幻想交響曲
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クラシック音楽 |
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作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 ルネサンス - バロック 古典派 - ロマン派 近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 木管楽器 - 金管楽器 打楽器 - 声楽 |
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幻想交響曲(Symphonie Fantastique)はルイ=エクトル・ベルリオーズが作曲した交響曲。1830年作曲。同年、ベルリオーズ自身の指揮により初演。
初期のロマン派音楽の中でも、音楽史的にきわめて重要な位置にある。
﹁恋に深く絶望しアヘンを吸った豊かな想像力を備えたある芸術家﹂の物語を音楽で表現したもの。
曲の構成
感受性に富んだ若い芸術家が、恋の悩みから人生に絶望して服毒自殺を図る。しかし薬の量が足りなかったため死に至らず、重苦しい眠りの中で一連の奇怪な幻想を見る。その中に、恋人は1つの旋律となって現れる…… ●第一楽章 ﹁夢、情熱﹂ Rêveries,Passions 不安な心理状態にいる若い芸術家は、わけもなく、おぼろな憧れとか苦悩あるいは歓喜の興奮に襲われる。若い芸術家が恋人に逢わない前の不安と憧れである。 ●第二楽章 ﹁舞踏会﹂ Un bal 賑やかな舞踏会のざわめきの中で、若い芸術家はふたたび恋人に巡り会う。﹁固定概念﹂の旋律が随所に現れ、最後はテンポの速い流麗なメロディーと共に華やかに終わる。交響曲ではじめて﹁ワルツ﹂を用いた楽章でもある。 ●第三楽章 ﹁野の風景﹂ Scène aux champs ある夏の夕べ、若い芸術家は野で交互に牧歌を吹いている2人の羊飼いの笛の音を聞いている。静かな田園風景の中で羊飼いの二重奏を聞いていると、若い芸術家にも心の平和が訪れる。 無限の静寂の中に身を沈めているうちに、再び不安がよぎる。 ﹁もしも、彼女に見捨てられたら……﹂1人の羊飼いがまた笛を吹く。もう1人は、もはや答えない。 日没。遠雷。孤愁。静寂。 ●第四楽章 ﹁断頭台への行進﹂ Marche au supplice 若い芸術家は夢の中で恋人を殺して死刑を宣告され、断頭台へ引かれていく。その行列に伴う行進曲は、ときに暗くて荒々しいかと思うと、今度は明るく陽気になったりする。激しい発作の後で、行進曲の歩みは陰気さを加え規則的になる。死の恐怖を打ち破る愛の回想ともいうべき”固定観念”が一瞬現れる。 ●第五楽章 ﹁サバトの夜の夢﹂(﹁ワルプルギスの夜の夢﹂と訳される事もある) Songe d'une nuit du Sabbat-Ronde du Sabbat 若い芸術家は魔女の饗宴に参加している幻覚に襲われる。魔女達は様々な恐ろしい化け物を集めて、若い芸術家の埋葬に立ち会っているのだ。奇怪な音、溜め息、ケタケタ笑う声、遠くの呼び声。 ”固定観念”の旋律が聞こえてくるが、もはやそれは気品とつつしみを失い、グロテスクな悪魔の旋律に歪められている。地獄の饗宴は最高潮になる。”怒りの日”が鳴り響く。魔女たちの輪舞。そして両者が一緒に奏される…… 全曲を通して、ハリエット・スミッソン︵アイルランドの女優。ベルリオーズが恋に落ちた人物で、後に結婚した。︶への愛をあらわす旋律が何度も現れる。 この旋律は、曲の中での彼女の登場の仕方によって変化している。たとえば、第一楽章では、曲の主人公となる人物が彼女を想っている場面で現れ、また牧歌的であるのに対して、終楽章では、魔女が主人公の死を告げに来るとき?に彼女を見るときにあらわれる。そして旋律は速く、﹁やかましくくだらない踊り?﹂になって、またキーキーとしたE♭管クラリネットで演奏される。 ベルリオーズはこの繰り返される旋律を﹁固定観念﹂(idée fixe)と呼んだ。これはワーグナーが後に用いたライトモチーフ︵示導動機︶(Leitmotif)と同じである。純粋な管弦楽作品で、この技法をこれほどまで使ったのは幻想交響曲が初めてであろうが、ウェーバーは、それ以前から彼のオペラ作品の中で、人物や物を表現するときに同じ動機の繰り返しを用いていた。 またオーケストレーションも、コーラングレ、E♭管クラリネット、コルネット、オフィクレイド、複数のハープ、鐘の交響曲への導入、コル・レーニョ奏法の使用、コーラングレと舞台裏のオーボエの対話、4台のティンパニによる雷鳴の表現先進的だったといえる。 レナード・バーンスタインは、この交響曲を、音楽の初の幻想世界への冒険だとした。 これは、この交響曲が幻覚的、幻想的な性質があり、またこの交響曲は、少なくとも少しは、ベルリオーズがアヘンを吸った状態で作曲されたという歴史があることなどによる。 なお、第5楽章ではグレゴリオ聖歌﹃怒りの日﹄(Dies Irae)が主題に用いられている。楽器編成
- ピッコロ(フルート2番奏者持ち替え)
- フルート(2)
- オーボエ(2)
- コーラングレ(オーボエ2番奏者持ち替え)
- クラリネット(2)
- 小クラリネット(E♭管)(クラリネット1番奏者持ち替え)
- ファゴット(4)
- ホルン(4)
- トランペット(2)
- (ピストン付き)コルネット(2)
- アルト・トロンボーン
- テナー・トロンボーン(2)
- オフィクレイド(2, 現在はテューバで演奏)
- ティンパニ(4)
- シンバル
- 大太鼓
- 小太鼓
- 鐘
- ハープ(少なくとも4)
- ヴァイオリン(2パート15人ずつ)
- ヴィオラ(10人)
- チェロ(11人)
- コントラバス(9人)
関連項目
外部リンク
- [1] ベルリオーズ「幻想交響曲」概要