「琉球祖語」の版間の差分

削除された内容追加された内容

インライン

2018年8月19日 (日) 13:56時点における版

琉球祖語︵りゅうきゅうそご︶とは、日琉祖語が日本語派と琉球語派に分かれた時の琉球側の言語。

分岐年代

奈良時代以前に分岐したとの説と、奈良時代以降の分岐であるとの説がある。トマ・ペラードは、琉球語派と日本語派の相違点がさほどないことや,琉球祖語の保存音素から3世紀の弥生時代末期から4世紀 - 7世紀の古墳時代に分岐したのではないかとしている^[1]。

音韻

語彙

日琉祖語との対応

NCの変化

日琉祖語の単語には、語中に*-nk-, *-np-, *nt-, *-ns-を含むものがある(NC)。十五世紀の中国語と朝鮮語の当時の資料ではそれぞれŋg, mb, nd, nzとして音写されているが,若干の例外が存在するため、 -NC[+voice]- > -C[+voice]- という変化は15世紀の段階ですでに始まっていたものと考えられている^[2]

母音

日琉祖語の母音*e, *oが保存されていたとみられている。^[3]^[4]

日琉祖語の*e, *oの対応
現代日本語	日琉祖語	琉球祖語	上代日本語
ニンニク	*peru	*peru	pi₁ru
昼	*piru	*piru	pi₁ru
薬	*kusori	*kusori	kusuri
臼	*{u\|o}su	*{u\|o}su	usu
馬	*uma	*uma	uma
海	*omi	*omi	umi₁

脚注

^ “日琉祖語の分岐年代”. 2018年8月19日閲覧。
^ アレクサンダー・ヴォヴィン (2012年8月7日). 琉球祖語の語中における有声子音の再建について
^ “日琉祖語の分岐年代”. 2018年8月19日閲覧。
^ トマ・ペラード. Ryukyuan and the reconstruction of proto-Japanese-Ryukyuan

@@ 3行目: / 3行目: @@
 | Wikify = 2018年8月
 }}
-琉球祖語とは,[[日本祖語|日琉祖語]]が日本語派と[[琉球語派]]に分かれた時の琉球側の言語。
+'''琉球祖語'''（りゅうきゅうそご）とは、[[日本祖語|日琉祖語]]が[[日本語]]派と[[琉球語派]]に分かれた時の琉球側の言語。
 == 分岐年代 ==
-[[奈良時代]]以前に分岐したとの説と,奈良時代以降の分岐であるとの説がある。
+[[奈良時代]]以前に分岐したとの説と、奈良時代以降の分岐であるとの説がある。
-[[トマ・ペラード]]は,琉球語派と日本語派の相違点がさほどないことや,琉球祖語の保存音素から[[3世紀|三世紀]]の[[弥生時代]]末期から[[4世紀|四世紀]]～[[7世紀|七世紀]]の[[古墳時代]]に分岐したのではないかとしている。<ref>{{Cite web|url=http://kikigengo.jp/nishihara/lib/exe/fetch.php?media=library:references:rkoj-pellard.pdf|title=日琉祖語の分岐年代|accessdate=平成卅年八月十九日|publisher=}}</ref>
+[[トマ・ペラード]]は、琉球語派と日本語派の相違点がさほどないことや,琉球祖語の保存音素から[[3世紀]]の[[弥生時代]]末期から[[4世紀]] - [[7世紀]]の[[古墳時代]]に分岐したのではないかとしている<ref>{{Cite web|url=http://kikigengo.jp/nishihara/lib/exe/fetch.php?media=library:references:rkoj-pellard.pdf|title=日琉祖語の分岐年代|accessdate=2018-08-19|publisher=}}</ref>。
 == 音韻 ==
@@ 17行目: / 17行目: @@
 === NCの変化 ===
-日琉祖語の[[単語]]には,語中に*-nk-, *-np-, *nt-, *-ns-を含むものが有る(NC)。十五世紀の[[中国語]]と[[朝鮮語]]の当時の資料ではそれぞれŋg, mb, nd, nzとして音写されているが,若干の例外が存在するため,
+日琉祖語の[[単語]]には、語中に*-nk-, *-np-, *nt-, *-ns-を含むものがある(NC)。十五世紀の[[中国語]]と[[朝鮮語]]の当時の資料ではそれぞれŋg, mb, nd, nzとして音写されているが,若干の例外が存在するため、
 -NC<small>[+voice]</small>- > -C<small>[+voice]</small>-
-という変化は[[15世紀|十五世紀]]の段階ですでに始まっていたものと考えられている。<ref>{{Cite book|author=アレクサンダー・ヴォヴィン|title=琉球祖語の語中における有声子音の再建について|date=２０１２年8月7日|year=|accessdate=平成三十年八月十九日|publisher=|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>
+という変化は[[15世紀]]の段階ですでに始まっていたものと考えられている<ref>{{Cite book|author=アレクサンダー・ヴォヴィン|title=琉球祖語の語中における有声子音の再建について|date=2012年8月7日|year=|accessdate=2018-08-19|publisher=|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>
 === 母音 ===
-[[日本祖語|日琉祖語]]の母音*e, *oが保存されていたとみられている。<ref>{{Cite web|url=http://kikigengo.jp/nishihara/lib/exe/fetch.php?media=library:references:rkoj-pellard.pdf|title=日琉祖語の分岐年代|accessdate=平成三十年八月十九日|publisher=}}</ref><ref>{{Cite book|author=トマ・ペラード|title=Ryukyuan and the reconstruction of proto-Japanese-Ryukyuan|date=|year=|accessdate=平成三十年八月十九日|publisher=|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>
+[[日本祖語|日琉祖語]]の母音*e, *oが保存されていたとみられている。<ref>{{Cite web|url=http://kikigengo.jp/nishihara/lib/exe/fetch.php?media=library:references:rkoj-pellard.pdf|title=日琉祖語の分岐年代|accessdate=2018-08-19|publisher=}}</ref><ref>{{Cite book|author=トマ・ペラード|title=Ryukyuan and the reconstruction of proto-Japanese-Ryukyuan|date=|year=|accessdate=2018-08-19|publisher=|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>
 {| class="wikitable"
@@ 63行目: / 63行目: @@
 |umi₁
 |}
+== 脚注 ==
+<references />
-== 関聯項目 ==
+== 関連項目 ==
-[[日本祖語|日琉祖語]]
+*[[日本祖語]]
+*[[日本語族]]
-[[日本語族]]
+*[[琉球諸語]]
-[[琉球諸語]]
 {{デフォルトソート:りゆうきうそこ}}
 [[Category:沖縄県の歴史]]
+[[Category:日本語の歴史]]