能勢朝次
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能勢 朝次︵のせ あさじ、1894年︵明治27年︶4月1日 - 1955年︵昭和30年︶2月25日︶は、日本の能楽研究者、国文学者。京都府北桑田郡山国村に生まれる。1923年︵大正12年︶京都帝国大学国文科卒業。1924年︵大正13年︶大谷大学教授となる。以降、京都帝国大学、東京高等師範学校、東京文理科大学、東京教育大学などで教職につき、1954年︵昭和29年︶奈良学芸大学学長となった。
中世、近世文学研究を専門とし、とくに能楽研究の分野では膨大な史料を分析的に使う手法と卓抜した創見で斯界に一時代を画した。主著は1938年︵昭和13年︶に上梓された﹃能楽源流考﹄︵岩波書店︶。﹁平安時代の猿楽﹂﹁鎌倉吉野時代の猿楽﹂の2篇と附篇の﹁田楽攷﹂からなり、能の発生から戦国末期までの能楽史を網羅する。以後、能楽史研究においては、本著の学説をいかに乗り越えるかが目標とさえ言われている[1]。この功績で1940年︵昭和15年︶学士院賞受賞。
他に岩波で﹃世阿弥十六部集評釈﹄上下巻、名著刊行会で﹃三冊子評釈﹄などの著書がある。﹃能勢朝次著作集﹄全10巻が1981~85年に思文閣出版で刊行された。
脚注
参考文献
- 西野春雄 羽田昶『能・狂言事典』 (1987年 平凡社) ISBN 9784582126082
- 能勢朝次『能楽源流考』(1938年 岩波書店)