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琉球祖語

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琉球祖語とは,日琉祖語が日本語派と琉球語派に分かれた時の琉球側の言語。

分岐年代

奈良時代以前に分岐したとの説と,奈良時代以降の分岐であるとの説がある。

トマ・ペラードは,琉球語派と日本語派の相違点がさほどないことや,琉球祖語の保存音素から三世紀弥生時代末期から四世紀七世紀古墳時代に分岐したのではないかとしている。[1]

音韻

語彙

日琉祖語との対応

NCの変化

日琉祖語の単語には,語中に*-nk-, *-np-, *nt-, *-ns-を含むものが有る。十五世紀の中国語朝鮮語の当時の資料ではそれぞれŋg, mb, nd, nzとして音写されているが,若干の例外が存在するため,

-NC[+voice]- > -C[+voice]-

という変化は十五世紀の段階ですでに始まっていたものと考えられている。[2]

母音

日琉祖語の母音*e, *oが保存されていたとみられている。[3][4]

日琉祖語の*e, *oの対応
現代日本語 日琉祖語 琉球祖語 上代日本語
ニンニク *peru *peru pi₁ru
*piru *piru pi₁ru
*kusori *kusori kusuri
*{u|o}su *{u|o}su usu
*uma *uma uma
*omi *omi umi₁

関聯項目

日琉祖語

日本語族

琉球諸語

  1. ^ 日琉祖語の分岐年代”. 平成卅年八月十九日閲覧。
  2. ^ アレクサンダー・ヴォヴィン (2012年8月7日). 琉球祖語の語中における有声子音の再建について 
  3. ^ 日琉祖語の分岐年代”. 平成三十年八月十九日閲覧。
  4. ^ トマ・ペラード. Ryukyuan and the reconstruction of proto-Japanese-Ryukyuan