP]]主催の体感型謎解きイベント『'''[[リアル脱出ゲーム]]'''』の野外ツアー仙台公演の会場として定着している。
*** 2014年<span class="ltr">6</span>月<span class="ltr">22</span>日『[[進撃の巨人]]×リアル脱出ゲーム』ある城塞都市からの脱出仙台公演。
*** 2015年<span class="ltr">11</span>月<span class="ltr">8</span>日『[[ONE PIECE]]×リアル脱出ゲーム』頂上戦争からの脱出仙台公演。
** 2021年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">11</span>日、[[東日本大震災]]の発生からこの日で<span class="ltr">10</span>年の節目を迎えたことを背景に、『[[音楽の日]]』（[[TBSテレビ]]の制作で東北放送などの[[TBSテレビ系列|系列局]]でも放送された特別番組）内で当スタジアムからの生中継を実施。2013年に解散していた[[FUNKY MONKEY BABYS]]が、「一夜限りの復活」と銘打って、「[[あとひとつ]]」「[[ありがとう (FUNKY MONKEY BABYSの曲)|ありがとう]]」「[[ちっぽけな勇気]]」の<span class="ltr">3</span>曲を披露した<ref name="nikkan20210311">{{Cite news|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202103110001064.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210311182506/https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202103110001064.html|title=ファンモン一夜限りの復活<span class="ltr">3</span>曲「東北の空の下で」|newspaper=日刊スポーツ|date=2021-03-11|accessdate=2021-03-11|archivedate=2021-03-11}}</ref>。
** 2022年には、野球のオフシーズンに当たる<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">3</span>日 - 6日に「STADIUM GOLF Supported by 楽天GORA」（楽天野球団の主催による有料抽選制・全<span class="ltr">9</span>ホールのスタジアムゴルフイベント）で当スタジアムを使用。期間中には、外野スタンドの座席の一部にティーイングエリア、フィールド上にグリーンを設置していた。日本のプロ野球の球団が本拠地に使用している野球場において、スタジアムゴルフのイベントが開催されることはこの期間が初めて<ref>{{Cite press release|和書|url=https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00005131.html|title=日本球界初<span class="ltr">!</span>楽天生命パーク宮城で「STADIUM GOLF Supported by 楽天GORA」を開催!|publisher=東北楽天ゴールデンイーグルス|date=2022-11-11|accessdate=2022-11-11}}</ref>。グラウンドの天然芝ではゴルフボールが転がりにくいことに加えて、ゴルフボールが止まりにくいシートをピンの付近に敷いていたため、楽天イーグルスの現役選手を代表してこのコースでのプレーを体験した[[辛島航]]（体験時点でのベストスコアは<span class="ltr">77</span>）は「仙台では（攻略が）おそらく一番難しいグリーン」との感想を述べていた<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202212080000156.html|title=【楽天】球界初！楽天生命パークがゴルフ場へ変身　辛島航「たぶん、仙台で一番難しいグリーン」|newspaper=日刊スポーツ|date=2022-12-08|accessdate=2022-12-08}}</ref>。

== 応援時の鳴り物等の持込規制 ==
楽天の新本拠地となったことにあたり、球団では当球場で開催するホームゲームで鳴り物入りの応援を大幅規制している。

具体的な制限事項は以下の通りである。
# [[トランペット]]、カネ、笛、拡声器、[[ラジオカセットレコーダー|ラジカセ]]の持込・使用は一切禁止。
# 太鼓はNPBが公認した[[私設応援団]]のみに許可され、「四方40cm、高さ30cm以内」のもの<span class="ltr">1</span>個のみ可。使用場所は指定席を除いた外野席に限られ、<span class="ltr">22</span>時以後は使用禁止。
# 応援旗もNPB公認の私設応援団のみ可。「縦2m、横3m以内」で枚数は制限なし。また[[幕|横断幕]]は原則として手持ちのみとし、フェンス、スタンド等の球場施設への取り付けは禁止（[[ガムテープ]]・[[養生テープ]]での貼り付け、ハトメを使った固定も不可。ただし許可を得た私設応援団に限り横断幕のスタンドへの貼り付けと応援大旗を振る行為は認めるが、外野中央通路、及び主管球団などが指定した個所のみに限る）。
# 過度の座席確保のためのレジャーシートなどのによる敷物使用禁止。
#:なお、[[ジェット風船]]については[[COVID-19]]の拡大防止を理由に禁止されるまでは特に規制されておらず、他球場に倣い応援の盛り上げに使われた。
#ただし、高校野球ではこの規則に関係なくブラスバンドによる応援がされる。

2018年シーズンから応援演出が変わり、鳴り物等の規制はそのままだが楽天攻撃時は球場スピーカーから録音されている応援歌をBGMとして流す方法に切り替えられた。

球場では保安強化・[[ごみ]]問題などを理由に、飲食物の持ち込みを禁止している。ただし球場敷地内でチェック済みで販売されているものに限り、持ち込みを許されている。入場時には警察など関係機関からの指導を受け手荷物検査も実施されており、飲料については、[[缶]]、[[瓶]]、[[ペットボトル]]、[[水筒]]、[[タンブラー]]、パック飲料の持ち込みは禁止されている。

ただし、外周に飲食可能スペースが多くあるため、このスペースを利用し持ち込み飲食物の飲食を済ませることは可能である。持ち込み禁止については、球団は施設管理者であり営業権も付与されているため、法規上は特に問題が無く現状に至る。

また気温が上昇しやすい夏季については、通常は持ち込みが禁止されている水筒は持ち込むことが認められているが、2017年まではゲートにて自分自身で中身を指定の紙コップ、または水筒に移し替えが必要となっていた。しかし2018年度からそれが廃止となり、移し替えコーナーは設置されなくなったので、各自で自宅や周辺の[[コンビニエンスストア]]、[[自動販売機]]から移し替える必要がある。これを受けて「健康上の理由による制限や、[[乳幼児]]の食事など、しかるべき理由があるときに限って、特定の飲食物の持参は可能です。当日エントランス係員までお問い合わせください」「ご自身の体調管理のため、800㎖以下であれば、お<span class="ltr">1</span>人様<span class="ltr">1</span>本のみ水筒を持参することは可能です」との説明がある。

== 宮城県におけるアマチュア野球の聖地 ==
宮城球場は1950年から、高校野球を中心に、宮城県内の中学野球・[[日本の大学野球|大学野球]]・[[社会人野球]]などの試合に使用されてきた。そのため、東北楽天ゴールデンイーグルスが本拠地に使用することが決まった2004年末の時点では、宮城球場におけるアマチュアの試合回数が減ることが関係者の間で危惧されていた。しかし、宮城県と楽天の協定の中で、
# 従来の料金でのアマチュア野球への貸し出し
# 楽天が野球振興に協力する
という条件で、楽天の本拠地となってからもアマチュア野球の試合数は一定数確保されることとなり、アマチュア野球の聖地としての地位の一部は守られている。

例をあげると「[[杜の都]]の[[早慶戦]]」と称される「[[宮城県仙台第二高等学校#定期戦|仙台一高二高硬式野球部定期戦]]」は[[1900年]]（[[明治]]33年）に始まったもので、大正から戦中の中断を経て戦後の[[1946年]]（[[昭和]]21年）に復活後、現在まで続いている。宮城県における伝統ある試合として約半世紀に渡って試合会場となってきたが、プロ野球参入後は日程の問題や「[[仙台国際ハーフマラソン]]」との競合で、宮城球場での開催が危ぶまれた。しかし、宮城県・楽天双方の努力と関係者の奔走により、日程の確保がなされた。

2005年の定期戦では試合中に両校による伝統ある熱烈な応援合戦がなされてきたが、改修された球場では[[応援団]]が乗る大舞台の設置が難しく楽天側から拒否されてしまった。宮城県、楽天双方で設置と現状復帰について何度か協議したが、物理的・時間的に法的基準を満たす設置と復旧が難しいことがクリア出来ず、最終的には、[[宮城県仙台第一高等学校|宮城県仙台第一高校]]はビールケースで作った小さな舞台を内野スタンドに作って応援し、[[宮城県仙台第二高等学校|宮城県仙台第二高校]]は舞台を設置せずに外野スタンドで応援する、という形式に変更することとなった。
しかしながら2008年以降は当時の堀江球場長のアドバイスや一高<span class="ltr">OB</span>の尽力により、日程や舞台設置方法の変更を行い問題点を克服した形で舞台が設置されている。

毎年楽天野球団が公表している報告書によると、2005年以降のアマチュアへの貸し出し日数は<span class="ltr">70</span>日以上となっており、2004年以前の貸し出し水準を大きく超えている状態が維持されている。これは、プロ野球が開催されるホーム球場ということで、設備の整った球場の人気が高まり利用希望が増えている為といえる。宮城県が意図していた、「管理占有許可を認めることでプロスポーツ企業に大幅な利用権限を与え、施設の向上を図り利用者の利便性を向上させる」という考えが成功したものとして、内外のスポーツ関係者から高く評価されている。このような状況から、楽天が主催試合開催日の完全キャッシュレス化に踏み切った2019年以降も、アマチュア野球の開催日に場内外の売店やカウンターを開ける場合には従来どおり現金の収受を認めている。

ただし、2005年から楽天主催試合の開催が優先されるようになったことを機に、宮城県内のアマチュア球界には県内での試合・練習に適した施設を確保する必要が生じた。[[2007年]]には市が宮城野区内で整備計画を進めている野球場が完成する予定だったので、竣工までの向こう<span class="ltr">2</span>シーズンの間、アマチュアが優先的に使用できる施設が必要となった。そこで市は[[2005年]]から、廃部された[[<span class="ltr">JT</span>硬式野球部]]が練習場として使用していた宮城野区の旧<span class="ltr">JT</span>球場（[[東仙台球場]]。[[日本たばこ産業]]仙台工場跡地内、硬式・軟式いずれも使用可）を<span class="ltr">2</span>年契約で<span class="ltr">JT</span>から借り上げ、市の管理施設として供用した。また泉区・泉パークタウンの明通球場は主に[[軟式野球]]で使用された。このうち、東仙台球場は[[2006年]]10月を最後に利用契約が終了したが、代わって2007年<span class="ltr">5</span>月、宮城野区に[[仙台市民球場]]が竣工して供用を開始し、アマチュア野球公式戦の一部が行われている他、一般利用向けにも供用されている。

== 交通機関 ==
[[ファイル:Miyaginohara-stn cropped.jpg|thumb|JR仙石線・宮城野原駅]]
{|class="sortable wikitable" style="font-size:90%"
|+鉄道によるアクセス（数字は正面入口までの概数）<span class="ltr">!</span>路線<span class="ltr">!</span>駅<span class="ltr">!</span>距離
![[徒歩所要時間|徒歩]]
!備考
|-
|rowspan="3"|[[東日本旅客鉄道|JR]][[仙石線]]
|'''[[宮城野原駅]]'''
|0.6&nbsp;km
|{{0}}7 分
|
|-
|[[榴ケ岡駅]]
|0.9&nbsp;km
|11 分
|[[宮城野通]]沿い
|-
|仙台駅
|1.7&nbsp;km
|21 分
|宮城野通沿い
|-
|JR[[新幹線]]・[[在来線]]
|[[仙台駅]]東口
|1.8&nbsp;km
|23 分
|宮城野通沿い
|-
|rowspan="3"|[[仙台市地下鉄]][[仙台市地下鉄東西線|東西線]]
|[[薬師堂駅 (宮城県)|薬師堂駅]]
|1.3&nbsp;km
|15 分
|
|-
|[[連坊駅]]
|1.4&nbsp;km
|17 分
|
|-
|[[宮城野通駅]]
|1.6&nbsp;km
|20 分
|宮城野通沿い
|-
|仙台市地下鉄[[仙台市地下鉄南北線|南北線]]・東西線
|仙台駅
|2.1&nbsp;km
|27 分
|
|}
楽天の主催試合時には、<span class="ltr">JR</span>仙石線・[[あおば通駅]] - [[小鶴新田駅]]間の区間運転列車が増発される場合がある。球場とJR[[仙台駅]]東口とを結ぶシャトルバスが運行されているが、<span class="ltr">JR</span>仙台駅東口までは[[宮城野通]]を徒歩で行く方が早い場合もある。宮城野通は球場から榴ケ岡駅付近まで若干上り気味であるが、ほぼ平坦かつ直線。沿道には試合観戦者を見込んで、飲食店やスポーツ用品店、他チームのレプリカユニフォームを販売する店等がある（仙台駅東口商工事業協同組合）。

'''バスによるアクセス'''
* [[仙台市営バス|仙台市バス]]（[[仙台市交通局]]） - 定期運行のバスは、仙台駅前から以下の便が利用可能。
**50番のりば（[[三菱UFJ銀行]]仙台支店前・あおば通駅<span class="ltr">1</span>番出入口近辺・地下鉄仙台駅北<span class="ltr">4</span>番出入口近辺）より
*:「[[国立病院機構仙台医療センター|国立病院]]経由・小鶴新田駅・[[仙台市交通局東仙台営業所|東仙台営業所]]行き」乗車・「宮城野原総合運動場前」下車。大人180円・小児<span class="ltr">90</span>円。
** 5番のりば（仙台駅西口バスプール）より
*:「卸町二丁目経由・志波町・[[仙台市交通局霞の目営業所|霞の目営業所]]行き」乗車・「宮城野三丁目・[[聖和学園高等学校|聖和学園前]]」下車。大人180円・小児<span class="ltr">90</span>円
* 楽天の主催試合時には、仙台市交通局のシャトルバスが運行される。
** [[仙台駅のバス乗り場#仙台駅東口|仙台駅東口バスプール]]（<span class="ltr">76</span>番のりば）発着便
:: 行き - 試合開始<span class="ltr">2</span>時間前より試合開始後<span class="ltr">30</span>分まで<span class="ltr">5</span>～<span class="ltr">10</span>分間隔で運行。
:: 帰り - 8回裏開始時～試合終了<span class="ltr">45</span>分後まで随時運行。
::: いずれも運賃は大人100円・小児<span class="ltr">50</span>円。
* [[ミヤコーバス]] - 石巻方面から[[仙台 - 石巻線]]が利用可能。
** 「宮城球場入口・聖和学園前」（仙台市バス「宮城野三丁目・聖和学園前」と同位置）で乗降車。
:: 石巻から仙台行きは降車のみ、石巻行きは乗車のみ取り扱い。
::: 仙台 - 石巻間の運賃は大人850円。
* また、[[ジェイアールバス東北|JRバス東北]]・[[会津乗合自動車|会津バス]]・[[福島交通]]の一部高速バスが当球場前まで延長運転される。なお、当球場始発の便は設定されない。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
<!--
=== 参考文献 ===
-->
== 関連項目 ==
* [[日本の野球場一覧]]
* [[仙台のスポーツ]]
* [[東北楽天ゴールデンイーグルス]]
* [[パシフィック・リーグ]]
* [[楽天]]
* [[SENDAI光のページェント]]（「フルスタ宮城 光のページェント」を共催）

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Rakuten Kobo Stadium Miyagi|楽天Koboスタジアム宮城}}
* [https://www.rakuteneagles.jp/stadium/ 楽天モバイルパーク宮城] - 東北楽天ゴールデンイーグルス
* [https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sports/miyaginohara.html 宮城野原公園総合運動場] - 宮城県
* {{Wikinews-inline|宮城球場、「<span class="ltr">K</span>スタ宮城」に}}

{{S-start}}
{{本拠地の変遷|[[東京スタジアム (野球場)|東京スタヂアム]]|1962.6|1972|[[千葉ロッテマリーンズ|ロッテオリオンズ]]|1973|1977|[[川崎球場]]|1978|1991}}
{{本拠地の変遷|n/a| | |[[東北楽天ゴールデンイーグルス]]|2004|現在|n/a| | }}
{{S-end}}
{{千葉ロッテマリーンズの本拠地}}
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[[Category:東北地方の野球場]]
[[Category:日本プロ野球の本拠地野球場]]
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[[Category:東北楽天ゴールデンイーグルス]]
[[Category:仙台市のスポーツ施設]]
[[Category:宮城野区の建築物]]
[[Category:1950年開設のスポーツ施設]]
[[Category:1950年竣工の日本の建築物]]
[[Category:日本野球聖地・名所150選]]