出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
胞状奇胎(ほうじょうきたい、英Hydatidiform mole)とは、染色体異常により異常増殖を認める病的な妊卵のこと。
| ウィキペディアは医学的助言を提供しません。 免責事項もお読みください。 |
名称
英語の﹁hydatidiform﹂はギリシャ語でぶどうの房状を意味し、﹁mole﹂はラテン語の﹁mola﹂から由来し、石臼を意味している。
種類
形態
●全胞状奇胎︵complete hydatidiform mole︶
多くは父方精子由来の有核発生で、46xxの2倍体を形成している。
子宮腔内全体にぶどうの房状の絨毛の異常増殖が認められる。
●部分胞状奇胎︵Partial hydatidiform mole︶
69xxy・69xxx・69xyy等の3倍体を形成している。
子宮腔内にぶどうの房状の絨毛の異常増殖が認められる。
進展
●非侵入奇胎︵非侵入全胞状奇胎/非侵入部分胞状奇胎︶
●侵入奇胎︵侵入全胞状奇胎/侵入部分胞状奇胎︶
臨床像
●画像検査
子宮腔内に粒状の構造が認められる。
●血液検査
hCGの異常高値
治療
一般に以下を執り行う。
●子宮内容除去術
子宮内容を完全に除去する。通常2度施行し残存がないようにする。
●hCG値の観察
手術施行の後はhCG値の測定を定期的に行うことで経過を見る。順調に経過すればhCG値も順調に低下傾向を示していく。一般に施行後5、8、12、20週まで経過推移を見守る。
hCG低下を認めない、または増加傾向に転じた場合は絨毛癌への進展も考慮し子宮全摘出術または抗癌剤の施行を行う。
予後
一般的に治療経過がよければ予後良好であり、次回妊娠も可能である。
ごくわずかに一部に絨毛癌へと進展する。