染色体
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染色体の定義[編集]
歴史的背景から、染色体という語には複数の定義がある。 (一)原義では、細胞分裂期に観察される棒状の構造体を指す。染色体の形態として一般的に認識されている構造は、この分裂期のものである︵図1︶。 (二)広義では、形態や細胞周期に関わらず、真核細胞にあるゲノムDNAとタンパク質の巨大な複合体を指す場合がある。 (三)さらに広義には、細菌や古細菌あるいはミトコンドリアなどの細胞小器官が持つゲノムを含めて染色体と呼ぶこともある︵核様体の項参照︶。ウイルスのゲノムも染色体と呼ぶ場合がある。染色体の構造[編集]
染色体の各部位の呼称[編集]
染色体を構成するタンパク質因子[編集]
染色体にはヒストンの他にも多くのタンパク質因子が結合している。RNAポリメラーゼのような基本転写因子と呼ばれるタンパク質複合体や、特定の遺伝子座に結合しその遺伝子の発現を制御するもの、クロマチンの状態を維持または変化させるものなどがある。また、トポイソメラーゼと呼ばれる一群の酵素は、DNA超らせん状態を制御する。染色体の高次構造を制御する因子の中で代表的なものには、染色体凝縮に関わるコンデンシンや姉妹染色分体の接着に関与するコヒーシンがある。細胞周期における染色体の挙動[編集]
核型[編集]
生物種による染色体数の違い[編集]
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染色体研究の歴史[編集]
●1842年、ネーゲリ︵Carl Nageli︶が、染色体を発見。 ●1865年、メンデル︵Gregor Mendel︶がメンデルの法則を発表。 ●1869年、ミーシャー︵Friedrich Miescher︶が、ヌクレイン︵今日のDNA︶を発見。 ●1882年、フレミング (Walther Flemming︶が有糸分裂の詳細を記載[1]。 ●1888年、ヴァルデヤー ( H. W. G. von Waldeyer-Hartz︶が﹁染色体︵chromosome︶﹂を命名。 ●1900年、 ド・フリース︵Hugo de Vries︶、チェルマク︵Erich von Tschermak︶、コレンス︵Carl Correns︶によるメンデルの法則の再発見。 ●1902年、サットン︵Walter Sutton︶による染色体説の提唱。 ●1920年代、モーガン︵Thomas Hunt Morgan︶らによる染色体説の実証︵下記参照︶。 ●1944年、アベリー︵Oswald Avery︶らによる肺炎双球菌の形質転換実験[2]︵アベリー-マクロード-マッカーティの実験︶。 ●1952年、ハーシー︵Alfred Hershey︶らによるブレンダー実験︵ハーシーとチェイスの実験︶[3]。 ●1953年、ワトソン︵James Watson︶、クリック︵Francis Crick︶によるDNA二重らせんモデルの提唱[4]。 ●1956年、アーサー・コーンバーグ︵Arthur Kornberg︶によるDNAポリメラーゼの発見。 ●1974年、オリンズ︵A. Olins & D. Olins︶、コーンバーグ︵Roger Kornberg︶らによるヌクレオソームの発見[5][6]。 ●1978年、ブラックバーン︵Elizabeth Blackburn︶らによるテロメア配列の同定[7]。 ●1980年、カーボン︵John Carbon︶らによる機能的セントロメア配列の同定[8]。 ●1996年、アリス︵Charles David Allis︶らによるヒストンアセチル化酵素の同定[9]。シュライバー︵Stuart Schreiber︶らによるヒストン脱アセチル化酵素の同定[10]。 ●1997年、リッチモンド︵T. J. Richmond︶らによるヌクレオソームの高解像度結晶構造解析[11]。 ●2000年、ヒトゲノムドラフト配列の発表。
ハエ目昆虫のショウジョウバエやユスリカの幼虫のだ腺染色体︵唾液腺細胞中の染色体︶は通常の体細胞の染色体とは異なり、多糸染色体とよばれている。この染色体は例外的に、顕微鏡下でよく観察することができる。モーガンらによる初期の遺伝子研究では、主にショウジョウバエのだ腺染色体を材料として染色体上の遺伝子の位置が決定され、染色体地図が作成された。これらの成果は近年のホメオボックス遺伝子などショウジョウバエを材料とした遺伝子研究の基礎をなすものとなったばかりでなく、遺伝学全般の基礎をなしていると言える。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ Flemming, W (1882). Zellsubstantz, Kern und Zelltheilung. F.C.W. Vogel, Leipzig, Germany.
- ^ Avery OT, Macleod CM, McCarty M (1944). “Studies on the chemical nature of the substance inducing transformation of Pneumococcal types: induction of transformation of a deoxyribonucleic acid fraction isolated from Pneumococcus type III”. J. Exp. Med. 79: 137-158. PMID 19871359.
- ^ Hershey AD, Chase M (1952). “Independent functions of viral protein and nucleic acid in growth of bacteriophage”. J. Gen. Physiol. 36: 39-56. PMID 12981234.
- ^ Watson JD, Crick FH (1953). “Molecular structure of nucleic acids; a structure for deoxyribose nucleic acid”. Nature 171: 737-738. PMID 13054692.
- ^ Olins AL, Olins DE (1974). “Spheroid chromatin units (v bodies)”. Science 183: 330-332. PMID 4128918.
- ^ Kornberg RD (1974). “Chromatin structure: a repeating unit of histones and DNA”. Science 184: 868-871. PMID 4825889.
- ^ Blackburn EH, Gall JG (1978). “A tandemly repeated sequence at the termini of the extrachromosomal ribosomal RNA genes in Tetrahymena”. J. Mol. Biol. 120: 33-53. PMID 642006.
- ^ Clarke L, Carbon J (1980). “Isolation of a yeast centromere and construction of functional small circular chromosomes”. Nature 287: 504-509. PMID 6999364.
- ^ Brownell JE, Zhou J, Ranalli T, Kobayashi R, Edmondson DG, Roth SY, Allis CD (1996). “Tetrahymena histone acetyltransferase A: a homolog to yeast Gcn5p linking histone acetylation to gene activation”. Cell 84: 843-851. PMID 8601308.
- ^ Taunton J, Hassig CA, Schreiber SL (1996). “A mammalian histone deacetylase related to the yeast transcriptional regulator Rpd3p”. Science 272: 408-411. PMID 8602529.
- ^ Luger K, Mäder AW, Richmond RK, Sargent DF, Richmond TJ (1997). “Crystal structure of the nucleosome core particle at 2.8 A resolution”. Nature 389: 251-260. PMID 9305837.
参考図書[編集]
- B. Alberts他 著(中村桂子・松原謙一 監訳)『細胞の分子生物学 第6版』ニュートンプレス、2017年。
- B. Alberts他 著(中村桂子・松原謙一 監訳)『Essential 細胞生物学 第4版』南江堂、2016年。
- D. Morgan 著(中山敬一・啓子 翻訳)『カラー図説 細胞周期』メディカルサイエンスインターナショナル、2008年。
- A.T. Sumner 著(福井希一・真庭理香 翻訳)『クロモソーム:構造と機能』大阪公立大学共同出版会、2007年。
- 平岡泰・原口徳子 編『染色体と細胞核のダイナミクス』化学同人、2013年。
- 平野達也・胡桃坂仁志 編『実験医学増刊号「教科書を書き換えろ!染色体の新常識」』羊土社、2018年。
資料[編集]
ヒトの染色体の情報[編集]
染色体
番号 |
遺伝子数
(個) |
塩基対数
(bp) |
---|---|---|
1 | 2,610 | 279,000,000 |
2番染色体 (ヒト) | 1,748 | 251,000,000 |
3番染色体 (ヒト) | 1,381 | 221,000,000 |
4番染色体 (ヒト) | 1,024 | 197,000,000 |
5番染色体 (ヒト) | 1,190 | 198,000,000 |
6番染色体 (ヒト) | 1,394 | 176,000,000 |
7番染色体 (ヒト) | 1,378 | 163,000,000 |
8番染色体 (ヒト) | 927 | 148,000,000 |
9番染色体 (ヒト) | 1,076 | 140,000,000 |
10番染色体 (ヒト) | 983 | 143,000,000 |
11番染色体 (ヒト) | 1,692 | 148,000,000 |
12番染色体 (ヒト) | 1,268 | 142,000,000 |
13番染色体 (ヒト) | 496 | 118,000,000 |
14番染色体 (ヒト) | 1,173 | 107,000,000 |
15番染色体 (ヒト) | 906 | 100,000,000 |
16番染色体 (ヒト) | 1,032 | 104,000,000 |
17番染色体 (ヒト) | 1,394 | 88,000,000 |
18番染色体 (ヒト) | 400 | 86,000,000 |
19番染色体 (ヒト) | 1,592 | 72,000,000 |
20番染色体 (ヒト) | 710 | 66,000,000 |
21 | 337 | 45,000,000 |
22 | 701 | 48,000,000 |
X | 1,098 | 163,000,000 |
Y | 78 | 51,000,000 |
●桁数を揃える為に、首位が﹁0﹂であっても表示してある。
●月刊科学雑誌Newton2006年2月号﹃﹁性﹂を決めるカラクリXY染色体﹄による。︵複数の情報を合わせたものであり、中立的なため︶
●資料によって値が大きく変わる事もある。︵特に、X・Y染色体の遺伝子数︶
●日本語の資料はこちら。︵京都大学大学院 生命科学研究科 生命文化学研究室による。上の表とは異なる部分もある。︶
●最新の情報はNCBIのサイト︵英語︶で公開されている。